15. スパイ
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「今だって、こうして話したくもない筈の私と話を続けてくれているわ。
だから、ほんの少し浮かれてしまっているかもしれないわね。ごめんなさい。」
フォーラがそう言って力なく笑うと、ドラコは声を少しだけ荒げた。
「ば……馬鹿じゃないのか、パーティーの時は来客の目があったからそうしただけで、君の為じゃなかった!あの時もそう言っただろう。
それに今は君がここにいる言い訳を聞いておく必要があると思ったから話しているだけだ。自惚れるんじゃない」
「そう……。
なら、たった今私のことを隠してくれたのはどうして?まるで、アンブリッジ先生の目に触れないようにしてくれていたみたいだった。」
「ふん、愚問だな。君の存在をわざわざ先生と一緒になって問い詰めるのは面倒だっただけだ。そんなことも分からないのか?」
「そうだったの……。」
ドラコはフォーラが自分の言葉でショックを受ければいいと思っていたため、彼女が視線を下げたことでその通りになったと思った。しかし彼女は顔を上げると笑顔を見せていた。
「助けてくれて、どうもありがとう。」
ドラコは彼女の発言に一瞬だけ呆気に取られたが、すぐに意識を引き戻した。
「君は……人の話を聞いていたのか?」
「ええ、勿論だわ。
だけど私、貴方の前では何を言われてもポジティブでいようって、そう決めたの。だから、私の解釈は変わらないわ。」
「……何かを企んでいるんじゃないだろうな」
ドラコにはフォーラが何を考えているか読めなかった。それだから訝しげな表情でそう尋ねたが、彼女から返ってきたのは寂しげな微笑みだった。
「ええ、間違いでは無いのかもしれない。」
「どういうことだ?」
フォーラは一瞬躊躇いの表情を見せたが、しっかりとドラコの瞳を見た。
(もしドラコが今の恋人と別れたら、その時は面と向かって彼に自分の気持ちを伝えよう)
「私ね、いつか時が来たら、貴方に伝えたいことがあるの。」
ドラコに向けられたその視線は切望や情熱、恵愛といった熱くひたむきな様子を物語っていた。ドラコはそれを感じていたし、内心は相当驚いていた。フォーラからこのような熱い視線———まるで愛の告白でもされるような———そんな表情をを向けられたことがあっただろうか?
彼女の視線は、かつて消灯後の夜空に煌めく数多の星の下で彼自身がフォーラに向けたそれと本当に似ていた。いや、どちらかといえば今の彼女の視線の方が、相手の好意を信じて疑わないという信念じみた自信を思わせた。
(そんな瞳で、僕を見るな。
時が来たら?いつのことだ?その時君は僕に何を伝えるつもりなんだ。
もし君が今更になってあの時僕が君に伝えた想いと同じ感情を僕に向けているのなら。そんなのはとっくに遅すぎる話だ)
「『その時』はきっと来ないんじゃないか」
ドラコはフォーラを視界から外すように後ろを振り向き、フォーラからは全く表情が見えなくなってしまった。そしてそのまま足早にその場を立ち去ってしまったのだった。
「……はぁ」
ドラコが見えなくなると、フォーラの口からため息が漏れた。
(大丈夫よフォーラ……。ドラコは相変わらず冷たかったけれど、でも。真意はどうあれ、ドラコが猫の姿の私をアンブリッジ先生から隠したのは事実だった。それにクリスマスパーティーの話をした時のドラコは、少なからず狼狽えていたように見えたわ)
ドラコとの会話を続けていれば、今よりは関係がマシになることも期待出来るかもしれない。
それよりも今は先程耳にしてしまったドラコとアンブリッジの会話の事を考えなくては。
(ドラコがアンブリッジ先生に何か提案して、先生がその手段で彼女の親衛隊を選んでいる最中というように聞こえたわ。それに、先生が親衛隊を使う目的は絶対にハリーがルール違反をしているところを見つけて捕まえるためでしょうね。)
フォーラはその日、フレッドとジョージが変化自在術をかけた羊皮紙に先程のことを綴った。するとその頃、ハーマイオニーが持つもう一方の羊皮紙が熱を帯びた。それに気が付いた彼女は急いでその内容をハリーやロンとその兄妹達に伝えた。
「フォーラったら、早速情報を掴んでいるのね。本当に凄いわ」
ジニーが感嘆の声を漏らすと兄弟達も頷いた。フレッドが続いた。
「ああ本当に。こんな話を持ってくるなんてきっと相当危険だったんじゃないか?
俺としてはアンブリッジの動向もさることながら、マルフォイがアンブリッジに何を手引きしているのか気になるな……」
「ハーマイオニー、何時アンブリッジがその親衛隊とやらを結成するかは分からないんだよね?」
ロンの質問にハーマイオニーは首を横に振った。
「そうなの。でもフォーラからもらった貴重な情報だもの。アンブリッジが取り巻きを結成する前に防御を固め直すきっかけが出来たわ。より一層慎重な行動を取るために今から計画を練り直さなきゃ」
ハーマイオニー達が頭を寄せ合ってああだこうだと今後のことやアンブリッジの非難話をしている中、ジニーは不安げな表情を浮かべていた。するとそれに気が付いたジョージが彼女に声をかけた。
「ジニー、そんな顔してどうしたんだ?」
「えっ、ああうん」
ジニーはジョージに話そうか躊躇ってから口を開いた。
「フォーラはいい情報を教えてくれたけど、その話をマルフォイから聞き付けた時は辛かったんじゃないかと思って。だって、自分の好きな人が敵対している相手に力添えしているのを直接知ってしまったみたいだったから」
「そうかもしれないな。けど、奴が敵側なのは最初からフォーラも分かってただろ?覚悟の上の筈さ。それでも奴を選んだのはフォーラなんだ。俺達がどうこう言う話じゃない」
「うん……」
ジニーはそれ以上言わなかった。ジョージもまた、振り向いてもらえる可能性の低いフォーラに想いを馳せ続けているということを、ジニーはよく分かっていたからだ。
(ジョージは今年度卒業してしまうけれど、それまでにフォーラへの気持ちに整理がつくといいのに)
だから、ほんの少し浮かれてしまっているかもしれないわね。ごめんなさい。」
フォーラがそう言って力なく笑うと、ドラコは声を少しだけ荒げた。
「ば……馬鹿じゃないのか、パーティーの時は来客の目があったからそうしただけで、君の為じゃなかった!あの時もそう言っただろう。
それに今は君がここにいる言い訳を聞いておく必要があると思ったから話しているだけだ。自惚れるんじゃない」
「そう……。
なら、たった今私のことを隠してくれたのはどうして?まるで、アンブリッジ先生の目に触れないようにしてくれていたみたいだった。」
「ふん、愚問だな。君の存在をわざわざ先生と一緒になって問い詰めるのは面倒だっただけだ。そんなことも分からないのか?」
「そうだったの……。」
ドラコはフォーラが自分の言葉でショックを受ければいいと思っていたため、彼女が視線を下げたことでその通りになったと思った。しかし彼女は顔を上げると笑顔を見せていた。
「助けてくれて、どうもありがとう。」
ドラコは彼女の発言に一瞬だけ呆気に取られたが、すぐに意識を引き戻した。
「君は……人の話を聞いていたのか?」
「ええ、勿論だわ。
だけど私、貴方の前では何を言われてもポジティブでいようって、そう決めたの。だから、私の解釈は変わらないわ。」
「……何かを企んでいるんじゃないだろうな」
ドラコにはフォーラが何を考えているか読めなかった。それだから訝しげな表情でそう尋ねたが、彼女から返ってきたのは寂しげな微笑みだった。
「ええ、間違いでは無いのかもしれない。」
「どういうことだ?」
フォーラは一瞬躊躇いの表情を見せたが、しっかりとドラコの瞳を見た。
(もしドラコが今の恋人と別れたら、その時は面と向かって彼に自分の気持ちを伝えよう)
「私ね、いつか時が来たら、貴方に伝えたいことがあるの。」
ドラコに向けられたその視線は切望や情熱、恵愛といった熱くひたむきな様子を物語っていた。ドラコはそれを感じていたし、内心は相当驚いていた。フォーラからこのような熱い視線———まるで愛の告白でもされるような———そんな表情をを向けられたことがあっただろうか?
彼女の視線は、かつて消灯後の夜空に煌めく数多の星の下で彼自身がフォーラに向けたそれと本当に似ていた。いや、どちらかといえば今の彼女の視線の方が、相手の好意を信じて疑わないという信念じみた自信を思わせた。
(そんな瞳で、僕を見るな。
時が来たら?いつのことだ?その時君は僕に何を伝えるつもりなんだ。
もし君が今更になってあの時僕が君に伝えた想いと同じ感情を僕に向けているのなら。そんなのはとっくに遅すぎる話だ)
「『その時』はきっと来ないんじゃないか」
ドラコはフォーラを視界から外すように後ろを振り向き、フォーラからは全く表情が見えなくなってしまった。そしてそのまま足早にその場を立ち去ってしまったのだった。
「……はぁ」
ドラコが見えなくなると、フォーラの口からため息が漏れた。
(大丈夫よフォーラ……。ドラコは相変わらず冷たかったけれど、でも。真意はどうあれ、ドラコが猫の姿の私をアンブリッジ先生から隠したのは事実だった。それにクリスマスパーティーの話をした時のドラコは、少なからず狼狽えていたように見えたわ)
ドラコとの会話を続けていれば、今よりは関係がマシになることも期待出来るかもしれない。
それよりも今は先程耳にしてしまったドラコとアンブリッジの会話の事を考えなくては。
(ドラコがアンブリッジ先生に何か提案して、先生がその手段で彼女の親衛隊を選んでいる最中というように聞こえたわ。それに、先生が親衛隊を使う目的は絶対にハリーがルール違反をしているところを見つけて捕まえるためでしょうね。)
フォーラはその日、フレッドとジョージが変化自在術をかけた羊皮紙に先程のことを綴った。するとその頃、ハーマイオニーが持つもう一方の羊皮紙が熱を帯びた。それに気が付いた彼女は急いでその内容をハリーやロンとその兄妹達に伝えた。
「フォーラったら、早速情報を掴んでいるのね。本当に凄いわ」
ジニーが感嘆の声を漏らすと兄弟達も頷いた。フレッドが続いた。
「ああ本当に。こんな話を持ってくるなんてきっと相当危険だったんじゃないか?
俺としてはアンブリッジの動向もさることながら、マルフォイがアンブリッジに何を手引きしているのか気になるな……」
「ハーマイオニー、何時アンブリッジがその親衛隊とやらを結成するかは分からないんだよね?」
ロンの質問にハーマイオニーは首を横に振った。
「そうなの。でもフォーラからもらった貴重な情報だもの。アンブリッジが取り巻きを結成する前に防御を固め直すきっかけが出来たわ。より一層慎重な行動を取るために今から計画を練り直さなきゃ」
ハーマイオニー達が頭を寄せ合ってああだこうだと今後のことやアンブリッジの非難話をしている中、ジニーは不安げな表情を浮かべていた。するとそれに気が付いたジョージが彼女に声をかけた。
「ジニー、そんな顔してどうしたんだ?」
「えっ、ああうん」
ジニーはジョージに話そうか躊躇ってから口を開いた。
「フォーラはいい情報を教えてくれたけど、その話をマルフォイから聞き付けた時は辛かったんじゃないかと思って。だって、自分の好きな人が敵対している相手に力添えしているのを直接知ってしまったみたいだったから」
「そうかもしれないな。けど、奴が敵側なのは最初からフォーラも分かってただろ?覚悟の上の筈さ。それでも奴を選んだのはフォーラなんだ。俺達がどうこう言う話じゃない」
「うん……」
ジニーはそれ以上言わなかった。ジョージもまた、振り向いてもらえる可能性の低いフォーラに想いを馳せ続けているということを、ジニーはよく分かっていたからだ。
(ジョージは今年度卒業してしまうけれど、それまでにフォーラへの気持ちに整理がつくといいのに)