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フレンの料理は…
~ある日の夕食間際~
「ねぇリタ、ユーリとアリシア知らない?薪集め手伝って欲しいんだけど…」
「あの2人ならフレンのとこに行ったわよ?」
「え?なんでです?」
「さぁ?今日の夕食、フレンが作ってるって言ったら、2人して血相変えてとんでったわよ?」
リタとカロル、そしてエステルがそんな会話をしていると、ユーリがガックリとした様子で戻って来る
「…おい、誰だよあいつに料理任せたやつぁ…」
はぁ……と大きなため息をつきながら彼は頭を抱え出した
「え?あー、青年も料理出来るって言うから頼んだけど…なんか問題あったかねぇ…?」
レイヴンが少しおどおどして言う
「なんつー余計なことしてくれてんだよ、おっさん……」
そう言ったユーリをみんなが不思議そうに見ていると、ラピードが珍しく落ち込んだようにトボトボと彼の傍に寄って来る
「クゥン…」
「ラピードでも駄目か……あとは……」
「はぁ……もう…フレンに料理させたの何処の誰よ……」
ユーリがそう言ったのとほぼ同時に、あからさまに不機嫌そうな顔をしてアリシアが戻って来る
「シアでも駄目だったか…」
「もうほぼほぼ出来ちゃってたし…今更やめろとか言えないよ……」
二人は揃ってはぁ……と大きなため息をつく
「あら、彼に作らせちゃいけない理由があるのかしら?」
ジュディスがそう問いかけると、今度は顔を見合わせてどうしようかと相談をし始める
「おーい、みんな!出来たよ!」
そうこうしているうちに料理が出来てしまったらしく、フレンが呼びにやって来た
「お、出来たみたいだから行きましょうや」
レイヴンがそう言うとアリシアとユーリ以外は行ってしまう
「…どーするよ?」
「…私、行かない、だってフレンが大量の香辛料入れてるの見ちゃったもん」
「……ハズレの日かよ……しゃーねぇシア、後でなんか作ってやっから木の上にでも隠れとけ」
辛いモン駄目だろ?とユーリは言って彼女の頭を撫でる
「…うん、無理、食べれない」
ごめん、後よろしく、と言ってアリシアはさっと姿を消してしまった
「2人ともーっ!早くおいでよ!」
「へいへい……今行くから…」
カロルの呼び声にユーリは観念してみんなの元へと向かった
「あれ?アリシアは?」
「あいつなら今腹減ってねぇから後で食うって言って星見に行ったぜ?」
「アリシアは星が好きだからね。仕方ない、先に食べよう」
「じゃあ…」
『いただきます』
「………」
(見た目は普通……か)
とユーリは心の中で呟くが
「っ~~!?辛っ!?」
「…はぁ………やっぱりこうなるのかよ……」
周りの反応にボソッとフレンに聞こえないように呟いて頭を抱える
「フ、フレン……ちょっと辛すぎない……?」
カロルは今にも死にそうな声で聞く
「?そうかな?僕はこのくらいが丁度いいと思うのだけど」
「……もしかして、味覚音痴?」
隣で頭を抱えているユーリにリタは小声で聞く
「……いや、上手くいくときゃめっちゃ美味いんだよ…ただ、駄目な時はほんっとに駄目なんだ……」
それにユーリも小声で返す
「………あんたらが止めた理由ってこうゆうこと?」
「…そ、前に言ったろ?親切心でやってくるけどめっちゃ不味い飯食わされるよりも……ってな」
「……あれ、フレンのことだったのね…」
はぁ………っとリタもため息をつく
ーーしばらくしてーー
(…なんとか気合いで食べきったが流石につらいわ……)
そんなことを考えながらアリシアが登っていった木を登るユーリ
ご丁寧にちゃんと目印を付けといてくれていたため、すぐに見つけられたのだ
「おー、いたいた」
「あ、ユーリ、やっぱりハズレだった?」
「ありゃハズレってレベルじゃねぇな…」
苦笑いしながら言うユーリにアリシアはお疲れ様と言って彼の頭を撫でる
「ほら、サンドウィッチ作ってきてやったから」
少し擽ったそうにしながらユーリはそう言って小包を手渡した
「ありがとう、ユーリ」
その小包を彼女は笑顔で受け取るとすぐ食べ始めた
「やっぱ流石に腹減ってたか」
「んー、まあね」
「下降りんならもう少ししてからの方がいいぜ?」
「りょーはい(了解)」
「口の中に食べもん入れたまんま喋んなっての」
ユーリが苦笑いしてコツンと軽く小突くと、アリシアはゴクンッと飲み込んでペロッと舌を出して苦笑いする
「あ、リタなんか言ってた?」
「あー…『あの子、わかってて逃げたのね…!』ってキレかけてたから、辛いモン食えねぇんだよって説明しといたわ」
「あはは……やっぱキレたのね…」
「だからみんな寝るまで降りてくんなよ?」
もう一つサンドウィッチをつまみながらアリシアは了解っと言って微笑んだ
~次の日の夕方~
「「……(おい/ねぇ)、誰(だよ/?)昨日の学習してない馬鹿(はよ/は)」」
「えっと…ハモらないで?怖いから…」
同時にドス黒い笑みを浮かべて問いかける二人に、カロルが怯え気味に声をかける
「いんやぁ……成功するかなぁ……っと思って……ね?」
あはは…っと乾いた笑みを浮かべたレイヴンがゆっくりと逃げるように後ろへと後退していく
「レイヴン?殴っていい?」
アリシアは拳をつくってニッコリと笑いながらじりじりとそんな彼に近寄って行く
私を殺す気なのか、と未だかつて見たことの無いようなドス黒いオーラを身に纏っていた
怒るのも当然だ、昨日あんなことがあったばかりだというのにまたフレンに料理当番を当てたのだから
「はぁぁ………もーやだ。私、また逃げるからユーリ後で持ってきて」
頭を抱えてしゃがみながらアリシアはユーリに伝える
「…オレ、ちょい見てくるわ、余計な事しねぇように」
彼はそう言って少し急いでフレンの元へ行く
「…あの、アリシアが辛いもの食べれない理由って……」
「…フレンのせい…ダメな時は味付け濃いし…特に辛いものの時は香辛料大量に入れたりするから…それでも本人は親切のつもりでやってるし、何よりもあの嬉しそうな笑顔見たら断るに断れなかったのよ…」
「で、頑張って食べたら辛いものが駄目になったのね」
リタの問いかけに力なくコクリとしゃがみ込んだままアリシア頷く
「おーい、出来たぜ」
「あ…ユーリ……」
「今日はオレも手伝ったから大丈夫だっての」
頭を掻きながらユーリは彼女たちを呼びに来た
ユーリがそう言うなら…とアリシアも渋々向かう
「さ、食べよう?」
ニコニコとしながら言うフレンに促され、一同はいただきますっと言って恐る恐る食べ始める
「!美味しい!」
「お、確か美味いな」
「……よかった、辛くない」ボソッ
「………」
みんなが美味しいと賞賛する中、フレンだけが浮かない顔をしていた
「あら、どうしたのかしら?」
「やっぱり、味が薄いんじゃないか?」
「っ!?ゲホッ!ゲホッ!」
「おいおい…大丈夫かよ…」
アリシアはフレンの発言に相当びっくりしたようで、思い切り咳を混み始めた
そんな彼女の背をユーリは優しく撫でる
「フ、フレン……?今のままで充分美味しいよ…?」
呼吸が整ってきたところで、彼女は頬をピクピクと痙攣させながら静止をかける
「でも、こんなボヤけたような味じゃ…!」
それでも納得のいかないらしいフレンは大量の香辛料を取り出す
あ、終わった、とでも言いたげにアリシアが逃げる体制をとる
「そんな大量の香辛料をどうするつもりなの?それじゃ素材の旨みを無くしてしまうわ」
「好みがあんだから後はそいつ次第でいいだろ?」
「…それもそうだね」
そんなフレンの行動はユーリとジュディスの説得のおかげでなんとか止められた
代わりに…と言うべきか、フレンの皿の上は瞬く間に香辛料の赤色に染まっていった
「…フレンのお皿…真っ赤だよ……」
アリシアはそんなフレンのお皿を見て顔を強ばらせる
「…つーかフレン、シアが辛いモン駄目なの忘れてんだろ?」
「…!そうだった!すまない、次から気をつけるよ」
平然と真っ赤になっているお皿の上のハンバーグを食べながらフレンは言う
《これはアリシアとユーリが料理上手くなるわけだよ…》
この時、パーティメンバー全員がそう思ったとか
~あとがき~
今回はただの茶番(?)みたいにしました
フレンが料理するのを止めるユーリとアリシアが書きたかったんです(笑)
スキット見てたら書きたくなりました(笑)
あのスキット見ると毎回思いますが、なんで大量に香辛料使っても平然とフレンは食べれるんですかね……
お皿が真っ赤な状態とかただの恐怖ですよ…
こんな感じでスキットから取り入れたものも書いていこうと思っています!
ではでは今回はこの辺で
また別のお話でお会いしましょう
~追記~
サイト移行につき、一部内容の訂正が入っております
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