あるところに、満月の子と星暦（ほしよみ）と呼ばれる、二つの一族がいました


とても仲の良かった彼らですが、ある時、空に現れた災厄により、彼らは仲違いをしてしまいました


災厄を退けた後に、満月の子は国を統べ、星暦は災厄のことを後世へと紡ぐ役割を持ちました



…が、しかし…悲しいことに、満月の子と星暦は互いにいがみ合い、憎しみ合い、時折殺し合いをするようになってしまいました



災厄が過ぎ去ってから約1000年…それではいけないと、ようやく手を取り合いました


ですが、既にどちらも後継する者が殆ど残っていない状態になってしまっていました


星暦を後継する女性は仲違いし続けた満月の子との共存を夢見ていました


満月の子の力を継承した少女は、自分の力のことも何も知らずに育ちました


これは、満月の子との共存を願う女性と、己の存在と秘めた力の意味を探す者達の物語り……