第3章
Name Change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
〜帰還〜
「……やべぇ、この先進みたくねぇんだけど……」
扉の前まで来てユーリは本当に嫌そうな顔をした
…私も嫌だ、すっごいフレンが怒ってる時に見えるドス黒いオーラがめっちゃ見える…っ!
本気でキレてるよ…
「…こりゃ先に報告したのはまずったか…」
苦笑いしながら、どうすっかな…と考え込むユーリ
「…………テレポート……は無理…?」
「あー……魔界着いてからなら出来っけど…こりゃ完全に扉の前いるぜ…」
そうだよね……無理だよね……!
「……ユーリ、諦めよ?これ逃げきれなさそうだもん……」
「はぁ……しゃーね、素直に怒られるとしますかね…」
はぁ…っと一瞬うなだれてから、私を抱えたまま足を進めた
いつもよりもかなり遅いペースで歩いていく
……戻りたくないんだね……
ーーーーーーーーー
しばらくして、魔界側の扉が見えてきた
「あーぁ……帰ってきちゃった……もー少し居たかったなぁ…」
「ははっ、アリシアはどんだけ向こうに居たとしても『もー少しっ!』って言いそうだわ」
「むぅ…それはユーリもでしょ?」
「あー、そうだな。あっちにゃ怒ると面倒なのが居なくてら」
「悪かったね、怒ると面倒で」
笑いながらユーリと話していると、不意に聞こえた声に肩をすくませる
恐る恐るその方向を見ると……
「フ、フレン……」
「……出迎えが早すぎだっての……」
……扉の前で本気で怒ったフレンが待っていました……
レイブンとかも後ろに見えるけど、なんか……ボロボロじゃない……?
「すまんねぇ……大将……止めたんだけど………」
たはは……と苦笑いしながらレイブンは言う
…状況把握しました…
止めようとしてみんな返り討ちにあったのね……
そりゃそうだよね……フレン、ユーリと互角ってくらい強いもん……
「そんなかっかっしなくてもいいだろ…何も問題無かったんだからよ」
ちょっと機嫌悪そうに言いながらさらっとフレンの横を通り過ぎる
久々に見た、魔界の赤黒い空
まだ二、三日くらいしか経っていないけど、ちょっと懐かしく思えた
「おかえりなさい、ユーリ、アリシア」
「ただいま、みんな!」
ニコッと笑って返事をする
「…アリシア、ちょいジュディ達と居てくれな?
……ジュディ、おっさん、カロル、アリシア頼む」
そっと地面に私を降ろしながら三人に言う
『?』と頭に浮かべてると、どっから取り出したのか愛刀片手にフレンに近付いていく
それを見て納得した
またいつものですか……
さっきの素直に怒られますかっていうのはどこに消えたのよ……
「…ユーリ……今日という今日はしっかり話を聞いてもらうからね?」
ものすごく低い声で言いながら鞘から剣を抜く
「はっ、お前の説教はごめんだなっ!」
ちょっと楽しそうに言いながらユーリも剣を抜く
それと同時に二人は一気に地面を蹴りあげた
「あーぁ、始まったわよ、戦闘馬鹿共の馬鹿喧嘩が」
呆れたようにリタは言うが、他のみんなも呆れ顔だ
…もちろん、私も
「なーんで毎回毎回こうなるのかねぇ……」
「フレンのストレス発散の為じゃないかしら?」
「あ、それありそう!この前、騎士達と稽古してたけどなんか物足りなさそうな顔してたし」
「…真面目なのに、思考回路はユーリと変わらないんですね…」
「まぁ、そうゆう人も居るのぅ」
「ワフゥン……」
「クゥン……」
「あはは………」
苦笑いしながら二人を見る
フレンは本気で怒ってるのだろうけど、ユーリはこの状況を楽しんでるみたいだ
……それよりも、周りの木とかなぎ倒すの止めないですかね……
危ないんだけど……
結局、その日の半分を使ってようやくフレンが降参して勝負がついた
ユーリはすっごい嬉しそうにニヤニヤ笑っている
…しかも、あれだけ暴れたのに息一つ切らしていない
それに比べフレンは肩で息をしてる
体力の差なんだろうなぁ……
勝負が終わって、ユーリが戻って来ようとしたら、フレンに肩掴まれて説教開始してたけど…
……まぁ、ユーリが勝ったことであまりキツくは言われてなかったけどね
「それにしてもびっくりしました!まさか人間界に、私達のそっくりさんが居るなんて!」
お城に戻る道を歩いていると、エステルが唐突に言い出した
さっき人間界の話を少ししてからずっとこの調子だ
「だよね、僕、まだ信じられないもん」
「おっさんは絶対会いたくないわね…」
「あら、私は一度会ってみたいわよ?」
「ちょっと面白そうなのじゃ!」
意見はやっぱりみんな違う
でも、そこが面白い
まとまる時はすごい意見が合うのに、まとまらない時はバラバラなのだ
「流石のオレもあれにゃ焦ったな」
「僕は人間にバレたことに焦ったけどね」
…フレン、まだ根に持ってるよ……
人間界の話がさっきから出る度に言い出すから、もう聞き飽きた
むしろそろそろしつこいくらい
「ありゃ不可抗力だわ…オレだってまさかそっくりなのがいんなんて思わなかったっつーの」
「今回はそれで許すけど、二度目はないよ?」
「……フレンが怖い……」
苦笑いして、ちょっと後ろを歩いている二人をチラ見する
いつの間にか普段こっちで着ている服を着てるユーリ
まだ納得いかない顔をしているフレン
本当はすっごい仲いいはずなんだけどなぁ…
そんな二人を見つめていると、前の方からジュディスの呼ぶ声が聞こえた
「アリシア、帰ったら何を着るか決めましょう?誕生パーティに」
「うっ……やるの……?やっぱりやるの……?」
パーティという言葉を聞いてわずかにだけど、顔が強ばった
なんでみんな、パーティって言って集まるのが好きなの……
「諦めなさいよ、アリシアちゃん、議員達がやる気満々なのよ」
「……なんでよ………」
「人の多いところにあなたを慣らさせようとしているんじゃないかしら?」
「……いらない、そうゆうのいらないから…」
……一瞬にしてお城に戻りたくなくなったよ……
「大丈夫だっての、オレがずっと一緒にいりゃ、あいつらだってなんも言ってこねぇさ」
いつも間にか隣に来ていたユーリがポンッと頭に手を乗せてくる
見上げて、目で訴える
そうゆう問題じゃないって
問題は、そこだけじゃない
「ん?なんだよ、他に問題あるか?」
「…君が必要以上に引っ付いて来る方が問題なんじゃないかい?」
「フレン、正解」
あぁ……とユーリ以外は納得してくれた
当の本人はどういう意味だよっ!
と、しつこく聞いてくる
…そのままの意味だって……
そんな話をしながら歩いていると、等々お城についた
「あっ!アリシア!後で人間界のお話いっぱい聞かせてくださいね!」
「僕も聞きたい!」
「うちもじゃ!」
「おっさんも、たまには混ぜてよ」
「あら、楽しそうね、私も聞きたいわ」
「あ、あたしも…たまにはそうゆうの聞いてみたいわ」
「……僕も少し興味があるかな」
口々に少し楽しそうにしながら、みんな言ってくる
ユーリだけは、なんでオレには聞かねぇんだよ…と、少し拗ねているが…
「その前に……」
エステルの合図に、私とユーリ以外が先に門の中に入る
「「「「「「「おかえり!ユーリ、アリシア!」」」」」」」
そう笑顔で言ってきた
ちょっと驚いたけど、ユーリと少し顔を見合わせて微笑んで、二人揃って返事をした
「「ただいま!」」
景色が綺麗な人間界も好きだけど
いつも明るくて、楽しくて
帰ってきたら笑って『おかえり』って言ってくれる
そんな、大好きなみんながいる魔界の方が
ーーー私は好きなんだって、この時改めてそう思ったーーー
ーあとがきー
今回にて、大魔王パロ、本編最終回とさせていただきます!
番外編という形でちらほら更新はしていきますが、本編自体はこれにて終了です!
恐らくお気づきだと思いますが、ユーリとアリシアが行ったのは星喰みを倒した後の世界となっています
なんでそっくりさんという形で人間界にもユーリさん達を出したかというと……
単純に魔王のユーリさんとノーマルユーリさんの二人を絡ませたかっただけです←
いやもう、完全に管理人の自己満足な作品です(笑)
また、気が向いたらその後の彼らとの交流も書いていこう……かなぁ……
とは、思っていますが、書くかはまた別問題です←
さて、長くなりましたがこの辺で
短いものでしたが、気に入っていただければ幸いです!
それでは、また別の作品でお会いしましょう
「……やべぇ、この先進みたくねぇんだけど……」
扉の前まで来てユーリは本当に嫌そうな顔をした
…私も嫌だ、すっごいフレンが怒ってる時に見えるドス黒いオーラがめっちゃ見える…っ!
本気でキレてるよ…
「…こりゃ先に報告したのはまずったか…」
苦笑いしながら、どうすっかな…と考え込むユーリ
「…………テレポート……は無理…?」
「あー……魔界着いてからなら出来っけど…こりゃ完全に扉の前いるぜ…」
そうだよね……無理だよね……!
「……ユーリ、諦めよ?これ逃げきれなさそうだもん……」
「はぁ……しゃーね、素直に怒られるとしますかね…」
はぁ…っと一瞬うなだれてから、私を抱えたまま足を進めた
いつもよりもかなり遅いペースで歩いていく
……戻りたくないんだね……
ーーーーーーーーー
しばらくして、魔界側の扉が見えてきた
「あーぁ……帰ってきちゃった……もー少し居たかったなぁ…」
「ははっ、アリシアはどんだけ向こうに居たとしても『もー少しっ!』って言いそうだわ」
「むぅ…それはユーリもでしょ?」
「あー、そうだな。あっちにゃ怒ると面倒なのが居なくてら」
「悪かったね、怒ると面倒で」
笑いながらユーリと話していると、不意に聞こえた声に肩をすくませる
恐る恐るその方向を見ると……
「フ、フレン……」
「……出迎えが早すぎだっての……」
……扉の前で本気で怒ったフレンが待っていました……
レイブンとかも後ろに見えるけど、なんか……ボロボロじゃない……?
「すまんねぇ……大将……止めたんだけど………」
たはは……と苦笑いしながらレイブンは言う
…状況把握しました…
止めようとしてみんな返り討ちにあったのね……
そりゃそうだよね……フレン、ユーリと互角ってくらい強いもん……
「そんなかっかっしなくてもいいだろ…何も問題無かったんだからよ」
ちょっと機嫌悪そうに言いながらさらっとフレンの横を通り過ぎる
久々に見た、魔界の赤黒い空
まだ二、三日くらいしか経っていないけど、ちょっと懐かしく思えた
「おかえりなさい、ユーリ、アリシア」
「ただいま、みんな!」
ニコッと笑って返事をする
「…アリシア、ちょいジュディ達と居てくれな?
……ジュディ、おっさん、カロル、アリシア頼む」
そっと地面に私を降ろしながら三人に言う
『?』と頭に浮かべてると、どっから取り出したのか愛刀片手にフレンに近付いていく
それを見て納得した
またいつものですか……
さっきの素直に怒られますかっていうのはどこに消えたのよ……
「…ユーリ……今日という今日はしっかり話を聞いてもらうからね?」
ものすごく低い声で言いながら鞘から剣を抜く
「はっ、お前の説教はごめんだなっ!」
ちょっと楽しそうに言いながらユーリも剣を抜く
それと同時に二人は一気に地面を蹴りあげた
「あーぁ、始まったわよ、戦闘馬鹿共の馬鹿喧嘩が」
呆れたようにリタは言うが、他のみんなも呆れ顔だ
…もちろん、私も
「なーんで毎回毎回こうなるのかねぇ……」
「フレンのストレス発散の為じゃないかしら?」
「あ、それありそう!この前、騎士達と稽古してたけどなんか物足りなさそうな顔してたし」
「…真面目なのに、思考回路はユーリと変わらないんですね…」
「まぁ、そうゆう人も居るのぅ」
「ワフゥン……」
「クゥン……」
「あはは………」
苦笑いしながら二人を見る
フレンは本気で怒ってるのだろうけど、ユーリはこの状況を楽しんでるみたいだ
……それよりも、周りの木とかなぎ倒すの止めないですかね……
危ないんだけど……
結局、その日の半分を使ってようやくフレンが降参して勝負がついた
ユーリはすっごい嬉しそうにニヤニヤ笑っている
…しかも、あれだけ暴れたのに息一つ切らしていない
それに比べフレンは肩で息をしてる
体力の差なんだろうなぁ……
勝負が終わって、ユーリが戻って来ようとしたら、フレンに肩掴まれて説教開始してたけど…
……まぁ、ユーリが勝ったことであまりキツくは言われてなかったけどね
「それにしてもびっくりしました!まさか人間界に、私達のそっくりさんが居るなんて!」
お城に戻る道を歩いていると、エステルが唐突に言い出した
さっき人間界の話を少ししてからずっとこの調子だ
「だよね、僕、まだ信じられないもん」
「おっさんは絶対会いたくないわね…」
「あら、私は一度会ってみたいわよ?」
「ちょっと面白そうなのじゃ!」
意見はやっぱりみんな違う
でも、そこが面白い
まとまる時はすごい意見が合うのに、まとまらない時はバラバラなのだ
「流石のオレもあれにゃ焦ったな」
「僕は人間にバレたことに焦ったけどね」
…フレン、まだ根に持ってるよ……
人間界の話がさっきから出る度に言い出すから、もう聞き飽きた
むしろそろそろしつこいくらい
「ありゃ不可抗力だわ…オレだってまさかそっくりなのがいんなんて思わなかったっつーの」
「今回はそれで許すけど、二度目はないよ?」
「……フレンが怖い……」
苦笑いして、ちょっと後ろを歩いている二人をチラ見する
いつの間にか普段こっちで着ている服を着てるユーリ
まだ納得いかない顔をしているフレン
本当はすっごい仲いいはずなんだけどなぁ…
そんな二人を見つめていると、前の方からジュディスの呼ぶ声が聞こえた
「アリシア、帰ったら何を着るか決めましょう?誕生パーティに」
「うっ……やるの……?やっぱりやるの……?」
パーティという言葉を聞いてわずかにだけど、顔が強ばった
なんでみんな、パーティって言って集まるのが好きなの……
「諦めなさいよ、アリシアちゃん、議員達がやる気満々なのよ」
「……なんでよ………」
「人の多いところにあなたを慣らさせようとしているんじゃないかしら?」
「……いらない、そうゆうのいらないから…」
……一瞬にしてお城に戻りたくなくなったよ……
「大丈夫だっての、オレがずっと一緒にいりゃ、あいつらだってなんも言ってこねぇさ」
いつも間にか隣に来ていたユーリがポンッと頭に手を乗せてくる
見上げて、目で訴える
そうゆう問題じゃないって
問題は、そこだけじゃない
「ん?なんだよ、他に問題あるか?」
「…君が必要以上に引っ付いて来る方が問題なんじゃないかい?」
「フレン、正解」
あぁ……とユーリ以外は納得してくれた
当の本人はどういう意味だよっ!
と、しつこく聞いてくる
…そのままの意味だって……
そんな話をしながら歩いていると、等々お城についた
「あっ!アリシア!後で人間界のお話いっぱい聞かせてくださいね!」
「僕も聞きたい!」
「うちもじゃ!」
「おっさんも、たまには混ぜてよ」
「あら、楽しそうね、私も聞きたいわ」
「あ、あたしも…たまにはそうゆうの聞いてみたいわ」
「……僕も少し興味があるかな」
口々に少し楽しそうにしながら、みんな言ってくる
ユーリだけは、なんでオレには聞かねぇんだよ…と、少し拗ねているが…
「その前に……」
エステルの合図に、私とユーリ以外が先に門の中に入る
「「「「「「「おかえり!ユーリ、アリシア!」」」」」」」
そう笑顔で言ってきた
ちょっと驚いたけど、ユーリと少し顔を見合わせて微笑んで、二人揃って返事をした
「「ただいま!」」
景色が綺麗な人間界も好きだけど
いつも明るくて、楽しくて
帰ってきたら笑って『おかえり』って言ってくれる
そんな、大好きなみんながいる魔界の方が
ーーー私は好きなんだって、この時改めてそう思ったーーー
ーあとがきー
今回にて、大魔王パロ、本編最終回とさせていただきます!
番外編という形でちらほら更新はしていきますが、本編自体はこれにて終了です!
恐らくお気づきだと思いますが、ユーリとアリシアが行ったのは星喰みを倒した後の世界となっています
なんでそっくりさんという形で人間界にもユーリさん達を出したかというと……
単純に魔王のユーリさんとノーマルユーリさんの二人を絡ませたかっただけです←
いやもう、完全に管理人の自己満足な作品です(笑)
また、気が向いたらその後の彼らとの交流も書いていこう……かなぁ……
とは、思っていますが、書くかはまた別問題です←
さて、長くなりましたがこの辺で
短いものでしたが、気に入っていただければ幸いです!
それでは、また別の作品でお会いしましょう
7/7ページ