5. 意外な一面
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「どうした??何か気になるのがあったか?」
「う、ううん、そうじゃな……いえ、全部気になるの!本当に!でもその前に、これ全部貴方たち二人で作っているの?」
「勿論そうさ」
「体を張って安全性の実験もしてる」
二人がニンマリ笑うのを見て、フォーラは彼らのやってのけている所業がどれだけ凄いことなのか強く感じ、心の中で感嘆の声を漏らした。自分は学生レベルの魔法薬の改良しか挑戦したことがないが、彼らは魔法薬や呪文を掛け合わせて自らの手でオリジナルの何かを作り出しているのだ。途端にフォーラはキラキラとした瞳で双子を交互に見た。
「凄いわ!本当に!こんなに色々作っているなんて、とっても頑張っているのね!」
今朝の双子はシリウスに薬を指導するフォーラを見て、きっと彼女なら自分たちのやっていることを批判せず、純粋に興味を持つだろうと予感していた。しかしそれどころか期待以上に目の前の彼女は興味津々な表情をしていて、その上自分たちを随分褒めてくれている。そのため彼らがこの状況に機嫌を良くしないわけがなかった。特にジョージに至ってはフォーラのそんな表情が自分に向けられて気恥ずかしいやら誇らしいやらで、フレッドの方も彼のように恋愛的な意味でフォーラを気に掛けているわけではないにしろ、今までよりもずっと彼女に好感を持った。
「ねえ、もしよければ他の物ももっと見せてほしいわ。どうやって作っているのか、とっても気になるもの!」
双子はフォーラの機嫌の良さに互いに顔を見合わせ、先程よりも詳細に自慢の品々を披露していった。その間、彼女がどれを見せても楽しそうにしていてジョージは本当に心が躍ったし、彼女の知らない一面を見られた気がした。いや、今日だけではない。彼女がブラック邸にやって来てからこれまでにないくらい密に一緒に過ごしたことで、今まで知らなかった彼女を沢山知っていった。その度に嬉しくて、もっと彼女に惹かれた。
そしてそれと同時にジョージの脳裏には、何日も前にフォーラがルーピンにだけは彼女を日々苦しめている悩みの本音を打ち明けていたであろう姿が思い出されてしまっていた。ジョージは彼女に対し、自分にも心の内を沢山打ち明けてほしいという傲慢な気持ちを抱えていた。もっと彼女のことを知りたい。明るい部分も薄暗い部分も、何もかも纏めて抱き締めてやりたい……。
「なあ、ジョージ!おいったら」
「えっ?あっ、どうした?」
フレッドに呼ばれたジョージは、考えを巡らせていた意識を慌てて目の前の現実に引き戻した。彼はたった今手に持っている悪戯用品をボーッと見るでもなく見つめていたことに気が付いた。
「フォーラを呼んだ本題だ」
「あ、ああ。そうだった。ちょっと待ってろよ……」
ジョージは慌てて「アクシオ」と唱えて杖を振ると、書き込みのある羊皮紙と小さめの蓋つき瓶を手元に納めた。中には幾つかのキャンディが入っているようで、ジョージが蓋を開けてフォーラに見せると、彼女が椅子を引きずって先程よりも双子のいるベッドに近付いて座り直した。
「『気絶キャンディ』って呼んでる飴だよ。何種類かある仮病グッズを纏めた『ずる休みスナックボックス』の一つで、さっき紹介した鼻血や熱が出るヌガーと使い方は似たような感じなんだ。これはオレンジ色の方を舐めると気絶する。誰かに授業中の教室から運び出してもらったら、もう片方の紫色を舐めさせてもらう。するとたちまちあなたは元気一杯。無益な退屈さに奪われる筈の一時間、お好みどおりの趣味の活動に従事できる優れもの」
ジョージが得意げにとんでも無いことを言うものだから、フォーラは思わずクスクスと笑いだした。
「ふふ。もう、悪い子さんね。」
すぐ目の前のフォーラにこんなに甘く叱られるなんてそうそう経験がなくて、ジョージは思わず心臓が痛みを帯びて喉の奥がつっかえた。フレッドはそれを横目に必死で笑いを耐えていて、それを見たジョージの方はほんのり頬をピンクにして誤魔化すように話を続けた。
「それで!俺たちが悩んでるのは、もう少し気絶の効き目を短くするにはどうしたらいいかってことで―――」
それから三人でキャンディの調合について議論した。手順はフォーラにとっては思っていたよりも簡単かつ、大変斬新な発想だった。最初、彼女は品物の改良などという大それたことに馴染がないのも相まって、自分には良い手立てが見つけられないのではと思っていた。しかし双子が参考にした書物に目を通すと、そこに書かれた代用品に目が止まった。
「ねえ二人とも、これは使ってみたの?」
「いいや、手に入りにくくて買えなかった。調べたらイギリスには生えてないらしい。それに、使い方も詳しく載ってないんだ」
「あのね。とっても驚いたのだけど、この植物、私の家の温室で育てられているわ。」
「「えっ」」二人は聞き間違いでもしたのかと思ったが、フォーラの様子からそうではないと理解するなり、彼女の方へ身を乗り出して何故なのかを尋ねた。
「母と、庭師のニコラスの二人が、うちの温室で沢山の種類の植物を育てているの。その資料の植物も植わっていたわ。」
「君ん家は温室があって庭師がいるのか!」
「え、ええ。彼はお庭の手入れの他にも母や父の仕事を手伝ってくれているわ。私にとっては庭師と言うよりは、まるでおじい様のような存在で……」
フォーラは二人の興味の範囲が分からず一旦言葉を切って彼らをチラと見やったのだが、二人とも真剣にこちらを見ていて大層関心があるようだったので、慌てて続けた。
「う、ううん、そうじゃな……いえ、全部気になるの!本当に!でもその前に、これ全部貴方たち二人で作っているの?」
「勿論そうさ」
「体を張って安全性の実験もしてる」
二人がニンマリ笑うのを見て、フォーラは彼らのやってのけている所業がどれだけ凄いことなのか強く感じ、心の中で感嘆の声を漏らした。自分は学生レベルの魔法薬の改良しか挑戦したことがないが、彼らは魔法薬や呪文を掛け合わせて自らの手でオリジナルの何かを作り出しているのだ。途端にフォーラはキラキラとした瞳で双子を交互に見た。
「凄いわ!本当に!こんなに色々作っているなんて、とっても頑張っているのね!」
今朝の双子はシリウスに薬を指導するフォーラを見て、きっと彼女なら自分たちのやっていることを批判せず、純粋に興味を持つだろうと予感していた。しかしそれどころか期待以上に目の前の彼女は興味津々な表情をしていて、その上自分たちを随分褒めてくれている。そのため彼らがこの状況に機嫌を良くしないわけがなかった。特にジョージに至ってはフォーラのそんな表情が自分に向けられて気恥ずかしいやら誇らしいやらで、フレッドの方も彼のように恋愛的な意味でフォーラを気に掛けているわけではないにしろ、今までよりもずっと彼女に好感を持った。
「ねえ、もしよければ他の物ももっと見せてほしいわ。どうやって作っているのか、とっても気になるもの!」
双子はフォーラの機嫌の良さに互いに顔を見合わせ、先程よりも詳細に自慢の品々を披露していった。その間、彼女がどれを見せても楽しそうにしていてジョージは本当に心が躍ったし、彼女の知らない一面を見られた気がした。いや、今日だけではない。彼女がブラック邸にやって来てからこれまでにないくらい密に一緒に過ごしたことで、今まで知らなかった彼女を沢山知っていった。その度に嬉しくて、もっと彼女に惹かれた。
そしてそれと同時にジョージの脳裏には、何日も前にフォーラがルーピンにだけは彼女を日々苦しめている悩みの本音を打ち明けていたであろう姿が思い出されてしまっていた。ジョージは彼女に対し、自分にも心の内を沢山打ち明けてほしいという傲慢な気持ちを抱えていた。もっと彼女のことを知りたい。明るい部分も薄暗い部分も、何もかも纏めて抱き締めてやりたい……。
「なあ、ジョージ!おいったら」
「えっ?あっ、どうした?」
フレッドに呼ばれたジョージは、考えを巡らせていた意識を慌てて目の前の現実に引き戻した。彼はたった今手に持っている悪戯用品をボーッと見るでもなく見つめていたことに気が付いた。
「フォーラを呼んだ本題だ」
「あ、ああ。そうだった。ちょっと待ってろよ……」
ジョージは慌てて「アクシオ」と唱えて杖を振ると、書き込みのある羊皮紙と小さめの蓋つき瓶を手元に納めた。中には幾つかのキャンディが入っているようで、ジョージが蓋を開けてフォーラに見せると、彼女が椅子を引きずって先程よりも双子のいるベッドに近付いて座り直した。
「『気絶キャンディ』って呼んでる飴だよ。何種類かある仮病グッズを纏めた『ずる休みスナックボックス』の一つで、さっき紹介した鼻血や熱が出るヌガーと使い方は似たような感じなんだ。これはオレンジ色の方を舐めると気絶する。誰かに授業中の教室から運び出してもらったら、もう片方の紫色を舐めさせてもらう。するとたちまちあなたは元気一杯。無益な退屈さに奪われる筈の一時間、お好みどおりの趣味の活動に従事できる優れもの」
ジョージが得意げにとんでも無いことを言うものだから、フォーラは思わずクスクスと笑いだした。
「ふふ。もう、悪い子さんね。」
すぐ目の前のフォーラにこんなに甘く叱られるなんてそうそう経験がなくて、ジョージは思わず心臓が痛みを帯びて喉の奥がつっかえた。フレッドはそれを横目に必死で笑いを耐えていて、それを見たジョージの方はほんのり頬をピンクにして誤魔化すように話を続けた。
「それで!俺たちが悩んでるのは、もう少し気絶の効き目を短くするにはどうしたらいいかってことで―――」
それから三人でキャンディの調合について議論した。手順はフォーラにとっては思っていたよりも簡単かつ、大変斬新な発想だった。最初、彼女は品物の改良などという大それたことに馴染がないのも相まって、自分には良い手立てが見つけられないのではと思っていた。しかし双子が参考にした書物に目を通すと、そこに書かれた代用品に目が止まった。
「ねえ二人とも、これは使ってみたの?」
「いいや、手に入りにくくて買えなかった。調べたらイギリスには生えてないらしい。それに、使い方も詳しく載ってないんだ」
「あのね。とっても驚いたのだけど、この植物、私の家の温室で育てられているわ。」
「「えっ」」二人は聞き間違いでもしたのかと思ったが、フォーラの様子からそうではないと理解するなり、彼女の方へ身を乗り出して何故なのかを尋ねた。
「母と、庭師のニコラスの二人が、うちの温室で沢山の種類の植物を育てているの。その資料の植物も植わっていたわ。」
「君ん家は温室があって庭師がいるのか!」
「え、ええ。彼はお庭の手入れの他にも母や父の仕事を手伝ってくれているわ。私にとっては庭師と言うよりは、まるでおじい様のような存在で……」
フォーラは二人の興味の範囲が分からず一旦言葉を切って彼らをチラと見やったのだが、二人とも真剣にこちらを見ていて大層関心があるようだったので、慌てて続けた。