13. マリアお手製のドレス
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その後程なくしてフォーラとシェードは二組の一家に「今日は楽しんで」と挨拶し、次の招待客の元へと去った。残った親同士がその場で話を続ける中、セオドールがドラコと共に両親から少々離れて尋ねた。
「今日は随分ご機嫌斜めだね。そんなに来たくなかったのか」
「ああ、勿論だ。ところで君はあんな風に女子に笑いかけるようなタイプじゃないと思っていたんだがな。どういう風の吹き回しだ?」
「え?……ああ、さっきのか。言われてみれば確かにそうだね。自分でも意外だと思うよ。けど、ただ何となく思ったままを言っただけなんだ。つい口を突いて出たというか」
ドラコはセオドールの回答を気に召さず、フンと軽く鼻を鳴らした。そんな彼を見てセオドールは何かピンと来たようだった。
「何だい、心配しなくても僕はファントムに惚れてなんかいないよ。それとも僕の行動が気に入らなかったんじゃなくて、ファントムが君以外の男に褒められて嬉しそうにしていたことが気に食わなかったのか?」
「誰に何を言われて彼女が喜ぼうが、そんなのは知ったことじゃない」ドラコが眉間に皺を寄せて言った。
「ふうん。悔しいなら君も彼女を褒めてあげればいいじゃないか?」
「だから!そういう話じゃないと言っているだろう。それに、僕はあんなドレスなんて一つも似合っているとは思わなかったね。思ってもいないことを言うほど僕は厭味な奴じゃない」
「そうか、ならかまわないけど。それじゃああれも君には関係ないな」
セオドールが向こうを見ながら言ったのをドラコは疑問に思い、何のことだろうとその視線の先を追った。
「なっ……何であいつが!?」
ドラコの視界に入ったのは、向こうの方でフォーラが今来たばかりの来賓に声を掛けられている場面だった。彼女は随分驚いた反応を見せた後、その人物の笑顔を受けて本当に嬉しそうな表情になっていた。そして彼女がその名を反射的に呼んだ。
「アレクシス!どうしてここに……!ああ、本当に貴方なの?」
背が高く体格の良い短髪ブロンドの彼は、満面の笑みでフォーラと握手して抱擁を交わした。
「勿論ゔぉくだよ、フォーラ!ずっと会いたかった!」
アレクシスは昨年度に行われた魔法学校同士の親睦のため、スウェーデンかノルウェーの最北にあるダームストラング校からの代表候補の一人としてホグワーツを訪れていた。そういう経緯でフォーラと出会った彼は、日々を過ごす中ですっかり彼女を気に入っていったのだが、学年末の別れの際には自身が彼女に向ける想いよりも、彼女の気持ちを優先してドラコと上手くいくことを心から願ってくれたのだった。
「ここにはミセス・ファントムに招待してもらったんだよ。彼女はゔぉくの職場のお客様なんだ!まさかとは思ったけどフォーラのお母さんだったなんて、本当に偶然だね」
ニコニコと話すアレクシスを見て、フォーラは両親が言っていた『自分に逢いたがっている若いお客』が彼のことだったのだと理解した。
「本当に驚いたわ。父様も母様も、わざとアレクシスのことを教えてくれなかったの。きっと私を驚かせたかったのね。」フォーラはまだドキドキしている胸を撫で下ろしながら続けた。
「そういえばもう一つ驚いたことがあるのだけど、アレクシスは最後にお話した時よりもずっと……ううん、比べ物にならないくらい英語が上達したのね!短い間にどうやってそんなにも上手になったの?」
「へへ、ありがとう。ホグワーツをはなれてからも勉強したし、卒業後に就職した先でもたくさん英語を使ってるんだよ。今はブルガリアに住んでるけど、イギリスには何度か職場の先輩と一緒に来たんだ。因みにその人はイギリス人で、今日は一緒に参加させてもらってる。彼には英語を叩きこまれてるよ」
アレクシスが指差した方を見ると、彼の同僚と思しき人物が誰かと立ち話をしていた。
「そうだったの、とっても努力したのね!凄いことだわ……。それじゃあ私の母とはアレクシスがイギリスに来た時に会ったのかしら」
「うん、そうだね」アレクシスはニコッと笑って頷くと、一呼吸空けてから続けた。
「それからゔぉくは、ファントム夫妻のチームに協力してるんだ」
「えっ?」幾らか含みのある言い方だが、それはつまりどういうことだろう。単に両親と仕事の関わりがあるということだろうか?それとも彼も不死鳥の騎士団を知っているということだろうか?しかしアレクシスはフォーラが尋ねる前に話題を別の方に切り替えていた。
「今日は随分ご機嫌斜めだね。そんなに来たくなかったのか」
「ああ、勿論だ。ところで君はあんな風に女子に笑いかけるようなタイプじゃないと思っていたんだがな。どういう風の吹き回しだ?」
「え?……ああ、さっきのか。言われてみれば確かにそうだね。自分でも意外だと思うよ。けど、ただ何となく思ったままを言っただけなんだ。つい口を突いて出たというか」
ドラコはセオドールの回答を気に召さず、フンと軽く鼻を鳴らした。そんな彼を見てセオドールは何かピンと来たようだった。
「何だい、心配しなくても僕はファントムに惚れてなんかいないよ。それとも僕の行動が気に入らなかったんじゃなくて、ファントムが君以外の男に褒められて嬉しそうにしていたことが気に食わなかったのか?」
「誰に何を言われて彼女が喜ぼうが、そんなのは知ったことじゃない」ドラコが眉間に皺を寄せて言った。
「ふうん。悔しいなら君も彼女を褒めてあげればいいじゃないか?」
「だから!そういう話じゃないと言っているだろう。それに、僕はあんなドレスなんて一つも似合っているとは思わなかったね。思ってもいないことを言うほど僕は厭味な奴じゃない」
「そうか、ならかまわないけど。それじゃああれも君には関係ないな」
セオドールが向こうを見ながら言ったのをドラコは疑問に思い、何のことだろうとその視線の先を追った。
「なっ……何であいつが!?」
ドラコの視界に入ったのは、向こうの方でフォーラが今来たばかりの来賓に声を掛けられている場面だった。彼女は随分驚いた反応を見せた後、その人物の笑顔を受けて本当に嬉しそうな表情になっていた。そして彼女がその名を反射的に呼んだ。
「アレクシス!どうしてここに……!ああ、本当に貴方なの?」
背が高く体格の良い短髪ブロンドの彼は、満面の笑みでフォーラと握手して抱擁を交わした。
「勿論ゔぉくだよ、フォーラ!ずっと会いたかった!」
アレクシスは昨年度に行われた魔法学校同士の親睦のため、スウェーデンかノルウェーの最北にあるダームストラング校からの代表候補の一人としてホグワーツを訪れていた。そういう経緯でフォーラと出会った彼は、日々を過ごす中ですっかり彼女を気に入っていったのだが、学年末の別れの際には自身が彼女に向ける想いよりも、彼女の気持ちを優先してドラコと上手くいくことを心から願ってくれたのだった。
「ここにはミセス・ファントムに招待してもらったんだよ。彼女はゔぉくの職場のお客様なんだ!まさかとは思ったけどフォーラのお母さんだったなんて、本当に偶然だね」
ニコニコと話すアレクシスを見て、フォーラは両親が言っていた『自分に逢いたがっている若いお客』が彼のことだったのだと理解した。
「本当に驚いたわ。父様も母様も、わざとアレクシスのことを教えてくれなかったの。きっと私を驚かせたかったのね。」フォーラはまだドキドキしている胸を撫で下ろしながら続けた。
「そういえばもう一つ驚いたことがあるのだけど、アレクシスは最後にお話した時よりもずっと……ううん、比べ物にならないくらい英語が上達したのね!短い間にどうやってそんなにも上手になったの?」
「へへ、ありがとう。ホグワーツをはなれてからも勉強したし、卒業後に就職した先でもたくさん英語を使ってるんだよ。今はブルガリアに住んでるけど、イギリスには何度か職場の先輩と一緒に来たんだ。因みにその人はイギリス人で、今日は一緒に参加させてもらってる。彼には英語を叩きこまれてるよ」
アレクシスが指差した方を見ると、彼の同僚と思しき人物が誰かと立ち話をしていた。
「そうだったの、とっても努力したのね!凄いことだわ……。それじゃあ私の母とはアレクシスがイギリスに来た時に会ったのかしら」
「うん、そうだね」アレクシスはニコッと笑って頷くと、一呼吸空けてから続けた。
「それからゔぉくは、ファントム夫妻のチームに協力してるんだ」
「えっ?」幾らか含みのある言い方だが、それはつまりどういうことだろう。単に両親と仕事の関わりがあるということだろうか?それとも彼も不死鳥の騎士団を知っているということだろうか?しかしアレクシスはフォーラが尋ねる前に話題を別の方に切り替えていた。