6. 私の素顔
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「私、ドラコや彼のご両親が助かるまでは、せめて彼の前では純血でいなければならないし、……ううん、純血でいたいの。馬鹿げているかもしれないけれど、本当はずっとそのまま……。だから私はここでのことも自分のことも、何も彼に話せないし、絶対に話したくもないの。」
すると今度はハーマイオニーがおずおずと尋ねた。
「フォーラ、でも、その……何と言えばいいのか。あのね、もしよ?もしマルフォイが―――」
フォーラにはハーマイオニーの言わんとしていることが手に取るように分かって、胸の奥がズキンと痛んだ。しかし彼女は微笑みを繕って答えた。
「たとえドラコが私との仲を『純血同士』の上だと考えていても、それは仕方のないことだって何とか自分に言い聞かせているわ。そのことで傷つきたくもないし、これからもスリザリン寮で純血のふりをして過ごすなら、早く自分がマグル生まれであることを受け入れて冷静にならないといけない。でも自宅ではそれが叶わないと思って、それでここへ逃げて来てしまったの……。」
フォーラは一呼吸した後、申し訳なさで一杯になって続けた。
「私の勝手でみんなに不安を募らせてしまって、本当にごめんなさい。でも今話したことが、私がここにいる本当の理由なの。私、ここでの事をドラコに話さないと約束するわ。それでももし信用できないようであれば……私は直ぐにでもここから去って、これ以上ここでの事を知らずに済むように―――」
「フォーラのことは」その時、この場にみんなが再集結してから初めてジョージが口を開いた。全員の視線が彼に集中していたが、彼はフォーラだけを見つめていた。
「ハリーが来る前にも話したとおり、最初からみんなちゃんと君を信用してるさ。ハリーだって、今のでフォーラの考えや彼女に害がないってことを、ある程度は理解できた筈だろ?」
ハリーはジョージが落ち着いた笑みで尋ねてくる姿を視界に入れると、次にフォーラやみんなを見渡した。彼はこれまでの軟禁による慢性的な苛立ちのせいで自ら謝りこそしなかったものの、少し申し訳なさそうにコクリと頷いた。全員がハリーのそんな様子に安堵すると、ジョージがフォーラに声を掛けた。
「正直に話してくれて、ありがとな」
優しい表情でそう言った彼に、フォーラは感謝の気持ちで一杯だった。フォーラは首を横に振ると笑顔を見せ、ほんの少し震える声色で「こちらこそ、ありがとう」とみんなに伝えたのだった。
さて、その後は気を取り直して次の話題に移ろうとしていたのだが、モリーが子供たちを夕食に呼ぶために階段を上がって来る音ですっかり打ち切られた。全員が階下へ向かう中、フォーラはここしばらく自分のことで精一杯だったせいで、すっかり頭の中から抜け落ちていたことを思い出した。ジョージの自分に対する気持ちだ。
昨年度のクリスマスダンスパーティーの終わりに、フォーラはジョージからの好意を察した。けっして彼から直接想いを伝えらえたわけではなかったとはいえ、つい先程は彼の前でドラコへの気持ちを打ち明けてしまった。それ故に彼女の中で行き場のない気持ちが渦巻きかけたが、この館で日々ジョージは普段と変わらぬ様子で接してくれていて、彼だってとっくに自分への気持ちが変化しているかもしれないのにと、一瞬でも自惚れてしまったことを恥ずかしく思ったのだった。
それからの夕食の時間はいつもよりやや活気に満ちていた。というのもハリーがやってきたことで彼の後見人のシリウスが随分元気になったし、モリーも他のみんなもハリーの到着を歓迎していたからだ。フォーラのいる席はハリーから少し離れており、彼を交えてその場を楽しんだわけではなかったが、彼女は先程の事で幾らか心にゆとりを持って付近の人たちとの会話を楽しめていた。そのため夕食の微睡みの時間にハリーを巡ってシリウスとモリーが喧嘩を始めていたことに、彼女はすぐには気付けなかったのだ。
「私はハリーの後見人だ!彼が知りたいと思うことを伝える義務がある!」
「それはあなた一人で決めることじゃありません!ハリーはまだ子供なのよ!」
周囲が何だなんだと見守る中、どうやらハリーに騎士団の内情を教えるべきか否か口論になっているのだと分かってきた。するとハリーの友人らは、自分たちにも聞く権利があると主張し始めたではないか。
それを聞いたフォーラは、どうか話を聞くのはハリーだけでいいと願ったし、彼が聞いた話を自分以外のグリフィンドールの友人らにだけ伝えればいいとも思った。そうすれば自分はみんなと自然にこの部屋から出られ、騎士団の秘密からは蚊帳の外となる。先程ロンの部屋でフォーラに関する話し合いがあり、みんなの理解が得られたとはいえ、彼女からすればドラコに近い存在の自分が騎士団の深い話を聞くべきでないと、みんな心の何処かでそのように思っているだろうと感じたのだ。
しかしフォーラの願いは虚しく、モリーとシリウスの仲裁に入ったルーピンやアーサーの言葉によって、結局ウィーズリー家の子供たちもすぐにハリーから話を聞くだろうとして、この場に留まることを許された。ただしジニーだけは幼いからとモリーに許されず、嫌だと泣き叫びながら母親に引きずられて食堂を後にしなければならなかった。
フォーラはここを退室するなら今しかないと思い、彼女もジニーに付き添おうと席を立って入り口に足を向けた。すると彼女は自分を呼び止める落ち着いた声に、その足を止めざるを得なかった。
「フォーラ、ここにいなさい」
不自然に立ち上がった状態のフォーラは、声の主であるルーピンを何も言わずに振り返った。彼女の瞳はじっとルーピンを捉えていたが、その奥にはここから立ち去りたいという想いがひしひしと表れていた。そして彼女はほんの少しだけ震える声で自分の気持ちを正直に話した。
「私……ここへは騎士団の内情を探りに来たわけじゃありません。だから……」
すると今度はハーマイオニーがおずおずと尋ねた。
「フォーラ、でも、その……何と言えばいいのか。あのね、もしよ?もしマルフォイが―――」
フォーラにはハーマイオニーの言わんとしていることが手に取るように分かって、胸の奥がズキンと痛んだ。しかし彼女は微笑みを繕って答えた。
「たとえドラコが私との仲を『純血同士』の上だと考えていても、それは仕方のないことだって何とか自分に言い聞かせているわ。そのことで傷つきたくもないし、これからもスリザリン寮で純血のふりをして過ごすなら、早く自分がマグル生まれであることを受け入れて冷静にならないといけない。でも自宅ではそれが叶わないと思って、それでここへ逃げて来てしまったの……。」
フォーラは一呼吸した後、申し訳なさで一杯になって続けた。
「私の勝手でみんなに不安を募らせてしまって、本当にごめんなさい。でも今話したことが、私がここにいる本当の理由なの。私、ここでの事をドラコに話さないと約束するわ。それでももし信用できないようであれば……私は直ぐにでもここから去って、これ以上ここでの事を知らずに済むように―――」
「フォーラのことは」その時、この場にみんなが再集結してから初めてジョージが口を開いた。全員の視線が彼に集中していたが、彼はフォーラだけを見つめていた。
「ハリーが来る前にも話したとおり、最初からみんなちゃんと君を信用してるさ。ハリーだって、今のでフォーラの考えや彼女に害がないってことを、ある程度は理解できた筈だろ?」
ハリーはジョージが落ち着いた笑みで尋ねてくる姿を視界に入れると、次にフォーラやみんなを見渡した。彼はこれまでの軟禁による慢性的な苛立ちのせいで自ら謝りこそしなかったものの、少し申し訳なさそうにコクリと頷いた。全員がハリーのそんな様子に安堵すると、ジョージがフォーラに声を掛けた。
「正直に話してくれて、ありがとな」
優しい表情でそう言った彼に、フォーラは感謝の気持ちで一杯だった。フォーラは首を横に振ると笑顔を見せ、ほんの少し震える声色で「こちらこそ、ありがとう」とみんなに伝えたのだった。
さて、その後は気を取り直して次の話題に移ろうとしていたのだが、モリーが子供たちを夕食に呼ぶために階段を上がって来る音ですっかり打ち切られた。全員が階下へ向かう中、フォーラはここしばらく自分のことで精一杯だったせいで、すっかり頭の中から抜け落ちていたことを思い出した。ジョージの自分に対する気持ちだ。
昨年度のクリスマスダンスパーティーの終わりに、フォーラはジョージからの好意を察した。けっして彼から直接想いを伝えらえたわけではなかったとはいえ、つい先程は彼の前でドラコへの気持ちを打ち明けてしまった。それ故に彼女の中で行き場のない気持ちが渦巻きかけたが、この館で日々ジョージは普段と変わらぬ様子で接してくれていて、彼だってとっくに自分への気持ちが変化しているかもしれないのにと、一瞬でも自惚れてしまったことを恥ずかしく思ったのだった。
それからの夕食の時間はいつもよりやや活気に満ちていた。というのもハリーがやってきたことで彼の後見人のシリウスが随分元気になったし、モリーも他のみんなもハリーの到着を歓迎していたからだ。フォーラのいる席はハリーから少し離れており、彼を交えてその場を楽しんだわけではなかったが、彼女は先程の事で幾らか心にゆとりを持って付近の人たちとの会話を楽しめていた。そのため夕食の微睡みの時間にハリーを巡ってシリウスとモリーが喧嘩を始めていたことに、彼女はすぐには気付けなかったのだ。
「私はハリーの後見人だ!彼が知りたいと思うことを伝える義務がある!」
「それはあなた一人で決めることじゃありません!ハリーはまだ子供なのよ!」
周囲が何だなんだと見守る中、どうやらハリーに騎士団の内情を教えるべきか否か口論になっているのだと分かってきた。するとハリーの友人らは、自分たちにも聞く権利があると主張し始めたではないか。
それを聞いたフォーラは、どうか話を聞くのはハリーだけでいいと願ったし、彼が聞いた話を自分以外のグリフィンドールの友人らにだけ伝えればいいとも思った。そうすれば自分はみんなと自然にこの部屋から出られ、騎士団の秘密からは蚊帳の外となる。先程ロンの部屋でフォーラに関する話し合いがあり、みんなの理解が得られたとはいえ、彼女からすればドラコに近い存在の自分が騎士団の深い話を聞くべきでないと、みんな心の何処かでそのように思っているだろうと感じたのだ。
しかしフォーラの願いは虚しく、モリーとシリウスの仲裁に入ったルーピンやアーサーの言葉によって、結局ウィーズリー家の子供たちもすぐにハリーから話を聞くだろうとして、この場に留まることを許された。ただしジニーだけは幼いからとモリーに許されず、嫌だと泣き叫びながら母親に引きずられて食堂を後にしなければならなかった。
フォーラはここを退室するなら今しかないと思い、彼女もジニーに付き添おうと席を立って入り口に足を向けた。すると彼女は自分を呼び止める落ち着いた声に、その足を止めざるを得なかった。
「フォーラ、ここにいなさい」
不自然に立ち上がった状態のフォーラは、声の主であるルーピンを何も言わずに振り返った。彼女の瞳はじっとルーピンを捉えていたが、その奥にはここから立ち去りたいという想いがひしひしと表れていた。そして彼女はほんの少しだけ震える声で自分の気持ちを正直に話した。
「私……ここへは騎士団の内情を探りに来たわけじゃありません。だから……」