短編(sss)
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悲劇を愛する君と
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きみが悲劇を謡(うた)えと言うからかわりに喜劇を謡ってみたら、そんなモノは必要ないときみは言ったんだ。
その理由を聞いてみたら、悲劇の中にこそ真実があると言うから、ぼくがいまの自分と照らし合わせてみたら、なるほど頷くしかなかったのだが、あえて一言だけ言うならば、ぼくはこうして此処にいることを、悲劇だと思ったことはないと言った。そしたらそれこそ悲劇の中の喜劇だと、きみは笑って言ったんだ。言葉の意味が難しすぎてとりあえずぼくも笑ってみたら、ドアが開いてぼくが思うに誰よりも真実を知っている彼が帰ってきた。
『おかえり、ネズミ』
誰よりも真実を知っていると思う彼にぼくが悲劇なのかを聞いてみたら、そんな事は悲劇が好きなそいつに聞けときみを指さして言うもんだから、ぼくがきみに振り向いてみたら、当たり前だがきみが腹を抱えて笑ってた。
結局の所今この時間が悲劇の中の喜劇であれば、それはぼくの幸せだから、とりあえず寒い冬には皆で食べるスープを作ろうと思って、手元にあった悲劇の本を投げ出した。
END.
(これを食べたら悲劇を謡う喜劇をはじめよう)
悲劇を愛する君と
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きみが悲劇を謡(うた)えと言うからかわりに喜劇を謡ってみたら、そんなモノは必要ないときみは言ったんだ。
その理由を聞いてみたら、悲劇の中にこそ真実があると言うから、ぼくがいまの自分と照らし合わせてみたら、なるほど頷くしかなかったのだが、あえて一言だけ言うならば、ぼくはこうして此処にいることを、悲劇だと思ったことはないと言った。そしたらそれこそ悲劇の中の喜劇だと、きみは笑って言ったんだ。言葉の意味が難しすぎてとりあえずぼくも笑ってみたら、ドアが開いてぼくが思うに誰よりも真実を知っている彼が帰ってきた。
『おかえり、ネズミ』
誰よりも真実を知っていると思う彼にぼくが悲劇なのかを聞いてみたら、そんな事は悲劇が好きなそいつに聞けときみを指さして言うもんだから、ぼくがきみに振り向いてみたら、当たり前だがきみが腹を抱えて笑ってた。
結局の所今この時間が悲劇の中の喜劇であれば、それはぼくの幸せだから、とりあえず寒い冬には皆で食べるスープを作ろうと思って、手元にあった悲劇の本を投げ出した。
END.
(これを食べたら悲劇を謡う喜劇をはじめよう)
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