*1年生
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カミングアウト
「っあ"ぁぁぁーー……ったく、本当にめんどくせぇ……」
家に帰って来るなりリビングのソファーに倒れ込むようにユーリとフレンは座る
…そりゃそうだよね、他にも居るんじゃないかって凄い警戒してたもんね
「ふふ、2人とも早く自分の好きな人に告白してしまえばいいんじゃないかしら?」
ジュディスの唐突過ぎる発言に、当の本人達も驚いたけど
「「ええっ!?(ユーリ/フレン)好きな人(いるの/いたんです)っ!?」」
私とエステルもかなり驚いてしまった
いや、フレンが好きな人は知ってるけど……
ユーリが好きな人とか知らないよ……
待ってよ…ちょっとショックだよ……
「ジュっ!ジュディスっ!!!な、なんでそんなことっ!!」
「…オレ、まだ居ねぇんだけどな」
フレンはかなり動揺してるけど、ユーリはすまし顔…っていうか、余裕そうっていうか
「え?ユーリ、好きな人居ないの?」
「まあ…まだ、な?」
『まだ』………かぁ…………
………それはそれでちょっとショック………
「フレン……フレンは居るんですか……?」
「なっ……!ぼ、僕は……っ!」
チラチラッとフレンはわたしに目線を送ってくる
…人払いしろって、ことでいいのかな?
「リタ?ちょっと買い物に付き合ってくれないかしら?」
「別にいいわよ。どうせ、お菓子買いに行くでしょ」
「ええ、じゃちょっと行ってくるわね」
「へ?あ、うん!いってらっしゃい~」
フレンの目線の意味を察したらしく、ジュディスとリタが買い物と称してリビングを後にした
…さてと、わたしもユーリ連れて出よっと
「ユーリ」
「ん?なんだ??」
「……ごめん、英語教えて…?」
そう言うとガバッとソファーから起き上がった
…知ってた、普段教えてなんて言わないから驚かれるの知ってた…
でもこれ以外に呼び出す方法が…ね?
「……シア……頭でもぶつけたか……?」
「失礼すぎじゃないっ!?と、とにかくほらっ!部屋行こ!部屋っ!」
そう言ってユーリの手を引っ張ってリビングを出た
「お、おい、シア……!ちょっと待てって!」
静止してくるユーリをガン無視して部屋へ入った
「シア!」
「もう、シアシアうるさいよ……」
「お前が引っ張って来るからだろっ!?」
ピロリンッ♪
突然携帯が鳴って一瞬驚いたけど、画面を見てすぐにニヤッとしてしまった
「な……急にニヤついてどうしたんだよ?」
「ん、」
そう言って画面を見せる
そこにはフレンから《人払いありがとう!》と、一言書かれていた
「『人払い』……?あっ!」
「そうゆうことじゃないかな?」
ニコッとして言う
「フレン、隠すの苦手だもん」
「なるほどな、それでヤケになってもう言ってしまおうって参弾か」
「ん、多分そう~」
ベッドに座りながら答える
それとほぼ同時に
「フレンっ!!」
「うわっ!!?エ、エステリーゼ…飛びつくのはっ!」
「あ、ようやくくっついた」
「おーおー、他人の家でよくまぁやるな」
きっとフレン、今頃顔真っ赤にさせてるんだろうなぁ
……いじりに行きたい←
すっごくいじりに行きたい←
「で、ユーリは本当に居ないの?」
「…なんでいきなりその話になったんだよ…」
「んー、なんとなくっ!」
ニコッと笑って言うが、本当はちょっと不安なんだ
ユーリが他に好きな人居るんじゃないかって
…私のことが好きかすらわかんないけどさ…
「さっきも言ったろ?今は居ねぇよ」
「…………ん、そっか、ならこれ以上は聞かないよ」
……私は今、上手く笑えているだろうか?
胸が締め付けられるくらい、痛い
ちょっと涙が出そうなくらい、不安
やっぱり私からは言えそうにないよ…
だって、振られるの怖いもん…
「で、シア?英語どーすんだ?」
「う"っ………あ、あれは……ほら、リビングからユーリ連れ出す口実なだけで……」
「ふーん…口実、ねぇ?だとしてもまだ下には行けそうにねぇし、ジュディ達だって帰って来そうにねぇぞ?」
「そ……そうだけど………」
ピロリンッ♪
「あ、ジュディスから………あれ、エステルからも………」
《リタとの買い物、まだ時間かかりそうなの、もう少し帰るの遅くなるわ》
《アリシア、ごめんなさい、もう少しフレンと2人で居させてください!》
「………………」
「ふーん、ジュディ達帰り遅くなるうえに、エステルは2人でもう少し居たいってか」
「うわっ!?!!」
ジュディス達のメッセージを読んでいると、いつの間にかユーリが居たらしくて驚いてしまった
…でも、問題はそこじゃないんだ……
「さてと…時間が出来たわけだし…な?」
ニヤッとユーリは不敵な笑みを浮かべた
「うー…………わっかんない!!」
「おいおい…これ中1の問題だぜ…」
「知らないよ……英語なんて……使えなくても支障ないもん……」
「いや、多少は出来なきゃ駄目だろ…」
「むぅ……だってわかんないもん……」
「ほら、ちゃんと教えてやっからさ、もうちっと頑張ろうぜ?」
ジュディス達が帰ってくるまで、部屋で英語の勉強強制的にやらされてます←
もうわかんないよ……
わけわかんないよ……
頭がパンクしそうだよ……
しかも、一度逃げ出そうとしたら捕まって、ユーリの腕の中に居るんだけど……
集中出来ないよ…!
「……あーもうっ!!他の国の言葉なんてわかんないっ!」
「落ち着けって…単語自体は読めるだろ?」
「……単語が読めても分からないものはわからないっ!なんでわざわざ最初にいう言葉が後ろに来てたりするのさっ!」
「そーゆー決まりなの、英語じゃな」
「むぅ……むしろなんで英語わかるのさぁ……」
「ったく……自分で言ってきたわりにゃやる気無さすぎじゃねぇの?」
「だからっ!あれは」
ガチャッ
「あんたら!帰ったわよー!」
「あっ!帰って来たっ!」
「……ふぅ、しゃあねぇか、続きはまた今度だな」
怪しい笑みを浮かべてユーリは言う
……また、やるの……??
それだけは勘弁して欲しい
特に、今と同じ状態は……
下に降りてリビングに入ると、嬉しそうな顔をしたエステルが待っていた
「ふふ、嬉しそうねエステル」
「はいっ!ようやく想いが伝わりましたからっ!」
「それもそうだよね!おめでとうっ!」
「まぁ……おめでと」
ニコニコとしているが、肝心のフレンの姿が見えない
「なぁ、フレンどうしたんだ?」
「え?フレンなら部屋に…」
「ふーん……わたし、呼び行ってくる!」
ニヤリと笑ってリビングを出て、二階の奥、フレンが勝手に使ってる部屋の前に来る
コンコンコンッ
「フーレンっ!みんな下に集まってるよ~?」
「うっ…………ぼ、僕はあ、後で行くからっ!!」
声をかけるとそんな答えが聞こえた
いや、そんなの駄目に決まってるじゃん…
ドアノブを捻ると鍵はかけてなかったみたいで簡単に空いた
部屋に入るとベッドの上でフレンが丸まってるのが見えた
…やばい、いじめたくなる←
「フレンー?エステル待ってるけど?」
ニヤニヤしつつ言うと、ビクッと肩があがったのが見えた
「いっ……!今はっ!今だけはっ!!待ってくれっ!!もう少し待ってくれっ!」
「い・や・だっ!」
バサッとフレンが被ってた布団を剥ぐと、顔を真っ赤にさせて体育座りしていた
「~~~っ!!!アリシアっ!!布団返してくれっ!!」
「えー…やだっ!ほーら、リビング行くよー!」
フレンの腕を掴んで無理矢理連れて行こうとする
振り払ったりしないことを知ってるから容赦なく引っ張る
「い、嫌だっ!!アリシアっ!!頼むからっ!!!」
「ふふふ、ほーら、行こ行こ?いっつもわたしにも同じことするんだからさぁ~」
きっと今鏡を見たらすごい黒い笑みを浮かべてるんだろうなぁ
はっきり言えばすごく楽しいよ?
だっていつも弄られっぱなしだもんっ!
たまにはいいよね?
「おいっ!シアっ!何してんだよっ!?」
フレンを連れて行こうとしていると、ユーリが来てしまった
むぅ……もう少しだったんだけどなぁ……
「何って……見ての通りフレン引きずり出そうかと…」
「勘弁してやってくれよ……」
はぁっとため息をつきながら言ってくる
まあ、返答は一つだよね
「やーだっ!」
ニコッと笑って言う
この後、エステルが呼びに来るまでフレンで遊んでたのはいうまでもない←
ーーーーーーーーーーー
「フレン、大丈夫です?」
「あぁ……大丈夫だよ……エステリーゼ……」
「ったく……シア、やりすぎ」
「ふふっ、わたしをいつも困らせるのが悪いっ!」
未だにニヤニヤしながら答える
本当、フレンを弄るのは楽しかった
多分、今までで一番いい笑顔してたと思う←
「で、何するのよ?」
「無難にトランプでもしましょ?」
どこらから取り出したのか、ジュディスがトランプをシャッフルしながら言う
「賛成っ!」
「ま、一番無難だな」
「やりましょうっ!」
「…ふぅ、そうだね、やろう」
~それから数時間後~
「Zzz」
「あーあ、やっぱり寝やがったな……」
今の時間は夜中の2時
とっくに日付けを超えた
12時回ったくらいから寝そうだったが、まさか本気で寝るとはな……
……しかも、オレの膝に頭乗せて
「ふふ、アリシア嬉しそうにしてますね」
「まったく、あんたもこの子のこと好きなんだったらさっさと告っちゃいなさいよ」
「そうね、彼女が居ればいい虫除けになると思うわよ?」
「ほら、みんなも言ってるじゃないか」
「………」
はぁ…っと深くため息をつく
いや、そうしたいけどな……
オレはオレでちゃんとその日は決めてんだよ……
だからもう少し待ってて欲しいんだけどな…
「にゅぅ………ユーリ……………」
唐突に名前を呼ばれてビクッとするが、どうやら寝言のようだ
「………あんたの名前呼んでるけど?」
「………るっせ……」
直視出来なくてふいっと顔を反らす
やめてくれ……本当、マジで、色々崩れそうだから←
「………ふふ…………」
「相変わらず、君が傍にいると嬉しそうに寝るね」
「………フレン、余計なこと言わなくていい」
「すきー………」
「っ!?!!!?!!///////」
まさかの発言に思考が追いつかなくなる
自分で分かるくらい、顔が熱い
両手で顔を隠す
なんでこいつは毎回寝言で言ってくるんだよ……!
「可愛い寝言ね」
「ほんっと、さっさと付き合っちゃいなさいよ」
「うっ……////とっ、とりあえず部屋連れてくわっ!!///」
そう言ってシアを抱き上げてリビングを後にした
「ふぅ……ったく………頼むから不意打ちで言わねぇでくれ……」
ベッドに寝かしながらボソッと呟く
寝言ならお構い無しに言ってくるんだけどなぁ……
起きてる時にオレから好きって言っても答えてくんねぇし…
幸せそうに眠ってる彼女の頭をそっと撫でる
オレだって早く付き合いてぇけど……
シアとの約束あるし……
覚えてるかなんてわかんねぇけどさ
部屋にかかっているカレンダーを見る
「……後2ヶ月……か……」
後2ヶ月なんだ、約束の日まで
後、少し……
「もう少しだけ………待っててな…?」
そう呟いて、シアに視線を戻すと首元に目がいった
去年、オレが誕プレにあげた赤い石の飾りがついたペンダント
前々から気づいてはいたが、ほぼずっと身につけていてくれてる
それに気づいた時にゃ、フレンに電話越しに騒いで怒られたっけ
「さて、そろそろ戻るかな」
シアに掴まれる前に傍を離れる
「……おやすみ、シア」
部屋の電気を消してその場を後にした
「…………………行った…………かな」
目を開けると部屋は真っ暗で、カーテンの隙間からうっすらと入ってくる月の明かりだけが見える
本当は起きてた
『好き』って言った後から目は覚めてた
でも、ユーリがあからさまな反応したり、リタが言った言葉がつっかえて目を開けるに開けられなかった
部屋についてからもそれは同じで
ユーリが呟いた『もう少し待ってて』がやけに頭に響いてる
心臓の音がうるさくて、もう一度寝るに寝られない
「……後………2ヶ月したら…………」
カレンダーを見ながらボソッと呟く
後2ヶ月…………
夏休み真っ只中だろう
………それは、つまり………
わたしの誕生日…………
「…………まさか…………覚えてる………とか…?」
幼い頃にした、あの約束
とうの昔に忘れられてると思っていた
それを覚えているのかな……?
「……まさか……ね……」
自嘲気味に笑って布団に潜る
もう寝てしまおう
こうしていればきっと眠れるから……
結局、2度目の眠りにつけたのは朝日が昇りかけてからだった
「っあ"ぁぁぁーー……ったく、本当にめんどくせぇ……」
家に帰って来るなりリビングのソファーに倒れ込むようにユーリとフレンは座る
…そりゃそうだよね、他にも居るんじゃないかって凄い警戒してたもんね
「ふふ、2人とも早く自分の好きな人に告白してしまえばいいんじゃないかしら?」
ジュディスの唐突過ぎる発言に、当の本人達も驚いたけど
「「ええっ!?(ユーリ/フレン)好きな人(いるの/いたんです)っ!?」」
私とエステルもかなり驚いてしまった
いや、フレンが好きな人は知ってるけど……
ユーリが好きな人とか知らないよ……
待ってよ…ちょっとショックだよ……
「ジュっ!ジュディスっ!!!な、なんでそんなことっ!!」
「…オレ、まだ居ねぇんだけどな」
フレンはかなり動揺してるけど、ユーリはすまし顔…っていうか、余裕そうっていうか
「え?ユーリ、好きな人居ないの?」
「まあ…まだ、な?」
『まだ』………かぁ…………
………それはそれでちょっとショック………
「フレン……フレンは居るんですか……?」
「なっ……!ぼ、僕は……っ!」
チラチラッとフレンはわたしに目線を送ってくる
…人払いしろって、ことでいいのかな?
「リタ?ちょっと買い物に付き合ってくれないかしら?」
「別にいいわよ。どうせ、お菓子買いに行くでしょ」
「ええ、じゃちょっと行ってくるわね」
「へ?あ、うん!いってらっしゃい~」
フレンの目線の意味を察したらしく、ジュディスとリタが買い物と称してリビングを後にした
…さてと、わたしもユーリ連れて出よっと
「ユーリ」
「ん?なんだ??」
「……ごめん、英語教えて…?」
そう言うとガバッとソファーから起き上がった
…知ってた、普段教えてなんて言わないから驚かれるの知ってた…
でもこれ以外に呼び出す方法が…ね?
「……シア……頭でもぶつけたか……?」
「失礼すぎじゃないっ!?と、とにかくほらっ!部屋行こ!部屋っ!」
そう言ってユーリの手を引っ張ってリビングを出た
「お、おい、シア……!ちょっと待てって!」
静止してくるユーリをガン無視して部屋へ入った
「シア!」
「もう、シアシアうるさいよ……」
「お前が引っ張って来るからだろっ!?」
ピロリンッ♪
突然携帯が鳴って一瞬驚いたけど、画面を見てすぐにニヤッとしてしまった
「な……急にニヤついてどうしたんだよ?」
「ん、」
そう言って画面を見せる
そこにはフレンから《人払いありがとう!》と、一言書かれていた
「『人払い』……?あっ!」
「そうゆうことじゃないかな?」
ニコッとして言う
「フレン、隠すの苦手だもん」
「なるほどな、それでヤケになってもう言ってしまおうって参弾か」
「ん、多分そう~」
ベッドに座りながら答える
それとほぼ同時に
「フレンっ!!」
「うわっ!!?エ、エステリーゼ…飛びつくのはっ!」
「あ、ようやくくっついた」
「おーおー、他人の家でよくまぁやるな」
きっとフレン、今頃顔真っ赤にさせてるんだろうなぁ
……いじりに行きたい←
すっごくいじりに行きたい←
「で、ユーリは本当に居ないの?」
「…なんでいきなりその話になったんだよ…」
「んー、なんとなくっ!」
ニコッと笑って言うが、本当はちょっと不安なんだ
ユーリが他に好きな人居るんじゃないかって
…私のことが好きかすらわかんないけどさ…
「さっきも言ったろ?今は居ねぇよ」
「…………ん、そっか、ならこれ以上は聞かないよ」
……私は今、上手く笑えているだろうか?
胸が締め付けられるくらい、痛い
ちょっと涙が出そうなくらい、不安
やっぱり私からは言えそうにないよ…
だって、振られるの怖いもん…
「で、シア?英語どーすんだ?」
「う"っ………あ、あれは……ほら、リビングからユーリ連れ出す口実なだけで……」
「ふーん…口実、ねぇ?だとしてもまだ下には行けそうにねぇし、ジュディ達だって帰って来そうにねぇぞ?」
「そ……そうだけど………」
ピロリンッ♪
「あ、ジュディスから………あれ、エステルからも………」
《リタとの買い物、まだ時間かかりそうなの、もう少し帰るの遅くなるわ》
《アリシア、ごめんなさい、もう少しフレンと2人で居させてください!》
「………………」
「ふーん、ジュディ達帰り遅くなるうえに、エステルは2人でもう少し居たいってか」
「うわっ!?!!」
ジュディス達のメッセージを読んでいると、いつの間にかユーリが居たらしくて驚いてしまった
…でも、問題はそこじゃないんだ……
「さてと…時間が出来たわけだし…な?」
ニヤッとユーリは不敵な笑みを浮かべた
「うー…………わっかんない!!」
「おいおい…これ中1の問題だぜ…」
「知らないよ……英語なんて……使えなくても支障ないもん……」
「いや、多少は出来なきゃ駄目だろ…」
「むぅ……だってわかんないもん……」
「ほら、ちゃんと教えてやっからさ、もうちっと頑張ろうぜ?」
ジュディス達が帰ってくるまで、部屋で英語の勉強強制的にやらされてます←
もうわかんないよ……
わけわかんないよ……
頭がパンクしそうだよ……
しかも、一度逃げ出そうとしたら捕まって、ユーリの腕の中に居るんだけど……
集中出来ないよ…!
「……あーもうっ!!他の国の言葉なんてわかんないっ!」
「落ち着けって…単語自体は読めるだろ?」
「……単語が読めても分からないものはわからないっ!なんでわざわざ最初にいう言葉が後ろに来てたりするのさっ!」
「そーゆー決まりなの、英語じゃな」
「むぅ……むしろなんで英語わかるのさぁ……」
「ったく……自分で言ってきたわりにゃやる気無さすぎじゃねぇの?」
「だからっ!あれは」
ガチャッ
「あんたら!帰ったわよー!」
「あっ!帰って来たっ!」
「……ふぅ、しゃあねぇか、続きはまた今度だな」
怪しい笑みを浮かべてユーリは言う
……また、やるの……??
それだけは勘弁して欲しい
特に、今と同じ状態は……
下に降りてリビングに入ると、嬉しそうな顔をしたエステルが待っていた
「ふふ、嬉しそうねエステル」
「はいっ!ようやく想いが伝わりましたからっ!」
「それもそうだよね!おめでとうっ!」
「まぁ……おめでと」
ニコニコとしているが、肝心のフレンの姿が見えない
「なぁ、フレンどうしたんだ?」
「え?フレンなら部屋に…」
「ふーん……わたし、呼び行ってくる!」
ニヤリと笑ってリビングを出て、二階の奥、フレンが勝手に使ってる部屋の前に来る
コンコンコンッ
「フーレンっ!みんな下に集まってるよ~?」
「うっ…………ぼ、僕はあ、後で行くからっ!!」
声をかけるとそんな答えが聞こえた
いや、そんなの駄目に決まってるじゃん…
ドアノブを捻ると鍵はかけてなかったみたいで簡単に空いた
部屋に入るとベッドの上でフレンが丸まってるのが見えた
…やばい、いじめたくなる←
「フレンー?エステル待ってるけど?」
ニヤニヤしつつ言うと、ビクッと肩があがったのが見えた
「いっ……!今はっ!今だけはっ!!待ってくれっ!!もう少し待ってくれっ!」
「い・や・だっ!」
バサッとフレンが被ってた布団を剥ぐと、顔を真っ赤にさせて体育座りしていた
「~~~っ!!!アリシアっ!!布団返してくれっ!!」
「えー…やだっ!ほーら、リビング行くよー!」
フレンの腕を掴んで無理矢理連れて行こうとする
振り払ったりしないことを知ってるから容赦なく引っ張る
「い、嫌だっ!!アリシアっ!!頼むからっ!!!」
「ふふふ、ほーら、行こ行こ?いっつもわたしにも同じことするんだからさぁ~」
きっと今鏡を見たらすごい黒い笑みを浮かべてるんだろうなぁ
はっきり言えばすごく楽しいよ?
だっていつも弄られっぱなしだもんっ!
たまにはいいよね?
「おいっ!シアっ!何してんだよっ!?」
フレンを連れて行こうとしていると、ユーリが来てしまった
むぅ……もう少しだったんだけどなぁ……
「何って……見ての通りフレン引きずり出そうかと…」
「勘弁してやってくれよ……」
はぁっとため息をつきながら言ってくる
まあ、返答は一つだよね
「やーだっ!」
ニコッと笑って言う
この後、エステルが呼びに来るまでフレンで遊んでたのはいうまでもない←
ーーーーーーーーーーー
「フレン、大丈夫です?」
「あぁ……大丈夫だよ……エステリーゼ……」
「ったく……シア、やりすぎ」
「ふふっ、わたしをいつも困らせるのが悪いっ!」
未だにニヤニヤしながら答える
本当、フレンを弄るのは楽しかった
多分、今までで一番いい笑顔してたと思う←
「で、何するのよ?」
「無難にトランプでもしましょ?」
どこらから取り出したのか、ジュディスがトランプをシャッフルしながら言う
「賛成っ!」
「ま、一番無難だな」
「やりましょうっ!」
「…ふぅ、そうだね、やろう」
~それから数時間後~
「Zzz」
「あーあ、やっぱり寝やがったな……」
今の時間は夜中の2時
とっくに日付けを超えた
12時回ったくらいから寝そうだったが、まさか本気で寝るとはな……
……しかも、オレの膝に頭乗せて
「ふふ、アリシア嬉しそうにしてますね」
「まったく、あんたもこの子のこと好きなんだったらさっさと告っちゃいなさいよ」
「そうね、彼女が居ればいい虫除けになると思うわよ?」
「ほら、みんなも言ってるじゃないか」
「………」
はぁ…っと深くため息をつく
いや、そうしたいけどな……
オレはオレでちゃんとその日は決めてんだよ……
だからもう少し待ってて欲しいんだけどな…
「にゅぅ………ユーリ……………」
唐突に名前を呼ばれてビクッとするが、どうやら寝言のようだ
「………あんたの名前呼んでるけど?」
「………るっせ……」
直視出来なくてふいっと顔を反らす
やめてくれ……本当、マジで、色々崩れそうだから←
「………ふふ…………」
「相変わらず、君が傍にいると嬉しそうに寝るね」
「………フレン、余計なこと言わなくていい」
「すきー………」
「っ!?!!!?!!///////」
まさかの発言に思考が追いつかなくなる
自分で分かるくらい、顔が熱い
両手で顔を隠す
なんでこいつは毎回寝言で言ってくるんだよ……!
「可愛い寝言ね」
「ほんっと、さっさと付き合っちゃいなさいよ」
「うっ……////とっ、とりあえず部屋連れてくわっ!!///」
そう言ってシアを抱き上げてリビングを後にした
「ふぅ……ったく………頼むから不意打ちで言わねぇでくれ……」
ベッドに寝かしながらボソッと呟く
寝言ならお構い無しに言ってくるんだけどなぁ……
起きてる時にオレから好きって言っても答えてくんねぇし…
幸せそうに眠ってる彼女の頭をそっと撫でる
オレだって早く付き合いてぇけど……
シアとの約束あるし……
覚えてるかなんてわかんねぇけどさ
部屋にかかっているカレンダーを見る
「……後2ヶ月……か……」
後2ヶ月なんだ、約束の日まで
後、少し……
「もう少しだけ………待っててな…?」
そう呟いて、シアに視線を戻すと首元に目がいった
去年、オレが誕プレにあげた赤い石の飾りがついたペンダント
前々から気づいてはいたが、ほぼずっと身につけていてくれてる
それに気づいた時にゃ、フレンに電話越しに騒いで怒られたっけ
「さて、そろそろ戻るかな」
シアに掴まれる前に傍を離れる
「……おやすみ、シア」
部屋の電気を消してその場を後にした
「…………………行った…………かな」
目を開けると部屋は真っ暗で、カーテンの隙間からうっすらと入ってくる月の明かりだけが見える
本当は起きてた
『好き』って言った後から目は覚めてた
でも、ユーリがあからさまな反応したり、リタが言った言葉がつっかえて目を開けるに開けられなかった
部屋についてからもそれは同じで
ユーリが呟いた『もう少し待ってて』がやけに頭に響いてる
心臓の音がうるさくて、もう一度寝るに寝られない
「……後………2ヶ月したら…………」
カレンダーを見ながらボソッと呟く
後2ヶ月…………
夏休み真っ只中だろう
………それは、つまり………
わたしの誕生日…………
「…………まさか…………覚えてる………とか…?」
幼い頃にした、あの約束
とうの昔に忘れられてると思っていた
それを覚えているのかな……?
「……まさか……ね……」
自嘲気味に笑って布団に潜る
もう寝てしまおう
こうしていればきっと眠れるから……
結局、2度目の眠りにつけたのは朝日が昇りかけてからだった