第3章
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〜帝都〜
扉の出口のあった場所から歩くこと三十分、大きな街についた
「すごい…王都と同じくらいあるね!」
「だな。多分ここが国の中心なんだろうな」
見た感じ私たちが今いるところは、商店街だろう
見慣れないお店が沢山ある
「ユーリっ!!」
「……は?」
突然、ユーリを呼ぶ声が聞こえて当たりを見回すと、後ろから誰か走って来るのが見える
ここに私たちを知ってる人はいないはず……
それに、なんか聞いたことある声な気がする…
「ユ、ユーリ…?知ってる人…?」
「…わっかんねぇ…とりあえず一旦移動だな」
コクリと頷くと私の手を引いて反対方向へと走り出す
…なんか、ちょっと楽しいな
ーーーーーーー
「あれ…?おかしいな…確かにユーリだと思ったんだが…」
先程までその人物がいたところに立って首を傾げる1人の騎士
服装からして、恐らくかなり位の高い騎士だろう
「こんなとこで騎士団長様が何ボサッとしてんだよ」
不意に後ろから声をかけられた彼が振り向くと、先程見かけた人物がそこにいた
「え?あ、ユーリ?」
「なんだよ、人を幽霊みたいに見やがって」
「い、いや……じゃあさっきのは見間違いか…?」
顎に手を当てて考えるが、本人が目の前にいる以上見間違いなのだろう
さっき見かけた人物は女性を連れていたようだし
「…うん、多分見間違いだろうね」
「一人で納得されてもな…」
「あ、それよりも………」
騎士は『ユーリ』と呼んだその青年と共に街の中に入って行った
ーーーーーーーー
「…綺麗……」
ショーウィンドウの前で立ち止まって、中に飾られているブレスレットを見つめる
ルビーとトルマリンの宝石がついたペアのものだ
「欲しいのか?」
少し抱きつきながらユーリは聞いてきた
ユーリの方を見ながら言葉のかわりにニコッと笑う
「了解、ちょい待っとけ」
そう言うとさっとお店に入って行く
ユーリが買っている間、お店の前であたりを見回す
魔界の王都とはまた違った雰囲気の街
ここは貴族よりも市民が溢れている感じがする
「………で…………んだ」
「……い………は…………ぇよ」
「………?」
ふと聞き慣れた声が聞こえた気がして、声の主を探す
「っ!?」
声の主を見つけて、思わず帽子を少し深く被ってしまう
私が見たのは…………
フレンと、ユーリ……だった
(え?え?!なんで!?だって、ユーリはさっきお店に入って行ったよ!?)
突然の出来事に頭が混乱する
いや、もしかしたら顔が似ているだけかもしれない
それに、服装もユーリとフレンと全く違う
「んで?『フレン』、オレのそっくりさんがどうしたって?」
「だから、『ユーリ』と似た人がいたってだけだって言ったじゃないか」
(嘘……名前まで同じなの……?)
すぐ近くまで来たから思わずまたショーウィンドウに目を向けてしまう
ドクドクと心臓の音が聞こえる
少し、怖い
似すぎていて、怖い
二人の声が遠ざかったところで振り向いて居ないことを確認するとホッと息をつく
「アリシア?どうした?」
「ふぇっ!?…あ、ユーリ……」
急に声をかけられて驚いてしまった
「んだよ、そんなに驚いて…なんかあったか?」
不思議そうな顔をして聞いてくる
「いや……さっきユーリとフレンと全く同じ人見かけたから……」
ボソッと角はなかったけど、と言う
「オレとフレンと似たヤツ…ね」
「ん、話し声聞こえてきたけど、名前も声も同じだった」
「……あっちの方向かったんだよな?」
そう言ってあの二人が歩いて行った方向をユーリは見つめる
コクンっと小さく頷いた
「んじゃ、他んとこ行くとしますかね
鉢合わせしても面倒だ」
「だね、そうしよっか」
ニコッと笑ってユーリの手を取る
そして、来た道を戻った
ーーーーーー
騎士の青年はアクセサリー店を少し過ぎたところでチラッと後ろを振り返る
「あん?なーに見てんだよ」
「あ、いや、さっきユーリ似の人が連れていた女性がいた気がしてね」
真っ黒な服を着た青年は少し嫌そうな顔をする
「ふーん……何?そいつとオレを間違えたってか?」
「僕だって驚いたよ、まさか君が女性を連れてるなんて思ってもいなかったし
…僕に気づいていたみたいだけど、気にせずに行ってしまったからてっきり君が隠したかったのかと思ってね」
「んなわけねぇだろ?大体、ギルドの用事で帝都に帰って来たのはお前に会った時なんだからな」
少々不機嫌なまま、彼は先に進んでいく
騎士は未だに納得出来ない部分があるようだが、それ以上考えてもわからないと判断したのか、真っ黒な青年の後を追いかけた
ーーーーーーーー
「はぁ…びっくりしたぁ…」
「そんなに似てたのか?」
「似てるってレベルじゃないよ、あれは…心臓に悪いよ…」
街から少し離れて、街道沿いに進んで行く
本当にあれはびっくりした…
まさか人間界にユーリとフレンのそっくりさんがいたなんて…
「にしても、オレやフレンのそっくりさんがいたっつーことは、リタとかおっさんもいる可能性があんな」
「えー……それは会いたくないなぁ……」
少し苦笑いしながら呟く
「ん?なんでだ?」
「だって……なんか、怖そうじゃん……」
「そうかぁ?オレは自分とアリシアのそっくりさんには会いたかねーよ」
あからさまに嫌そうに呟くユーリ
確かに、私も自分のそっくりさんには会いたくない
「さて、どうする?このままこの大陸見るかそれとも、他の大陸に行ってみるか」
「んー……あっ!私、『海』っていうの見てみたいっ!」
ユーリの方を向いて笑顔でそう言う
魔界には無いもの…
だから、一度見てみたかったのだ
「はいよ、それじゃ次は海が見えるとこにでも行くとしますかね
…っと、その前に」
握っていた私の手を1度離して、先程買ってくれたブレスレットの片方を左手首に付けてくれた
そして、もう片方を自身の右手首につけた
「これがしたかったんだろ?」
ニヤッと微笑んで言う彼に、私も微笑んでうんっ!と答える
私につけてくれたブレスレットにはトルマリン、ユーリがつけているブレスレットにはルビー
それぞれ、私とユーリのイメージカラーだ
お城に来たばかりの時に、お揃いのペンダントをプレゼントしたけど、それとはまた少し違う色だ
それに、ユーリからお揃いのものを貰ったのは結婚指輪を除けば初めてだ
嬉しくて嬉しくて仕方なくて、胸の前でブレスレットに触れながら目を細めた
「さ、そろそろ行くとしますかね」
「わっ!?もう、ユーリっ!いきなりは駄目だって!」
急にふわっと地面から足が浮いて、ユーリにお姫様抱っこされる
びっくりしてそう言うと、クスクスっと悪びれる様子もなく笑うユーリに少しむっとしてしまう
すると、突然チュッと頬にキスしてきた
「っ!?/////」
「…ちゃんと掴まっててくれよな?」
そう小声で言うと走り出した
「ふわっ!?ユ、ユーリっ!?」
「後で説明すっから、今はちと我慢しててくれるか?」
少し切羽詰まったような声で言ってきたから返事をする代わりに、首に腕をまわした
……何かあったのかな…?
ーーーーーーーーー
「あれ…?あれ、ユーリ…ですよね?」
「ん…?そうね、確かにアイツっぽいけど…」
「え?でもユーリなら先に帝都に戻ってる筈だよ?」
二人の少女と一人の少年は、自分達がよく知っている人物とよく似た影を見ながら話し合う
が、その人物は既に帝都にいる幼なじみの騎士団長に呼び出され、会いに行っている筈なのだ
「でも、どう見てもユーリですよ?あれ…」
「うーん…確かにそうだけど、人違いじゃない?」
「そうよ、どう見てもあれ女連れてるじゃない」
そんな話をしていると、その人物はこちらをチラッと見て、その女性を抱えて自分達とは反対方向へ走り出した
「…訂正、ちょっと帝都に戻って確認してみましょ。完全に逃げたわよ、今の」
「うん、あからさまに僕らのこと見てたもんね」
「それでは、フレンのところに合流しましょう。今日はみんな来るはずですから」
そう言って少女達は帝都へと向かった
先程見かけた人物が、帝都に居るかを確認する為に
扉の出口のあった場所から歩くこと三十分、大きな街についた
「すごい…王都と同じくらいあるね!」
「だな。多分ここが国の中心なんだろうな」
見た感じ私たちが今いるところは、商店街だろう
見慣れないお店が沢山ある
「ユーリっ!!」
「……は?」
突然、ユーリを呼ぶ声が聞こえて当たりを見回すと、後ろから誰か走って来るのが見える
ここに私たちを知ってる人はいないはず……
それに、なんか聞いたことある声な気がする…
「ユ、ユーリ…?知ってる人…?」
「…わっかんねぇ…とりあえず一旦移動だな」
コクリと頷くと私の手を引いて反対方向へと走り出す
…なんか、ちょっと楽しいな
ーーーーーーー
「あれ…?おかしいな…確かにユーリだと思ったんだが…」
先程までその人物がいたところに立って首を傾げる1人の騎士
服装からして、恐らくかなり位の高い騎士だろう
「こんなとこで騎士団長様が何ボサッとしてんだよ」
不意に後ろから声をかけられた彼が振り向くと、先程見かけた人物がそこにいた
「え?あ、ユーリ?」
「なんだよ、人を幽霊みたいに見やがって」
「い、いや……じゃあさっきのは見間違いか…?」
顎に手を当てて考えるが、本人が目の前にいる以上見間違いなのだろう
さっき見かけた人物は女性を連れていたようだし
「…うん、多分見間違いだろうね」
「一人で納得されてもな…」
「あ、それよりも………」
騎士は『ユーリ』と呼んだその青年と共に街の中に入って行った
ーーーーーーーー
「…綺麗……」
ショーウィンドウの前で立ち止まって、中に飾られているブレスレットを見つめる
ルビーとトルマリンの宝石がついたペアのものだ
「欲しいのか?」
少し抱きつきながらユーリは聞いてきた
ユーリの方を見ながら言葉のかわりにニコッと笑う
「了解、ちょい待っとけ」
そう言うとさっとお店に入って行く
ユーリが買っている間、お店の前であたりを見回す
魔界の王都とはまた違った雰囲気の街
ここは貴族よりも市民が溢れている感じがする
「………で…………んだ」
「……い………は…………ぇよ」
「………?」
ふと聞き慣れた声が聞こえた気がして、声の主を探す
「っ!?」
声の主を見つけて、思わず帽子を少し深く被ってしまう
私が見たのは…………
フレンと、ユーリ……だった
(え?え?!なんで!?だって、ユーリはさっきお店に入って行ったよ!?)
突然の出来事に頭が混乱する
いや、もしかしたら顔が似ているだけかもしれない
それに、服装もユーリとフレンと全く違う
「んで?『フレン』、オレのそっくりさんがどうしたって?」
「だから、『ユーリ』と似た人がいたってだけだって言ったじゃないか」
(嘘……名前まで同じなの……?)
すぐ近くまで来たから思わずまたショーウィンドウに目を向けてしまう
ドクドクと心臓の音が聞こえる
少し、怖い
似すぎていて、怖い
二人の声が遠ざかったところで振り向いて居ないことを確認するとホッと息をつく
「アリシア?どうした?」
「ふぇっ!?…あ、ユーリ……」
急に声をかけられて驚いてしまった
「んだよ、そんなに驚いて…なんかあったか?」
不思議そうな顔をして聞いてくる
「いや……さっきユーリとフレンと全く同じ人見かけたから……」
ボソッと角はなかったけど、と言う
「オレとフレンと似たヤツ…ね」
「ん、話し声聞こえてきたけど、名前も声も同じだった」
「……あっちの方向かったんだよな?」
そう言ってあの二人が歩いて行った方向をユーリは見つめる
コクンっと小さく頷いた
「んじゃ、他んとこ行くとしますかね
鉢合わせしても面倒だ」
「だね、そうしよっか」
ニコッと笑ってユーリの手を取る
そして、来た道を戻った
ーーーーーー
騎士の青年はアクセサリー店を少し過ぎたところでチラッと後ろを振り返る
「あん?なーに見てんだよ」
「あ、いや、さっきユーリ似の人が連れていた女性がいた気がしてね」
真っ黒な服を着た青年は少し嫌そうな顔をする
「ふーん……何?そいつとオレを間違えたってか?」
「僕だって驚いたよ、まさか君が女性を連れてるなんて思ってもいなかったし
…僕に気づいていたみたいだけど、気にせずに行ってしまったからてっきり君が隠したかったのかと思ってね」
「んなわけねぇだろ?大体、ギルドの用事で帝都に帰って来たのはお前に会った時なんだからな」
少々不機嫌なまま、彼は先に進んでいく
騎士は未だに納得出来ない部分があるようだが、それ以上考えてもわからないと判断したのか、真っ黒な青年の後を追いかけた
ーーーーーーーー
「はぁ…びっくりしたぁ…」
「そんなに似てたのか?」
「似てるってレベルじゃないよ、あれは…心臓に悪いよ…」
街から少し離れて、街道沿いに進んで行く
本当にあれはびっくりした…
まさか人間界にユーリとフレンのそっくりさんがいたなんて…
「にしても、オレやフレンのそっくりさんがいたっつーことは、リタとかおっさんもいる可能性があんな」
「えー……それは会いたくないなぁ……」
少し苦笑いしながら呟く
「ん?なんでだ?」
「だって……なんか、怖そうじゃん……」
「そうかぁ?オレは自分とアリシアのそっくりさんには会いたかねーよ」
あからさまに嫌そうに呟くユーリ
確かに、私も自分のそっくりさんには会いたくない
「さて、どうする?このままこの大陸見るかそれとも、他の大陸に行ってみるか」
「んー……あっ!私、『海』っていうの見てみたいっ!」
ユーリの方を向いて笑顔でそう言う
魔界には無いもの…
だから、一度見てみたかったのだ
「はいよ、それじゃ次は海が見えるとこにでも行くとしますかね
…っと、その前に」
握っていた私の手を1度離して、先程買ってくれたブレスレットの片方を左手首に付けてくれた
そして、もう片方を自身の右手首につけた
「これがしたかったんだろ?」
ニヤッと微笑んで言う彼に、私も微笑んでうんっ!と答える
私につけてくれたブレスレットにはトルマリン、ユーリがつけているブレスレットにはルビー
それぞれ、私とユーリのイメージカラーだ
お城に来たばかりの時に、お揃いのペンダントをプレゼントしたけど、それとはまた少し違う色だ
それに、ユーリからお揃いのものを貰ったのは結婚指輪を除けば初めてだ
嬉しくて嬉しくて仕方なくて、胸の前でブレスレットに触れながら目を細めた
「さ、そろそろ行くとしますかね」
「わっ!?もう、ユーリっ!いきなりは駄目だって!」
急にふわっと地面から足が浮いて、ユーリにお姫様抱っこされる
びっくりしてそう言うと、クスクスっと悪びれる様子もなく笑うユーリに少しむっとしてしまう
すると、突然チュッと頬にキスしてきた
「っ!?/////」
「…ちゃんと掴まっててくれよな?」
そう小声で言うと走り出した
「ふわっ!?ユ、ユーリっ!?」
「後で説明すっから、今はちと我慢しててくれるか?」
少し切羽詰まったような声で言ってきたから返事をする代わりに、首に腕をまわした
……何かあったのかな…?
ーーーーーーーーー
「あれ…?あれ、ユーリ…ですよね?」
「ん…?そうね、確かにアイツっぽいけど…」
「え?でもユーリなら先に帝都に戻ってる筈だよ?」
二人の少女と一人の少年は、自分達がよく知っている人物とよく似た影を見ながら話し合う
が、その人物は既に帝都にいる幼なじみの騎士団長に呼び出され、会いに行っている筈なのだ
「でも、どう見てもユーリですよ?あれ…」
「うーん…確かにそうだけど、人違いじゃない?」
「そうよ、どう見てもあれ女連れてるじゃない」
そんな話をしていると、その人物はこちらをチラッと見て、その女性を抱えて自分達とは反対方向へ走り出した
「…訂正、ちょっと帝都に戻って確認してみましょ。完全に逃げたわよ、今の」
「うん、あからさまに僕らのこと見てたもんね」
「それでは、フレンのところに合流しましょう。今日はみんな来るはずですから」
そう言って少女達は帝都へと向かった
先程見かけた人物が、帝都に居るかを確認する為に