6. 私の素顔
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
フォーラ自身がマグル生まれであると知った今、仮に彼女がハーマイオニーの懸念するように騎士団のことをドラコに話してしまったら、それは団員や両親の計画を台無しにしてドラコを救う機会を逃すだけでは済まない。結局最後にはマグル生まれのことも彼に知られてしまうことになる。
だからフォーラが自分や両親、そしてドラコを救うためには『うっかり心を許す』ことはそもそも絶対にあってはならないのだ。それにフォーラがこうして騎士団側にいるしかない状態を作っているのは、ダンブルドアやスネイプたち本人でもある。だから彼女はここに来るのを許されていた。
フォーラは今後もこれまでどおり、ドラコやマルフォイ家の前、そして学校の中でも完全な『純血のフォーラ』を演じ上げなければならなかった。しかし先程も説明したとおり、彼女の心はまだ純血に捕らわれたままだった。両親ともドラコとも繋がりがなくなった気がしたままでは、一番必要な家族との団結も叶わず、ドラコの前で自分を演じることも出来ず、唯々自分がボロボロになってしまうのが目に見えていた。それを何とかしたくて彼女はこの館にやって来たが、かれこれ数週間経っても未だに答えは掴めないままだ。
そしてフォーラがそういった正直な気持ちをみんなに話せないでいるのは、ここにいる全員が『純血主義にこだわりがないフォーラ・ファントム』しか知らないからだ。彼らに本当の自分はこんなにも純血への執着心を持っているなんて話せば、きっと馬鹿げていると思うだろうし幻滅もされてしまうだろう。挙句、ドラコ・マルフォイなんてやめておけと諭されるかもしれない。フォーラはただ純粋に大切な存在であるドラコを助けたいと願っているのに、そんなことを言われてしまったら、ドラコの求める彼女が『純血もマグル生まれも関係ないフォーラ自身』だったのかどうかを考える時間を作ってしまうことになる。そんなことからはできれば今はずっと目を背けていたいのに、そうなったら自分はその後どうすればいい?
「……」フォーラはハーマイオニーの問い掛けにしばらく黙ったままだったが、唇にギュッと力を込めた。
ロンは自分のことを信じて否定の言葉を投げずにいてくれた。他のみんなだって知らず知らずのうちに気を遣ってくれていた。それなのに自分はその気遣いを盾にして多くを語らず、大丈夫だと言って嘘をついてきた。思い返せば嘘はそれだけでなく、この館に来た日にシリウスとアニメーガスについて言葉を交わした際、彼にはフォーラがその能力を自ら公表して登録を申し出たと勘違いされて褒められた。けしてそういうわけではなかったのに、彼女は彼の言葉を否定しなかった。それに今までだって、他のことで沢山嘘を吐いてきた。
いつも自分は知らないうちに自身を良く見せようと『良い子』であろうとしてきた。そこには彼女のスリザリン生らしさが一番表れていた。だが、このままではハーマイオニーたちがこちらに向き合おうとしてくれているのを軽くあしらっているのと何も変わらないのだ。
その時ジョージが言った。
「ハーマイオニー、やめよう。ロンも言ってただろ。フォーラにも言いたくないことだってある」
フォーラは真剣にそのように話すジョージを見て、自身に逃げ場を作ってくれている彼から思わず視線を逸らした。そしてその時、彼女の頭の中にかつて誰かに言われた言葉が浮かんできた。そう、あれは昨年度の学期終わりに校長室で聞いたものだった。古びた帽子と、ダンブルドアの声だ。
『悩み、悩み抜くことだ。君は自らの力で納得できる答えを見つけなければならない』
『お主が自ら感じ、納得しなければ、他にその苦しみから解放される術 はない』
そしてフォーラはダンブルドアがついこの間ここへやって来た日、彼から託された『ドラコに手を差し伸べてやってほしい』というお願いについて、まだ今の自分では叶いそうにない旨を話そうとした時、彼に口止めされたことも思い出した。それはもし周囲の友人らにその話を漏れ聞かれた場合に反感を買うと予想できたからこその行動だったが、ダンブルドアはこうも言った。
『ゆっくりでよい。思うようにやってみるのが一番じゃからの』
結局ダンブルドアはいつも、フォーラ自ら行動を起こすよう促してくれていたのだ。ドラコを助けることはみんなに聞き耳を立てられた上で知られるのではなく、しっかり自分の言葉で彼らにその意思を伝えなくてはいけないのだと、今となってはそう思えた。
そしてフォーラの脳裏には、この館に来てからルーピンにだけ話した自身の言葉も浮かんできた。
『こんなにもみんなが明るく接してくれているのに、自分だけこのままじゃいけないって、私も心から一緒に楽しく過ごせるようになりたいって、そう思ったんです。だから……。』
あの時のルーピンは次のように返答した。
『きっと上手くいく。私やみんなが付いている。きっと、純血とのしがらみを解決できる』
(今の私は……みんなにこんなにも寄り添ってもらっているのに、自分で何もしようとしていないんだわ)
ハーマイオニーがフォーラに無理強いしたことを謝罪しようとした時、フォーラは顔を上げて彼女よりも先に声を発した。
「分かったわ、ハーマイオニー。ハリーが来たら彼も含め、みんな一緒に説明するわ。私の考えていることを全部。」
それを聞いたハーマイオニーはパッと表情を明るくしたが、ジョージは驚いた様子でフォーラを見て心配の声を掛けた。
「フォーラ、」
「いいの、ありがとう。きっと最初からこうしなくちゃいけなかったんだわ。それにみんなにとっては、たいしたことではないかもしれないもの。」
「君がこんなに悩んでるのに、そんなわけ……!」
しかしジョージはフォーラの真剣な眼差しに、何も否定の言葉が伝わらないのを察した。
「……いや、君がせっかく決心したのに、悪かった」
そう言ってジョージは部屋から出ていってしまった。ロンはどうしたんだろうと首を傾げたが、ハーマイオニーとジニーはハラハラともう見えないドア向こうの方を見ていたし、フレッドはため息混じりに苦笑いするしかなかった。
だからフォーラが自分や両親、そしてドラコを救うためには『うっかり心を許す』ことはそもそも絶対にあってはならないのだ。それにフォーラがこうして騎士団側にいるしかない状態を作っているのは、ダンブルドアやスネイプたち本人でもある。だから彼女はここに来るのを許されていた。
フォーラは今後もこれまでどおり、ドラコやマルフォイ家の前、そして学校の中でも完全な『純血のフォーラ』を演じ上げなければならなかった。しかし先程も説明したとおり、彼女の心はまだ純血に捕らわれたままだった。両親ともドラコとも繋がりがなくなった気がしたままでは、一番必要な家族との団結も叶わず、ドラコの前で自分を演じることも出来ず、唯々自分がボロボロになってしまうのが目に見えていた。それを何とかしたくて彼女はこの館にやって来たが、かれこれ数週間経っても未だに答えは掴めないままだ。
そしてフォーラがそういった正直な気持ちをみんなに話せないでいるのは、ここにいる全員が『純血主義にこだわりがないフォーラ・ファントム』しか知らないからだ。彼らに本当の自分はこんなにも純血への執着心を持っているなんて話せば、きっと馬鹿げていると思うだろうし幻滅もされてしまうだろう。挙句、ドラコ・マルフォイなんてやめておけと諭されるかもしれない。フォーラはただ純粋に大切な存在であるドラコを助けたいと願っているのに、そんなことを言われてしまったら、ドラコの求める彼女が『純血もマグル生まれも関係ないフォーラ自身』だったのかどうかを考える時間を作ってしまうことになる。そんなことからはできれば今はずっと目を背けていたいのに、そうなったら自分はその後どうすればいい?
「……」フォーラはハーマイオニーの問い掛けにしばらく黙ったままだったが、唇にギュッと力を込めた。
ロンは自分のことを信じて否定の言葉を投げずにいてくれた。他のみんなだって知らず知らずのうちに気を遣ってくれていた。それなのに自分はその気遣いを盾にして多くを語らず、大丈夫だと言って嘘をついてきた。思い返せば嘘はそれだけでなく、この館に来た日にシリウスとアニメーガスについて言葉を交わした際、彼にはフォーラがその能力を自ら公表して登録を申し出たと勘違いされて褒められた。けしてそういうわけではなかったのに、彼女は彼の言葉を否定しなかった。それに今までだって、他のことで沢山嘘を吐いてきた。
いつも自分は知らないうちに自身を良く見せようと『良い子』であろうとしてきた。そこには彼女のスリザリン生らしさが一番表れていた。だが、このままではハーマイオニーたちがこちらに向き合おうとしてくれているのを軽くあしらっているのと何も変わらないのだ。
その時ジョージが言った。
「ハーマイオニー、やめよう。ロンも言ってただろ。フォーラにも言いたくないことだってある」
フォーラは真剣にそのように話すジョージを見て、自身に逃げ場を作ってくれている彼から思わず視線を逸らした。そしてその時、彼女の頭の中にかつて誰かに言われた言葉が浮かんできた。そう、あれは昨年度の学期終わりに校長室で聞いたものだった。古びた帽子と、ダンブルドアの声だ。
『悩み、悩み抜くことだ。君は自らの力で納得できる答えを見つけなければならない』
『お主が自ら感じ、納得しなければ、他にその苦しみから解放される
そしてフォーラはダンブルドアがついこの間ここへやって来た日、彼から託された『ドラコに手を差し伸べてやってほしい』というお願いについて、まだ今の自分では叶いそうにない旨を話そうとした時、彼に口止めされたことも思い出した。それはもし周囲の友人らにその話を漏れ聞かれた場合に反感を買うと予想できたからこその行動だったが、ダンブルドアはこうも言った。
『ゆっくりでよい。思うようにやってみるのが一番じゃからの』
結局ダンブルドアはいつも、フォーラ自ら行動を起こすよう促してくれていたのだ。ドラコを助けることはみんなに聞き耳を立てられた上で知られるのではなく、しっかり自分の言葉で彼らにその意思を伝えなくてはいけないのだと、今となってはそう思えた。
そしてフォーラの脳裏には、この館に来てからルーピンにだけ話した自身の言葉も浮かんできた。
『こんなにもみんなが明るく接してくれているのに、自分だけこのままじゃいけないって、私も心から一緒に楽しく過ごせるようになりたいって、そう思ったんです。だから……。』
あの時のルーピンは次のように返答した。
『きっと上手くいく。私やみんなが付いている。きっと、純血とのしがらみを解決できる』
(今の私は……みんなにこんなにも寄り添ってもらっているのに、自分で何もしようとしていないんだわ)
ハーマイオニーがフォーラに無理強いしたことを謝罪しようとした時、フォーラは顔を上げて彼女よりも先に声を発した。
「分かったわ、ハーマイオニー。ハリーが来たら彼も含め、みんな一緒に説明するわ。私の考えていることを全部。」
それを聞いたハーマイオニーはパッと表情を明るくしたが、ジョージは驚いた様子でフォーラを見て心配の声を掛けた。
「フォーラ、」
「いいの、ありがとう。きっと最初からこうしなくちゃいけなかったんだわ。それにみんなにとっては、たいしたことではないかもしれないもの。」
「君がこんなに悩んでるのに、そんなわけ……!」
しかしジョージはフォーラの真剣な眼差しに、何も否定の言葉が伝わらないのを察した。
「……いや、君がせっかく決心したのに、悪かった」
そう言ってジョージは部屋から出ていってしまった。ロンはどうしたんだろうと首を傾げたが、ハーマイオニーとジニーはハラハラともう見えないドア向こうの方を見ていたし、フレッドはため息混じりに苦笑いするしかなかった。