7. 前進
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フォーラは先程シリウスと話した内容を簡潔に伝えた。するとジョージは随分安心して胸を撫で下ろした。
「ホントに驚いたぜ。フォーラが非行に走ったのかと思った」
「ふふ、大丈夫よ。でもね、やっぱり明日両親が迎えに来てからにしようと思ったところだったの。きちんと二人に私の疑問を投げ掛けて、そして二人の口から改めて、私の両親は自分たちだと言ってもらってからにしたいなって……。」
「そっか。そういうことなら絶対大丈夫だ。間違いなく親子だって、そう言ってもらえるさ」
「どうもありがとう。そういえば、ジョージはどうしてここへ?」
ジョージはそのような質問が来るのを予想していたものの、それに対する回答を口に出すのが少々気恥ずかしかったのと、こちらを見上げるフォーラが寝間着姿なのとが相まって、彼女から視線を外してほんの少し言葉を詰まらせた。心なしか心臓が速いのは気のせいではなかった。
「あー、その。フォーラ、君がこの館で過ごすのは今日が最後だろ?だから……少し話せたらと思ってさ。もしかしたらここに居るかと思ったんだ」
「そうだったの?ありがとう!実は私、丁度ジョージにお礼を言いたいと思っていたの。ジョージは自覚がないかもしれないけれど、この館で過ごす間、貴方には特別良くしてもらったから……。でもフレッドやみんなの前で、ジョージにだけ改めて感謝を伝えるのは少し気が引けてしまって。だから貴方とこうして話せてとっても嬉しいわ。」
ジョージはフォーラが溌剌とした笑顔を自分だけに向けてくれて、しかも本当に嬉しい言葉を特別に掛けてくれたことに胸が高鳴った。しかしそれと同時に彼の脳裏には、以前フォーラがドラコを想っているとみんなに告げた時のことが頭をよぎっていた。
「でも、どうして私がここに居ると分かったの?」
ジョージは以前からフォーラがこの部屋のタペストリーを気にかけているのを知っていたが、そのことをあえて口には出さず、肩を竦めて笑っただけだった。するとフォーラが代わりに口を開いた。
「ジョージには、私がこの館に来た日から助けてもらってばかりで……。それに、貴方は私の些細なことにも沢山気付いてくれて。もしかしたら今ここに来てくれたのだって、私が知らないうちに何か察してくれていたからなのかも。本当に、何とお礼を言ったらいいか。」
するとジョージはとんでもないといった様子で申し訳なさそうに返答した。
「いいや、俺は何もしてないさ。俺、フォーラには早く元気になってほしかったんだ。でもそのせいで気持ちが先走って、寧ろ君を余計に悩ませるようなことも言った。それに正直に言うと、自分の行動で君を傷つけるのが怖くて、逆に殆ど何もしてやれなかった。今でも悪かったと思ってる」
すると今度はフォーラが何度か首を横に振った。
「ジョージは何も謝るようなことをしていないわ。それに、何もしてやれなかっただなんて……私、貴方から沢山貰ったわ。ジョージが気遣ってくれて本当に感謝しているのよ。私がこの館へ来た初日、みんなからの都合の悪い質問を遮って私を逃がしてくれたことも嬉しかった。それに『いたずら専門店』のアイテムだって、お手伝いに誘ってもらえてとっても楽しかったし、その時も家族との大切なことを沢山思い出せたんだもの。」
ジョージはフォーラが自分への感謝の気持ちを一生懸命伝えてくれて胸の奥がじんわりと温かくなったし、一方でぎゅっと締め付けられている気もした。彼女はこれまでも、そして今日だってこちらのした事を数多く覚えてくれている人だった。そしてジョージは彼女のそういったところが本当に好きだと改めて実感していた。
「俺たちのしたことが、少しでもフォーラの為になってたならよかったよ」
ジョージがそう言ってホッとした様子で表情を綻ばせると、フォーラも笑顔で頷いた。その時、フォーラは彼がこちらを見る目が本当に優しい瞳だと気付き、何となく目を逸らしてしまった。見覚えのあるその視線に、彼女の心臓が若干焦りを含んで不安定に煩くなった。そして同時に去年のクリスマスダンスパーティーでの事も思い出した。当時はジョージが『君に特別優しいのは何故だと思うか』と尋ねてきたのだ。その時の彼は『フォーラだからさ』と言っていた。今の彼の瞳は、あの時と同じだった。
するとジョージが言葉を続けたため、その拍子にフォーラはごく自然に彼の方へ視線を戻した。
「フォーラはさ、本当に前よりずっといい顔になったよ。この間までは心配で気が気じゃなかったんだぜ」
冗談めかしてウインクを飛ばしながらそんな風に言うジョージが、本心から自分を心配してくれていたのだとフォーラにはすぐ分かってしまった。何故なら彼はいつだってそうだったからだ。
「ジョージ、ありがとう。貴方を含め、みんなのおかげで今はもう本当に元気になれたわ。やっと、前を向ける。」
ジョージはフォーラの言葉を受けて、それまで上げていた口角を自然と落ち着かせていった。彼女の言うとおりだ。彼女はもうすっかり前を見つめている。だが当の自分はどうだろう?彼はそのようなことを考えてほんの少し無言になった後で、やや真剣な面持ちになって口を開いた。
「俺、今日ここに来たのはさ、もしフォーラがこの部屋にいたら、君はきっとまだみんなの前で元気なふりをして強がってるだけで、タペストリーの純血のことや……マルフォイのことをまだ気にしてるのかもしれないって思ったからなんだ。だからフォーラが落ち込んでたら今度こそ力になりたかったし、ルーピンや他のみんなよりも目一杯元気付けたいって思ってた」
ジョージは無意識のうちに、一度だけちらりとタペストリーの方に目をやった。彼はそこに書かれた『ドラコ・マルフォイ』の文字を視線で捉えた後、フォーラを真っ直ぐ見つめ直して微笑みを向けた。
「でも、もうその必要もないって分かって安心したよ。目の前のフォーラは俺の心配なんて吹っ飛ばすくらい大丈夫になってたし、タペストリーのことも気にしてないみたいだったからさ。だから俺、フォーラが見違える程元気になってこの館を出ていけるんだって分かって、本当に良かったって思うよ」
「ホントに驚いたぜ。フォーラが非行に走ったのかと思った」
「ふふ、大丈夫よ。でもね、やっぱり明日両親が迎えに来てからにしようと思ったところだったの。きちんと二人に私の疑問を投げ掛けて、そして二人の口から改めて、私の両親は自分たちだと言ってもらってからにしたいなって……。」
「そっか。そういうことなら絶対大丈夫だ。間違いなく親子だって、そう言ってもらえるさ」
「どうもありがとう。そういえば、ジョージはどうしてここへ?」
ジョージはそのような質問が来るのを予想していたものの、それに対する回答を口に出すのが少々気恥ずかしかったのと、こちらを見上げるフォーラが寝間着姿なのとが相まって、彼女から視線を外してほんの少し言葉を詰まらせた。心なしか心臓が速いのは気のせいではなかった。
「あー、その。フォーラ、君がこの館で過ごすのは今日が最後だろ?だから……少し話せたらと思ってさ。もしかしたらここに居るかと思ったんだ」
「そうだったの?ありがとう!実は私、丁度ジョージにお礼を言いたいと思っていたの。ジョージは自覚がないかもしれないけれど、この館で過ごす間、貴方には特別良くしてもらったから……。でもフレッドやみんなの前で、ジョージにだけ改めて感謝を伝えるのは少し気が引けてしまって。だから貴方とこうして話せてとっても嬉しいわ。」
ジョージはフォーラが溌剌とした笑顔を自分だけに向けてくれて、しかも本当に嬉しい言葉を特別に掛けてくれたことに胸が高鳴った。しかしそれと同時に彼の脳裏には、以前フォーラがドラコを想っているとみんなに告げた時のことが頭をよぎっていた。
「でも、どうして私がここに居ると分かったの?」
ジョージは以前からフォーラがこの部屋のタペストリーを気にかけているのを知っていたが、そのことをあえて口には出さず、肩を竦めて笑っただけだった。するとフォーラが代わりに口を開いた。
「ジョージには、私がこの館に来た日から助けてもらってばかりで……。それに、貴方は私の些細なことにも沢山気付いてくれて。もしかしたら今ここに来てくれたのだって、私が知らないうちに何か察してくれていたからなのかも。本当に、何とお礼を言ったらいいか。」
するとジョージはとんでもないといった様子で申し訳なさそうに返答した。
「いいや、俺は何もしてないさ。俺、フォーラには早く元気になってほしかったんだ。でもそのせいで気持ちが先走って、寧ろ君を余計に悩ませるようなことも言った。それに正直に言うと、自分の行動で君を傷つけるのが怖くて、逆に殆ど何もしてやれなかった。今でも悪かったと思ってる」
すると今度はフォーラが何度か首を横に振った。
「ジョージは何も謝るようなことをしていないわ。それに、何もしてやれなかっただなんて……私、貴方から沢山貰ったわ。ジョージが気遣ってくれて本当に感謝しているのよ。私がこの館へ来た初日、みんなからの都合の悪い質問を遮って私を逃がしてくれたことも嬉しかった。それに『いたずら専門店』のアイテムだって、お手伝いに誘ってもらえてとっても楽しかったし、その時も家族との大切なことを沢山思い出せたんだもの。」
ジョージはフォーラが自分への感謝の気持ちを一生懸命伝えてくれて胸の奥がじんわりと温かくなったし、一方でぎゅっと締め付けられている気もした。彼女はこれまでも、そして今日だってこちらのした事を数多く覚えてくれている人だった。そしてジョージは彼女のそういったところが本当に好きだと改めて実感していた。
「俺たちのしたことが、少しでもフォーラの為になってたならよかったよ」
ジョージがそう言ってホッとした様子で表情を綻ばせると、フォーラも笑顔で頷いた。その時、フォーラは彼がこちらを見る目が本当に優しい瞳だと気付き、何となく目を逸らしてしまった。見覚えのあるその視線に、彼女の心臓が若干焦りを含んで不安定に煩くなった。そして同時に去年のクリスマスダンスパーティーでの事も思い出した。当時はジョージが『君に特別優しいのは何故だと思うか』と尋ねてきたのだ。その時の彼は『フォーラだからさ』と言っていた。今の彼の瞳は、あの時と同じだった。
するとジョージが言葉を続けたため、その拍子にフォーラはごく自然に彼の方へ視線を戻した。
「フォーラはさ、本当に前よりずっといい顔になったよ。この間までは心配で気が気じゃなかったんだぜ」
冗談めかしてウインクを飛ばしながらそんな風に言うジョージが、本心から自分を心配してくれていたのだとフォーラにはすぐ分かってしまった。何故なら彼はいつだってそうだったからだ。
「ジョージ、ありがとう。貴方を含め、みんなのおかげで今はもう本当に元気になれたわ。やっと、前を向ける。」
ジョージはフォーラの言葉を受けて、それまで上げていた口角を自然と落ち着かせていった。彼女の言うとおりだ。彼女はもうすっかり前を見つめている。だが当の自分はどうだろう?彼はそのようなことを考えてほんの少し無言になった後で、やや真剣な面持ちになって口を開いた。
「俺、今日ここに来たのはさ、もしフォーラがこの部屋にいたら、君はきっとまだみんなの前で元気なふりをして強がってるだけで、タペストリーの純血のことや……マルフォイのことをまだ気にしてるのかもしれないって思ったからなんだ。だからフォーラが落ち込んでたら今度こそ力になりたかったし、ルーピンや他のみんなよりも目一杯元気付けたいって思ってた」
ジョージは無意識のうちに、一度だけちらりとタペストリーの方に目をやった。彼はそこに書かれた『ドラコ・マルフォイ』の文字を視線で捉えた後、フォーラを真っ直ぐ見つめ直して微笑みを向けた。
「でも、もうその必要もないって分かって安心したよ。目の前のフォーラは俺の心配なんて吹っ飛ばすくらい大丈夫になってたし、タペストリーのことも気にしてないみたいだったからさ。だから俺、フォーラが見違える程元気になってこの館を出ていけるんだって分かって、本当に良かったって思うよ」