PSYCHOBREAK2
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プチン、
ナイフにより切りつけられたワイシャツはいとも簡単に弾けた。
途端に窮屈そうに収まっていた豊満な胸が飛び出るとななしは慌てたようにそれを華奢になった腕で隠す。
「何故隠すの?君思考回路は男のままだろう?恥ずかしがらずにさらけ出してくれないと困るよ」
『こ、困るのは俺なんだけど!?思考回路は男のままだけど、み、見せたくないの!』
「…女性のような思考になりつつあるのかもね」
楽しげに笑うステファノ。
既に涙目のななしは何をされるのか怯えているようであった。
ぷるぷる震えるななしがまるで小動物のように見え、ますますステファノの口角は上がる。
彼は加虐心をくすぐる者が大好きなのだ。
「まずは、腕をどかして」
『や、やだって』
「女性になってより肌が白くなったね、顔が火照ると鮮明にわかるよ」
『ぁ、やだっ』
革手袋のまま、真っ赤に色付いた頬を撫でるステファノにななしはたじろいだ。
男の時毎日のように繰り返されてきた些細なスキンシップに過ぎない。
しかし何故か女性になった今、頬を大きな手で優しく撫でられるだけで胸が爆発しそうなくらい激しく鼓動している。
その心音がステファノにまで聞かれてしまうのではないかと思うだけでますます鼓動が早まり、頭がぼうっとしてくるのだ。
心臓を落ち着けるように左胸に手をやり、きゅっと目を閉じたななしの腕をステファノが優しく握った。
いつものように嫌がったつもりなのだが、簡単に腕をどかされ隠すものがなくなった乳房。
恥ずかしさのあまりななしは息を呑んだ。
「やはり男の時からあれほど美しいともなると、女性になっても美しいものだね。白く肌理細やかな肌だ」
『ぁっ、あ、さ、触らないでっ』
「敏感さも変わってない」
乳の形を確かめるように手を這わせたステファノにずくんと下腹部が疼いたななし。
なれない妙な感覚に泣きそうになりながら手から逃れるように身をゆらした。
しかしステファノはななしを逃がすまいと自身の膝に乗せると腰をがっしり掴んだのだ。
逃げ場をなくし、アワアワする度にななしの乳は揺れ動く。
そんな乳の上部に軽やかにキスをするステファノは「じゃぁ、女性の柔らかさをななし自身で確かめてみてくれ」と言うのだ。
言葉の意味がわからず泣きそうなななしはコテンと首を傾げる。
「胸に触れてみて」
『ぇ!やだ!』
「駄目だよ、それじゃ女性の良さを理解できない」
『理解しなくてもいいの!俺は男だから!』
「じゃ、僕が触ってあげる」
『いらない!やめて!?』
「早く」
『ぅっ、し、知らなくていいって言ったじゃん』
「せっかくの機会を無駄にするなんて勿体ないだろう。ほら、柔らかさを感じてみて」
ななしの手を取りその手を胸に導くステファノ。
何が何でも触らせたいらしい。力では叶わないのはもう充分理解しているななしは抗うことなく胸に手をやった。
「ほら、指を動かして確かめて」
そう耳打ちするステファノ。
ななしはつばを飲み込み、ゆっくりゆっくり胸を揉むように手を動かした。
それはそれはとても柔らかい。手に余るほどのマシュマロのようだ。
手の動きに合わせ自在に形を変えている、とても気持ちの良い感触であった。
『や、柔らかいっ』
「他は?」
『フニフニしてて、気持ちいい、マシュマロみたい』
「じゃぁ、次は頂きに触れてみて」
『い、頂き?』
「ピンクに色づいた部分があるだろう?」
『ぁっ、ち、乳首?』
「そう、そこ」
ピンクに色づいた蕾のように上向く乳首をステファノは触れと言う。
いやいや首ををふるも真っ直ぐ射抜くように見つめられれば言うことを聞かざるを得ない。
震える手に力を込めてゆっくり、ゆっくりツンと上を向いた乳首に触れてみた。
『あぅん…ん、』
「敏感なのは同じだね。どんな感じ?」
『くすぐったい…硬くて…コリコリしてる』
人差し指で乳頭を擦るとなんとも言えぬ感覚がゾワゾワと鳥肌を作る。
女性の乳首とはこんなに固くなるのかと、ななしは思った。
胸全体を包みながら人差し指で乳首を転がす。
それを続けていればますます下腹部がズクズクと疼いてきた。男の時、早く挿入してほしいと後孔がムズムズする感覚となんとなく似ている。
意図せず胸で自慰行為に耽っているななし。
ステファノはその行為を眺めながらカメラを構えた。何度もシャッターを切り、美しく淫に悶える女性になったななしを写真に収めていく。
「(幼児化した写真と並べて飾ろう)」
『あっ、あっ、ん、』
「ななし」
『あ、ステファノさぁん、ん、』
「女性の良さを違う方向で理解しているようだね。気持ちいいのかい?」
『んっ、気持ちいいっ。でも、ステファノさんとするエッチの方が気持ちいい』
「っは、可愛らしいことを言うと歯止めが効かなくなるよ。女性のまま犯されたいのかい?」
『ん、だめっ。絶対だめっ。俺が俺に嫉妬するよ。絶対だめだから』
お互いもう十分に息は荒い。このままなし崩しにセックスになだれ込んでもおかしくはない。
しかしそうはしなかった。
女性のままでは嫌だと言うななしの気持ちをステファノがくみとってくれている為だ。
男に戻ったら嫌という程喘がせてやる、と密かに拳を握ったステファノ。
『ステファノさん、』
「ん?なんだい?」
『ここ、』
「……」
『すごく。ぎゅぅってするんだけど、どうしたらいいのかな?』
ステファノの膝に乗ったななしは腹を抑えそう言うのだ。
子宮あたりを擦りながら『ゾワゾワする』と、呟いている。
女性になった今、胸の刺激だけでとても興奮したようで下腹部が疼いて仕方ないらしい。
絶頂させてやれば収まるだろうが、よもやそんな痴態を見た日にはステファノのステファノは今以上に屹立し大変なことになるだろう。
それこそななしの嫌がるセックスの流れになってしまう。
今度はステファノが悶々と頭を悩ませる番だ。
手を出さない自信が無い、しかし女性のななしを楽しみたいのも事実。
涙ぐむななしを放置するのも忍びない。しかし手を出さない自信が無い(二回目)。
どうしたものか、最善策を考えているステファノ。
しかしそんなステファノをよそにななしは彼の膝の上でゆっくりと腰を揺らしているのだ。
「…ななし、腰を動かさないでくれ」
『なんか、グチュグチュする…』
「…………はぁぁ」
『パンツ気持ち悪い』
「はぁ、…脱いだらどうだい?」
『脱ぐ』
「(快感に素直なのも考えものだね…まったく)」
『ステファノさん、次どこ触ればいい?』
すっかり女性の快感に従順になってしまったななしは下着を引き下ろしベッドの下にへと投げ捨てた。
裸になるのに抵抗が無くなったらしく、ステファノに見られても隠す気配がなくなっている。
ななしに自らの作品(女性)の素晴らしさを伝えるべく、色々してきた(イタズラとも言う)ステファノ。女性になってしまったななしを翻弄して遊んでやろうとしていたのに、まさかこちらが翻弄されるとは。
改めてななしの魔性ぶりを確認したステファノは諦め深い深いため息を吐き出した。
「まったく、困る程に快感が好きだね。男性に戻るまで待つつもりだったのに」
『ごめんなさい』
「謝らなくていいよ。あ、そうだ、女性の良さは少しはわかった?」
『男よりもずっとやわらかいし、フワフワなのは分かったよ』
「だろう!だから僕は女性をたくさん取り扱うんだ。柔らかくも弾力があり自在に姿形を変えられ何にでも馴染む…女性は素晴らしいよ。これで僕の作品の素晴らしさも理解出来たろう?」
『それは別。グロいのはフワフワな女性でも受け付けないもん』
「…素直すぎる」
『へへ、素直な俺が好きだろ?』
「まぁね。せっかく下着を脱いだんだから下も触って確かめてみたらどうだい?」
『下?』
「うん、ゾワゾワも多少は無くなるはずだよ。撮ってあげるから脚を開いて」
『撮らなくていい!』
とは言いつつななしは足をガッパリ開いた。
すかさずカメラを構えながら、後ずさるステファノ。ベッドからおりてさながらモデルの写真を撮っているカメラマンのようにパシャパシャやりだす。
そのまま手で色々触ってご覧。
ステファノはカメラを構えたままななしに言ってやれば恐る恐る手が動き出した。
ななしにとって未知の場所であるそこは、確かに湿っていてヌルヌルしている。
この液が下着を濡らしグチュグチュしていたのかと、納得した。
『ヌルヌル…』
「女性は気持ちいいと自然と濡れてくるんだよ。受け入れやすくするためにね」
『……なんか、手慣れてそうでやだな』
「はぁ、当たり前だろう?女性の扱の方が慣れてる。男は君が最初で最後だ」
『……』
「いい意味でだよ。拗ねないでくれ」
『…拗ねてないっ』
ムスッと頬をふくらませてしまったななしは、もう知らんとばかりに裸のままステファノから顔を背けるようにベッドへと横になった。
カメラには寝転がるななしの小さな背中しかみえない。
美しいくびれもなかなかそそるラインであるが今それをななしに言えばますます怒るに違いない。
敢えて口にはせずにそっぽを向く愛しい恋人を後ろから抱きしめるようにベッドへと寝転んだ。
『ステファノさんが、女好きなのはわかってるよ。それが普通だもん…でも、面白くない』
「もう君しか見ていないのに満足出来ないのかい?」
『…作品の女性を美しいとか言うじゃん』
「君の美しいとまた違うけど…作品と同じ愛でられ方をしたいのかい?」
『作品にはされたくないからやめとく…ねぇ、…俺の方が好き?』
「好きじゃなければ生かして手元に置くわけないだろう」
『そっか』
抱きしめていたななしが微かに揺れた。小さく笑っているようである。
そのまま柔らかい振動を堪能していればななしはステファノの指を握った。
普段よりも一回りも二回りも小さく細い指がステファノの人差し指をぎゅっと握る。
どんな表情をしているのかは伺えないが項まで真っ赤にしているに、顔も同じくらい真っ赤なのだろう。
なんと愛らしいのだろうか。
『ん〜、ステファノさん、俺眠い』
「なら、眠るといいよ。ベッドの上だし…君もいろんな意味で、女性の良さを感じられたみたいだからね」
『何その言い方…』
「とにかく、目が覚めて君が女性から男性に変わったら…覚悟していてくれ。今は君の意思を貴ぶべきだと思ったけど次は無いよ…。だいたい僕に我慢させるだなんて君はどうかしてる。本来なら女性になった瞬間君を作品にしているところを、わざわざ僕が理性を保って……ななし?聞いているのかい?」
冗長になっていたステファノは反応しないななしの髪を撫でる。
触ってもピクリともしないななしを不審に思い見下ろすように上体を起こすと、彼(今は女だが)は瞳をとじてすぅすぅと寝息をたてているではないか。
最初寝ていたななしを無理に起こしたことを思い起こし、まぁ、妥当な結果であるか、とステファノはため息を吐き出した。
はからずも"お預け"状態をくらってしまい、何ともやるせない。
しかし幸せそうにむにゃむにゃしている恋人を無理に起こすのは気が引ける。ななしに言ってはきっと怒るが、女性であると余計にそう思えてしまう。
柔らかな頬をなでてやり、すやすや眠るななしに己のジャケットをかけてやる。
さて、途中で手を止めていた作品作りを再開しようか。
重たい腰をあげて、扉に手をかけた時。
ボフン。
文字通り、ボフンと音が鳴ったのだ。
STEM内でまるで聞いたことのない音。
例えるならマンガや、アニメの効果音だろうか。
まるで今何かが後ろで爆発したような音に、咄嗟に振り返ったステファノ。
「……おや」
そこには見慣れたななしがいた。
髪や、まつ毛は短くなり美しく柔らかい体はしなやかに引き締まった体に戻っている。
どうやらあの不思議な効果音とともに体が男に戻ったらしい。
どういう経緯かはまったく分からないが、眠ると性別が変わるようだ。
「しかし、まぁ、もう僕が我慢する必要はないという事だね」
扉にかけていた手でスカーフを抜き取ると、すやすや眠るななしにへと足を向ける。
「ななし、」
『んっ』
「眠らせないよ」
『俺眠たいっ』
「次は君が僕に男性の良さを一から十まで沢山教えてくれ」
『っ〜!そんな言い方ずるい…!』
節くれているが繊細で美し手と、血管が浮く白く細い手がしっかりと繋がれた。
女性も悪くは無い。
しかしこの温もりと感触でなければなぜか満足はできないような気がする。
ずっと、このままであればいい。
口には出さずにお互いがそう感じたのだった。
『(やっぱステファノさん…イケメン…)』
「(こちらの方がいじらしく愛らしいね)」