第3章
Name Change
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〜出発〜
「ここ、だな」
「うわぁ……大きな扉……」
私とユーリは今、お城の裏口から伸びる道を真っ直ぐに進んだ先にある、大きな扉の前にいる
この扉をくぐれば人間界……
私が昔から見たかった世界が広がっているのだろう
「さて、開けるとしますかね」
「うん…っ!」
ユーリがパチンっと指を鳴らすとゆっくりと扉が開いていく
「アリシア、手離すんじゃねぇぞ?」
「離さないよ」
そう言ってユーリの腕にしがみついた
「ははっ、んなに引っ付かなくても大丈夫だろ?」
「私がこうしていたいの!」
……本当は少しだけ怖いのだ
新しい世界を見たいのと同時に、何があるかわからないから
日記を全て解読しきるべきではなかったのかもしれない
あの日記には、『星喰み 』と呼ばれる災厄のことが書かれていた
始祖の隷長がエアルに取り込まれた成れの果て……
それが、世界を滅ぼそうとしていたこと
そして、それを『満月の子』と呼ばれる人々が文字通り、命を捧げて退けたこと
そして、その後に魔導器を捨てたとこが書かれていた
それ以外にもなんか難しいことが書いてあったけど、どうやらエアルは魔界に満ちているマナと似たようなものだっていうことは理解出来た
『退けた』と、書いてあったが、やはり不安なものは不安だ
倒した訳では無いからまた来ているかもしれない
「ちと不安って感じか?」
不意に頭を撫でられて驚いて顔を上げると、少しだけ心配そうにユーリが見下ろしている
ユーリにも日記は見せた
それでも行きたいって言うのであれば連れてってやるって
なんかあっても絶対守るって言ってくれた
だから今ここにいる
それでも、やっぱり……
「…ん、ちょっとだけ。でも行きたいんだ」
「…無理はすんなよ?本当に怖くなったら引き返そうな?」
「うんっ!」
ニコッと笑って言う
ユーリもニコッと笑うと、行くぜ?と言ってゆっくり歩き出した
私に歩幅を合わせてゆっくり歩いてくれる
まだ見ぬ別の世界へ向けて
一歩、また一歩とゆっくり進んでいく
ーーーーーーーー
しばらく真っ暗な場所を歩いて行くと、いきなり、目の前が明るくなった
眩しさに目を細める
しばらくして慣れてきたところで目を開けると
「……うわぁ………すごい………!」
視界には沢山の色が入ってきた
上に見える空はとても青くて、ところどころに白いふわふわしたものが浮かんでいる
多分、あれが『雲』だろう
魔界にも似たようなのはあるが、それと違って真っ白だ
そして、見たことのない沢山の草木や花……
とても明るくて、綺麗で…
いつも赤黒い空に覆われている魔界とは全然違う
「…空一つで、こんなに違うものなんだな……」
「うん……!絵で見てたよりもずっと、ずっと綺麗だよ…!!」
心臓が高鳴っているのがわかる
今までないくらいわくわくしている
心配していたものも、どうやらいない感じがした
「さて、やっぱ人間は何処かにいるだろうし、この服だとちと目立つな」
そう言って自身の着ている服を見ている
それもそうだ、いつも執務してる時に着ているものなのだから当然目立つ
今日は珍しく髪は束ねているが、それでも目立つことに変わりない
うーん、と唸りながらしばらく考えていたと思ったら、すぐ戻るからちょっとそこで待っててくれ!と言って戻ってしまった
見た感じ周りに人間は居なさそうだし、いざとなったら扉に逃げ込めばいい
地面に腰を下ろして、胸にかかっているペンダントを握りしめながらユーリを待つ
待っている間、空を眺める
青い空、真っ白な雲、それに丸い光を放っている球体……あれが『太陽』なのだろう
とても暖かい光があたり一面に広がっている
「悪ぃ、アリシア、待たせたな」
その声に振り向くと、丁度ユーリが扉がから出てきていた
「…ユーリ?その格好…逆に目立ちそうだよ?」
今ユーリが着ているのは、全身真っ黒な服
上着は右側だけ裾が長い
そして首元には赤いマフラー(?)のようなものをしている
髪はそのままだけど……
「ん?そうかぁ?結構気に入ってんだけど」
「…まぁ、大丈夫じゃないかな?どうせこれのせいで目立つし」
そう言ってコツンと自身の頭に生えている角をつつく
魔族特有のこれは隠すに隠せないのだ
…王家とは違って
人間と時々交流していた王家は、何代か前から隠すことが出来るようになったらしい
「あー…アリシアは隠せねぇんだもんな
んじゃ、これ被っておけよ」
そう言ってつばの広い帽子を頭に乗せてきた
「それ被ってりゃわかんねぇだろ?アリシア、家柄的に元々短いんだしな」
「あ、それもそっか!」
「ほーら、行こうぜ?街にな」
「うんっ!!」
そう言って、ニカッと笑ったユーリの手を取る
そして、街の方へと歩き始めた
「ここ、だな」
「うわぁ……大きな扉……」
私とユーリは今、お城の裏口から伸びる道を真っ直ぐに進んだ先にある、大きな扉の前にいる
この扉をくぐれば人間界……
私が昔から見たかった世界が広がっているのだろう
「さて、開けるとしますかね」
「うん…っ!」
ユーリがパチンっと指を鳴らすとゆっくりと扉が開いていく
「アリシア、手離すんじゃねぇぞ?」
「離さないよ」
そう言ってユーリの腕にしがみついた
「ははっ、んなに引っ付かなくても大丈夫だろ?」
「私がこうしていたいの!」
……本当は少しだけ怖いのだ
新しい世界を見たいのと同時に、何があるかわからないから
日記を全て解読しきるべきではなかったのかもしれない
あの日記には、『
始祖の隷長がエアルに取り込まれた成れの果て……
それが、世界を滅ぼそうとしていたこと
そして、それを『満月の子』と呼ばれる人々が文字通り、命を捧げて退けたこと
そして、その後に魔導器を捨てたとこが書かれていた
それ以外にもなんか難しいことが書いてあったけど、どうやらエアルは魔界に満ちているマナと似たようなものだっていうことは理解出来た
『退けた』と、書いてあったが、やはり不安なものは不安だ
倒した訳では無いからまた来ているかもしれない
「ちと不安って感じか?」
不意に頭を撫でられて驚いて顔を上げると、少しだけ心配そうにユーリが見下ろしている
ユーリにも日記は見せた
それでも行きたいって言うのであれば連れてってやるって
なんかあっても絶対守るって言ってくれた
だから今ここにいる
それでも、やっぱり……
「…ん、ちょっとだけ。でも行きたいんだ」
「…無理はすんなよ?本当に怖くなったら引き返そうな?」
「うんっ!」
ニコッと笑って言う
ユーリもニコッと笑うと、行くぜ?と言ってゆっくり歩き出した
私に歩幅を合わせてゆっくり歩いてくれる
まだ見ぬ別の世界へ向けて
一歩、また一歩とゆっくり進んでいく
ーーーーーーーー
しばらく真っ暗な場所を歩いて行くと、いきなり、目の前が明るくなった
眩しさに目を細める
しばらくして慣れてきたところで目を開けると
「……うわぁ………すごい………!」
視界には沢山の色が入ってきた
上に見える空はとても青くて、ところどころに白いふわふわしたものが浮かんでいる
多分、あれが『雲』だろう
魔界にも似たようなのはあるが、それと違って真っ白だ
そして、見たことのない沢山の草木や花……
とても明るくて、綺麗で…
いつも赤黒い空に覆われている魔界とは全然違う
「…空一つで、こんなに違うものなんだな……」
「うん……!絵で見てたよりもずっと、ずっと綺麗だよ…!!」
心臓が高鳴っているのがわかる
今までないくらいわくわくしている
心配していたものも、どうやらいない感じがした
「さて、やっぱ人間は何処かにいるだろうし、この服だとちと目立つな」
そう言って自身の着ている服を見ている
それもそうだ、いつも執務してる時に着ているものなのだから当然目立つ
今日は珍しく髪は束ねているが、それでも目立つことに変わりない
うーん、と唸りながらしばらく考えていたと思ったら、すぐ戻るからちょっとそこで待っててくれ!と言って戻ってしまった
見た感じ周りに人間は居なさそうだし、いざとなったら扉に逃げ込めばいい
地面に腰を下ろして、胸にかかっているペンダントを握りしめながらユーリを待つ
待っている間、空を眺める
青い空、真っ白な雲、それに丸い光を放っている球体……あれが『太陽』なのだろう
とても暖かい光があたり一面に広がっている
「悪ぃ、アリシア、待たせたな」
その声に振り向くと、丁度ユーリが扉がから出てきていた
「…ユーリ?その格好…逆に目立ちそうだよ?」
今ユーリが着ているのは、全身真っ黒な服
上着は右側だけ裾が長い
そして首元には赤いマフラー(?)のようなものをしている
髪はそのままだけど……
「ん?そうかぁ?結構気に入ってんだけど」
「…まぁ、大丈夫じゃないかな?どうせこれのせいで目立つし」
そう言ってコツンと自身の頭に生えている角をつつく
魔族特有のこれは隠すに隠せないのだ
…王家とは違って
人間と時々交流していた王家は、何代か前から隠すことが出来るようになったらしい
「あー…アリシアは隠せねぇんだもんな
んじゃ、これ被っておけよ」
そう言ってつばの広い帽子を頭に乗せてきた
「それ被ってりゃわかんねぇだろ?アリシア、家柄的に元々短いんだしな」
「あ、それもそっか!」
「ほーら、行こうぜ?街にな」
「うんっ!!」
そう言って、ニカッと笑ったユーリの手を取る
そして、街の方へと歩き始めた
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