6. 私の素顔
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しかしロンは先程の彼女の問いかけに迷いなく返答した。
「君が大丈夫だって思われてるからスネイプは君をここへ来させようとしたし、ダンブルドアだってオーケーした筈だよ。少なくとも僕らはみんなそう思ってる」
いつになく真剣な様子のロンに、周りもフォーラも少し驚いていた。そして彼は言おうか言うまいか悩んだ後で、再び至極真面目に口を開いた。
「それに……君はここへ来た日、『養子のことをちょっと整理したくてここに来た』って言ったよね。大したことじゃないって。でも、違ったら悪いんだけど、僕はフォーラがとっても悩んでいるからここにいるんだと思ってる。だって僕がパパやママの子供じゃなかったなんて知ったら、すっごくショックだし」
フォーラはまさかロンからその話が出るとは思ってもいなかった。彼女が何も言えずに彼を見つめていると、彼が少し緊張気味に微笑んだ。
「僕にはフォーラがどれだけ悩んでるか分からないけど、君がここにいるのは何もおかしくないよ。ハリーにだって説明すれば、君のことで僕が理解してることくらいは絶対分かってくれる筈だし。だからハリーには君に合わせる前に、先に僕から君のことも説明しようと思うんだけど」
フォーラはロンが予想以上に自分のことを見てくれていたと分かって本当に驚いたし、自分のことを信じて気遣ってくれているのを嬉しく思った。そして彼女は彼の言葉によって、知らず知らずのうちに頬を涙が伝っていくのを感じていた。
「えっ、あっと、僕、何か気に触ることでも言ったかな!?」
他のみんなが見守る中、フォーラは急いで首を横に振って自身の涙を拭った。
「ううん、違うわ。……本当に、ありがとう。」
「ハリーに話すくらいわけないよ。あいつは怒ると手がつけられなくなるから、その前に手を打たなきゃと思って……」
「そうじゃないの、それもあるけれど……。みんなに気を遣ってほしくなくて、汚い感情を見せたくなくて、私……私の本当の気持ちを話していなかったのに。でもロンは私のこと、本当に受け入れてくれていたんだって……。」
「だって、話したくないことくらいあって当然だろ?」
当たり前のことなのにどうしたんだろう、といった様子でロンが言った。そんな彼を見てフォーラは思わず笑顔を零していた。
「ロン、あなたって本当に優しいのね。」
フォーラに突然褒められたせいでロンは驚いて頬が赤く染まっていた。すると今度はフレッドがずいと身を乗り出した。
「ロンだけじゃないぜ。俺もジョージも、君が俺たちの味方でホントに嬉しいんだから」
フレッドがジョージをぐいと引き寄せた。ジョージは一瞬躊躇いの色を見せた気がしたが、二人してこちらに微笑み、ジニーも「私も!」と声を上げた。するとハーマイオニーが申し訳なさそうに口を開いた。
「フォーラ、私だって……頭ではあなたが大丈夫だと分かっているわ。だってここでのことは気を許した相手にしか話せない魔法が掛かっているわけだし。だけど、本当はさっきあなたが言ったとおり、うっかりあなたが誰かに気を許して騎士団のことを話したりしないかずっと心配だったの。だって、あなたはこれから毎日スリザリン寮で過ごすんだもの」
「ハーマイオニー……。ええ、あなたの言うとおりだわ。」
「だからフォーラ、お願い。あなたの本当の悩みを私たちに教えてはもらえない?そこにダンブルドアやスネイプがあなたを『安全』だと思った理由があるのなら」
フォーラはその言葉にほんの少し身を硬くして言葉を詰まらせた。ハーマイオニーがそのようなことを言うのは至極当然だ。本音を言わない人間を無償で信用するなんて、本当ならよっぽどのお人好しでなければできない。
だが、彼らに悩みを打ち明けるということは、フォーラが『純血』にこだわりを持っていないふりをしていたのを知らしめることになる。ここではまだルーピンにしか打ち明けていない。自分は特段、純血主義もその逆にもこだわりがないと思ってきた。だが実際は彼女が自身をマグル生まれと知る直前、純血のドラコに一番近い存在の自分も彼の好きな純血で良かったと思ってしまっていた。そして自身の身近な存在のうち、自分だけがマグル生まれで純血ではないと知った途端、彼女の中で両親やドラコとの繋がりがプッツリと途絶えてしまったように感じた。平気なふりをしていても本当は両親に裏切られた気がしたし、彼女自身も想いを伝えてくれたドラコを裏切ってしまった。
最早フォーラはあまりにも純血に捕らわれすぎてしまっていた。両親との楽しかった日々を覚えていないわけではないが、彼女の中で血の存在がそれらを上回ってしまっていた。何故ならフォーラ以外の家族や親戚といった周囲の殆どが純血または純血主義であり、彼女を自然と純血の一員として招き入れていたからだ。
そんな中、両親は純血であることの不必要さを昔からフォーラに説いてくれていたし、彼女もそれを受け入れていた筈だった。しかし、だからといって両親は根っからの『反純血主義』ではなかった。そしてそれと同時に、フォーラからすれば彼らは『純血』だった。実際、両親は純血主義の親戚との付き合いをある程度卒なくこなしていた。もし彼らがウィーズリー家のような根っからの反純血主義者なら、純血同士の親戚関係からはとっくに絶縁されている筈なのだ。それにきっと『純血』が学生の頃にフォーラの両親とルシウス、そしてナルシッサを互いに一番近い存在にしたきっかけでもあるだろうと思えた。
ところが、一方のフォーラは本当なら両親らのようにドラコと学生時代はおろか、幼少期まで共にする筈もなかったのだ。それなのに、知らぬ間に彼女の中でドラコは単なる好きを飛び越えた大切な存在になってしまっていた。そして逆に、プライドの高い彼が唯一対等に素直になれる存在が彼女だった。二人の距離は年々互いの両親にも分かる程に近付いていた。
フォーラの両親は子供たちが大きくなるにつれ、いつの日かフォーラとドラコが互いに惹かれ合うかもしれないとそのうちに気づいてしまったのだろう。彼らはフォーラにマグル生まれのことを打ち明けた日、これ以上ドラコに深く関わってはいけないと伝えていた。ヴォルデモートが復活した今、彼女の幼馴染であり親友であり、そして両親は知らないが想い人であるドラコに彼女が味方してしまうリスクがあるなら、両親はその芽を摘んでおく必要があった。だから彼女に真実を話し、闇に向かうことがないようにしたのだ。
「君が大丈夫だって思われてるからスネイプは君をここへ来させようとしたし、ダンブルドアだってオーケーした筈だよ。少なくとも僕らはみんなそう思ってる」
いつになく真剣な様子のロンに、周りもフォーラも少し驚いていた。そして彼は言おうか言うまいか悩んだ後で、再び至極真面目に口を開いた。
「それに……君はここへ来た日、『養子のことをちょっと整理したくてここに来た』って言ったよね。大したことじゃないって。でも、違ったら悪いんだけど、僕はフォーラがとっても悩んでいるからここにいるんだと思ってる。だって僕がパパやママの子供じゃなかったなんて知ったら、すっごくショックだし」
フォーラはまさかロンからその話が出るとは思ってもいなかった。彼女が何も言えずに彼を見つめていると、彼が少し緊張気味に微笑んだ。
「僕にはフォーラがどれだけ悩んでるか分からないけど、君がここにいるのは何もおかしくないよ。ハリーにだって説明すれば、君のことで僕が理解してることくらいは絶対分かってくれる筈だし。だからハリーには君に合わせる前に、先に僕から君のことも説明しようと思うんだけど」
フォーラはロンが予想以上に自分のことを見てくれていたと分かって本当に驚いたし、自分のことを信じて気遣ってくれているのを嬉しく思った。そして彼女は彼の言葉によって、知らず知らずのうちに頬を涙が伝っていくのを感じていた。
「えっ、あっと、僕、何か気に触ることでも言ったかな!?」
他のみんなが見守る中、フォーラは急いで首を横に振って自身の涙を拭った。
「ううん、違うわ。……本当に、ありがとう。」
「ハリーに話すくらいわけないよ。あいつは怒ると手がつけられなくなるから、その前に手を打たなきゃと思って……」
「そうじゃないの、それもあるけれど……。みんなに気を遣ってほしくなくて、汚い感情を見せたくなくて、私……私の本当の気持ちを話していなかったのに。でもロンは私のこと、本当に受け入れてくれていたんだって……。」
「だって、話したくないことくらいあって当然だろ?」
当たり前のことなのにどうしたんだろう、といった様子でロンが言った。そんな彼を見てフォーラは思わず笑顔を零していた。
「ロン、あなたって本当に優しいのね。」
フォーラに突然褒められたせいでロンは驚いて頬が赤く染まっていた。すると今度はフレッドがずいと身を乗り出した。
「ロンだけじゃないぜ。俺もジョージも、君が俺たちの味方でホントに嬉しいんだから」
フレッドがジョージをぐいと引き寄せた。ジョージは一瞬躊躇いの色を見せた気がしたが、二人してこちらに微笑み、ジニーも「私も!」と声を上げた。するとハーマイオニーが申し訳なさそうに口を開いた。
「フォーラ、私だって……頭ではあなたが大丈夫だと分かっているわ。だってここでのことは気を許した相手にしか話せない魔法が掛かっているわけだし。だけど、本当はさっきあなたが言ったとおり、うっかりあなたが誰かに気を許して騎士団のことを話したりしないかずっと心配だったの。だって、あなたはこれから毎日スリザリン寮で過ごすんだもの」
「ハーマイオニー……。ええ、あなたの言うとおりだわ。」
「だからフォーラ、お願い。あなたの本当の悩みを私たちに教えてはもらえない?そこにダンブルドアやスネイプがあなたを『安全』だと思った理由があるのなら」
フォーラはその言葉にほんの少し身を硬くして言葉を詰まらせた。ハーマイオニーがそのようなことを言うのは至極当然だ。本音を言わない人間を無償で信用するなんて、本当ならよっぽどのお人好しでなければできない。
だが、彼らに悩みを打ち明けるということは、フォーラが『純血』にこだわりを持っていないふりをしていたのを知らしめることになる。ここではまだルーピンにしか打ち明けていない。自分は特段、純血主義もその逆にもこだわりがないと思ってきた。だが実際は彼女が自身をマグル生まれと知る直前、純血のドラコに一番近い存在の自分も彼の好きな純血で良かったと思ってしまっていた。そして自身の身近な存在のうち、自分だけがマグル生まれで純血ではないと知った途端、彼女の中で両親やドラコとの繋がりがプッツリと途絶えてしまったように感じた。平気なふりをしていても本当は両親に裏切られた気がしたし、彼女自身も想いを伝えてくれたドラコを裏切ってしまった。
最早フォーラはあまりにも純血に捕らわれすぎてしまっていた。両親との楽しかった日々を覚えていないわけではないが、彼女の中で血の存在がそれらを上回ってしまっていた。何故ならフォーラ以外の家族や親戚といった周囲の殆どが純血または純血主義であり、彼女を自然と純血の一員として招き入れていたからだ。
そんな中、両親は純血であることの不必要さを昔からフォーラに説いてくれていたし、彼女もそれを受け入れていた筈だった。しかし、だからといって両親は根っからの『反純血主義』ではなかった。そしてそれと同時に、フォーラからすれば彼らは『純血』だった。実際、両親は純血主義の親戚との付き合いをある程度卒なくこなしていた。もし彼らがウィーズリー家のような根っからの反純血主義者なら、純血同士の親戚関係からはとっくに絶縁されている筈なのだ。それにきっと『純血』が学生の頃にフォーラの両親とルシウス、そしてナルシッサを互いに一番近い存在にしたきっかけでもあるだろうと思えた。
ところが、一方のフォーラは本当なら両親らのようにドラコと学生時代はおろか、幼少期まで共にする筈もなかったのだ。それなのに、知らぬ間に彼女の中でドラコは単なる好きを飛び越えた大切な存在になってしまっていた。そして逆に、プライドの高い彼が唯一対等に素直になれる存在が彼女だった。二人の距離は年々互いの両親にも分かる程に近付いていた。
フォーラの両親は子供たちが大きくなるにつれ、いつの日かフォーラとドラコが互いに惹かれ合うかもしれないとそのうちに気づいてしまったのだろう。彼らはフォーラにマグル生まれのことを打ち明けた日、これ以上ドラコに深く関わってはいけないと伝えていた。ヴォルデモートが復活した今、彼女の幼馴染であり親友であり、そして両親は知らないが想い人であるドラコに彼女が味方してしまうリスクがあるなら、両親はその芽を摘んでおく必要があった。だから彼女に真実を話し、闇に向かうことがないようにしたのだ。