13. マリアお手製のドレス
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「うーん、それは多分人によって違うかもしれない。得意なことでお金を得るのは、仕事えらびの方法の一つなだけだと思う。そうしてえらんだ仕事でも結局は学校で習っていないことばかりで、新しく学び続けなきゃいけない。だから、それなら全く知らない新しいことをやると決めても、ゔぉくは別にいいと思うな」
「なるほど……そういうものなのね。」
「でもまずは、どんな仕事があるか知ることからだね。それに、できることをたくさん持っておくのも良いと思うよ。まだやりたい事がなくても大丈夫。あせらなくてもいいんだよ」
「ええ、分かったわ。アレクシスに相談して良かった。」
フォーラはこれまでがむしゃらに勉強に打ち込んできたものの、それは殆ど全てドラコのためで、友人たちのように卒業後の将来像を持っておらず不安だった。しかしたった今彼の話を聞いて、ドラコや自身の家族を想って学んでいることを自分の未来に役立てられる可能性が十分にあることや、その将来を決めるのに焦る必要はないと思えたことは大きかった。
さて、それからの二人はダンススペースに繰り出し、広間に流れる音楽に合わせて踊りながら、引き続き互いのことを沢山話した。フォーラにとっては歳の近い来賓が増えたことを本当に嬉しく思ったし、アレクシスもまた、かつての想い人の今を知れたことは大変喜ばしいことだった。
そうしてフォーラがダンスを楽しんで暫く経った頃、挨拶まわりを終えたルシウスがドラコの元へ戻ってきた。
「ドラコ 、今日はフォーラ嬢と踊らないのか?」
ドラコはその問いに思わずピクリと反応したが、平然と返答した。
「ええ、彼女も随分忙しそうにしていますし。久しぶりの友人に再会したとなれば尚更でしょう」
「そうか」ルシウスが声のトーンを落として続けた。
「とはいえ、知ってのとおり我々は今非常に大事な時期にある。今後何かの拍子にいわれのない疑いを受けずに済むには、普段どおりでいるのが一番だ。そうして周囲に溶け込むに越したことはない。理由をつけてフォーラ嬢と一線を画しているのはよく分かるが、今日は程々にしておきなさい。周りの目もある」
ルシウスは頷いたドラコを一瞥した後、ふと視界にフォーラの姿があったのでそちらに目を向けた。すると丁度彼女も偶然ルシウスを見つけたばかりのようだった。彼女は自身のそばにいた来賓に会釈をしてその場を離れ、ルシウスに笑顔を向けながらマルフォイ父子の方へとやって来た。
「楽しんでいただけていますか?なかなかお話する時間がなくて、ごめんなさい。」
フォーラは至極いつもどおりの笑顔でルシウスとドラコに話し掛けた。心の内をうまく隠せているおかげで、ホグワーツでドラコの顔色を窺うように怯えていた彼女の姿は今やどこにもなかった。
「ああ、勿論楽しませてもらっているとも。お気遣いありがとう。特に料理がいつもどおり絶品だ」
ルシウスが微笑み返して続けた。
「ところでフォーラ嬢、そろそろドラコが君に相手をしてもらいたいようだ。少しばかり時間を与えてやってはくれないか。丁度私もシェードに用事があるのでね」
「えっ」ドラコは突然の提案に思わず驚きの声を小さく漏らした。フォーラと踊ることは何となく覚悟していたが、あまりにも唐突すぎたのだ。一方の彼女はルシウスが純粋にドラコとの時間を作ろうとしてくれているように感じた。例年のクリスマスパーティーに比べ、幼馴染の二人が一緒に過ごせていないことを気にしたのかもしれない。
加えてフォーラは、恐らくドラコがルシウスに幼馴染との険悪な仲について全く話していないか、もしくは少なくとも多くは語っていないだろうと思えた。もしそうでなければ、ルシウスからダンスの提案など出る筈がないのだ。
「ドラコ」フォーラが名を呼ぶと、彼は渋々彼女の方に振り向いた。
「私も貴方との時間がほしいと思っていたの。いつもみたいに一緒に踊ってくれないかしら……?」
ドラコの表情が一瞬強張ったのを感じつつ、フォーラは彼に近付いて小さく耳打ちした。
「ルシウスさんたら、私たちが必要以上に離れていたからきっと何か心配していらっしゃるのよ。」
(フン、何も知らないで。父上は僕らの仲を心配しているわけじゃない。周りの目を気にしているだけだ)
「……さあドラコ、手を取って。」
ドラコはフォーラの声を受けて目を合わせると、彼女がそっと差し出した手に自身の片手を下から添えた。
「ああ、本当は僕もそろそろ君に声を掛けたいと思っていたんだ」
ドラコはルシウスに聞こえるように話し、フォーラをダンススペースまでエスコートした。そしてルシウスがその場を離れたのを確認すると、ため息を吐いて目の前の彼女をジロリと見やった。
「不本意だ」そう言ってドラコがフイと顔を背けた時、丁度ワルツの演奏が始まった。二人は本当に自然な慣れた手つきでホールドし、皮肉な程にいつもどおり、息ぴったりのステップを踏み始めた。
「……私もよ。」フォーラがぽつりと呟くと、ドラコはほんの少し眉間に皺を寄せて再び彼女に目を向けた。
「そうかそうか、それは悪かった。それじゃあ僕らダンスをしたくない者同士、随分お似合いじゃないか」
ドラコが厭味たっぷりに言うと、一方のフォーラは眉尻を下げて否定した。
「違う、私はドラコと踊りたかったわ。少しでも元の仲に戻れるきっかけになればと思って……。」
「えっ?」ドラコは想定外の回答に思わずそんな声が漏れた。すると彼女が続けた。
「だけど、お互いこんな調子だし……それなのに、ダンスはこんなにも息ぴったりなんだもの。何だかとっても寂しくなってしまったの。私はそういう意味で不本意だと言ったのよ。」
「……フン、そういうことか。だけど残念だったな。僕たちが前の仲に戻ることはないだろう」
「そう……。」フォーラはドラコが目を見ずに返答した内容に肩を落としながらも、その感情にそぐわない音楽に合わせたステップを崩さなかった。
「あっ、そういえば、何日か前に貴方に手紙を出したの。受け取ってくれた?」
フォーラは気を取り直して質問したが、ドラコは相変わらず視線を外したまま、ほんの少し間を空けて首を横に振った。
「なるほど……そういうものなのね。」
「でもまずは、どんな仕事があるか知ることからだね。それに、できることをたくさん持っておくのも良いと思うよ。まだやりたい事がなくても大丈夫。あせらなくてもいいんだよ」
「ええ、分かったわ。アレクシスに相談して良かった。」
フォーラはこれまでがむしゃらに勉強に打ち込んできたものの、それは殆ど全てドラコのためで、友人たちのように卒業後の将来像を持っておらず不安だった。しかしたった今彼の話を聞いて、ドラコや自身の家族を想って学んでいることを自分の未来に役立てられる可能性が十分にあることや、その将来を決めるのに焦る必要はないと思えたことは大きかった。
さて、それからの二人はダンススペースに繰り出し、広間に流れる音楽に合わせて踊りながら、引き続き互いのことを沢山話した。フォーラにとっては歳の近い来賓が増えたことを本当に嬉しく思ったし、アレクシスもまた、かつての想い人の今を知れたことは大変喜ばしいことだった。
そうしてフォーラがダンスを楽しんで暫く経った頃、挨拶まわりを終えたルシウスがドラコの元へ戻ってきた。
「ドラコ 、今日はフォーラ嬢と踊らないのか?」
ドラコはその問いに思わずピクリと反応したが、平然と返答した。
「ええ、彼女も随分忙しそうにしていますし。久しぶりの友人に再会したとなれば尚更でしょう」
「そうか」ルシウスが声のトーンを落として続けた。
「とはいえ、知ってのとおり我々は今非常に大事な時期にある。今後何かの拍子にいわれのない疑いを受けずに済むには、普段どおりでいるのが一番だ。そうして周囲に溶け込むに越したことはない。理由をつけてフォーラ嬢と一線を画しているのはよく分かるが、今日は程々にしておきなさい。周りの目もある」
ルシウスは頷いたドラコを一瞥した後、ふと視界にフォーラの姿があったのでそちらに目を向けた。すると丁度彼女も偶然ルシウスを見つけたばかりのようだった。彼女は自身のそばにいた来賓に会釈をしてその場を離れ、ルシウスに笑顔を向けながらマルフォイ父子の方へとやって来た。
「楽しんでいただけていますか?なかなかお話する時間がなくて、ごめんなさい。」
フォーラは至極いつもどおりの笑顔でルシウスとドラコに話し掛けた。心の内をうまく隠せているおかげで、ホグワーツでドラコの顔色を窺うように怯えていた彼女の姿は今やどこにもなかった。
「ああ、勿論楽しませてもらっているとも。お気遣いありがとう。特に料理がいつもどおり絶品だ」
ルシウスが微笑み返して続けた。
「ところでフォーラ嬢、そろそろドラコが君に相手をしてもらいたいようだ。少しばかり時間を与えてやってはくれないか。丁度私もシェードに用事があるのでね」
「えっ」ドラコは突然の提案に思わず驚きの声を小さく漏らした。フォーラと踊ることは何となく覚悟していたが、あまりにも唐突すぎたのだ。一方の彼女はルシウスが純粋にドラコとの時間を作ろうとしてくれているように感じた。例年のクリスマスパーティーに比べ、幼馴染の二人が一緒に過ごせていないことを気にしたのかもしれない。
加えてフォーラは、恐らくドラコがルシウスに幼馴染との険悪な仲について全く話していないか、もしくは少なくとも多くは語っていないだろうと思えた。もしそうでなければ、ルシウスからダンスの提案など出る筈がないのだ。
「ドラコ」フォーラが名を呼ぶと、彼は渋々彼女の方に振り向いた。
「私も貴方との時間がほしいと思っていたの。いつもみたいに一緒に踊ってくれないかしら……?」
ドラコの表情が一瞬強張ったのを感じつつ、フォーラは彼に近付いて小さく耳打ちした。
「ルシウスさんたら、私たちが必要以上に離れていたからきっと何か心配していらっしゃるのよ。」
(フン、何も知らないで。父上は僕らの仲を心配しているわけじゃない。周りの目を気にしているだけだ)
「……さあドラコ、手を取って。」
ドラコはフォーラの声を受けて目を合わせると、彼女がそっと差し出した手に自身の片手を下から添えた。
「ああ、本当は僕もそろそろ君に声を掛けたいと思っていたんだ」
ドラコはルシウスに聞こえるように話し、フォーラをダンススペースまでエスコートした。そしてルシウスがその場を離れたのを確認すると、ため息を吐いて目の前の彼女をジロリと見やった。
「不本意だ」そう言ってドラコがフイと顔を背けた時、丁度ワルツの演奏が始まった。二人は本当に自然な慣れた手つきでホールドし、皮肉な程にいつもどおり、息ぴったりのステップを踏み始めた。
「……私もよ。」フォーラがぽつりと呟くと、ドラコはほんの少し眉間に皺を寄せて再び彼女に目を向けた。
「そうかそうか、それは悪かった。それじゃあ僕らダンスをしたくない者同士、随分お似合いじゃないか」
ドラコが厭味たっぷりに言うと、一方のフォーラは眉尻を下げて否定した。
「違う、私はドラコと踊りたかったわ。少しでも元の仲に戻れるきっかけになればと思って……。」
「えっ?」ドラコは想定外の回答に思わずそんな声が漏れた。すると彼女が続けた。
「だけど、お互いこんな調子だし……それなのに、ダンスはこんなにも息ぴったりなんだもの。何だかとっても寂しくなってしまったの。私はそういう意味で不本意だと言ったのよ。」
「……フン、そういうことか。だけど残念だったな。僕たちが前の仲に戻ることはないだろう」
「そう……。」フォーラはドラコが目を見ずに返答した内容に肩を落としながらも、その感情にそぐわない音楽に合わせたステップを崩さなかった。
「あっ、そういえば、何日か前に貴方に手紙を出したの。受け取ってくれた?」
フォーラは気を取り直して質問したが、ドラコは相変わらず視線を外したまま、ほんの少し間を空けて首を横に振った。