3. リーマス
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フォーラは数回瞬きした後、ルーピンの言葉に「確かにそうだ」と思った。今までの自分はあまりにもこれまで通りに戻ることを望みすぎていた気がした。それに気づいて、なんだかほんの少しつっかえた物がとれた気分だった。
するとフォーラはルーピンを見て、ようやく微笑みを覗かせたのだった。
「なんだかルーピン先生と話していると、両親やスリザリンへの気持ちも、良くても悪くてもそのうち納得できる答えが出る気がしてきました。」
ルーピンはそんな彼女をみて心から嬉しく思った。
「焦らなくていいよ。ゆっくり進めばいいんだから」
フォーラは頷いてもう一度ルーピンを見た。
「先生、暫く会っていなかったのに、私のためにありがとうございます。私、本当に嬉しく思っています。」
「元教え子に親身になるのは当然のことだよ。それに、他のみんなもフォーラに早く元気になってほしいと思っているだろうし。
まずは少しでも落ち着いたみたいでよかったよ。 」
「はい。
きっと、先生が落ち着いているから、それで少し安心できたんだと思います。」
「はは、そんな風に言われると気恥ずかしいな。特別何をしたわけでもないし・・。」
ほんの少し照れた様子のルーピンにフォーラは首を横に振った。
「そんなことないです。
それに私、ルーピン先生のそういうところが、ずっと好きなんですよ。」
「!」
あまりに突然で、ルーピンは数日前フォーラに抱きつかれた時よりも驚いて一瞬の間だけ何も言葉が出てこなかった。
「はは、ありがとう」
自分の声が自分のものでないように咄嗟に口をついて出て妙な気分になった。そしてルーピンはこれまでずっと考えていたことを伝えるのは今しかないが、突然すぎて今でいいのかと少しばかりじりじりした気持ちを抱えていた。
「そういえばフォーラ、君は私のことをまだ「ルーピン先生」と呼んでいるけど、
わかっているとは思うがもう先生でないから、ハーマイオニー達は私をルーピンと呼ぶんだ。私はそれが自然だと思うし、だからーーー」
ルーピンはほんの一瞬「リーマス」という自分のファーストネームが浮かんだが、それを上書きするかのように一呼吸置いたのもわからないうちに続けた。
「私のことは、ルーピンでいい」
フォーラはルーピンをじっと見つめた後、頷いた。
「ええと・・・ルーピン。
なんだか慣れませんね。」
彼は満足そうににっこり笑った。
「ここにいる間はここでの時間を楽しみなさい。
それから、何か相談があったらいつでも私に話しにおいで。一緒に悩もう」
「・・・はい。」
ルーピンは彼女から先程よりも不安感が減っている気がしたし、自らの手でそうしてあげられたことを嬉しく思った。
フォーラは立ち上がると、もう一度ルーピンに笑いかけた。
「こんな時間に押し掛けてすみませんでした。
また明日からも、よろしくお願いします。」
ルーピンも彼女に続く形で立ち上がり、直ぐそばの入り口まで一緒に向かった。
「こちらこそ。いつでも話しにおいで」
そう言って彼は部屋のドアを開けた。
「今度、ルーピンの買ってきた本に載っていたチョコレートケーキを作りますね。
上手く出来るように、祈っていてください。」
「!ありがとう、もちろんだよ」
「それじゃあ、おやすみなさい。」
「おやすみ」
そうしてフォーラが立ち去るとルーピンは静かにドアを閉め、ゆっくりとドアノブから手を離した。フォーラが少しでも元気になってよかった。一度は迷ったものの、提案して正解だった。皆と過ごしていればきっと、純血とどうあるべきか、家族とは何か、彼女の答がわかるはずだ。
ルーピンはデスクに向かいながらそのようなことを考えていたが、いや、正確にはそれしか考えないようにしていたが、途端に先程のフォーラの一挙手一投足が脳裏に映し出された。そして無意識に身体中が熱くなり、終いには先程の彼女の声も聞こえた。
『ルーピン先生のそういうところが、ずっと好きですよ。』
『ルーピン』
深く長いため息と共にルーピンはデスク横の椅子に倒れるようにドサっと座り込んだ。彼は耳まで真っ赤になっていた。
(だから何だというんだ。私には騎士団の任務が山積みじゃないか。フォーラは確かに可愛い元教え子だ。しかし私にとってはそれ以上でも以下でもないだろう。したごごろありきでファーストネームで呼ばせようなんて、以ての外だ。
彼女が頼ってくれるならそれに応えるまでだ。そうするべきだし、それでいい)
ルーピンは心の隅で大きく目立ち始めた気持ちの昂りを、まくし立てた気持ちで上書きしてかなぐり捨てた。それでいい。ルーピンは何度も繰り返し頭の中でそう唱えた。
するとフォーラはルーピンを見て、ようやく微笑みを覗かせたのだった。
「なんだかルーピン先生と話していると、両親やスリザリンへの気持ちも、良くても悪くてもそのうち納得できる答えが出る気がしてきました。」
ルーピンはそんな彼女をみて心から嬉しく思った。
「焦らなくていいよ。ゆっくり進めばいいんだから」
フォーラは頷いてもう一度ルーピンを見た。
「先生、暫く会っていなかったのに、私のためにありがとうございます。私、本当に嬉しく思っています。」
「元教え子に親身になるのは当然のことだよ。それに、他のみんなもフォーラに早く元気になってほしいと思っているだろうし。
まずは少しでも落ち着いたみたいでよかったよ。 」
「はい。
きっと、先生が落ち着いているから、それで少し安心できたんだと思います。」
「はは、そんな風に言われると気恥ずかしいな。特別何をしたわけでもないし・・。」
ほんの少し照れた様子のルーピンにフォーラは首を横に振った。
「そんなことないです。
それに私、ルーピン先生のそういうところが、ずっと好きなんですよ。」
「!」
あまりに突然で、ルーピンは数日前フォーラに抱きつかれた時よりも驚いて一瞬の間だけ何も言葉が出てこなかった。
「はは、ありがとう」
自分の声が自分のものでないように咄嗟に口をついて出て妙な気分になった。そしてルーピンはこれまでずっと考えていたことを伝えるのは今しかないが、突然すぎて今でいいのかと少しばかりじりじりした気持ちを抱えていた。
「そういえばフォーラ、君は私のことをまだ「ルーピン先生」と呼んでいるけど、
わかっているとは思うがもう先生でないから、ハーマイオニー達は私をルーピンと呼ぶんだ。私はそれが自然だと思うし、だからーーー」
ルーピンはほんの一瞬「リーマス」という自分のファーストネームが浮かんだが、それを上書きするかのように一呼吸置いたのもわからないうちに続けた。
「私のことは、ルーピンでいい」
フォーラはルーピンをじっと見つめた後、頷いた。
「ええと・・・ルーピン。
なんだか慣れませんね。」
彼は満足そうににっこり笑った。
「ここにいる間はここでの時間を楽しみなさい。
それから、何か相談があったらいつでも私に話しにおいで。一緒に悩もう」
「・・・はい。」
ルーピンは彼女から先程よりも不安感が減っている気がしたし、自らの手でそうしてあげられたことを嬉しく思った。
フォーラは立ち上がると、もう一度ルーピンに笑いかけた。
「こんな時間に押し掛けてすみませんでした。
また明日からも、よろしくお願いします。」
ルーピンも彼女に続く形で立ち上がり、直ぐそばの入り口まで一緒に向かった。
「こちらこそ。いつでも話しにおいで」
そう言って彼は部屋のドアを開けた。
「今度、ルーピンの買ってきた本に載っていたチョコレートケーキを作りますね。
上手く出来るように、祈っていてください。」
「!ありがとう、もちろんだよ」
「それじゃあ、おやすみなさい。」
「おやすみ」
そうしてフォーラが立ち去るとルーピンは静かにドアを閉め、ゆっくりとドアノブから手を離した。フォーラが少しでも元気になってよかった。一度は迷ったものの、提案して正解だった。皆と過ごしていればきっと、純血とどうあるべきか、家族とは何か、彼女の答がわかるはずだ。
ルーピンはデスクに向かいながらそのようなことを考えていたが、いや、正確にはそれしか考えないようにしていたが、途端に先程のフォーラの一挙手一投足が脳裏に映し出された。そして無意識に身体中が熱くなり、終いには先程の彼女の声も聞こえた。
『ルーピン先生のそういうところが、ずっと好きですよ。』
『ルーピン』
深く長いため息と共にルーピンはデスク横の椅子に倒れるようにドサっと座り込んだ。彼は耳まで真っ赤になっていた。
(だから何だというんだ。私には騎士団の任務が山積みじゃないか。フォーラは確かに可愛い元教え子だ。しかし私にとってはそれ以上でも以下でもないだろう。したごごろありきでファーストネームで呼ばせようなんて、以ての外だ。
彼女が頼ってくれるならそれに応えるまでだ。そうするべきだし、それでいい)
ルーピンは心の隅で大きく目立ち始めた気持ちの昂りを、まくし立てた気持ちで上書きしてかなぐり捨てた。それでいい。ルーピンは何度も繰り返し頭の中でそう唱えた。