11. 父の手記
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それから暫く経ったある日、勉強漬けの五年生への朗報が舞い込んできた。今年度初めてのホグズミード行きの日が決まったのだ。フォーラは今回のホグズミードにパンジー、ルニーと共に行こうと考えていたが、ある朝のふくろう便で手紙を受け取ったパンジーが嬉しそうな申し訳なさそうな様子で二人に謝罪してきたではないか。
「ごめん!今度のホグズミードは一緒に行けないわ。
去年のダンスパーティで一緒だったダームストラングの彼が、学校を卒業してからイギリスで働くことになったの!ロンドンの外れまで引っ越してきたから、休暇を取ってホグズミードまで会いに来てくれるんですって!」
あまりに突然のニュースにフォーラもルニーも思わず驚きの声を上げた。二人して大広間の長椅子から殆ど立ち上がっており、周囲の視線を感じてフォーラとルニーは恥ずかしげにそろそろと腰を下ろすと怒涛の勢いでパンジーへ質問攻めした。
「その一日の為にわざわざ来てくれるなんて素敵!
パンジーはもう彼とは付き合ってるって事でいいのよね?」
「彼のどんなところに惹かれたの?知りたいわ。」
「いっぺんに聞かないでよ、もう!恥ずかしいじゃない」
そう言ったパンジーは言葉に反して随分嬉しそうだった。遠くに住んでいた想い人がこんなに近くに越してきたとあっては喜ばない筈がない。
「きっと、パンジーが居るから、彼はイギリスへやってきたのかもしれない。それって、とっても凄いことだわ。」
フォーラが幸せそうにパンジーを見つめてそう言うと、パンジーは少し嬉しそうに慌てて首を横に振った。
「そんなまさか。やりたい仕事がこっちにあるって手紙でも書いてたんだから。勿論、お互い好き同士なのは多分、間違い無いけど……
とにかく!今度のお休みは二人で楽しんできて欲しいのよ。ごめんね」
「分かったわ。その代わり、お土産話はたっぷり聞かせてもらうわよ!」
フォーラはここ暫く思い悩むことが多かった分、久しぶりの幸せなニュースに胸が温かくなった。パンジーがこんなに嬉しそうにしていることをフォーラとルニーは本当に喜んだし、別の日に二人で中庭を横切りながら、当日のパンジーのデートコースを話し合ったりした。
「多分、パンジーなら"三本の箒"より"マダム・パディフッド"の喫茶店を選ぶんじゃない?こじんまりしていて話しやすいと思うし」ルニーが言った。
「そうね、確かにそうだわ。でも、少し装飾が可愛らしすぎるのが難点かも。」
「ああ、そうだったわ。彼の方があまり好まないかもね?
とにかく、私達はお昼は三本の箒の方へ行きましょうか。あそこならパンジー達と出会っても、あの子がこっちを気にせず彼と話せると思うし」
「いいと思う。そうしましょうーーー」
フォーラが言い終える前に誰か男子生徒がこちらに声をかけてきた。二人して振り返ると、他寮のいくらか見知った男子生徒二人がすぐ目の前までやって来ていた。
「やあ。ホグズミードの話をしてるのか?二人は一緒に行くんだろ?」
「あら。馬車で出会って以来かしら。
ええそうなの。パンジーがデートに行くことになったから二人でね」
ルニーがそう伝えると、もう一人の男子生徒がフォーラの側に立ち、彼女の手を取って尋ねた。
「じゃあさ、俺達と四人で一緒に行かない?俺、前からフォーラともっと話したいと思ってたんだ」
「え……?え!?わ、わたし?」
フォーラが突然のことに狼狽えていると、最初に声をかけてきた男子生徒もルニーの方へ詰め寄った。
「俺だってルニーに興味津々だとも。な、いいだろ?」
そう言って彼はルニーの肩に手を乗せたが、ルニーは反射的にその手を軽く払い除けてフォーラを自分の方へ引き寄せた。
「ちょっと!気安く触らないで。それにフォーラを困らせないでよ。
そういう強引な人とは私達は出かけません。それじゃあね」
そう言って彼女達がその場を離れようとすると、男子生徒の一人が杖を振ってルニーを"呼び寄せ"して受け止めた。
「つれないなあ。ほら、俺たちそんなに悪い男じゃないんだからさ。お願いだよ」
「この!しつこい男は嫌ーーー」
ルニーがその場から逃げようとポケットの杖に手を伸ばしたが、男子生徒はその手を掴んで彼女をぐいと振り向かせた。その時、誰かがルニーと男子生徒の間に割って押し入ってきた。男子生徒が驚いてルニーから離れると、その人は彼女を庇うように杖を構えていた。彼はルニーとほぼ同じくらいの背丈で、あまり顔なじみのない生徒だった。
「この人に触るな!」
そう言って彼は呪文を唱えたが、杖が震えて術が上手くいかなかった。しかし彼のおかげで出来た一瞬の隙にフォーラは杖を取り出し、男子生徒達の足元の芝生を蔦(つた)に変身させて彼等に絡みつかせた。
ルニーとフォーラはその場から走り去ろうとしたが、助けに入った彼が目の前の蔦に驚いて固まってしまっていることに気がついた。
「何してるの、こっち!」
ルニーが急いで彼の手を掴むと、三人でその場から一目散に逃げ出したのだった。
「はあ、はあ、ここまで来れば大丈夫でしょう。フォーラ、さっきはありがとう。あなたも大丈夫だった?」
ルニーの隣で息を切らしていた彼が、彼女の一声でパッと顔を上げた。彼の顔色は途端に胸元の青いネクタイと正反対の赤に染まった。
「は、はい。僕は何とも。その……マッケンジーさんは大丈夫でしたか?」
ルニーは彼が自分の名を知っていたことに少し驚いたものの、彼に微笑んでお礼を言った。
「ええ、勿論!あなたが助けに入ってくれて助かったわ。ありがとう」
「!い、いえ。僕は何も出来なくて……。あ!僕、スチュワート・アッカリーと言います。レイブンクローの三年生です」
「スチュワートね。よろしく。でも、どうして私達のこと助けてくれたの?私達はじめましてよね」
「ごめん!今度のホグズミードは一緒に行けないわ。
去年のダンスパーティで一緒だったダームストラングの彼が、学校を卒業してからイギリスで働くことになったの!ロンドンの外れまで引っ越してきたから、休暇を取ってホグズミードまで会いに来てくれるんですって!」
あまりに突然のニュースにフォーラもルニーも思わず驚きの声を上げた。二人して大広間の長椅子から殆ど立ち上がっており、周囲の視線を感じてフォーラとルニーは恥ずかしげにそろそろと腰を下ろすと怒涛の勢いでパンジーへ質問攻めした。
「その一日の為にわざわざ来てくれるなんて素敵!
パンジーはもう彼とは付き合ってるって事でいいのよね?」
「彼のどんなところに惹かれたの?知りたいわ。」
「いっぺんに聞かないでよ、もう!恥ずかしいじゃない」
そう言ったパンジーは言葉に反して随分嬉しそうだった。遠くに住んでいた想い人がこんなに近くに越してきたとあっては喜ばない筈がない。
「きっと、パンジーが居るから、彼はイギリスへやってきたのかもしれない。それって、とっても凄いことだわ。」
フォーラが幸せそうにパンジーを見つめてそう言うと、パンジーは少し嬉しそうに慌てて首を横に振った。
「そんなまさか。やりたい仕事がこっちにあるって手紙でも書いてたんだから。勿論、お互い好き同士なのは多分、間違い無いけど……
とにかく!今度のお休みは二人で楽しんできて欲しいのよ。ごめんね」
「分かったわ。その代わり、お土産話はたっぷり聞かせてもらうわよ!」
フォーラはここ暫く思い悩むことが多かった分、久しぶりの幸せなニュースに胸が温かくなった。パンジーがこんなに嬉しそうにしていることをフォーラとルニーは本当に喜んだし、別の日に二人で中庭を横切りながら、当日のパンジーのデートコースを話し合ったりした。
「多分、パンジーなら"三本の箒"より"マダム・パディフッド"の喫茶店を選ぶんじゃない?こじんまりしていて話しやすいと思うし」ルニーが言った。
「そうね、確かにそうだわ。でも、少し装飾が可愛らしすぎるのが難点かも。」
「ああ、そうだったわ。彼の方があまり好まないかもね?
とにかく、私達はお昼は三本の箒の方へ行きましょうか。あそこならパンジー達と出会っても、あの子がこっちを気にせず彼と話せると思うし」
「いいと思う。そうしましょうーーー」
フォーラが言い終える前に誰か男子生徒がこちらに声をかけてきた。二人して振り返ると、他寮のいくらか見知った男子生徒二人がすぐ目の前までやって来ていた。
「やあ。ホグズミードの話をしてるのか?二人は一緒に行くんだろ?」
「あら。馬車で出会って以来かしら。
ええそうなの。パンジーがデートに行くことになったから二人でね」
ルニーがそう伝えると、もう一人の男子生徒がフォーラの側に立ち、彼女の手を取って尋ねた。
「じゃあさ、俺達と四人で一緒に行かない?俺、前からフォーラともっと話したいと思ってたんだ」
「え……?え!?わ、わたし?」
フォーラが突然のことに狼狽えていると、最初に声をかけてきた男子生徒もルニーの方へ詰め寄った。
「俺だってルニーに興味津々だとも。な、いいだろ?」
そう言って彼はルニーの肩に手を乗せたが、ルニーは反射的にその手を軽く払い除けてフォーラを自分の方へ引き寄せた。
「ちょっと!気安く触らないで。それにフォーラを困らせないでよ。
そういう強引な人とは私達は出かけません。それじゃあね」
そう言って彼女達がその場を離れようとすると、男子生徒の一人が杖を振ってルニーを"呼び寄せ"して受け止めた。
「つれないなあ。ほら、俺たちそんなに悪い男じゃないんだからさ。お願いだよ」
「この!しつこい男は嫌ーーー」
ルニーがその場から逃げようとポケットの杖に手を伸ばしたが、男子生徒はその手を掴んで彼女をぐいと振り向かせた。その時、誰かがルニーと男子生徒の間に割って押し入ってきた。男子生徒が驚いてルニーから離れると、その人は彼女を庇うように杖を構えていた。彼はルニーとほぼ同じくらいの背丈で、あまり顔なじみのない生徒だった。
「この人に触るな!」
そう言って彼は呪文を唱えたが、杖が震えて術が上手くいかなかった。しかし彼のおかげで出来た一瞬の隙にフォーラは杖を取り出し、男子生徒達の足元の芝生を蔦(つた)に変身させて彼等に絡みつかせた。
ルニーとフォーラはその場から走り去ろうとしたが、助けに入った彼が目の前の蔦に驚いて固まってしまっていることに気がついた。
「何してるの、こっち!」
ルニーが急いで彼の手を掴むと、三人でその場から一目散に逃げ出したのだった。
「はあ、はあ、ここまで来れば大丈夫でしょう。フォーラ、さっきはありがとう。あなたも大丈夫だった?」
ルニーの隣で息を切らしていた彼が、彼女の一声でパッと顔を上げた。彼の顔色は途端に胸元の青いネクタイと正反対の赤に染まった。
「は、はい。僕は何とも。その……マッケンジーさんは大丈夫でしたか?」
ルニーは彼が自分の名を知っていたことに少し驚いたものの、彼に微笑んでお礼を言った。
「ええ、勿論!あなたが助けに入ってくれて助かったわ。ありがとう」
「!い、いえ。僕は何も出来なくて……。あ!僕、スチュワート・アッカリーと言います。レイブンクローの三年生です」
「スチュワートね。よろしく。でも、どうして私達のこと助けてくれたの?私達はじめましてよね」