15. スパイ
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その日、ハーマイオニーはフォーラからのメッセージを羊皮紙から消去し、お礼の一文を筆記した。フォーラのポケットに入れた羊皮紙が変化した時に発する熱で彼女はグリフィンドール勢が伝達内容を把握したことを理解した。
彼女は即座にその内容を消してやり取りの証拠を隠滅した。
(分かってはいたけれど、私ったらまるでスパイね。
だけどそれでも構わないわ。皆に協力することでドラコへの接触が許されるのなら……。彼と今以上の関係になれた時、咎められずに済むのなら、幾らでも協力するわ)
それからのホグワーツは大きなニュースが幾つか流れた。一つはクリスマス休暇前まで不在だったハグリッドがホグワーツに戻って来たということだ。彼は体や顔の至る所に大きな傷や腫れを作っており、どうやら何か大変な状況にあったことは一目瞭然だった。しかしダンブルドアはそのことに一切触れなかった。
そして彼の帰還によってアンブリッジは漏れなくハグリッドの授業を査察したし、ホグワーツに居なかった間どうしていたのかしつこく質問した。アンブリッジはここ最近ホグワーツの教師陣が教師として適正かどうか、それぞれの授業に参加してチェックして回っていた。そして彼女がハグリッドの授業で付けた評価は最低ランクのものだった。
この一連の出来事はアンブリッジの横暴さを際立たせたのだが、フォーラが気になったのはどちらかというと、その査察の中でアンブリッジがお気に入りのスリザリン生は勿論、これまで声をあまりかけていなかった同僚の生徒にもインタビューをしていた点だった。
彼女のお気に入りの生徒はドラコやパンジーといった愛想がいいタイプで、今回目をつけていたのは二人とは真逆のセオドール・ノットやブレーズ・ザビ二といった面子だった。
フォーラは思いつく範囲でセオドールとブレーズの共通点を考えてみたが、あまり多くは見当たらなかった。
セオドールはこれまでも知っての通りやや一匹狼気質で群れないタイプだが、スリザリンのリーダー的存在であるドラコとは対等だ。一方のブレーズは軟派な性格で美人に目がないことで有名だ。ドラコとはどちらかというと敵対し合っているところが度々見受けられ、やや高慢な性格と言えるだろう。
あえてセオドールとブレーズの共通点を挙げるなら、心を開いていない先生、つまりアンブリッジとの接触についてはあまり積極的とは言えない。それから杖を使った魔法は二人共が大抵十分にこなすことが出来るというくらいだろうか。
アンブリッジが二人を新たなお気に入りにカウントしたのは間違いないとして、そのきっかけは何だったのだろう。ドラコが手引きした『何か』だろうか?アンブリッジは二人を例の『親衛隊』に誘い込もうとしているのだろうか?
さて、実はハグリッド関連のニュース以外にもう一つホグワーツで密かに生徒間で囁かれていることがある。その内容とはクリスマスが明けてからのフォーラが以前にも増して随分魅力に溢れているということだった。彼女の魅力を増強させた要因は彼女が身につけているナルシサスの花飾りだった。その花には彼女の魅力を引き立てる魔法がかけられており、彼女は城内で誰か知り合いに会うと度々その姿を褒められた。とはいえフォーラはその効果が面識の無い生徒ですら彼女を見かければ視線で追ってしまう程だとは知らなかった。
そしてフォーラが魅力的であることが城内の周知の事実となった頃、時を同じくして同僚のブレーズが頻繁にフォーラに話しかけてくるようになった。しかも偶に会話の端々から甘い言葉が飛んでくるではないか。パンジーが言うには「あの軟派男のことだから、見目麗しいフォーラを隣に置いて周りに自慢したいだけよ。魂胆が見えてる」とのことだ。
「しかもブレーズはドラコと対立してる節があるじゃない?最近フォーラがドラコと居ないからチャンスだと思ったに違いないわ」
フォーラはパンジーの話を聞いて、ブレーズの態度がドラコを焚きつけるきっかけになればいいのにとすら思った。しかしドラコにはそんな素振りも一切ない。彼はブレーズがフォーラに積極的に話しかける横を素通りするだけだった。
(ドラコには私が魅力的に映っているわけじゃないんだわ。この花は私のことを嫌っている人には効果がないのね。……ううん、ドラコは完全に私を嫌っているわけじゃない、そう思いたいけれど……。
それとも、ドラコがアマンダの気持ちにちゃんと向き合っているから、なのかしら)
そう考えると胸の奥がズキズキした。ナルシサスの花飾りを付けていればドラコに関心を示してもらえるかもしれないと期待していたのだが。本当にこの花はドラコには効果がないのだろうか。
しかしフォーラは落ち込んでいられなかった。そのような状態にあっても彼女は先日ドラコと話して以来、彼に話しかける機会があればクリスマス休暇前よりは声をかけるように努めた。とはいえ彼からはその大半が短い言葉しか返ってこなかったし、その状況に耐えうるだけの相当強い精神力が必要だった。いくらパーティーに彼が一瞬見せた優しい言葉で希望を持てたとはいえ、クリスマス休暇前の彼女は挨拶を交わすのも憚られる程ドラコに拒絶されていたのだ。彼女はそれを忘れられる程度の強靭さを持ち合わせていなかった。
加えて五年生達は再び学年末のふくろう試験に向けて猛勉強する日が始まった。宿題が山ほど出された上、フォーラは時間を作っては四階にある彼女の秘密の部屋で変身術の練習に勤しんだ。友人たちも日々課題の山に追われていたものの、フォーラがとりわけ忙しそうにしていることを心配していた。
そしてそんな中、フォーラを悩ませる出来事がとうとう起こってしまった。アンブリッジがスリザリン生のみで構成された『尋問官親衛隊』を密かに募集し始めたのだ。フォーラはパンジーが親衛隊の一員となることを承諾したという話でそのことを知った。
「先生を手伝うと、寮や自分の内申も融通を聞かせて貰えるみたいなの。先生がホグワーツを自分の想い通りにしたいっていうのは勿論分かってるけど、そうなったところで別にスリザリン生にとっては特に損がないでしょ?だったら美味しいおもいをする方がいいと思って引き受けたの」
彼女は即座にその内容を消してやり取りの証拠を隠滅した。
(分かってはいたけれど、私ったらまるでスパイね。
だけどそれでも構わないわ。皆に協力することでドラコへの接触が許されるのなら……。彼と今以上の関係になれた時、咎められずに済むのなら、幾らでも協力するわ)
それからのホグワーツは大きなニュースが幾つか流れた。一つはクリスマス休暇前まで不在だったハグリッドがホグワーツに戻って来たということだ。彼は体や顔の至る所に大きな傷や腫れを作っており、どうやら何か大変な状況にあったことは一目瞭然だった。しかしダンブルドアはそのことに一切触れなかった。
そして彼の帰還によってアンブリッジは漏れなくハグリッドの授業を査察したし、ホグワーツに居なかった間どうしていたのかしつこく質問した。アンブリッジはここ最近ホグワーツの教師陣が教師として適正かどうか、それぞれの授業に参加してチェックして回っていた。そして彼女がハグリッドの授業で付けた評価は最低ランクのものだった。
この一連の出来事はアンブリッジの横暴さを際立たせたのだが、フォーラが気になったのはどちらかというと、その査察の中でアンブリッジがお気に入りのスリザリン生は勿論、これまで声をあまりかけていなかった同僚の生徒にもインタビューをしていた点だった。
彼女のお気に入りの生徒はドラコやパンジーといった愛想がいいタイプで、今回目をつけていたのは二人とは真逆のセオドール・ノットやブレーズ・ザビ二といった面子だった。
フォーラは思いつく範囲でセオドールとブレーズの共通点を考えてみたが、あまり多くは見当たらなかった。
セオドールはこれまでも知っての通りやや一匹狼気質で群れないタイプだが、スリザリンのリーダー的存在であるドラコとは対等だ。一方のブレーズは軟派な性格で美人に目がないことで有名だ。ドラコとはどちらかというと敵対し合っているところが度々見受けられ、やや高慢な性格と言えるだろう。
あえてセオドールとブレーズの共通点を挙げるなら、心を開いていない先生、つまりアンブリッジとの接触についてはあまり積極的とは言えない。それから杖を使った魔法は二人共が大抵十分にこなすことが出来るというくらいだろうか。
アンブリッジが二人を新たなお気に入りにカウントしたのは間違いないとして、そのきっかけは何だったのだろう。ドラコが手引きした『何か』だろうか?アンブリッジは二人を例の『親衛隊』に誘い込もうとしているのだろうか?
さて、実はハグリッド関連のニュース以外にもう一つホグワーツで密かに生徒間で囁かれていることがある。その内容とはクリスマスが明けてからのフォーラが以前にも増して随分魅力に溢れているということだった。彼女の魅力を増強させた要因は彼女が身につけているナルシサスの花飾りだった。その花には彼女の魅力を引き立てる魔法がかけられており、彼女は城内で誰か知り合いに会うと度々その姿を褒められた。とはいえフォーラはその効果が面識の無い生徒ですら彼女を見かければ視線で追ってしまう程だとは知らなかった。
そしてフォーラが魅力的であることが城内の周知の事実となった頃、時を同じくして同僚のブレーズが頻繁にフォーラに話しかけてくるようになった。しかも偶に会話の端々から甘い言葉が飛んでくるではないか。パンジーが言うには「あの軟派男のことだから、見目麗しいフォーラを隣に置いて周りに自慢したいだけよ。魂胆が見えてる」とのことだ。
「しかもブレーズはドラコと対立してる節があるじゃない?最近フォーラがドラコと居ないからチャンスだと思ったに違いないわ」
フォーラはパンジーの話を聞いて、ブレーズの態度がドラコを焚きつけるきっかけになればいいのにとすら思った。しかしドラコにはそんな素振りも一切ない。彼はブレーズがフォーラに積極的に話しかける横を素通りするだけだった。
(ドラコには私が魅力的に映っているわけじゃないんだわ。この花は私のことを嫌っている人には効果がないのね。……ううん、ドラコは完全に私を嫌っているわけじゃない、そう思いたいけれど……。
それとも、ドラコがアマンダの気持ちにちゃんと向き合っているから、なのかしら)
そう考えると胸の奥がズキズキした。ナルシサスの花飾りを付けていればドラコに関心を示してもらえるかもしれないと期待していたのだが。本当にこの花はドラコには効果がないのだろうか。
しかしフォーラは落ち込んでいられなかった。そのような状態にあっても彼女は先日ドラコと話して以来、彼に話しかける機会があればクリスマス休暇前よりは声をかけるように努めた。とはいえ彼からはその大半が短い言葉しか返ってこなかったし、その状況に耐えうるだけの相当強い精神力が必要だった。いくらパーティーに彼が一瞬見せた優しい言葉で希望を持てたとはいえ、クリスマス休暇前の彼女は挨拶を交わすのも憚られる程ドラコに拒絶されていたのだ。彼女はそれを忘れられる程度の強靭さを持ち合わせていなかった。
加えて五年生達は再び学年末のふくろう試験に向けて猛勉強する日が始まった。宿題が山ほど出された上、フォーラは時間を作っては四階にある彼女の秘密の部屋で変身術の練習に勤しんだ。友人たちも日々課題の山に追われていたものの、フォーラがとりわけ忙しそうにしていることを心配していた。
そしてそんな中、フォーラを悩ませる出来事がとうとう起こってしまった。アンブリッジがスリザリン生のみで構成された『尋問官親衛隊』を密かに募集し始めたのだ。フォーラはパンジーが親衛隊の一員となることを承諾したという話でそのことを知った。
「先生を手伝うと、寮や自分の内申も融通を聞かせて貰えるみたいなの。先生がホグワーツを自分の想い通りにしたいっていうのは勿論分かってるけど、そうなったところで別にスリザリン生にとっては特に損がないでしょ?だったら美味しいおもいをする方がいいと思って引き受けたの」