8. いつもと違う日
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フォーラがドラコの告白を断ったのは、本当はあの時の自分がマグル生まれであることにショックを受けていたのが大きく関係していた。それによって自分は純血のドラコと一緒にはなれないと思ったのだ。そして、たった今フォーラが友人たちに伝えた気持ちもまた本心だった。ドラコを本当に好きだからこそ、関係が壊れればもう今までのような友人関係にすら戻れなくなってしまう。
しかしそのどちらもフォーラにとっては最早重要ではなかった。彼女が最もわだかまりを感じていたのは、もし仮にドラコと恋人になれたとしても、その後は彼の至近距離で嘘の自分を見せ続けなければならないということだった。それが何よりドラコへの想いを妨げた。そのため彼女はいつの日か戦いが終わった時には、彼に自分の抱える気持ちを伝えようと考えていた。生まれも何もかも全て含めた、隠し事のない自分を見てもらうために。それで彼が自分に失意を示したとしても。
ただ、今現在は引き続き自身の秘密を隠しておかなければならないし、友人たちとの関係は良好に保っていたかった。そのためフォーラは目の前の友人二人には例えほんの少しの嘘を混ぜてでも、自分とドラコの間に何があったか、その時自分がどう感じたかを可能な限り打ち明けておきたかった。
「それじゃあ、今のフォーラの気持ちはどうなの……?」パンジーが尋ねた。
フォーラはその問いに静かに答えた。
「私、ドラコのことが大好きよ。」
親友である二人には、これだけはどうしても伝えておかなければならなかった。今まできちんと彼女たちにドラコへの想いを打ち明けてこなかった分、これを言わないままではいられなかった。
「なら、悩む必要なんてないわよ!ドラコは本当にフォーラが大好きなんだから、不安に思うことなんて何も無いのよ」ルニーが真剣に言った。
フォーラはそのような発言を二人のうちどちらかがするだろうと身構えていた筈なのに、それでも瞳が潤んでしまうのを避けられなかった。しかし彼女は何とか堪えて首を横に振った。
「それでもやっぱり私、ドラコと一緒になれても、その後に関係が壊れてしまうのが今でも本当に怖いわ。だってそうなってしまったら、もう本当に普通の友人にも戻れる自信がないから……。そんな中途半端な気持ちで改めて私の方からドラコに気持ちを伝えるのも、失礼だと思うの。」
「そんな、それはフォーラがそれだけドラコのこと想っているからこその悩みなんじゃないの?」パンジーが尋ねると、フォーラは自嘲気味に笑った。
「そうね、確かに……。今のは建前だったかもしれない。本当はもう一つ理由があるの。」
フォーラは今から話す事を仮に親友の二人がドラコに伝えてしまっても、それで構わないと思った。
「私、ドラコが今のままだったら、やっぱり彼の好意は受け入れられない。彼って頑なに純血主義でしょう。でも私は完全には彼と一緒の考えじゃなかった。幼馴染として彼の主義を度々耳にしてきて、過去に『穢れた血』という言葉を彼の口から聞いた時はとっても怒ったわ。二人も知っているでしょう?それなのに結局私は何だかんだ彼の行為に目をつむってしまった。今でも彼とのそんな些細な認識の差を時々感じるけれど、相変わらず私は見て見ぬふりをしてばかりいるわ。そんなの、大人になればもっと大きな歪になりかねないもの。……そうやって分かっている筈なのに、変わらず彼のことを好きでいるなんてね。」
フォーラは一息吐くと続けた。
「逆にドラコだって、本当は私が根っからの純血主義の方が良かった筈だし、何より彼が敵視しているグリフィンドールの人たちと私が普通に話しているのだって、本当は嫌だったと思う。それなのに彼はそれらのことに目をつむってくれて、その上私を好きになってくれた。」
パンジーもルニーも何も言わずに真剣な様子でフォーラを見つめた。フォーラが続けた。
「お互いに想い合っていたらそれでいいんじゃないかって、そう思った時も確かにあったわ。でもこの先、考え方の違いをきっかけにドラコと仲違いすることになってしまうのだけは本当に嫌。だから、彼が気持ちを伝えてくれて本当に本当に嬉しかったけれど、お断りしたの。私は……要するに彼の好意から逃げてしまったのよ。」
フォーラがそこまで言うと、二人とも少しは納得してくれたようだった。きっとそれはフォーラが抱える本心に最も近い、いや、真実そのものの気持ちだと分かったからだろう。すると今度はルニーが不安げに口を開いた。
「それなら、二人のどっちかの考えが変わらない限り、一緒にはなれないってことよね?でもそれってとっても難しいことじゃない?だって、人間はみんな考え方が違うのなんて分かりきってるんだし」
その言葉にフォーラは少々寂しそうに頷いた。
「ええ、ルニーの言うとおりだと思う。私だって今はこんなことを言っているけれど、もしかしたら何かの拍子に思い改めることがあるかもしれない。だからね、きっといつかその時が来たら、自分の中で納得できたら……今度は私から気持ちを伝えたいって、そう思っているわ。その時ドラコが私を好きじゃなくたっていいの。もしかしたらもう既に、私たちの関係は壊れてしまっているのかもしれないけれどね……。」
すると、今度はフォーラの隣で悩ましげな表情をしたパンジーが、グイと身を乗り出してきた。
「ねえ、フォーラはそれでいいの?もし、ドラコが他の誰かと一緒になっても、それでも本当にいいの?」
「え……」
フォーラは思わず言葉に詰まってしまった。彼女はパンジーが考え直すよう言ってくれているのを感じたが、『本当はドラコと一緒になりたい』という正直な心の声に反して首を縦に振った。いや、振るしかなかった。
「それでもいいわ。だってもしそうなったとしても、ドラコを傷つけてしまった私の、自業自得だもの。」
そう伝えたフォーラの表情があまりにも寂しげで、パンジーとルニーは思わず顔を見合わせてしまった。
しかしそのどちらもフォーラにとっては最早重要ではなかった。彼女が最もわだかまりを感じていたのは、もし仮にドラコと恋人になれたとしても、その後は彼の至近距離で嘘の自分を見せ続けなければならないということだった。それが何よりドラコへの想いを妨げた。そのため彼女はいつの日か戦いが終わった時には、彼に自分の抱える気持ちを伝えようと考えていた。生まれも何もかも全て含めた、隠し事のない自分を見てもらうために。それで彼が自分に失意を示したとしても。
ただ、今現在は引き続き自身の秘密を隠しておかなければならないし、友人たちとの関係は良好に保っていたかった。そのためフォーラは目の前の友人二人には例えほんの少しの嘘を混ぜてでも、自分とドラコの間に何があったか、その時自分がどう感じたかを可能な限り打ち明けておきたかった。
「それじゃあ、今のフォーラの気持ちはどうなの……?」パンジーが尋ねた。
フォーラはその問いに静かに答えた。
「私、ドラコのことが大好きよ。」
親友である二人には、これだけはどうしても伝えておかなければならなかった。今まできちんと彼女たちにドラコへの想いを打ち明けてこなかった分、これを言わないままではいられなかった。
「なら、悩む必要なんてないわよ!ドラコは本当にフォーラが大好きなんだから、不安に思うことなんて何も無いのよ」ルニーが真剣に言った。
フォーラはそのような発言を二人のうちどちらかがするだろうと身構えていた筈なのに、それでも瞳が潤んでしまうのを避けられなかった。しかし彼女は何とか堪えて首を横に振った。
「それでもやっぱり私、ドラコと一緒になれても、その後に関係が壊れてしまうのが今でも本当に怖いわ。だってそうなってしまったら、もう本当に普通の友人にも戻れる自信がないから……。そんな中途半端な気持ちで改めて私の方からドラコに気持ちを伝えるのも、失礼だと思うの。」
「そんな、それはフォーラがそれだけドラコのこと想っているからこその悩みなんじゃないの?」パンジーが尋ねると、フォーラは自嘲気味に笑った。
「そうね、確かに……。今のは建前だったかもしれない。本当はもう一つ理由があるの。」
フォーラは今から話す事を仮に親友の二人がドラコに伝えてしまっても、それで構わないと思った。
「私、ドラコが今のままだったら、やっぱり彼の好意は受け入れられない。彼って頑なに純血主義でしょう。でも私は完全には彼と一緒の考えじゃなかった。幼馴染として彼の主義を度々耳にしてきて、過去に『穢れた血』という言葉を彼の口から聞いた時はとっても怒ったわ。二人も知っているでしょう?それなのに結局私は何だかんだ彼の行為に目をつむってしまった。今でも彼とのそんな些細な認識の差を時々感じるけれど、相変わらず私は見て見ぬふりをしてばかりいるわ。そんなの、大人になればもっと大きな歪になりかねないもの。……そうやって分かっている筈なのに、変わらず彼のことを好きでいるなんてね。」
フォーラは一息吐くと続けた。
「逆にドラコだって、本当は私が根っからの純血主義の方が良かった筈だし、何より彼が敵視しているグリフィンドールの人たちと私が普通に話しているのだって、本当は嫌だったと思う。それなのに彼はそれらのことに目をつむってくれて、その上私を好きになってくれた。」
パンジーもルニーも何も言わずに真剣な様子でフォーラを見つめた。フォーラが続けた。
「お互いに想い合っていたらそれでいいんじゃないかって、そう思った時も確かにあったわ。でもこの先、考え方の違いをきっかけにドラコと仲違いすることになってしまうのだけは本当に嫌。だから、彼が気持ちを伝えてくれて本当に本当に嬉しかったけれど、お断りしたの。私は……要するに彼の好意から逃げてしまったのよ。」
フォーラがそこまで言うと、二人とも少しは納得してくれたようだった。きっとそれはフォーラが抱える本心に最も近い、いや、真実そのものの気持ちだと分かったからだろう。すると今度はルニーが不安げに口を開いた。
「それなら、二人のどっちかの考えが変わらない限り、一緒にはなれないってことよね?でもそれってとっても難しいことじゃない?だって、人間はみんな考え方が違うのなんて分かりきってるんだし」
その言葉にフォーラは少々寂しそうに頷いた。
「ええ、ルニーの言うとおりだと思う。私だって今はこんなことを言っているけれど、もしかしたら何かの拍子に思い改めることがあるかもしれない。だからね、きっといつかその時が来たら、自分の中で納得できたら……今度は私から気持ちを伝えたいって、そう思っているわ。その時ドラコが私を好きじゃなくたっていいの。もしかしたらもう既に、私たちの関係は壊れてしまっているのかもしれないけれどね……。」
すると、今度はフォーラの隣で悩ましげな表情をしたパンジーが、グイと身を乗り出してきた。
「ねえ、フォーラはそれでいいの?もし、ドラコが他の誰かと一緒になっても、それでも本当にいいの?」
「え……」
フォーラは思わず言葉に詰まってしまった。彼女はパンジーが考え直すよう言ってくれているのを感じたが、『本当はドラコと一緒になりたい』という正直な心の声に反して首を縦に振った。いや、振るしかなかった。
「それでもいいわ。だってもしそうなったとしても、ドラコを傷つけてしまった私の、自業自得だもの。」
そう伝えたフォーラの表情があまりにも寂しげで、パンジーとルニーは思わず顔を見合わせてしまった。