*1年生
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音信不通
~夏休みに入ってから2週間~
「……ふぅ………」
軽く息を吐きながら椅子の背に寄りかかって、持っていたシャーペンを机に放り出す
夏休みが始まって、もう2週間が経った
ユーリとフレンは家の手伝い(という名のバイト)が忙しいらしく、時折連絡が来るくらいで全く会えていない
エステル達も家の事情で忙しいようで、連絡は取っているものの夏休みになってから1度も会えていない
つまり、夏休みになってからずーっと1人で過ごしているのだ
…まぁ、ゲームずっとしてても怒られないのは幸いなんだけどねぇ…
【※半日はゲームに潰れてます】
ただ、宿題と別に出された課題が一向に進まないのはちょっと困った
宿題の方は割と簡単なものが多かったから1週間で殆ど終わらせきれていて、残ったのは夏休みの日記と読書感想文だけだ
だが課題の方はそうはいかず、難しいとか言うレベルを超えてる←
元々得意な国語と社会は1週間かけてなんとか終わったが、理科と数学、英語は全くと言うほど進まない
理科は気合でなんとか半分くらいくらいまで終わらせられたけど……
数学と英語は異常な程に量が多いうえに宿題よりも難しい
まぁ、何はともあれ今日は一ページずつ終わらせられたし、また明日にしよう…
携帯のディスプレイを見れば、いつの間にか一時になろうとしていた
「…しまった、お昼ご飯食べてないや」
やってしまったなぁ…と苦笑いする
ユーリとフレンが来る訳ではないから、バレることはないと思うが…
この時期は本当にお腹が空かないから、食べるに食べれない
いわゆる夏バテと同じようなものだ
そんなの関係なしに年中お腹空いてないけどね…
まぁ…薬も飲まないといけないから、何かしら食べないと…
~~~~♪
軽く息を吐いてから椅子から立ち上がるのとほぼ同じタイミングで着信音が鳴った
「ん…?フレンからだ……もしもーし、久しぶり!」
『やぁ、久しぶり。声聞く限りじゃ元気そうだね』
電話の相手はフレンだった
2週間ぶりに声を聞いたが、変わらず元気そうで少し安心した
「フレンの方こそ元気そうで何よりだよ。それよりも、急に電話なんてどうしたの?」
『あぁ、明日は君の誕生日だろう?去年は勉強しててちゃんと祝えなかったから、今年はみんなでお祝いしようってエステル達と話していてね。
夕方頃に行っていいか聞きたくてね』
「あっ…そう言えばもうそんな日かぁ…
完全に忘れてた…」
フレンに言われてそうだったと思い出す
勉強ばかりで完全に忘れていた
『アリシアが自分の誕生日を忘れるなんて珍しいね…また具合いが悪いのかい?』
「いやぁ…毎年誕生日の1週間前からユーリがわたし以上に嬉しそうにカレンダーに印つけてたけど、今年はそれがないからさ…」
あはは…っと苦笑いして言うと、電話越しにガシャーンッとガラスの割る音が聞こえてきた
「フ、フレン!?大丈夫っ!?」
『あっ…あぁ……そ、それよりもアリシアっ!?それは本当かいっ!?』
ものすごく慌てた様子でフレンが聞いてくる
「えっ…?う、うん…夏休み入ってから会ってないし、連絡も殆ど取ってないよ?」
『なっ!?あのユーリがっ!?』
ありえないと言わんばかりにフレンは声を上げる
…正直耳が痛いです……
「うん……返信もあまり来ないから、お手伝い忙しいのかと思って、わたしからも連絡あまりに入れないようにしてて…」
『え…?確かユーリの家はそこまで忙しくないらしいって、昨日父さんが文句言ってたけど…』
「えっ!?本当にっ!?」
フレンの答えに、今度はわたしが大声を出してしまった
忙しくないならユーリが連絡して来ない筈がない
連絡して来ないは愚か、家に来ないこともおかしい
少しでもわたしが体調崩すと心配するユーリだ
わたしが夏の時期はすぐ体調壊すことを知ってるユーリが、忙しくないのに連絡もなしにほっとくなんてありえない
少なくとも、ユーリと出会ってからはそんなこと一度もなかった
『僕ちょっとユーリの家に行ってみるよ。アリシア、君は家に居てくれよ?絶対に1人で外に出ないでくれよ?去年、1人で出掛けようとして倒れたばかりなんだから』
「……ん……わかった、ごめんねフレン……」
ピッと通話を切ってストンッと椅子に腰掛ける
…腰掛けるって言うか、足の力が抜けただけなんだけど……
トークアプリのユーリとのトークを開く
会話は2週間前、終業式の日の夜で止まっている
《悪ぃ、シアの誕生日まで連絡出来そうにねぇや。前の日に連絡入れっから、ちゃーんと飯食えよ?後、ゲームは程々にしとけよ?》
「……大丈夫……だよね……?」
ギュッと携帯を握りしめる
……何事もなければいいんだけど……
~フレンside~
「母さんっ!ちょっとユーリの所に行ってくるっ!!」
リビングにいる母さんにそう言うだけ言って、返事も聞かずに家を飛び出した
アリシア大好きなあのユーリが、2週間全くアリシアと連絡を取っていないなんてありえない
それこそ、天と地がひっくり返るんじゃないかってレベルだ
アリシアが嫌いになった…は絶対にないな……風邪でもひいたのか?
走りながら色々思考を巡らせてみるが、全く検討が付かない
「……本人に問い正せばいいだけか…」
軽く頭を振って、考えを振り払いスピードをあげた
ユーリの家についてご両親に話を聞くと、部屋から殆ど出てこないと言われた
許可を貰って家の中に入り、ユーリの部屋の前に来る
すっと1度深呼吸をしてから思いっきり部屋のドアを開ける
「ユーリっ!!!」
「おわっ!?フっ、フレンっ!?おまっ、なんで!?!!」
部屋に入ると、PCと睨めっこしているユーリが目に入った
珍しいなとは思うが、今はそれどころじゃない
ユーリの許可も無しに部屋に入ってドアを閉め、ユーリの方に近づく
「さっきアリシアに電話してみれば、君から連絡が2週間ないって言うじゃないかっ!!アリシアがどれだけ心配していると思ってるんだっ!?」
ずいっと胸ぐらを掴む勢いで詰め寄ると、しまった!とでも言いたげに青ざめていく
「い、いや…これには理由がだな……」
「ならその理由を話してくれるかい?」
にっこりと笑ってみるが、恐らくものすごく引きつっているだろう
鏡を見なくてもユーリの反応でわかる
あたふたとするばかりで、一向に話す気配がない
ちらっとPCを見ると、どうやら調べ物をしていたようで検索ページが開かれていた
検索欄には………
「……『告白 タイミング』?」
ボソッと呟くと、顔を真っ赤にさせてバタンッと勢いよくPCを閉じた
「あぁ、なるほどね。アリシアの誕生日に告白するとか前に言ってたけど、どう言えばいいかわからなくなって当日までに調べようとしていたってことか」
ニヤッと笑うと、僕に背を向けて蹲ってしまった
普段ならしない行動に多少驚いたが、それだけユーリにとっては知られたくないことだったのだろう
「全く、いくら知られたくないからって、何も連絡しないまでしなくたっていいだろ?」
少々呆れ気味に問いかけるが、蹲ったまま一向に動き出さない
焦れったくなって、もう一度声をかけようと肩を叩こうとした
「…………だよ………」
「え?」
「いざ告白しようと思ったら恥ずかしくってまともに連絡出来ねぇうえに、会えなくなっちまったんだよ…っ!!!」
くるっと僕の方に顔だけ向けて、半分怒鳴るように言ってくる
かなり恥ずかしいのか、耳まで真っ赤に染まっている
ユーリがこんな反応するなんて予想外で、流石の僕も驚いた←
「…はぁ……僕には散々エステルに告白しねぇのか?とか言ってきた癖に、自分は恥ずかしくて出来ないってかい?」
「なっ!?べ、別に言えねぇって訳じゃねえっつーのっ!ただ……タイミングっつーのがわかんねぇってか……」
ガシガシと頭を掻き始める
…あぁ、ユーリとアリシアが僕に告白しろって言ってた時の気持ちがなんとなくわかったよ…
すっごくイライラする
両想いだってわかってる相手に気持ちを伝えるくらい、さっさとしろって思う←
しかも、ユーリはアリシアが自分のことを好きだと知ってるのを知ってるから、余計にそう思う
「……あんまりうじうじしてると、他の誰かに先越されるんじゃないかい?アリシア、モテるんだから」
ちょっと意地悪したくなって、ニヤッと笑いながらそう言う
「…………んなことわかってるっつーの………」
大きくため息をつくと、そのまま項垂れてしまう
珍しいと思う反面、さっさと言ってこいって思う←
「……オレ、今ならエステルに告白する前のお前の気持ちわかるわ……すっげー恥ずい……」
「僕は2人がエステルに告白しろって言ってきた時の気持ちがわかるよ。すごくイライラする」
「…なぁ…フレン………オレどーすりゃいいと思う?」
「うじうじうだうだしてないで、さっさと言って来ればいいんじゃないかい?」
呆れ気味にそう言うと、それが出来ねぇんだろ……と言う
普段自信に満ち溢れてるユーリが、ここまでうじうじしているのは初めてだ
……だから余計にうざく感じてしまうのだろうか……
「とにかく、さっさとアリシアに連絡入れたらどうだい?」
「……おぅ……そーするわ……」
少し顔を上げて、近くに置いていたスマホを手にすると、すぐにトークアプリを開いてアリシアにメッセージを送ったようだ
~アリシアside~
ピロリンッ
机に突っ伏していると、携帯の通知音が鳴った
ガバッと起き上がって、ディスプレイを見ると、ユーリの名前が見えた
慌てて携帯のロックを解除して、ユーリのトークを開く
《連絡遅くなって悪ぃ、ちょっと色々あってな……元気してっか?》
「…………色々って何さ…………」
ボソッとそう呟く
わたしには言えないような事なのだろうか……
《ん、元気だよ。そう言うユーリは元気なの?》
ちょっとキツい口調になってしまっただろうか…?
そんなことを考えていると、すぐに既読がついて返信が来た
《元気だよ。それよかさ、明日…1日一緒にいる約束したろ?久しぶりに水族館でも行かねえか?》
ガタッと音を立てて椅子から立ち上がる
勢いが余って椅子が倒れるが、そんなこと今は気にしている余裕がない
もう一度、メッセージを読み返す
そこには確かに『水族館』の文字が書いてある
まさかユーリがそんなこと言うだなんて思っていなくって、頭が混乱する
最後に行った時は確か、フレンとジュディスが嫌がるユーリをほぼ無理矢理連れて行っていたような気がするのだが…
《あー…心配掛けちまった詫びのつもりだったんだけど……》
驚き過ぎて返信出来ずにいると、ユーリからまたメッセージが来た
…お詫びって……それでもユーリから何処か行こうなんて言うの、初めてじゃん……
トークを開いたままだから、既読がついたまま返信が来ないことが気になったのか、またユーリからメッセージがくる
《おーい、シア?聞いてっかー?》
《あっ…ごめんっ!ユーリが何処か行こうなんて言うと思ってなかったから、びっくりしちゃってさ》
《ユーリが連れてってくれるなら水族館行きたいっ!!》
「……あっ!『ユーリが』とか言っちゃったら駄目じゃんっ!!」
送ってから気づくが、時既に遅い
『ユーリが』だなんて、ユーリ以外とは行きたくないって言ってるようなものじゃないか…
しかも、絶対に横にフレン居るでしょ…
そんな事考えてると、また通知音が鳴る
ユーリのトークは開いたままだから、別の人からだろう
……誰かだなんて、大体予想はついた
1度ユーリのトークを閉じると、案の定フレンからメッセージが来ていた
渋々フレンのトークを開く
《アリシア…wユーリが連れてってくれるなら、だなんて言ったらバレるんじゃないかい?ww》
《う、うるさいなぁっ!!わたしだって言うつもりなかったもんっ!!》
かぁっと顔が熱くなる
もう……なんでフレンが居る所で言ってくるのさ…!!
…いや…これは完全にわたしが悪い…
原因はわたしにあるけどさぁ…!
フレンのトークを閉じながらそんなことを考えてると、今度はユーリからメッセージが来た
《んじゃ行こうぜ?朝から行って、夕方くらいに帰って来たら丁度ジュディ達とケーキ食べれるだろ?》
《朝迎えに行く前に連絡入れるぜ》
わかったと送って携帯の電源を落とす
携帯を持ったまま、ボスッとベッドにダイブしてユーリから貰ったぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた
なんだかんだ言って、ユーリと2人で何処かに出掛けるだなんて初めてだ
いつもならフレンが付いて来るが……
そう考えると、また顔が熱くなる
バクバクと心臓の音が五月蝿いくらい、耳の中で反響してる
なんとか抑えようとぬいぐるみに顔を押し当てるが、一向に収まらない
…それは、ユーリと会うのが久しぶりだからか、それとも初めて2人きりで出掛けるからかは分からないけど…
2人きりで出掛けられるのが嬉しい反面、2人きりになった時の対応がわからなくってどうすればいいか困ってしまった
会うのが久しぶりな分、余計に接し方がわからない
「……こんなんで明日…大丈夫かなぁ……」
ボソッそう呟きながら苦笑いする
ユーリの前でこんな反応したら、バレてしまうのが目に見えてる
~~~♪
「っ!?!!……って…フレンから電話かぁ………
はーい……なーにー?」
突然の着信音に驚いたが、どうやらまたフレンから電話が来たようだ
『くくっ……アリシア、流石にあれは大胆過ぎるんじゃないかい?』
「……要件ないなら切るよ……?」
『あははっ、ごめんごめん、ついからかいたくなってね
明日ケーキ買って来るけど、何がいいかを聞きたかったんだ』
クスクスと電話越しに笑われるのがすごくムカつく←
というか、それだけなら電話じゃなくても良くない…?
「んー……じゃあショートケーキかな」
『了解、それじゃあ明日、ユーリと水族館楽しんで来なね!』
「なっ!?//////」
言うだけ言って電話を切られてしまった……
フレン……わざと意識するように言ったでしょ……!!
「……フレンのバーカ……////」
そう呟いて、またぬいぐるみに顔を埋めた
そのまま2時間ほど動けなかった
~一方ユーリは…~
フレンに押しかけられて半強制的にシアにメッセージを送ることになった←
久々過ぎてなんて送っていいかわからない
一応返信がすぐにきたが、何処か素っ気ない
…2週間連絡入れなかったから怒ってるなこれは…
オレの自業自得なのだが、流石にちょっとショックだ
「ユーリ、ショック受けてなくていいから返信しろって」
隣に居るフレンが呆れ気味にそう言ってくる
「わーってるよ……」
《元気だよ。それよかさ、明日…1日一緒に居る約束したろ?久しぶりに水族館にでも行かねえか?》
そう送ると、すぐに既読がついた
「へぇ……ユーリが珍しいこと言うね?」
面白いおもちゃでも見つけたかのようにクスクスと笑ってくる
そのフレンをじっと睨みつけるが、恐らくなんの効果もないだろう
…オレもフレンがエステルに告る時に同じことしたから仕方ないんだが……
「うっせぇよ…最後行った時、シア楽しそうにしてたから連れてってやろうって思っただけだよ」
「なるほどね。……それよりも、返信来ないけど…」
フレンに言われて視線をスマホに向けるが、確かに返信がない
《あー…心配掛けちまった詫びのつもりだったんだけど……》
そう送ると、すぐに既読が付くが一向に返信は来ない
「……オレ、なんか変なこと言ったか……?」
「強いていえば、『水族館にでも行かねえか?』かな。普段の君なら絶対に言わないからね」
…フレンにだけは絶対に言われたくない←
フレンだって、自分から此処に行こうだなんて言わねぇ癖に…
《おーい、シア?聞いてっかー?》
もう一度メッセージを送ると、今度はすぐ返信が帰って来た
《あっ…ごめんっ!ユーリが何処か行こうなんて言うと思ってなかったから、びっくりしちゃってさ》
「ほら、僕の言った通りだろ?」
ふふんと鼻を鳴らすフレンが異常な程ムカつく←
そんなフレンは置いといて、返信しようとしたその時
《ユーリが連れてってくれるなら水族館行きたいっ!!》
と、シアからメッセージが来て固まってしまう
待て待て待て待て…っ!!?!
これどういう意味だっ!?
オレとならって…はぁっ!?
「くくっ……アリシアも大胆だね……くくくっ」
隣でオレとシアのやり取りを見ていたフレンが楽しそうに声を抑えて笑い出す
オレはもう、シアから来たメッセージの意味を考えるので頭がいっぱいいっぱいになってた←
いやだって…普通『誰となら』なんて言わねぇだろ……?
恋人同士とかならわかるけど、普通言わねぇだろ……?!
しかも幼なじみとは異性だぜっ!?
どう返信すべきかとスマホの画面を見詰めたまま硬直してしまう
「ユ、ユーリ…っ、早く返信してあげなよ…ww」
笑いすぎてか上手く呼吸が出来てないらしいフレンが、途切れ途切れに言ってくる
「わーってるっつーの…つか、お前は笑いすぎだっ!!」
フレンを睨めつきつつ、シアに返信する
《んじゃ行こうぜ?朝から行って、夕方くらいに帰って来たら丁度ジュディ達とケーキ食べれるだろ?》
《朝迎えに行く前に連絡入れるぜ》
そう送ると、わかったとだけ返事が来て、そこでトークアプリを落とした
「はぁ…………」
大きくため息をつきながら机に突っ伏す
この短時間でめっちゃ疲れた…
「あ、ユーリ、アリシアの誕生日ケーキ何がいいと思う?僕的にはチョコケーキがいいと思うんだけど」
「あ?シアならショートケーキの方がいいだろ?」
顔だけフレンの方に向けてそう言うと、顎に手を当てて何か考え出した
少し体を起こすと、何か思いついたようでパチンッと指を鳴らす
「よし、ならアリシアに電話で聞いてみようか。間違えた方がケーキ代出すってことで」
「…いいぜ、オレ絶対間違ってねぇから」
ニヤッと笑って言うと、フレンはすぐにシアに電話を掛けた
「くくっ……アリシア、流石にあれは大胆過ぎるんじゃないかい?」
どうやらすぐに掛かったらしく、先程のシアのメッセージについていじろうとしてるようだ←
「あははっ、ごめんごめん、ついからかいたくなってね
明日ケーキ買って来るけど、何がいいかを聞きたかったんだ」
クスクス笑いながらスピーカーに変える
『んー……じゃあショートケーキかな』
「…了解、それじゃあ明日、ユーリと水族館楽しんで来なね!」
シアの返事を聞くとそれだけ言ってすぐに電話を切ってしまった
「…オレの勝ち、だな?」
ニヤリと笑うと、少し残念そうに顔を歪ませるフレン
いやだって…な?
好きな奴の好みくらい知っておいて当然だろ?
~夏休みに入ってから2週間~
「……ふぅ………」
軽く息を吐きながら椅子の背に寄りかかって、持っていたシャーペンを机に放り出す
夏休みが始まって、もう2週間が経った
ユーリとフレンは家の手伝い(という名のバイト)が忙しいらしく、時折連絡が来るくらいで全く会えていない
エステル達も家の事情で忙しいようで、連絡は取っているものの夏休みになってから1度も会えていない
つまり、夏休みになってからずーっと1人で過ごしているのだ
…まぁ、ゲームずっとしてても怒られないのは幸いなんだけどねぇ…
【※半日はゲームに潰れてます】
ただ、宿題と別に出された課題が一向に進まないのはちょっと困った
宿題の方は割と簡単なものが多かったから1週間で殆ど終わらせきれていて、残ったのは夏休みの日記と読書感想文だけだ
だが課題の方はそうはいかず、難しいとか言うレベルを超えてる←
元々得意な国語と社会は1週間かけてなんとか終わったが、理科と数学、英語は全くと言うほど進まない
理科は気合でなんとか半分くらいくらいまで終わらせられたけど……
数学と英語は異常な程に量が多いうえに宿題よりも難しい
まぁ、何はともあれ今日は一ページずつ終わらせられたし、また明日にしよう…
携帯のディスプレイを見れば、いつの間にか一時になろうとしていた
「…しまった、お昼ご飯食べてないや」
やってしまったなぁ…と苦笑いする
ユーリとフレンが来る訳ではないから、バレることはないと思うが…
この時期は本当にお腹が空かないから、食べるに食べれない
いわゆる夏バテと同じようなものだ
そんなの関係なしに年中お腹空いてないけどね…
まぁ…薬も飲まないといけないから、何かしら食べないと…
~~~~♪
軽く息を吐いてから椅子から立ち上がるのとほぼ同じタイミングで着信音が鳴った
「ん…?フレンからだ……もしもーし、久しぶり!」
『やぁ、久しぶり。声聞く限りじゃ元気そうだね』
電話の相手はフレンだった
2週間ぶりに声を聞いたが、変わらず元気そうで少し安心した
「フレンの方こそ元気そうで何よりだよ。それよりも、急に電話なんてどうしたの?」
『あぁ、明日は君の誕生日だろう?去年は勉強しててちゃんと祝えなかったから、今年はみんなでお祝いしようってエステル達と話していてね。
夕方頃に行っていいか聞きたくてね』
「あっ…そう言えばもうそんな日かぁ…
完全に忘れてた…」
フレンに言われてそうだったと思い出す
勉強ばかりで完全に忘れていた
『アリシアが自分の誕生日を忘れるなんて珍しいね…また具合いが悪いのかい?』
「いやぁ…毎年誕生日の1週間前からユーリがわたし以上に嬉しそうにカレンダーに印つけてたけど、今年はそれがないからさ…」
あはは…っと苦笑いして言うと、電話越しにガシャーンッとガラスの割る音が聞こえてきた
「フ、フレン!?大丈夫っ!?」
『あっ…あぁ……そ、それよりもアリシアっ!?それは本当かいっ!?』
ものすごく慌てた様子でフレンが聞いてくる
「えっ…?う、うん…夏休み入ってから会ってないし、連絡も殆ど取ってないよ?」
『なっ!?あのユーリがっ!?』
ありえないと言わんばかりにフレンは声を上げる
…正直耳が痛いです……
「うん……返信もあまり来ないから、お手伝い忙しいのかと思って、わたしからも連絡あまりに入れないようにしてて…」
『え…?確かユーリの家はそこまで忙しくないらしいって、昨日父さんが文句言ってたけど…』
「えっ!?本当にっ!?」
フレンの答えに、今度はわたしが大声を出してしまった
忙しくないならユーリが連絡して来ない筈がない
連絡して来ないは愚か、家に来ないこともおかしい
少しでもわたしが体調崩すと心配するユーリだ
わたしが夏の時期はすぐ体調壊すことを知ってるユーリが、忙しくないのに連絡もなしにほっとくなんてありえない
少なくとも、ユーリと出会ってからはそんなこと一度もなかった
『僕ちょっとユーリの家に行ってみるよ。アリシア、君は家に居てくれよ?絶対に1人で外に出ないでくれよ?去年、1人で出掛けようとして倒れたばかりなんだから』
「……ん……わかった、ごめんねフレン……」
ピッと通話を切ってストンッと椅子に腰掛ける
…腰掛けるって言うか、足の力が抜けただけなんだけど……
トークアプリのユーリとのトークを開く
会話は2週間前、終業式の日の夜で止まっている
《悪ぃ、シアの誕生日まで連絡出来そうにねぇや。前の日に連絡入れっから、ちゃーんと飯食えよ?後、ゲームは程々にしとけよ?》
「……大丈夫……だよね……?」
ギュッと携帯を握りしめる
……何事もなければいいんだけど……
~フレンside~
「母さんっ!ちょっとユーリの所に行ってくるっ!!」
リビングにいる母さんにそう言うだけ言って、返事も聞かずに家を飛び出した
アリシア大好きなあのユーリが、2週間全くアリシアと連絡を取っていないなんてありえない
それこそ、天と地がひっくり返るんじゃないかってレベルだ
アリシアが嫌いになった…は絶対にないな……風邪でもひいたのか?
走りながら色々思考を巡らせてみるが、全く検討が付かない
「……本人に問い正せばいいだけか…」
軽く頭を振って、考えを振り払いスピードをあげた
ユーリの家についてご両親に話を聞くと、部屋から殆ど出てこないと言われた
許可を貰って家の中に入り、ユーリの部屋の前に来る
すっと1度深呼吸をしてから思いっきり部屋のドアを開ける
「ユーリっ!!!」
「おわっ!?フっ、フレンっ!?おまっ、なんで!?!!」
部屋に入ると、PCと睨めっこしているユーリが目に入った
珍しいなとは思うが、今はそれどころじゃない
ユーリの許可も無しに部屋に入ってドアを閉め、ユーリの方に近づく
「さっきアリシアに電話してみれば、君から連絡が2週間ないって言うじゃないかっ!!アリシアがどれだけ心配していると思ってるんだっ!?」
ずいっと胸ぐらを掴む勢いで詰め寄ると、しまった!とでも言いたげに青ざめていく
「い、いや…これには理由がだな……」
「ならその理由を話してくれるかい?」
にっこりと笑ってみるが、恐らくものすごく引きつっているだろう
鏡を見なくてもユーリの反応でわかる
あたふたとするばかりで、一向に話す気配がない
ちらっとPCを見ると、どうやら調べ物をしていたようで検索ページが開かれていた
検索欄には………
「……『告白 タイミング』?」
ボソッと呟くと、顔を真っ赤にさせてバタンッと勢いよくPCを閉じた
「あぁ、なるほどね。アリシアの誕生日に告白するとか前に言ってたけど、どう言えばいいかわからなくなって当日までに調べようとしていたってことか」
ニヤッと笑うと、僕に背を向けて蹲ってしまった
普段ならしない行動に多少驚いたが、それだけユーリにとっては知られたくないことだったのだろう
「全く、いくら知られたくないからって、何も連絡しないまでしなくたっていいだろ?」
少々呆れ気味に問いかけるが、蹲ったまま一向に動き出さない
焦れったくなって、もう一度声をかけようと肩を叩こうとした
「…………だよ………」
「え?」
「いざ告白しようと思ったら恥ずかしくってまともに連絡出来ねぇうえに、会えなくなっちまったんだよ…っ!!!」
くるっと僕の方に顔だけ向けて、半分怒鳴るように言ってくる
かなり恥ずかしいのか、耳まで真っ赤に染まっている
ユーリがこんな反応するなんて予想外で、流石の僕も驚いた←
「…はぁ……僕には散々エステルに告白しねぇのか?とか言ってきた癖に、自分は恥ずかしくて出来ないってかい?」
「なっ!?べ、別に言えねぇって訳じゃねえっつーのっ!ただ……タイミングっつーのがわかんねぇってか……」
ガシガシと頭を掻き始める
…あぁ、ユーリとアリシアが僕に告白しろって言ってた時の気持ちがなんとなくわかったよ…
すっごくイライラする
両想いだってわかってる相手に気持ちを伝えるくらい、さっさとしろって思う←
しかも、ユーリはアリシアが自分のことを好きだと知ってるのを知ってるから、余計にそう思う
「……あんまりうじうじしてると、他の誰かに先越されるんじゃないかい?アリシア、モテるんだから」
ちょっと意地悪したくなって、ニヤッと笑いながらそう言う
「…………んなことわかってるっつーの………」
大きくため息をつくと、そのまま項垂れてしまう
珍しいと思う反面、さっさと言ってこいって思う←
「……オレ、今ならエステルに告白する前のお前の気持ちわかるわ……すっげー恥ずい……」
「僕は2人がエステルに告白しろって言ってきた時の気持ちがわかるよ。すごくイライラする」
「…なぁ…フレン………オレどーすりゃいいと思う?」
「うじうじうだうだしてないで、さっさと言って来ればいいんじゃないかい?」
呆れ気味にそう言うと、それが出来ねぇんだろ……と言う
普段自信に満ち溢れてるユーリが、ここまでうじうじしているのは初めてだ
……だから余計にうざく感じてしまうのだろうか……
「とにかく、さっさとアリシアに連絡入れたらどうだい?」
「……おぅ……そーするわ……」
少し顔を上げて、近くに置いていたスマホを手にすると、すぐにトークアプリを開いてアリシアにメッセージを送ったようだ
~アリシアside~
ピロリンッ
机に突っ伏していると、携帯の通知音が鳴った
ガバッと起き上がって、ディスプレイを見ると、ユーリの名前が見えた
慌てて携帯のロックを解除して、ユーリのトークを開く
《連絡遅くなって悪ぃ、ちょっと色々あってな……元気してっか?》
「…………色々って何さ…………」
ボソッとそう呟く
わたしには言えないような事なのだろうか……
《ん、元気だよ。そう言うユーリは元気なの?》
ちょっとキツい口調になってしまっただろうか…?
そんなことを考えていると、すぐに既読がついて返信が来た
《元気だよ。それよかさ、明日…1日一緒にいる約束したろ?久しぶりに水族館でも行かねえか?》
ガタッと音を立てて椅子から立ち上がる
勢いが余って椅子が倒れるが、そんなこと今は気にしている余裕がない
もう一度、メッセージを読み返す
そこには確かに『水族館』の文字が書いてある
まさかユーリがそんなこと言うだなんて思っていなくって、頭が混乱する
最後に行った時は確か、フレンとジュディスが嫌がるユーリをほぼ無理矢理連れて行っていたような気がするのだが…
《あー…心配掛けちまった詫びのつもりだったんだけど……》
驚き過ぎて返信出来ずにいると、ユーリからまたメッセージが来た
…お詫びって……それでもユーリから何処か行こうなんて言うの、初めてじゃん……
トークを開いたままだから、既読がついたまま返信が来ないことが気になったのか、またユーリからメッセージがくる
《おーい、シア?聞いてっかー?》
《あっ…ごめんっ!ユーリが何処か行こうなんて言うと思ってなかったから、びっくりしちゃってさ》
《ユーリが連れてってくれるなら水族館行きたいっ!!》
「……あっ!『ユーリが』とか言っちゃったら駄目じゃんっ!!」
送ってから気づくが、時既に遅い
『ユーリが』だなんて、ユーリ以外とは行きたくないって言ってるようなものじゃないか…
しかも、絶対に横にフレン居るでしょ…
そんな事考えてると、また通知音が鳴る
ユーリのトークは開いたままだから、別の人からだろう
……誰かだなんて、大体予想はついた
1度ユーリのトークを閉じると、案の定フレンからメッセージが来ていた
渋々フレンのトークを開く
《アリシア…wユーリが連れてってくれるなら、だなんて言ったらバレるんじゃないかい?ww》
《う、うるさいなぁっ!!わたしだって言うつもりなかったもんっ!!》
かぁっと顔が熱くなる
もう……なんでフレンが居る所で言ってくるのさ…!!
…いや…これは完全にわたしが悪い…
原因はわたしにあるけどさぁ…!
フレンのトークを閉じながらそんなことを考えてると、今度はユーリからメッセージが来た
《んじゃ行こうぜ?朝から行って、夕方くらいに帰って来たら丁度ジュディ達とケーキ食べれるだろ?》
《朝迎えに行く前に連絡入れるぜ》
わかったと送って携帯の電源を落とす
携帯を持ったまま、ボスッとベッドにダイブしてユーリから貰ったぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた
なんだかんだ言って、ユーリと2人で何処かに出掛けるだなんて初めてだ
いつもならフレンが付いて来るが……
そう考えると、また顔が熱くなる
バクバクと心臓の音が五月蝿いくらい、耳の中で反響してる
なんとか抑えようとぬいぐるみに顔を押し当てるが、一向に収まらない
…それは、ユーリと会うのが久しぶりだからか、それとも初めて2人きりで出掛けるからかは分からないけど…
2人きりで出掛けられるのが嬉しい反面、2人きりになった時の対応がわからなくってどうすればいいか困ってしまった
会うのが久しぶりな分、余計に接し方がわからない
「……こんなんで明日…大丈夫かなぁ……」
ボソッそう呟きながら苦笑いする
ユーリの前でこんな反応したら、バレてしまうのが目に見えてる
~~~♪
「っ!?!!……って…フレンから電話かぁ………
はーい……なーにー?」
突然の着信音に驚いたが、どうやらまたフレンから電話が来たようだ
『くくっ……アリシア、流石にあれは大胆過ぎるんじゃないかい?』
「……要件ないなら切るよ……?」
『あははっ、ごめんごめん、ついからかいたくなってね
明日ケーキ買って来るけど、何がいいかを聞きたかったんだ』
クスクスと電話越しに笑われるのがすごくムカつく←
というか、それだけなら電話じゃなくても良くない…?
「んー……じゃあショートケーキかな」
『了解、それじゃあ明日、ユーリと水族館楽しんで来なね!』
「なっ!?//////」
言うだけ言って電話を切られてしまった……
フレン……わざと意識するように言ったでしょ……!!
「……フレンのバーカ……////」
そう呟いて、またぬいぐるみに顔を埋めた
そのまま2時間ほど動けなかった
~一方ユーリは…~
フレンに押しかけられて半強制的にシアにメッセージを送ることになった←
久々過ぎてなんて送っていいかわからない
一応返信がすぐにきたが、何処か素っ気ない
…2週間連絡入れなかったから怒ってるなこれは…
オレの自業自得なのだが、流石にちょっとショックだ
「ユーリ、ショック受けてなくていいから返信しろって」
隣に居るフレンが呆れ気味にそう言ってくる
「わーってるよ……」
《元気だよ。それよかさ、明日…1日一緒に居る約束したろ?久しぶりに水族館にでも行かねえか?》
そう送ると、すぐに既読がついた
「へぇ……ユーリが珍しいこと言うね?」
面白いおもちゃでも見つけたかのようにクスクスと笑ってくる
そのフレンをじっと睨みつけるが、恐らくなんの効果もないだろう
…オレもフレンがエステルに告る時に同じことしたから仕方ないんだが……
「うっせぇよ…最後行った時、シア楽しそうにしてたから連れてってやろうって思っただけだよ」
「なるほどね。……それよりも、返信来ないけど…」
フレンに言われて視線をスマホに向けるが、確かに返信がない
《あー…心配掛けちまった詫びのつもりだったんだけど……》
そう送ると、すぐに既読が付くが一向に返信は来ない
「……オレ、なんか変なこと言ったか……?」
「強いていえば、『水族館にでも行かねえか?』かな。普段の君なら絶対に言わないからね」
…フレンにだけは絶対に言われたくない←
フレンだって、自分から此処に行こうだなんて言わねぇ癖に…
《おーい、シア?聞いてっかー?》
もう一度メッセージを送ると、今度はすぐ返信が帰って来た
《あっ…ごめんっ!ユーリが何処か行こうなんて言うと思ってなかったから、びっくりしちゃってさ》
「ほら、僕の言った通りだろ?」
ふふんと鼻を鳴らすフレンが異常な程ムカつく←
そんなフレンは置いといて、返信しようとしたその時
《ユーリが連れてってくれるなら水族館行きたいっ!!》
と、シアからメッセージが来て固まってしまう
待て待て待て待て…っ!!?!
これどういう意味だっ!?
オレとならって…はぁっ!?
「くくっ……アリシアも大胆だね……くくくっ」
隣でオレとシアのやり取りを見ていたフレンが楽しそうに声を抑えて笑い出す
オレはもう、シアから来たメッセージの意味を考えるので頭がいっぱいいっぱいになってた←
いやだって…普通『誰となら』なんて言わねぇだろ……?
恋人同士とかならわかるけど、普通言わねぇだろ……?!
しかも幼なじみとは異性だぜっ!?
どう返信すべきかとスマホの画面を見詰めたまま硬直してしまう
「ユ、ユーリ…っ、早く返信してあげなよ…ww」
笑いすぎてか上手く呼吸が出来てないらしいフレンが、途切れ途切れに言ってくる
「わーってるっつーの…つか、お前は笑いすぎだっ!!」
フレンを睨めつきつつ、シアに返信する
《んじゃ行こうぜ?朝から行って、夕方くらいに帰って来たら丁度ジュディ達とケーキ食べれるだろ?》
《朝迎えに行く前に連絡入れるぜ》
そう送ると、わかったとだけ返事が来て、そこでトークアプリを落とした
「はぁ…………」
大きくため息をつきながら机に突っ伏す
この短時間でめっちゃ疲れた…
「あ、ユーリ、アリシアの誕生日ケーキ何がいいと思う?僕的にはチョコケーキがいいと思うんだけど」
「あ?シアならショートケーキの方がいいだろ?」
顔だけフレンの方に向けてそう言うと、顎に手を当てて何か考え出した
少し体を起こすと、何か思いついたようでパチンッと指を鳴らす
「よし、ならアリシアに電話で聞いてみようか。間違えた方がケーキ代出すってことで」
「…いいぜ、オレ絶対間違ってねぇから」
ニヤッと笑って言うと、フレンはすぐにシアに電話を掛けた
「くくっ……アリシア、流石にあれは大胆過ぎるんじゃないかい?」
どうやらすぐに掛かったらしく、先程のシアのメッセージについていじろうとしてるようだ←
「あははっ、ごめんごめん、ついからかいたくなってね
明日ケーキ買って来るけど、何がいいかを聞きたかったんだ」
クスクス笑いながらスピーカーに変える
『んー……じゃあショートケーキかな』
「…了解、それじゃあ明日、ユーリと水族館楽しんで来なね!」
シアの返事を聞くとそれだけ言ってすぐに電話を切ってしまった
「…オレの勝ち、だな?」
ニヤリと笑うと、少し残念そうに顔を歪ませるフレン
いやだって…な?
好きな奴の好みくらい知っておいて当然だろ?