16. ドラコの意志
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「まるで、エメリック・スイッチの再来です。貴女にはいつも驚かされてばかりいます———どうして私の寮生でなかったのでしょう。セブルスがいつも羨ましいですよ」
「そうでしょうとも」
フォーラにはスネイプの相槌が耳に入っていなかった。マクゴナガルの発言に何か記憶がくすぐられたのだ。一体何に———。
途端にフォーラは我に帰ったかのようにハッとして、思わずマクゴナガルに詰め寄っていた。
「先生、今何と仰いましたか!?」
「急にどうしたんですミス・ファントム。
私は貴女が私の寮生だったら良かったのにと言ったんですよ。エメリック・スイッチに似ているともね」
フォーラはその名前に確かに聞き覚えがあった。フォーラの父親の手記に記されていた名前———エメリア・スイッチという走り書きと非常に似ているのだ。とはいえ二人の名字が同じなのは分かったものの、フォーラはエメリック・スイッチの名を一体何処で知ったのか思い出せないでいた。
マクゴナガルはそんなフォーラがどこかピンと来ていない様子なのを見かねたのか、言葉を続けた。
「おや、もしかして忘れてしまったのですか?教科書で嫌という程彼の名前を見たでしょう」
「教科書?」
「ええ、『変身術入門』です。一・二年生の時に使用したでしょう?エメリック・スイッチはその著者ではありませんか。彼はよく論文を出していたのですが———ホグワーツの図書室にはあまり置いていなかったかもしれませんね。あまりにも難解過ぎるものが多くて。
彼とは何度か顔を合わせたことがあるのですが、勤勉で若くから優秀でした。
他にもそういった魔法使いや魔女は沢山いますが、勉学に取り組む姿勢や雰囲気、変身術のセンスなんかが、あなたによく似ています。」
フォーラはそれを聞いて『変身術入門』の表紙にその名前が印字されていたのをうすぼんやりと思い出した。フォーラは図書室でエメリア・スイッチの名———父親の手記に記されていた、杖だけで『高度な魔法薬の力を呪文で代用する』ためのヒントになるかもしれない名前———を定期的に調べていたが、その名前はどの書物にも記載がなかった。その際フォーラはエメリック・スイッチの名も見かけなかった。フォーラが『変身術入門』に改めて目を通していなかったこともあるし、そもそも彼の著書や彼に関する記述が図書室に少ないのであれば、その名を見かけなかったことも頷けるというものだ。
「そうでしたか。先生にお褒めいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます。」
フォーラはその場を取り繕っているのを隠しつつ、マクゴナガルに笑顔を向けた。
「それで、先生。今その名前を聞いて思い出したんですが———もしかして『エメリア・スイッチ』という人をご存じないでしょうか?
何処かで聞いたことがあって、教科書の著者と苗字が同じだったので、気になったんです。」
「エメリックの親族なのは間違いないでしょう。名前もよく似ていますし。ですが、あまり覚えがないので、残念ながら彼との関係性まではよく分かりません」
「そうでしたか……。」
フォーラはそう言った後、直ぐスネイプの方を見て声をかけた。
「あの、スネイプ先生。私、急用を思い出して———この度はお手間をおかけしてすみませんでした。
それにマクゴナガル先生も訪ねて来られたことですし、私はそろそろお暇します。」
エメリア・スイッチとエメリック・スイッチはどのような関係なのだろうか?『変身術入門』を読めば、どこかに著者について触れたページがあるかもしれない。フォーラは急いで寮に戻って教科書を読み返さねばと考えていた。しかしその思惑はスネイプにはお見通しだったようで、彼は杖を一振りすると、ドアに向かおうとするフォーラの襟首を後ろに引いて引き止めた。
「ングッ!ど……どうしました?先生。」
フォーラは急に詰まった首をさすりながら、彼を振り返った。
「……」
スネイプはフォーラを訝しげな視線で見やると口を開いた。
「まさかとは思うが、この後まだ無茶をしようだなどと考えているわけではあるまい」
「そ、そんなことありません。」
いきなり図星を突かれてフォーラは思わずバレバレなリアクションを取ってしまった。スネイプはそんな彼女の様子にため息をつき、呆れた声色で言った。
「兎に角、今日はもう何もするな。自分が倒れた理由をよく覚えておくことだ。分かったな」
「は、はい……。」
それからのフォーラはスリザリンの談話室に戻ったが、スネイプの言いつけ通り今日はもう何にも手を付けないことにした。折角助けてもらったのに、その温情を無下にすることは流石に出来なかったのだ。
フォーラが談話室に入ると、ルニーとパンジーが談話室の一角で話をしているところだった。彼女たちはフォーラが帰って来たことに気が付くと、安堵の表情で出迎えたのだった。
「フォーラ!やっと帰ってきた。今まで何処にいたの?いつもより随分遅かったじゃない」
ルニーの問いかけにフォーラは二人に謝罪した。
「ごめんなさい。実はお気に入りの場所で呪文の練習をしていたら、気づかない内に倒れてしまっていたみたいで。スネイプ先生が助けてくださったの」
その回答に二人は随分彼女を心配したが、フォーラは大丈夫だと伝えて彼女たちを何とか宥めたのだった。
その頃、ドラコはフォーラが談話室に入ってくるところをしっかりと捉えていたし、彼女の容態が良くなっていることに安堵していた。彼はスネイプの部屋を出た後に尋問官親衛隊の活動に戻ったが、その足取りは随分重かった。
「そうでしょうとも」
フォーラにはスネイプの相槌が耳に入っていなかった。マクゴナガルの発言に何か記憶がくすぐられたのだ。一体何に———。
途端にフォーラは我に帰ったかのようにハッとして、思わずマクゴナガルに詰め寄っていた。
「先生、今何と仰いましたか!?」
「急にどうしたんですミス・ファントム。
私は貴女が私の寮生だったら良かったのにと言ったんですよ。エメリック・スイッチに似ているともね」
フォーラはその名前に確かに聞き覚えがあった。フォーラの父親の手記に記されていた名前———エメリア・スイッチという走り書きと非常に似ているのだ。とはいえ二人の名字が同じなのは分かったものの、フォーラはエメリック・スイッチの名を一体何処で知ったのか思い出せないでいた。
マクゴナガルはそんなフォーラがどこかピンと来ていない様子なのを見かねたのか、言葉を続けた。
「おや、もしかして忘れてしまったのですか?教科書で嫌という程彼の名前を見たでしょう」
「教科書?」
「ええ、『変身術入門』です。一・二年生の時に使用したでしょう?エメリック・スイッチはその著者ではありませんか。彼はよく論文を出していたのですが———ホグワーツの図書室にはあまり置いていなかったかもしれませんね。あまりにも難解過ぎるものが多くて。
彼とは何度か顔を合わせたことがあるのですが、勤勉で若くから優秀でした。
他にもそういった魔法使いや魔女は沢山いますが、勉学に取り組む姿勢や雰囲気、変身術のセンスなんかが、あなたによく似ています。」
フォーラはそれを聞いて『変身術入門』の表紙にその名前が印字されていたのをうすぼんやりと思い出した。フォーラは図書室でエメリア・スイッチの名———父親の手記に記されていた、杖だけで『高度な魔法薬の力を呪文で代用する』ためのヒントになるかもしれない名前———を定期的に調べていたが、その名前はどの書物にも記載がなかった。その際フォーラはエメリック・スイッチの名も見かけなかった。フォーラが『変身術入門』に改めて目を通していなかったこともあるし、そもそも彼の著書や彼に関する記述が図書室に少ないのであれば、その名を見かけなかったことも頷けるというものだ。
「そうでしたか。先生にお褒めいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます。」
フォーラはその場を取り繕っているのを隠しつつ、マクゴナガルに笑顔を向けた。
「それで、先生。今その名前を聞いて思い出したんですが———もしかして『エメリア・スイッチ』という人をご存じないでしょうか?
何処かで聞いたことがあって、教科書の著者と苗字が同じだったので、気になったんです。」
「エメリックの親族なのは間違いないでしょう。名前もよく似ていますし。ですが、あまり覚えがないので、残念ながら彼との関係性まではよく分かりません」
「そうでしたか……。」
フォーラはそう言った後、直ぐスネイプの方を見て声をかけた。
「あの、スネイプ先生。私、急用を思い出して———この度はお手間をおかけしてすみませんでした。
それにマクゴナガル先生も訪ねて来られたことですし、私はそろそろお暇します。」
エメリア・スイッチとエメリック・スイッチはどのような関係なのだろうか?『変身術入門』を読めば、どこかに著者について触れたページがあるかもしれない。フォーラは急いで寮に戻って教科書を読み返さねばと考えていた。しかしその思惑はスネイプにはお見通しだったようで、彼は杖を一振りすると、ドアに向かおうとするフォーラの襟首を後ろに引いて引き止めた。
「ングッ!ど……どうしました?先生。」
フォーラは急に詰まった首をさすりながら、彼を振り返った。
「……」
スネイプはフォーラを訝しげな視線で見やると口を開いた。
「まさかとは思うが、この後まだ無茶をしようだなどと考えているわけではあるまい」
「そ、そんなことありません。」
いきなり図星を突かれてフォーラは思わずバレバレなリアクションを取ってしまった。スネイプはそんな彼女の様子にため息をつき、呆れた声色で言った。
「兎に角、今日はもう何もするな。自分が倒れた理由をよく覚えておくことだ。分かったな」
「は、はい……。」
それからのフォーラはスリザリンの談話室に戻ったが、スネイプの言いつけ通り今日はもう何にも手を付けないことにした。折角助けてもらったのに、その温情を無下にすることは流石に出来なかったのだ。
フォーラが談話室に入ると、ルニーとパンジーが談話室の一角で話をしているところだった。彼女たちはフォーラが帰って来たことに気が付くと、安堵の表情で出迎えたのだった。
「フォーラ!やっと帰ってきた。今まで何処にいたの?いつもより随分遅かったじゃない」
ルニーの問いかけにフォーラは二人に謝罪した。
「ごめんなさい。実はお気に入りの場所で呪文の練習をしていたら、気づかない内に倒れてしまっていたみたいで。スネイプ先生が助けてくださったの」
その回答に二人は随分彼女を心配したが、フォーラは大丈夫だと伝えて彼女たちを何とか宥めたのだった。
その頃、ドラコはフォーラが談話室に入ってくるところをしっかりと捉えていたし、彼女の容態が良くなっていることに安堵していた。彼はスネイプの部屋を出た後に尋問官親衛隊の活動に戻ったが、その足取りは随分重かった。