14. ナルシサスの髪飾り
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ハーマイオニーが歓喜の声をあげた。
「ありがとうフォーラ!本当に感謝しているわ。そうと決まれば連絡手段を考えなきゃね!」
皆んなで様々な案を話し合う中で、候補に目くらまし術も挙がった。フォーラは全身を隠せるほどの目くらまし術を使えたものの、残念ながら姿を消せる時間はそう長くなかった。そのため何か知り得たことを例えばグリフィンドール寮まで行ってこっそり伝えるなんてことは現実的ではなかった。
協議の結果、遠隔で情報交換し合うのに最も良い案として二枚の羊皮紙に変幻自在術をかけることにした。片方が書いた文字がもう一方にも写し出されるという算段だ。変化した物が熱くなるのがこの術の特徴で、実はヴォルデモートは手下の死喰い人の身体に刻んだ闇の印にもこの術を施している。ヴォルデモートが自身の闇の印を押すことで呼び出された死喰い人は焼けるような痛みを伴うのだ。ハーマイオニーはそれをヒントに防衛術のメンバーに偽金貨に刻印することで練習日を伝えていた。
「でもさ、読んだ相手が文字を消せればもっといいのに。変幻自在術じゃマスターの羊皮紙しか書いたり消したりできないだろ?
それだといつ僕らがフォーラからの連絡を読んだかフォーラには分からないし、文字を残している間はバッチリ連絡の証拠が残ってることになるよ」
ロンの話を受けて、皆んな再度考え込んだ。
するとジニーがふと過去の記憶を呼び覚ました。
「そういえば、私がトム・リドルに取り憑かれた時に持っていた彼の日記帳。白紙のページに文字を書くと、その文字が消えた後に彼の返事が浮かび上がったの。
そんな風にお互い書いて消してを出来たらいいのに」
「それなら……お互いの羊皮紙どちらもマスターにしてみるのはどう?」
フォーラが提案した。
「上手くいけば、どちらも書いたり消したりして相手に情報を伝えられるかも。」
「いいね!そうなれば監視されてるふくろう便すら要らなくなるぞ!」
「どうかしら……。術が上書きされて上手くいかないかも。前例がないもの。」
「兎に角、やってみましょう。上手くいかなくても一先ず連絡手段はあるんだもの。
折角成人が二人もいるし……フレッド、ジョージ、二人同時に一枚ずつマスターに登録してみてもらえないかしら。」
「ああ、やってみるけど、上手く行くかな?」
フォーラの思いつきの提案から試したことだったが、これが不思議と上手くいった。片方の羊皮紙に文字を書くと、もう片方が熱く反応して同じ文字が同時に浮かび上がっていった。そして文字が浮かび上がっていた方の羊皮紙から文字を消失させると、今度は元の羊皮紙が熱くなって同様に文字が消えて真っ新になったのだ。
「うわあ、凄い!とっても便利!」
ジニーが驚きの声をあげた。
「こんな使い方があるなんて思いもしなかった。どうして出来ると思ったんだ?」
ジョージが嬉しそうにフォーラに尋ねると、彼女は軽く考え込んで照れたように笑った。
「うーん、……何となく、かしら……二人は双子だし、もしかしたら同じだけの魔力が同時に込められれば、出来ないことは無いかもしれないと思ったの。
何ヶ月効果が持続するかわからないけれど、一先ず上手くいって良かった。」
勘で提案したことが成功し、周囲のリアクションは当然呆気に取られた様子だった。
「なあジョージ……気付いたか?」
「ああフレッド。俺たちはとんでもない物を作っちまった」
二人して顔を見合わせると、双子はフォーラの方を見た。フレッドが口を開いた。
「なあフォーラ、これ量産してもいいか?」
「ちょっと、二人とも?お金儲けのためにフォーラは提案したわけじゃないのよ」
ハーマイオニーが片眉を吊り上げながら双子を見た。しかしジョージが異議を申し立てた。
「ハーマイオニー、何も金儲けの為じゃない。ふくろう便が監視されてる今、ホグワーツ中の生徒がこういうアイテムを望んでる。たとえ特定の相手だけとの連絡だとしても。
慈善事業の一環さ。な、相棒」
「ああ、その通り。ならば方法を確立した主に許可を得るのが妥当だ。勿論、商品がヒットした暁には御礼も弾むつもりだ。どうかなフォーラ」
双子の視線がフォーラに向いたことで、他のメンバーも彼女を見た。フォーラは想定外の方向に話が進んだことに戸惑いを隠せなかった。彼女はほんの少し恥ずかしそうに言った。
「私は方法を提案しただけで、実際に試したのは二人よ。それに、フレッドとジョージだから成し得たことだと思うから……。
私の許可なんて必要ないし、二人の言う慈善事業で喜ぶ人がきっと沢山いると思う。
私、二人の活動を応援するわ。」
そう言って微笑んだフォーラが眩しくて、フレッドもジョージもすぐには言葉が出てこなかった。それは意外にも双子の意見に批判的だったハーマイオニーを含め、他の皆んなも同様だった。
「あ……ああ!そう言ってもらえるとありがたいな。というわけで、ハーマイオニー?」
フレッドの促しにハーマイオニーは「もう分かったわよ!」と回答した。双子は満足気にニッコリ笑った。
「そうと決まれば善は急げだ。ジョージ、俺たちの部屋で詳細打ち合わせをしよう」
「ああ、そうしよう。フォーラ、本当にありがとう。君は俺たちの女神だな。こいつはきっとヒットするぞ!」
双子が慌ただしく出ていくと、ハーマイオニーはため息をついてフォーラに向き直った。
「まったくあの二人ったら慈善事業だなんて聞こえがいい事言っちゃって、仕方ないんだから」
「ハーマイオニー、二人の活動を許してくれてありがとう。」
フォーラの優しい表情とお礼の言葉にハーマイオニーは面食らったような顔になり、何故だか段々と湧き上がるフォーラへの照れの気持ちに加え、自身が彼女に絆されているのを感じ取った。ハーマイオニーはそれを誤魔化すように目線を逸らした。
「えっ……ま、まあ、確かにこの羊皮紙が学校中に普及すればアンブリッジを欺けるのは間違いないと思っただけよ。それに、折角フォーラの提案が上手くいったし……。とっ兎に角!今後何かあれば、この羊皮紙を使って連絡を取りましょう。読んだ方は消失呪文で文字を消して相手に伝えるようにしてーーー」