ひとりごと

2024/12/12 14:57
恋薬
「『惚れ薬』だそうだ」
「惚れ――…っ、!?」

 なんでまたそんなものを。うぇ……、と怪訝に顔を歪ませたレオナールに睡魔は笑う。

「お前さんと似たような奴がいてなぁ。なんやかんやで譲ってもらったのさ」
「説明が雑すぎる」
「聞きたいのか?」
「聞きたくない」
「まぁ、しいて言うなら俺が欲しくてねだったわけじゃないとだけ」
「あぁ、それを聞いて安心したよ」

 レオナールは曰くつきの物を遠ざける素振りで瓶を睡魔の前に戻した。睡魔は瓶のラベルを一周観察すると自分とレオナールの盃、両方に並々と酒を注いで瓶の蓋を開けた。それを見たレオナールは慌てて自分の盃を取り上げ「睡魔!」と叫ぶ。勢いよく持ち上げたせいで酒が袖に散ってしまったが、目の前に起こりえる惨事に比べればなんて事はないだろう。
 
「そう怯えるな。お前さんに使おうとは思ってない」
「はぁ?」
「これを飲むのは俺だ」
「はあぁあ!?」
 
 旧友の思いもよらない一言に、レオナールは今日一番の叫び声をあげた。
 

休憩終わり.

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