番外編
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〜How to call〜
ー夜会の後の話ー
「そーいえば、ずっと疑問だったんですけど…」
「ん?どうしたの、エステル?」
「アリシアって最初、フレンだけさん付けで呼んでいましたよね?なんでです?」
いつもの四人でお茶をしている時に、エステルが唐突に聞いてきた
確かに、フレンだけさん付けで呼んでいた
「そうよね、あたし達にはさん付けなんてしなかったわよね」
「んー……なんて言うか……フレンのことはユーリから手紙で聞いてたから、中々呼び捨てに出来なくて……ね?」
苦笑いしながら言う
「あら、そんなに怖いイメージだったのかしら?」
「うん……温室吹っ飛ばしたとか、怒るとすぐに剣を抜くとかって聞いてたから……」
「そ、それは……確かに呼び捨てにしづらいですね…」
「でも、なんで急に呼び捨てにしだしたのよ?」
「あぁ、ちょっと長くなるけど……」
「構わないわよ、聞かせて?」
「…ユーリにさ、ペンダントあげたのは知ってるよね?」
「ええ、とっても嬉しそうにしてましたから」
「あれね、ユーリに頼んでフレンと行ったんだよね」
そう、これはお城に来てからまだ数日しか経っていない頃の話………
ーーーーーーーーーー
「ねぇ、ユーリ?」
「ん?どうした?」
「……えっと……たまには買い物に出掛けたいなぁ……と思いまして……」
ちょっと下を向いたまま言う
理由は単純、ユーリに内緒でプレゼントを買いたかったから
いつも貰ってばかりで、ユーリにはあげたことがなかったから
案の定ユーリは驚いた顔をする
それもそうかもしれない、だって今まで言ったことがなかったから
「……駄目……ですか…?」
「あ…いや、別に構わねぇけど……流石に一人じゃ行かせられねぇぞ…?」
相当動揺しているのか、歯切れが悪い
「なら、僕がついて行くよ」
傍に居たフレンさんが志願すると、ちょっと不機嫌そうな顔をする
「……アリシアに手出したら、お前でも容赦なく潰すぞ…?」
「だから、何度も言うけどそんなことは万が一にでも絶対にないよ…」
フレンさんは呆れ気味に言う
「ユーリ、フレンさんならそんなことないと思いますよ?それに……私はユーリ以外の人を好きになったりなんて、絶対しませんから」
ユーリに抱きつきながら笑顔で言うと、渋々だか納得してくれた
あんまり遅くなるなよ、と頬に軽くキスをしてくる
了承の意味を込めて私も、ユーリの頬にキスする
「それじゃあ行きましょう、アリシア様」
「ユーリ、行ってきます!」
「あぁ…気をつけてな?」
ユーリから離れて、フレンさんと一緒に部屋を出た
「それにしても、アリシア様が買い物に行きたいとおっしゃるなんて、珍しいですね」
「ユーリにはいつも貰ってばかりですから…たまには私も何かあげたくなっただけですよ」
部屋を離れて、お城の入口の近くでそんな会話をした
微笑んで言えば、フレンさんはなるほど!っと納得してくれた
「んー……どんなのがいいですかねぇ……」
「無難にアクセサリー…等はどうですか?お揃いのものをあげれば喜ぶと思いますよ」
「あ、それいいですね!」
フレンさんのアドバイスで、お揃いのペンダントを買うことにした
お城を出て貴族街を抜け、市民街に来た
沢山のお店が並んでいて、何処に行こうか迷ってしまう
何かないかと、キョロキョロとしていると、一軒のお店のショーウィンドウに目がいった
ガーネットとアメジストのペンダント
どことなく、私とユーリの目の色に似ている
「…綺麗……」
「ユーリにガーネットの方を渡したら、きっと喜びますよ?」
コソッと耳元で言ってくる
それもそうだ
ここは外、お城の中じゃない
ユーリの名前を聞かれたら何を言われるかわかったものじゃない
ニコッとフレンさんに微笑んでから、お店の中へ入った
数分して、袋を持ってニコニコしながら、お店から出てきた
「さて、帰りましょうか」
「はいっ!フレンさん、ありがとうございます」
「あの……アリシア様……?」
「?」
帰路につこうと元来た道を戻ろうとすると、フレンさんに呼び止められた
なんだろうと首を傾げていると、彼から言われたのは意外な言葉だった
「その……さん付けはちょっとやめて頂きたくて……」
ちょっとバツが悪そうに言われる
「え?」
「いえ……レイヴンさんやリタ達はさん付けじゃないので……その…距離を感じると言いますか……」
どことなく気まづそうにそう言われる
あぁ、そう言えばそうだった…
「えーっと…とりあえず、ここでは他の人の迷惑にもなりますし…歩きながら話しましょう?」
そう言うと、コクリと頷いてフレンさんも歩き出す
人通りがある程度少なくなったところで、私は話し出した
「えーっと……まず、さん付けな理由ですが……その…ユーリの手紙で、フレンさんのことがちょくちょく書かれていたのですが…なんというか………ちょっと怖そうな人だと思っていたので……」
「えっ!?」
そう言うとものすごく驚いた顔をされる
出会ってまだ数日、フレンさんからは、ユーリが言っていたような怖い雰囲気はない
むしろ優しい人だと思う
確かに怒った時は怖いが……
「ユーリ……アリシア様に一体何を…」
ブツブツとユーリに対して文句を言い始める
フレンさんも、やはり何処かユーリと同じ雰囲気がある
「ふふ…やっぱり、フレンさんもユーリも、少し似てますね
ブツブツと文句言うところとか」
「そう…ですか?」
「ええ、とっても」
少し笑いながら言うとフレンさんもクスッと笑い出す
「あの、差し支えなければ呼び捨てにして頂いても宜しいですか…?正直慣れなくて…」
「それは構いませんよ?でも、それなら敬語は使わなくていいですからね?それと、様付もなしで構いません」
ちょっといたずらっぽく言うと、少し戸惑う
「ふぅ…わかったよ、でもまだしばらくは様付のままにさせてくれ」
苦笑いしながらそう言ってくる
それに言葉ではなく、ニコッと微笑んで答えた
お城につくまで、フレンとずっとユーリの話をしていた
私のところへ抜け出して来た時の話、ユーリがお城にいる時の話……
お城についたのも忘れるくらい盛り上がってた
「……やけに仲良さそうだな?」
その声にフレンから目を離すと、ものすごく不機嫌そうにしたユーリが居た
…また嫉妬しているんだろうか…
「そんなんじゃないよ、ただ昔の君の話をして盛り上がっていただけさ」
「ふーん……」
あ、これ信じてない……!
絶対嘘だと思ってる…!
フレンから離れて、顔を背けてしまったユーリの元に飛び込む
「んなっ!?!!……あっぶねぇ……」
完全に油断しきっていたみたいで、珍しくバランスを崩すが、それでもちゃんと私を抱きとめてくれる
「アリシア…いきなりは本当危ねぇか」
「ユーリ、ちょっとしゃがんで下さい」
「……は?」
「いいからしゃがんで、後ろ向いて下さい」
わけがわからないといった顔をしつつも、ちゃんとしゃがんで後ろを向いてくれる
袋から先程買ったペンダントを取り出して、アメジストの方を私がつけて、もう片方……ガーネットの方をユーリにつけた
「っ!!アリシア…っ!」
つけ終わるとほぼ同時に名前を呼びながらバッと振り向く
驚いたような、それでいて嬉しそうな顔をしている
「…いつも貰ってばかりでしたから、たまには何かあげたくなって」
ニコッと笑って言うと、今までにないくらい笑顔になって抱きついて来た
「サンキュ、アリシア。すっげえ嬉しい」
「ふふ、喜んで貰えてよかったです。フレン、ついてきてくれてありがとうございます」
「気にしないでくれ、たまたまあの場に居たから申し出ただけだからね」
そんな会話をしていると、ピクッとユーリの肩が動いた
「ユーリ?どうかしましたか?」
「…アリシア、この短時間で何があったんだよ…?」
いつになく強ばった表情をしてくるから、何事かと思ったが理由はすぐにわかった
「なんでさん付け外れてて、フレンは敬語も外れてんだよ…!」
ーーーーーーーー
「あの後、理由説明するのが凄く面倒だったなぁ……」
「た、大変でしたね……」
「うふふ、でもそんなことでも嫉妬しちゃうなんて、可愛いわね」
「あのペンダント、初めての贈り物だったのね、そりゃ四六時中大事につけてるわけね」
「アリシアも、いつもつけていますよね!」
胸元に見えるペンダントを見ながらエステルは、少し羨ましそうに言ってくる
「うん、だって、ユーリとお揃いだし……ある意味フレンとの思い出だからかなぁ」
ニコニコとして言うと、リタがちょっと驚いたような顔をする
「あんた……まさか………!」
そこから先は口をぱくぱくさせるだけで、肝心の声は出てこない
「え?単純にフレンからユーリのこと沢山聞けたから、フレンとの思い出って言ってるだけだけど……なんでそんなに驚いてるの?」
ポカーンとして聞くと、あ、あっそ……と何故か呆れた声で言われた
ー夜会の後の話ー
「そーいえば、ずっと疑問だったんですけど…」
「ん?どうしたの、エステル?」
「アリシアって最初、フレンだけさん付けで呼んでいましたよね?なんでです?」
いつもの四人でお茶をしている時に、エステルが唐突に聞いてきた
確かに、フレンだけさん付けで呼んでいた
「そうよね、あたし達にはさん付けなんてしなかったわよね」
「んー……なんて言うか……フレンのことはユーリから手紙で聞いてたから、中々呼び捨てに出来なくて……ね?」
苦笑いしながら言う
「あら、そんなに怖いイメージだったのかしら?」
「うん……温室吹っ飛ばしたとか、怒るとすぐに剣を抜くとかって聞いてたから……」
「そ、それは……確かに呼び捨てにしづらいですね…」
「でも、なんで急に呼び捨てにしだしたのよ?」
「あぁ、ちょっと長くなるけど……」
「構わないわよ、聞かせて?」
「…ユーリにさ、ペンダントあげたのは知ってるよね?」
「ええ、とっても嬉しそうにしてましたから」
「あれね、ユーリに頼んでフレンと行ったんだよね」
そう、これはお城に来てからまだ数日しか経っていない頃の話………
ーーーーーーーーーー
「ねぇ、ユーリ?」
「ん?どうした?」
「……えっと……たまには買い物に出掛けたいなぁ……と思いまして……」
ちょっと下を向いたまま言う
理由は単純、ユーリに内緒でプレゼントを買いたかったから
いつも貰ってばかりで、ユーリにはあげたことがなかったから
案の定ユーリは驚いた顔をする
それもそうかもしれない、だって今まで言ったことがなかったから
「……駄目……ですか…?」
「あ…いや、別に構わねぇけど……流石に一人じゃ行かせられねぇぞ…?」
相当動揺しているのか、歯切れが悪い
「なら、僕がついて行くよ」
傍に居たフレンさんが志願すると、ちょっと不機嫌そうな顔をする
「……アリシアに手出したら、お前でも容赦なく潰すぞ…?」
「だから、何度も言うけどそんなことは万が一にでも絶対にないよ…」
フレンさんは呆れ気味に言う
「ユーリ、フレンさんならそんなことないと思いますよ?それに……私はユーリ以外の人を好きになったりなんて、絶対しませんから」
ユーリに抱きつきながら笑顔で言うと、渋々だか納得してくれた
あんまり遅くなるなよ、と頬に軽くキスをしてくる
了承の意味を込めて私も、ユーリの頬にキスする
「それじゃあ行きましょう、アリシア様」
「ユーリ、行ってきます!」
「あぁ…気をつけてな?」
ユーリから離れて、フレンさんと一緒に部屋を出た
「それにしても、アリシア様が買い物に行きたいとおっしゃるなんて、珍しいですね」
「ユーリにはいつも貰ってばかりですから…たまには私も何かあげたくなっただけですよ」
部屋を離れて、お城の入口の近くでそんな会話をした
微笑んで言えば、フレンさんはなるほど!っと納得してくれた
「んー……どんなのがいいですかねぇ……」
「無難にアクセサリー…等はどうですか?お揃いのものをあげれば喜ぶと思いますよ」
「あ、それいいですね!」
フレンさんのアドバイスで、お揃いのペンダントを買うことにした
お城を出て貴族街を抜け、市民街に来た
沢山のお店が並んでいて、何処に行こうか迷ってしまう
何かないかと、キョロキョロとしていると、一軒のお店のショーウィンドウに目がいった
ガーネットとアメジストのペンダント
どことなく、私とユーリの目の色に似ている
「…綺麗……」
「ユーリにガーネットの方を渡したら、きっと喜びますよ?」
コソッと耳元で言ってくる
それもそうだ
ここは外、お城の中じゃない
ユーリの名前を聞かれたら何を言われるかわかったものじゃない
ニコッとフレンさんに微笑んでから、お店の中へ入った
数分して、袋を持ってニコニコしながら、お店から出てきた
「さて、帰りましょうか」
「はいっ!フレンさん、ありがとうございます」
「あの……アリシア様……?」
「?」
帰路につこうと元来た道を戻ろうとすると、フレンさんに呼び止められた
なんだろうと首を傾げていると、彼から言われたのは意外な言葉だった
「その……さん付けはちょっとやめて頂きたくて……」
ちょっとバツが悪そうに言われる
「え?」
「いえ……レイヴンさんやリタ達はさん付けじゃないので……その…距離を感じると言いますか……」
どことなく気まづそうにそう言われる
あぁ、そう言えばそうだった…
「えーっと…とりあえず、ここでは他の人の迷惑にもなりますし…歩きながら話しましょう?」
そう言うと、コクリと頷いてフレンさんも歩き出す
人通りがある程度少なくなったところで、私は話し出した
「えーっと……まず、さん付けな理由ですが……その…ユーリの手紙で、フレンさんのことがちょくちょく書かれていたのですが…なんというか………ちょっと怖そうな人だと思っていたので……」
「えっ!?」
そう言うとものすごく驚いた顔をされる
出会ってまだ数日、フレンさんからは、ユーリが言っていたような怖い雰囲気はない
むしろ優しい人だと思う
確かに怒った時は怖いが……
「ユーリ……アリシア様に一体何を…」
ブツブツとユーリに対して文句を言い始める
フレンさんも、やはり何処かユーリと同じ雰囲気がある
「ふふ…やっぱり、フレンさんもユーリも、少し似てますね
ブツブツと文句言うところとか」
「そう…ですか?」
「ええ、とっても」
少し笑いながら言うとフレンさんもクスッと笑い出す
「あの、差し支えなければ呼び捨てにして頂いても宜しいですか…?正直慣れなくて…」
「それは構いませんよ?でも、それなら敬語は使わなくていいですからね?それと、様付もなしで構いません」
ちょっといたずらっぽく言うと、少し戸惑う
「ふぅ…わかったよ、でもまだしばらくは様付のままにさせてくれ」
苦笑いしながらそう言ってくる
それに言葉ではなく、ニコッと微笑んで答えた
お城につくまで、フレンとずっとユーリの話をしていた
私のところへ抜け出して来た時の話、ユーリがお城にいる時の話……
お城についたのも忘れるくらい盛り上がってた
「……やけに仲良さそうだな?」
その声にフレンから目を離すと、ものすごく不機嫌そうにしたユーリが居た
…また嫉妬しているんだろうか…
「そんなんじゃないよ、ただ昔の君の話をして盛り上がっていただけさ」
「ふーん……」
あ、これ信じてない……!
絶対嘘だと思ってる…!
フレンから離れて、顔を背けてしまったユーリの元に飛び込む
「んなっ!?!!……あっぶねぇ……」
完全に油断しきっていたみたいで、珍しくバランスを崩すが、それでもちゃんと私を抱きとめてくれる
「アリシア…いきなりは本当危ねぇか」
「ユーリ、ちょっとしゃがんで下さい」
「……は?」
「いいからしゃがんで、後ろ向いて下さい」
わけがわからないといった顔をしつつも、ちゃんとしゃがんで後ろを向いてくれる
袋から先程買ったペンダントを取り出して、アメジストの方を私がつけて、もう片方……ガーネットの方をユーリにつけた
「っ!!アリシア…っ!」
つけ終わるとほぼ同時に名前を呼びながらバッと振り向く
驚いたような、それでいて嬉しそうな顔をしている
「…いつも貰ってばかりでしたから、たまには何かあげたくなって」
ニコッと笑って言うと、今までにないくらい笑顔になって抱きついて来た
「サンキュ、アリシア。すっげえ嬉しい」
「ふふ、喜んで貰えてよかったです。フレン、ついてきてくれてありがとうございます」
「気にしないでくれ、たまたまあの場に居たから申し出ただけだからね」
そんな会話をしていると、ピクッとユーリの肩が動いた
「ユーリ?どうかしましたか?」
「…アリシア、この短時間で何があったんだよ…?」
いつになく強ばった表情をしてくるから、何事かと思ったが理由はすぐにわかった
「なんでさん付け外れてて、フレンは敬語も外れてんだよ…!」
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「あの後、理由説明するのが凄く面倒だったなぁ……」
「た、大変でしたね……」
「うふふ、でもそんなことでも嫉妬しちゃうなんて、可愛いわね」
「あのペンダント、初めての贈り物だったのね、そりゃ四六時中大事につけてるわけね」
「アリシアも、いつもつけていますよね!」
胸元に見えるペンダントを見ながらエステルは、少し羨ましそうに言ってくる
「うん、だって、ユーリとお揃いだし……ある意味フレンとの思い出だからかなぁ」
ニコニコとして言うと、リタがちょっと驚いたような顔をする
「あんた……まさか………!」
そこから先は口をぱくぱくさせるだけで、肝心の声は出てこない
「え?単純にフレンからユーリのこと沢山聞けたから、フレンとの思い出って言ってるだけだけど……なんでそんなに驚いてるの?」
ポカーンとして聞くと、あ、あっそ……と何故か呆れた声で言われた