11. 父の手記
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ルニーはフォーラと顔を見交わしたあとでスチュワートに視線を戻した。彼はルニーの視線が自分に向けられていることに心底落ち着かない様子だった。
「じっ実は僕、前から先輩達のことは知っていたんです。
僕が一年生の時にファントムさんが学年末に大広間で猫に変身してから、どうやってアニメーガスになったのかとっても興味があって、よく目で追いかけてたんです。
そしたら……いつもファントムさんの側にいるお友達の中にマッケンジーさんがいて。
それで、気がついたらいつの間にか、その……。見かける度にあなたのこと、カッコいいなって思ってたんです」
スチュワートはどぎまぎした様子で続けた。
「でもお話しする機会も無くて。そうしたら中庭で先輩達が困っていたから、助けなきゃって……それだけなんです。
それなのに結局何も出来なくて、ファントムさんの術の方がよっぽど上手だったし……ごめんなさい」
俯いて落ち込む様子の彼を見て、ルニーは驚いたような困った様子で再びフォーラに視線を送った。フォーラはルニーに微笑み返しただけだったが、ルニーにはそれで十分だった。
「ほら、顔を上げて」
ルニーが促すと、彼女と同じ背丈の彼は不安げに視線を交わした。
「勇気を出して来てくれて、とっても勇敢だったわよ。本当にありがとう。
あんな風に助けられたのって初めてで、ちょっとドキドキしちゃったわ」
「え……あ!いえ、そんな。僕は何も」
「それから、折角だしよかったら私とお友達になってくれない?私のどんなところに興味を持ってくれたのか知りたいし、それに、私もあなたに興味があるわ。どうかしら?」
スチュワートはその言葉にパッと顔を明るくした。その時の笑顔があまりにも可愛くて、フォーラもルニーも思わず癒されてしまった。
すると、フォーラがたった今思いついた提案をルニーに投げかけた。
「そうだわ。ねえルニー、今度のホグズミードにスチュワートと二人で行ってみたらどうかしら。ゆっくりお話も出来ると思うのだけど。」
その言葉にスチュワートは随分驚き、オロオロとフォーラとルニーを交互に見た。
「勿論お礼もしたいし、スチュワートがいいなら私は構わないわ。
でもフォーラはどうするの?パンジーだって彼氏とデートでいないし……それならフォーラも一緒に来ればいいのに」
「ううん、私は大丈夫よ。もし一人になっても、やりたい勉強が沢山あるからそっちを進めるわ。
ね、スチュワートはどう思う?ルニーはあなたと出掛けても構わないって言っているけれど。」
ルニーの視線が再び自分に向けられていることが未だに信じられなくて、スチュワートは真っ赤になりながら何度も頷いた。
「あ……じゃあその、マッケンジーさん、よかったら僕と一緒にホグズミードに行きませんか!」
ルニーはフォーラとスチュワートを交互に見てほんの少し迷った後、微笑むフォーラに負けて彼に向き直ると笑顔で頷いた。
その日の夜、フォーラは皆んなが寝静まる中を一人自分のベッドに横たわり、今日のパンジーやルニーの様子を思い出していた。パンジーは久々の想い人に会えるということで本当に幸せそうだったし、ルニーも突然とはいえ、他寮のかわいい後輩に慕われて悪い気はしていないようだった。
二人がこんなに楽しそうにしているのに、自分はどうだろう?ドラコの手を取ると心に決めた今、一歩踏み出さなくては。 明日、ドラコとちゃんと話しをしよう。二人できちんと言葉を交わすのが随分久しぶりでも、明日は何だか上手くいくような気がする。きっと気のせいなんかではない筈だ。フォーラは友人たちから勇気を貰ったような気持ちになって、何とも言えない期待を胸に目を閉じたのだった。
翌日、フォーラはなるべくドラコが一人になるタイミングを探った。しかし彼はいつもクラッブやゴイル、それにセオドールと一緒だった。ホグワーツ特急で彼に避けられて以来、挨拶こそ自分からするようにし続けているものの、彼が単身でいるところを注視することはなかった。
今日一日ドラコの様子を伺って思ったことは、やはり去年の彼に比べて随分素行が悪くなっているということだった。午前中には以前から取り掛かっていたのか、何やらバッジのようなものが完成したとか友人達と話しているのを耳にした。そしてそれを昼食どきになると、大広間でクラッブたちと一緒にスリザリン生に配って回っていた。それは来月行われるクィディッチのスリザリン対グリフィンドール戦で身に付ける物らしく、表面に『ウィーズリーは我が王者』と書かれていた。どうやら新任キーパーとなったロンを貶めるためのアイテムのようだ。
今回に限らず、以前もドラコはハリーに対して同じような嫌がらせを仕掛けていた。しかし殆どと言っていいほどハリーへの嫉妬から彼を見返すのが目的だったのに、今は"遊べる"ものには見境なく手をつけている気がする。ロンしかり、同僚の下級生虐めだってそうだ。それにドラコが急に彼女を作ったことだって、憂さ晴らしの一つかもしれない……。
そこまで考えてフォーラはドラコから無理矢理視線を外し、ゴブレットのジュースを飲み干した。
(いけない、私ったら)
最後に浮かべたのは良くない考えだった。ドラコが彼のガールフレンドと付き合っているのは、純粋に彼女を想ってのことかもしれないのに。憂さ晴らしだと決めつけるなんて随分自分勝手だ。
フォーラは昼食を終えると、ルニーやパンジー達と席から立ち上がった。すると不意に背後に誰かが近づく気配がして、フォーラは思わずサッと振り返った。するとそこにはドラコがフォーラの前に満足げな様子で立ちはだかっていたのだった。
「え……」
フォーラはドラコ自ら目の前に現れたことが信じられなくて、思わずパチパチと瞬きした。彼は何やら意地悪な笑みを浮かべていた。
「やあ、元気かい。今日は君たちにプレゼントがあってね。これ、来月のグリフィンドール戦で是非身に付けてくれ」