6. 私の素顔
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しかしルーピンはその発言を受け入れず、優しく諭しただけだった。
「もちろん知っているよ。それに、誰も君がスリザリン寮の友人たちにここの話をしないと分かっている。それに、騎士団員がこんなに一生懸命になって何をしようとしているのか、私は君にも聞いていてほしいんだ。だから、お願いだ」
フォーラにはルーピンの真剣な様子から彼の頼みを断ることができなかった。彼女は自意識過剰になっているせいで彼以外から向けられた視線を見るのがなんだか怖くなり、周囲に目を向けずに元の席におずおずと腰を落ち着け直した。それを見ていた友人たちは心配そうに互いに顔を見交わせたのだった。
その後の時間は、ハリーを中心として子供たちがシリウスやルーピンに騎士団に関する質問を投げかけていった。彼らの回答は、元々双子やハーマイオニーが集めていた既知の内容にほんの少し肉づけした程度のものだった。ハリーがヴォルデモートの復活を目撃し、ダンブルドアに知らせたおかげですぐさま騎士団を招集できたこと。ヴォルデモートの目論見は彼自身の軍団の再構築であること。騎士団も仲間を増やそうと奮闘しているが、魔法省にヴォルデモート陣営の『死喰い人』が紛れていることや、魔法省大臣のファッジがダンブルドアに大臣の座を奪われると勘違いして、ダンブルドアの主張であるヴォルデモート復活の話を一切新聞に掲載させていないこと。それによって騎士団の身動きがなかなか取れずにいることなどをルーピンやシリウスたちが話してくれた。
フォーラは初め、何故ルーピンが自分をここに残したのかと少し恨めしく思っていたが、彼らから直接話を聞くうちに、ヴォルデモートという存在が如何に恐ろしく、そこへ立ち向かおうとしている人たちが如何に必死かを次第に感じていった。騎士団のメンバーを大々的に募れない中、トンクスやキングズリーといった人材に加えてファントム家の参加も十分貴重なことだと聞いた時、フォーラは自分の両親や使用人らがこの軍団と共に命をかけて戦おうとしているのだと、改めて実感せざるを得なかった。それに……。
するとシリウスが先程からの続きを話した。
「ヴォルデモートが仲間を集める方法は、だまし、呪いを掛け、恐喝する。隠密行動は手馴れたものだ。いずれにせよ奴の関心は……」
フォーラの耳にはその後のシリウスの言葉があまり入ってこなかった。彼の話を途中まで聞いて彼女の頭に浮かんだのは、ヴォルデモートが世の中を支配すればするほど、今までみんなと築いてきた素敵な日々を今後過ごせなくなってしまう未来があり得るということだった。それは当然のことだが、更に今の彼女の脳裏には、この館にいる間に思い出した家族との日々に加え、学校の友人たち、そしてドラコの姿が浮かんで焼きついていた。彼女は両親たちが何故こんなにも必死に戦いに備えているかを、ここにいる騎士団員に知らしめてもらった気がした。
そして、フォーラはこの館に来た日に、母親からきつく抱きしめられたことも思い出していた。
(母様も父様も、私とこの先も生きたいと思ってくれて)
「もうたくさん!」
フォーラの頭にたった今浮かんだ言葉は、ハリーの質問を遮るモリーの声によって遮られてしまった。子供たちとしてはどうやら盛り上がってきたところだったらしく、話を中断されて駄々をこねていた。しかしモリーのあまりの怒りっぷりにその後は誰も何も言えず、結局その場をお開きにして子供たちは就寝しにいく他なかった。
フォーラも無言で立ち上がったが、自分が先程まで考えていたことをもう一度考えるには、今日はもう頭が疲れ過ぎていると感じた。そのため今は一旦それらを頭の片隅に置いておくことにしたのだった。
ルーピンはフォーラを心配して目で追いそうになるのを耐えた。彼女が最初にこの部屋から立ち去ろうとした時、彼としては彼女がこの館に来てから今もなお深く悩んでいるのが目に見えて分かって、咄嗟に何かせずにはいられなかった。それ故に彼女をこの場に留まらせたが、自分が引き止めたにもかかわらず、後になってその行為自体が彼女を苦しめやしなかったかと不安だった。だが今となっては何もしないよりはきっと良かったのだと思う他なかった。そして、彼から少し離れた位置にいたシリウスは、どこかいつもと様子の異なる友人を横目に留めていたのだった。
それからの日々はこれまで以上に忙しくなった。モリーの計らいで子供たちが騎士団に関する質問の時間を持たずに済むよう、館の掃除を徹底的に行わせていたからだ。ところでハリーを含めたみんなは以前に比べてフォーラと腹を割って話せる関係になっていた。彼女にとっても自分のことを正直に話して良かったと思える部分ではあったが、それでもやはり騎士団の話について議論する場面になると、以前よりも会話への参加を控えるようになった。そのためモリーの計画はフォーラにとって正直有難かった。
ところで、子供たちが騎士団について質問した夜の次の日は、本当に忙しく過ごすことになった。客間の大掃除だ。フォーラもみんなも客間に入るのは初めてだった。午前中はカーテン裏に住み着いたドクシーを退治し、その後シリウスを呼んで戸棚のガラクタの廃棄に取り掛かった。途中でクリーチャーが客間に忍び込み、廃棄前の元主人の貴重な品をくすねようとするのをシリウスに見つかって部屋を追い出される事件があった。それがようやく落ち着いた頃にはあっという間に昼食時になっていた。
モリーが昼食のサンドイッチを階下に取りに行っている間、シリウスは客間の壁の一面を覆っているカーテンをめくり、その陰になっていた大きなタペストリーを丁度近くにいたハリーとフォーラに見せた。
「クリーチャーが客間に入ってきたのは、きっとこのタペストリーが無事か確認するためだ。私の大嫌いな品でね。きっと母親の肖像画同様、永久粘着呪文が掛けてあるに違いない。だが私はこれを取り外せるなら必ずそうする」
タペストリーには『高貴なる由緒正しきブラック家 純血よ永遠なれ』と書かれており、何世代も前から現在に至るまでのブラック家の家系図が象 られていた。しかしそこにはシリウスの名は無く、本来その名があるべき場所は黒く焦げた跡を残しているだけだった。
「もちろん知っているよ。それに、誰も君がスリザリン寮の友人たちにここの話をしないと分かっている。それに、騎士団員がこんなに一生懸命になって何をしようとしているのか、私は君にも聞いていてほしいんだ。だから、お願いだ」
フォーラにはルーピンの真剣な様子から彼の頼みを断ることができなかった。彼女は自意識過剰になっているせいで彼以外から向けられた視線を見るのがなんだか怖くなり、周囲に目を向けずに元の席におずおずと腰を落ち着け直した。それを見ていた友人たちは心配そうに互いに顔を見交わせたのだった。
その後の時間は、ハリーを中心として子供たちがシリウスやルーピンに騎士団に関する質問を投げかけていった。彼らの回答は、元々双子やハーマイオニーが集めていた既知の内容にほんの少し肉づけした程度のものだった。ハリーがヴォルデモートの復活を目撃し、ダンブルドアに知らせたおかげですぐさま騎士団を招集できたこと。ヴォルデモートの目論見は彼自身の軍団の再構築であること。騎士団も仲間を増やそうと奮闘しているが、魔法省にヴォルデモート陣営の『死喰い人』が紛れていることや、魔法省大臣のファッジがダンブルドアに大臣の座を奪われると勘違いして、ダンブルドアの主張であるヴォルデモート復活の話を一切新聞に掲載させていないこと。それによって騎士団の身動きがなかなか取れずにいることなどをルーピンやシリウスたちが話してくれた。
フォーラは初め、何故ルーピンが自分をここに残したのかと少し恨めしく思っていたが、彼らから直接話を聞くうちに、ヴォルデモートという存在が如何に恐ろしく、そこへ立ち向かおうとしている人たちが如何に必死かを次第に感じていった。騎士団のメンバーを大々的に募れない中、トンクスやキングズリーといった人材に加えてファントム家の参加も十分貴重なことだと聞いた時、フォーラは自分の両親や使用人らがこの軍団と共に命をかけて戦おうとしているのだと、改めて実感せざるを得なかった。それに……。
するとシリウスが先程からの続きを話した。
「ヴォルデモートが仲間を集める方法は、だまし、呪いを掛け、恐喝する。隠密行動は手馴れたものだ。いずれにせよ奴の関心は……」
フォーラの耳にはその後のシリウスの言葉があまり入ってこなかった。彼の話を途中まで聞いて彼女の頭に浮かんだのは、ヴォルデモートが世の中を支配すればするほど、今までみんなと築いてきた素敵な日々を今後過ごせなくなってしまう未来があり得るということだった。それは当然のことだが、更に今の彼女の脳裏には、この館にいる間に思い出した家族との日々に加え、学校の友人たち、そしてドラコの姿が浮かんで焼きついていた。彼女は両親たちが何故こんなにも必死に戦いに備えているかを、ここにいる騎士団員に知らしめてもらった気がした。
そして、フォーラはこの館に来た日に、母親からきつく抱きしめられたことも思い出していた。
(母様も父様も、私とこの先も生きたいと思ってくれて)
「もうたくさん!」
フォーラの頭にたった今浮かんだ言葉は、ハリーの質問を遮るモリーの声によって遮られてしまった。子供たちとしてはどうやら盛り上がってきたところだったらしく、話を中断されて駄々をこねていた。しかしモリーのあまりの怒りっぷりにその後は誰も何も言えず、結局その場をお開きにして子供たちは就寝しにいく他なかった。
フォーラも無言で立ち上がったが、自分が先程まで考えていたことをもう一度考えるには、今日はもう頭が疲れ過ぎていると感じた。そのため今は一旦それらを頭の片隅に置いておくことにしたのだった。
ルーピンはフォーラを心配して目で追いそうになるのを耐えた。彼女が最初にこの部屋から立ち去ろうとした時、彼としては彼女がこの館に来てから今もなお深く悩んでいるのが目に見えて分かって、咄嗟に何かせずにはいられなかった。それ故に彼女をこの場に留まらせたが、自分が引き止めたにもかかわらず、後になってその行為自体が彼女を苦しめやしなかったかと不安だった。だが今となっては何もしないよりはきっと良かったのだと思う他なかった。そして、彼から少し離れた位置にいたシリウスは、どこかいつもと様子の異なる友人を横目に留めていたのだった。
それからの日々はこれまで以上に忙しくなった。モリーの計らいで子供たちが騎士団に関する質問の時間を持たずに済むよう、館の掃除を徹底的に行わせていたからだ。ところでハリーを含めたみんなは以前に比べてフォーラと腹を割って話せる関係になっていた。彼女にとっても自分のことを正直に話して良かったと思える部分ではあったが、それでもやはり騎士団の話について議論する場面になると、以前よりも会話への参加を控えるようになった。そのためモリーの計画はフォーラにとって正直有難かった。
ところで、子供たちが騎士団について質問した夜の次の日は、本当に忙しく過ごすことになった。客間の大掃除だ。フォーラもみんなも客間に入るのは初めてだった。午前中はカーテン裏に住み着いたドクシーを退治し、その後シリウスを呼んで戸棚のガラクタの廃棄に取り掛かった。途中でクリーチャーが客間に忍び込み、廃棄前の元主人の貴重な品をくすねようとするのをシリウスに見つかって部屋を追い出される事件があった。それがようやく落ち着いた頃にはあっという間に昼食時になっていた。
モリーが昼食のサンドイッチを階下に取りに行っている間、シリウスは客間の壁の一面を覆っているカーテンをめくり、その陰になっていた大きなタペストリーを丁度近くにいたハリーとフォーラに見せた。
「クリーチャーが客間に入ってきたのは、きっとこのタペストリーが無事か確認するためだ。私の大嫌いな品でね。きっと母親の肖像画同様、永久粘着呪文が掛けてあるに違いない。だが私はこれを取り外せるなら必ずそうする」
タペストリーには『高貴なる由緒正しきブラック家 純血よ永遠なれ』と書かれており、何世代も前から現在に至るまでのブラック家の家系図が