14. ナルシサスの髪飾り
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事情の飲み込みの早さにハリーやハーマイオニーが驚くのを見て、フォーラはホグワーツで偶然ジョージに会った際、彼がアンブリッジの禁止する防衛術の実技練習を計画している旨を教えてもらったと話した。
「あの時は、てっきりジョージやフレッドだけかと思っていたの。でも、ジョージと話した次の日にアンブリッジ先生から集団活動停止令が出たから、何となく参加者が数人いるのかしらとは思っていたの。」
「ごめんフォーラ、君を誘わなくて。でも、仲間外れにしようとしたとかそういうわけじゃなかったんだ」
ジョージが申し訳なさそうに続けた。
「フォーラに負担がかかると思ってさ……君の友達とかに不在を誤魔化すのも毎回大変だろうし、それに、もし君がスリザリンの誰かに跡をつけられたらっていうのも正直あった。練習場所がバレたら、俺たちだけじゃなくて君自身も危険だと思ったんだ」
珍しく気を落としているジョージをフォーラは優しく宥めた。
「大丈夫よジョージ。私の立場で考えても参加すべきではないと思うもの。確かに今は防衛術の実技を練習する機会がないから、とっても羨ましいけれど……。」
するとフレッドが挙手した。
「思ったんだけどさ。目くらまし術を使えるなら、フォーラが練習場所まで来てもスリザリン生の誰かに追跡されることもないんじゃないか?」
しかし彼の提案にフォーラは首を横に振った。
「ありがとう。確かにそのとおりだと思うけれど、私は遠慮しなくちゃ。それに……参加者はこの場のメンバーだけじゃなくて、きっと他の生徒もいるのよね?」
「うん。グリフィンドール生が多いけどね。正確に言うと、スリザリン以外の生徒だ」
ハリーが説明すると、それを聞いてフォーラは冷静に頷いた。
「だったら、尚のことスリザリン生の私は参加すべきではないわね。この場のみんな以外の参加者は不死鳥の騎士団のことを知らないでしょうし、どうしてスリザリン生の私がその秘密練習に参加するのか、きっと疑問に思う筈だもの。」フォーラが真剣な様子で続けた。
「それに私が自寮以外の友人が少ないことから考えても、その人たちとはあまり面識がない筈だから、逆に私としてもここにいるみんな以外の参加者を信用できないわ。防衛術の練習は秘密裏に行われるのでしょうけど、もし彼らに校内で仲良さげに声を掛けられでもしたら、突然どうしたのかと私の友人に怪しまれることにもなってしまうもの。」
彼女の冷静な言葉に周囲はどこか圧倒された雰囲気だった。フォーラはそれに気付くと、すぐに表情を和らげた。
「だけど、本当は誘ってもらえてとっても嬉しかったのよ。フレッド、ありがとう。……正直言うと、今は自主的に行っている変身術の練習で手一杯なこともあって、どちらにせよ参加は難しかったわ。だからみんなが気にする必要なんて全くないの。貴方たちの練習が上手くいくように心から祈っているわ。」
微笑むフォーラにハーマイオニーが謝罪した。
「フォーラ、ありがとう。だけどあなたはたった今、クリスマスまでに身の回りで起こった出来事を細かく私たちに話してくれたのに。あなたに練習の件を黙っているつもりだったのはあまりにもフェアじゃなかったわ。本当にごめんなさい」
「いいの。悪気がないのは分かるもの。それより、参加者がどれだけ沢山いるかは分からないけれど、部屋はどうしているの?しかもアンブリッジ先生に見つからないような所なんて。」
「それが、あったんだ」ハリーが続けた。
「ホグワーツのとある廊下に、目的を念じれば望みどおりの部屋が出てくる場所があるんだ。詳しい場所は教えられないけど、例えばその廊下で『防衛術を練習する大きな部屋が欲しい』と念じれば、何もかも必要な物が揃った大部屋の扉が現れる。僕たちはそこを『必要の部屋』って呼んでる」
「その部屋のことは多分、校内の殆ど誰も知らないと思うわ。普段、その部屋に続く扉はただの廊下の壁なの。使い終わると入り口が消えてしまうから、どんな部屋かを知らない限り全く同じ部屋に入ることはできないみたい。因みにダンブルドア先生も偶然一度だけその部屋に立ち入ったことがあるらしいわ。私たちとは違う望みを反映させた部屋にね」
ハリーとハーマイオニーの説明にフォーラは感嘆の声を漏らした。そんな素敵な部屋があるとは全く知らなかったのだ。
「凄いわ。それならアンブリッジ先生も場所を知り得ないわね。」
「ええ、間違いないわ。そういえば、フォーラの方は何処で変身術を練習しているの?あっ、でも私たちが場所を開示していないのに聞くのはお門違いよね。ごめんなさい」
「ううん、私の方はたいした所じゃないから大丈夫よ。ホグワーツの四階の空き部屋なの。一年生の時に三頭犬がいた部屋よ。そこでひたすら変身術を練習しているの。因みにスリザリンの友人たちには、私が何処で何をしているかは明かしていないわ。」
「フォーラは禁止されてる防衛術を練習しているわけじゃないだろう?そこまで隠れる必要もないんじゃない?」ロンの質問に、フォーラはほんの少し寂しげに答えた。
「確かに、いつ変身術の練習が知られても特に大きな問題ではないの。強いて問題を挙げるなら、空き部屋を無断使用していることくらいかしら。だけど……いつか敵になってしまうかもしれないクラスメイトには、なるべく手の内を隠しておきたいでしょう?私だって騎士団の役に立ちたいもの。」
フォーラは今現在、ドラコという幼馴染みが死喰い人と大きな関わりが無いことに安堵している。しかしそれと同時に、彼が残念ながらいつか完全な敵になってしまう可能性も心に留めていた。その時が来ないことを祈りながら、しかし準備をして向き合っておくのは相当つらいことだった。
するとフォーラはすぐに表情を切り替えて続けた。
「とりあえず今は私のことよりも、みんなの防衛術の活動が明るみに出ないように注意を払わなきゃ。アンブリッジ先生が認可のない集団活動を禁止する条例を出したタイミングと、貴方たちの活動開始のタイミングがあまりにも一致しすぎているんだもの。」
「まあ、今の作戦でいけば間違いなくあのババアの目は欺 けるさ。俺たち、曜日を指定せずに活動してるんだ。だから心配ご無用だぜ」
フレッドが陽気に言い終えた時、部屋の扉をノックする音が聞こえた。その場の全員がビクリと肩を跳ねさせて軽く目配せし合うと、この部屋の主であるハリーが「はい」と返事をした。
「あの時は、てっきりジョージやフレッドだけかと思っていたの。でも、ジョージと話した次の日にアンブリッジ先生から集団活動停止令が出たから、何となく参加者が数人いるのかしらとは思っていたの。」
「ごめんフォーラ、君を誘わなくて。でも、仲間外れにしようとしたとかそういうわけじゃなかったんだ」
ジョージが申し訳なさそうに続けた。
「フォーラに負担がかかると思ってさ……君の友達とかに不在を誤魔化すのも毎回大変だろうし、それに、もし君がスリザリンの誰かに跡をつけられたらっていうのも正直あった。練習場所がバレたら、俺たちだけじゃなくて君自身も危険だと思ったんだ」
珍しく気を落としているジョージをフォーラは優しく宥めた。
「大丈夫よジョージ。私の立場で考えても参加すべきではないと思うもの。確かに今は防衛術の実技を練習する機会がないから、とっても羨ましいけれど……。」
するとフレッドが挙手した。
「思ったんだけどさ。目くらまし術を使えるなら、フォーラが練習場所まで来てもスリザリン生の誰かに追跡されることもないんじゃないか?」
しかし彼の提案にフォーラは首を横に振った。
「ありがとう。確かにそのとおりだと思うけれど、私は遠慮しなくちゃ。それに……参加者はこの場のメンバーだけじゃなくて、きっと他の生徒もいるのよね?」
「うん。グリフィンドール生が多いけどね。正確に言うと、スリザリン以外の生徒だ」
ハリーが説明すると、それを聞いてフォーラは冷静に頷いた。
「だったら、尚のことスリザリン生の私は参加すべきではないわね。この場のみんな以外の参加者は不死鳥の騎士団のことを知らないでしょうし、どうしてスリザリン生の私がその秘密練習に参加するのか、きっと疑問に思う筈だもの。」フォーラが真剣な様子で続けた。
「それに私が自寮以外の友人が少ないことから考えても、その人たちとはあまり面識がない筈だから、逆に私としてもここにいるみんな以外の参加者を信用できないわ。防衛術の練習は秘密裏に行われるのでしょうけど、もし彼らに校内で仲良さげに声を掛けられでもしたら、突然どうしたのかと私の友人に怪しまれることにもなってしまうもの。」
彼女の冷静な言葉に周囲はどこか圧倒された雰囲気だった。フォーラはそれに気付くと、すぐに表情を和らげた。
「だけど、本当は誘ってもらえてとっても嬉しかったのよ。フレッド、ありがとう。……正直言うと、今は自主的に行っている変身術の練習で手一杯なこともあって、どちらにせよ参加は難しかったわ。だからみんなが気にする必要なんて全くないの。貴方たちの練習が上手くいくように心から祈っているわ。」
微笑むフォーラにハーマイオニーが謝罪した。
「フォーラ、ありがとう。だけどあなたはたった今、クリスマスまでに身の回りで起こった出来事を細かく私たちに話してくれたのに。あなたに練習の件を黙っているつもりだったのはあまりにもフェアじゃなかったわ。本当にごめんなさい」
「いいの。悪気がないのは分かるもの。それより、参加者がどれだけ沢山いるかは分からないけれど、部屋はどうしているの?しかもアンブリッジ先生に見つからないような所なんて。」
「それが、あったんだ」ハリーが続けた。
「ホグワーツのとある廊下に、目的を念じれば望みどおりの部屋が出てくる場所があるんだ。詳しい場所は教えられないけど、例えばその廊下で『防衛術を練習する大きな部屋が欲しい』と念じれば、何もかも必要な物が揃った大部屋の扉が現れる。僕たちはそこを『必要の部屋』って呼んでる」
「その部屋のことは多分、校内の殆ど誰も知らないと思うわ。普段、その部屋に続く扉はただの廊下の壁なの。使い終わると入り口が消えてしまうから、どんな部屋かを知らない限り全く同じ部屋に入ることはできないみたい。因みにダンブルドア先生も偶然一度だけその部屋に立ち入ったことがあるらしいわ。私たちとは違う望みを反映させた部屋にね」
ハリーとハーマイオニーの説明にフォーラは感嘆の声を漏らした。そんな素敵な部屋があるとは全く知らなかったのだ。
「凄いわ。それならアンブリッジ先生も場所を知り得ないわね。」
「ええ、間違いないわ。そういえば、フォーラの方は何処で変身術を練習しているの?あっ、でも私たちが場所を開示していないのに聞くのはお門違いよね。ごめんなさい」
「ううん、私の方はたいした所じゃないから大丈夫よ。ホグワーツの四階の空き部屋なの。一年生の時に三頭犬がいた部屋よ。そこでひたすら変身術を練習しているの。因みにスリザリンの友人たちには、私が何処で何をしているかは明かしていないわ。」
「フォーラは禁止されてる防衛術を練習しているわけじゃないだろう?そこまで隠れる必要もないんじゃない?」ロンの質問に、フォーラはほんの少し寂しげに答えた。
「確かに、いつ変身術の練習が知られても特に大きな問題ではないの。強いて問題を挙げるなら、空き部屋を無断使用していることくらいかしら。だけど……いつか敵になってしまうかもしれないクラスメイトには、なるべく手の内を隠しておきたいでしょう?私だって騎士団の役に立ちたいもの。」
フォーラは今現在、ドラコという幼馴染みが死喰い人と大きな関わりが無いことに安堵している。しかしそれと同時に、彼が残念ながらいつか完全な敵になってしまう可能性も心に留めていた。その時が来ないことを祈りながら、しかし準備をして向き合っておくのは相当つらいことだった。
するとフォーラはすぐに表情を切り替えて続けた。
「とりあえず今は私のことよりも、みんなの防衛術の活動が明るみに出ないように注意を払わなきゃ。アンブリッジ先生が認可のない集団活動を禁止する条例を出したタイミングと、貴方たちの活動開始のタイミングがあまりにも一致しすぎているんだもの。」
「まあ、今の作戦でいけば間違いなくあのババアの目は
フレッドが陽気に言い終えた時、部屋の扉をノックする音が聞こえた。その場の全員がビクリと肩を跳ねさせて軽く目配せし合うと、この部屋の主であるハリーが「はい」と返事をした。