～アリシアが気を失った後～

｢ったく……無茶しやがって｣

｢この様子だと相当体に負荷がかかっていたのね……｣

｢アリシア…大丈夫でしょうか……｣

｢気失ってるだけみたいだから、多分大丈夫だろ。問題は……｣

｢……どこまで体の負荷が大きいか、よね｣

｢それもだけど、ここ最近ずっとぼーっとしてることも気になるよね｣

｢はい……体の負荷が原因なんでしょうか……？｣

｢……わからないわ……この子、何があっても絶対言わないこととか、言えないことがあるから……｣

｢…アリシアの家のしきたりって面倒だね…話したくても話せないなんて｣

｢秘密の多い一族って、貴族街じゃ有名だったみたいだしな。そんだけ重要なこと隠してんのか、もしくは後ろめたい過去でもあんだろ？｣

｢ですがラグナロク一族は昔から帝国に仕えている、由緒正しい家系です
幾らなんでもそれは……｣

｢そんなのわからないじゃん、アリシアが教えてくれないんだし｣

｢……そうね、教えてくれないからあたし達にはわからないわ。でも、この子が隠してることはきっと、そんな事じゃないと思うの｣

｢…………ま、ここでオレらが議論したって分かんねぇだろ？早いとこ街戻って、シアを宿屋で寝かせてやんねぇと｣

｢うん、それも…そうだね！｣

｢えぇ、急ぎましょう｣


リタ、カロル、エステル、先に進む

｢……シア、まさか本気でアレクセイに……｣

｢クゥン……｣

｢……考えても、わかんねぇな、行こうぜ、ラピード｣

｢ワンッ！｣

ラピード、ユーリ、アリシアを抱えて後を追いかける






｢…………閣下殿、やっぱりアリシアちゃんには荷が重すぎるわよ……｣

先に進んだユーリ達を見つめながら呟く

｢もうバレかけてるし……いつまで、隠しきれるかしらね……｣