14. ナルシサスの髪飾り
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「これ、ナルシサスの花なんです。ナルシッサさんのお名前の花だったので、こっそり魔法で贈ってくださったのかと思ったんです。」
「まあ。残念ながら私ではないのよ。だけど贈り主が誰にしろ、その人は貴女に随分恋焦がれているかも知れないわね」
「え……!?ど、どうしてそう思うのですか?」
ナルシッサはニコッと笑った。
「ナルシサスの花言葉を一度調べてみてごらんなさい。
それにしても、私がフォーラさんに花を贈るなら、もっと素敵な花言葉を贈るでしょうね」
「そうですか……。分かりました、ありがとうございます。」
この時フォーラはふとドラコの方を見た。彼はこちらを見てこそいたものの、軽く眉間に皺をよせるとすぐに興味がなさそうに視線を逸らしてしまった。花を贈ってくれたのは彼でもなさそうだ。嫌われている以前に、そもそも未成年の魔法使いは学校以外で魔法を使ってはいけないのだから。
パーティー最後に謎の出来事はあったものの、フォーラはほぼ全ての来客の見送りを終えた。邸に残ったのはルシウス、ノット氏、スネイプで、彼らは商談準備を行うために客間に通された。
その後、フォーラはスネイプの言いつけ通り就寝準備を行なった。父親が今頃ルシウスやノット氏、スネイプと共に何か重要な話をしている筈だ。恐らくその場に集まったメンバーにとっては、今この時間こそが今日の最重要事項なのかもしれない。
フォーラは彼らがどんな話をするのかは想像すら出来なかったし、それを知る権利も持ち合わせていなかった。それだから今日の彼女は自分のすべきことをーーードラコとの会話の機会を増やそうと試みた。彼からは変わらず拒絶されたままだったが、それでもフォーラはその拒絶にどこか違和感を覚えずにはいられなかった。
(ドラコとダンスを踊った時、基本的に彼は私のことを邪険にしていた。
だけど、私のドレスをどう思うかについて『似合っている』と答えてくれたわ。脚がもつれて転びそうになったところも助けてくれたし……後者については、彼が悪目立ちしたくなくて助けたと言っていたのだけど)
学校では優しい言葉や仕草の一つもなかった彼が、どうしてか今日だけは……ほんの一瞬だけ彼を隔てる壁が取れたような気がした。
(それを言うなら、セオドールだってそうだわ。普段の彼はいつも言葉少ないし、何を考えているのか掴めないところがあった。どちらかといえば、計算高いような印象の人。
だけど今日のセオドールとは、今までにないくらい距離が縮まった気がする。とっても友人想いだし、しかも親交の深くない私のことまで気遣ってくれていたわ。きっと、私が思っていたよりずっと根の優しい人だったのかもしれない。)
そんな意外な彼らの一面を見ることができたのが何故かは分からなかった。しかしマリアの仕立てたドレスを見に纏ったことで、間違いなく自分はいつもより素直に、そして大胆にドラコ達と接することができた。
(そういえば、パーティーの前にマリアは気になることを言っていたわ。)
『私の仕立てたドレスを着たお嬢様の前では、皆さんとっても素直になってしまうんです』
(なんて……まさかね。)
その言葉が本当か冗談かは分からなかったが、マリアが応援してくれたおかげで今日を乗り切れたのは間違いなかった。
その頃時を同じくして、ルシウスとシェード、ノット氏そしてスネイプが何やら話をしていた。
「ーーー今日は我々のために相談に乗ってもらってありがとう。有意義な時間だった。
時にシェード、君は知らないと思うが、ここ最近情勢は裏で大きく動いている。遅かれ早かれ君や君の勤め先には私の新しい事業の協力を仰ぐことになるだろう」
「そうなのか。うちの会社は何もそういった情報は掴んでいなさそうだ。いつでも、是非相談してくれ」
今日のルシウスは自身とヴォルデモートとの関係を明らかにはしなかったし、魔法薬に関するシェードへの具体的な依頼にも触れなかった。一先ずノット氏を交えた顔合わせといったような印象だ。
それから程なくして彼らは解散し、ようやくファントム家の長い一日が終わりを告げたのだった。
クリスマスである翌朝、フォーラが目を覚ますと彼女のベッド脇には友人達からのプレゼントが寄せられていた。フォーラはベッドから起き出して宛名を確認した。しかし彼女の予想通り、その中にドラコからの物は見当たらなかった。
(ドラコは私からのプレゼント、喜んでくれたかしら。)
この日フォーラは両親や邸の皆んなでゆっくりとした時を過ごした。彼女は両親に昨日の夜の会談について尋ねることはしなかった。自分がその情報を得たからといって、何か両親を手伝える力量があるわけでもない。それに今以上にフォーラや子供達が不死鳥の騎士団に関する情報を持つことは、騎士団にとってもその子供達にとってもリスクでしかないと分かっていた。
その代わり、フォーラは父親とは彼の手記について話をした。あの手記の内容は彼女の読み通り、シェードが如何に魔法薬を作らずに杖だけで同等の魔力を得られるか研究した痕跡だった。
「あの手記から少しでも今後の参考になるものがあればと思ってね。それでフォーラに託したんだ。
何、私の研究を引き継ごうなんて重荷に思わなくていい。本当にただの参考に渡しただけなんだから」
「そう……。だけど私、父様の研究にとっても興味があるのよ。全部目を通したの。
いつか、得意な変身術でそんなことが出来たら……そう思っているわ。」
「そうか、ありがとう。共感してくれて嬉しいよ。
私は変身術はあまり得意ではなかったからね。あまり多くの記録を残せていなくて申し訳ないな」
「ううん、大丈夫。私なりに、沢山試してみるわ。」
一方、母親にはナルシサスの花言葉について尋ねた。
「ナルシサスの花言葉ね……あったわ、ここに書いてある」
リプトニアが魔法植物などの本がずらりと並んだ本棚から一冊取り出し、パラパラとページをめくってフォーラに差し出した。
「ありがとう、母様。ええと、『尊敬』『報われぬ恋』?えっ……、尊敬はまだしも、報われぬ恋ってーーー」
「まあ。残念ながら私ではないのよ。だけど贈り主が誰にしろ、その人は貴女に随分恋焦がれているかも知れないわね」
「え……!?ど、どうしてそう思うのですか?」
ナルシッサはニコッと笑った。
「ナルシサスの花言葉を一度調べてみてごらんなさい。
それにしても、私がフォーラさんに花を贈るなら、もっと素敵な花言葉を贈るでしょうね」
「そうですか……。分かりました、ありがとうございます。」
この時フォーラはふとドラコの方を見た。彼はこちらを見てこそいたものの、軽く眉間に皺をよせるとすぐに興味がなさそうに視線を逸らしてしまった。花を贈ってくれたのは彼でもなさそうだ。嫌われている以前に、そもそも未成年の魔法使いは学校以外で魔法を使ってはいけないのだから。
パーティー最後に謎の出来事はあったものの、フォーラはほぼ全ての来客の見送りを終えた。邸に残ったのはルシウス、ノット氏、スネイプで、彼らは商談準備を行うために客間に通された。
その後、フォーラはスネイプの言いつけ通り就寝準備を行なった。父親が今頃ルシウスやノット氏、スネイプと共に何か重要な話をしている筈だ。恐らくその場に集まったメンバーにとっては、今この時間こそが今日の最重要事項なのかもしれない。
フォーラは彼らがどんな話をするのかは想像すら出来なかったし、それを知る権利も持ち合わせていなかった。それだから今日の彼女は自分のすべきことをーーードラコとの会話の機会を増やそうと試みた。彼からは変わらず拒絶されたままだったが、それでもフォーラはその拒絶にどこか違和感を覚えずにはいられなかった。
(ドラコとダンスを踊った時、基本的に彼は私のことを邪険にしていた。
だけど、私のドレスをどう思うかについて『似合っている』と答えてくれたわ。脚がもつれて転びそうになったところも助けてくれたし……後者については、彼が悪目立ちしたくなくて助けたと言っていたのだけど)
学校では優しい言葉や仕草の一つもなかった彼が、どうしてか今日だけは……ほんの一瞬だけ彼を隔てる壁が取れたような気がした。
(それを言うなら、セオドールだってそうだわ。普段の彼はいつも言葉少ないし、何を考えているのか掴めないところがあった。どちらかといえば、計算高いような印象の人。
だけど今日のセオドールとは、今までにないくらい距離が縮まった気がする。とっても友人想いだし、しかも親交の深くない私のことまで気遣ってくれていたわ。きっと、私が思っていたよりずっと根の優しい人だったのかもしれない。)
そんな意外な彼らの一面を見ることができたのが何故かは分からなかった。しかしマリアの仕立てたドレスを見に纏ったことで、間違いなく自分はいつもより素直に、そして大胆にドラコ達と接することができた。
(そういえば、パーティーの前にマリアは気になることを言っていたわ。)
『私の仕立てたドレスを着たお嬢様の前では、皆さんとっても素直になってしまうんです』
(なんて……まさかね。)
その言葉が本当か冗談かは分からなかったが、マリアが応援してくれたおかげで今日を乗り切れたのは間違いなかった。
その頃時を同じくして、ルシウスとシェード、ノット氏そしてスネイプが何やら話をしていた。
「ーーー今日は我々のために相談に乗ってもらってありがとう。有意義な時間だった。
時にシェード、君は知らないと思うが、ここ最近情勢は裏で大きく動いている。遅かれ早かれ君や君の勤め先には私の新しい事業の協力を仰ぐことになるだろう」
「そうなのか。うちの会社は何もそういった情報は掴んでいなさそうだ。いつでも、是非相談してくれ」
今日のルシウスは自身とヴォルデモートとの関係を明らかにはしなかったし、魔法薬に関するシェードへの具体的な依頼にも触れなかった。一先ずノット氏を交えた顔合わせといったような印象だ。
それから程なくして彼らは解散し、ようやくファントム家の長い一日が終わりを告げたのだった。
クリスマスである翌朝、フォーラが目を覚ますと彼女のベッド脇には友人達からのプレゼントが寄せられていた。フォーラはベッドから起き出して宛名を確認した。しかし彼女の予想通り、その中にドラコからの物は見当たらなかった。
(ドラコは私からのプレゼント、喜んでくれたかしら。)
この日フォーラは両親や邸の皆んなでゆっくりとした時を過ごした。彼女は両親に昨日の夜の会談について尋ねることはしなかった。自分がその情報を得たからといって、何か両親を手伝える力量があるわけでもない。それに今以上にフォーラや子供達が不死鳥の騎士団に関する情報を持つことは、騎士団にとってもその子供達にとってもリスクでしかないと分かっていた。
その代わり、フォーラは父親とは彼の手記について話をした。あの手記の内容は彼女の読み通り、シェードが如何に魔法薬を作らずに杖だけで同等の魔力を得られるか研究した痕跡だった。
「あの手記から少しでも今後の参考になるものがあればと思ってね。それでフォーラに託したんだ。
何、私の研究を引き継ごうなんて重荷に思わなくていい。本当にただの参考に渡しただけなんだから」
「そう……。だけど私、父様の研究にとっても興味があるのよ。全部目を通したの。
いつか、得意な変身術でそんなことが出来たら……そう思っているわ。」
「そうか、ありがとう。共感してくれて嬉しいよ。
私は変身術はあまり得意ではなかったからね。あまり多くの記録を残せていなくて申し訳ないな」
「ううん、大丈夫。私なりに、沢山試してみるわ。」
一方、母親にはナルシサスの花言葉について尋ねた。
「ナルシサスの花言葉ね……あったわ、ここに書いてある」
リプトニアが魔法植物などの本がずらりと並んだ本棚から一冊取り出し、パラパラとページをめくってフォーラに差し出した。
「ありがとう、母様。ええと、『尊敬』『報われぬ恋』?えっ……、尊敬はまだしも、報われぬ恋ってーーー」