嫌いかもしれない
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『……いらっしゃいませ、あ』
自動ドアの開く独特な音を聞きながらななしは間の抜けた挨拶をする。立ち読みしていた十四松も自動ドアの音に反応してこちらにやって来た。
「おそ松兄さん!!」
「よ、ご苦労十四松。眠いだろ?」
「へーき!」
「そうか?」
「でも、やっぱり眠いから帰るねー!おそ松兄さん!」
「気をつけて帰れよー」
「うん!バイバイななしー」
『……バイバイ』
「忙しないよなアイツ」
『……だね』
ははっと乾いた笑いを出したおそ松は既にいつものおそ松に戻っているようだ。ななしは安心するも、どことなく胸が痛む気がした。
普通でいられるその根性ってなんなの?
そんな事はやはりきけない。
だからおそ松が普通ならななしも普通になるしかないのだ。いつだってキスした事実は塗り消されあたらしいおそ松が上書きされていく。
別にそれでもいい。
なのに、少しさみしいとか。
わがままにも程がある。
『……明日さ』
「うん?」
『……野球だってさ』
「あー、十四松?」
『……みんなでしたいんだって』
「たまにはいいかもね。玉ばっかりいじってちゃ、いけないし」
『………』
「玉って、玉だから!!ななしちゃん!?勘違いしてない?パチンコのことだからね!」
『……タマタマうるさいよ』
「うわぁ、卑猥。ななしがタマタマとか卑猥」
『……ウザっ』
「ウザがられた!」
「はいはい!当店タマタマトーク禁止だから!」
「うわ、でた、馬鹿店長」
「え!馬鹿!?」
『……馬鹿店長。声でかいっす声デカ馬鹿店長』
「それ、もう良くわかんないしななし」
ヘラヘラ笑う春日井。ななしとおそ松も釣られて笑う。
自然と笑が零れてまた、7つ子に戻ることができた。
許されるならずっとこんなバカやれる関係でいたいな。とななしは思う。
なにかしらのいざこざなんてなければいいのに。
おそ松はななしがバイトを終えるまでここにいると伝えて十四松と同じく漫画をあさりに行く。ななしのバイトが終わるまではまだ少しあるが、客もいない三人の空間はなかなか楽しい。
春日井がおそ松に肉まんをひとつ渡す。小腹が減っていたとがっつくおそ松。しまいにはジュースもだって。そんな一言に春日井は苦笑いするしかない。
「ななしー」
『……なぁに?』
「明日さ、バイト?」
『……夜はねいつも通り』
「ふーん。朝は野球だし」
『……なんかあった?』
「んー。出かけたかったんだ」
『?』
「チョロ松と出かけたじゃん?俺も2人で出かけたい」
『……』
漫画コーナーでしゃがむおそ松。後ろで品出しをしていたななしの足に持たれておそ松は言う。
甘えたような口調にゆっくり振り向けば鋭い目が待っていた。
気まずくなっていたのに、すぐこれだ。だからウザがられるんだと気づいて欲しい。
『……まぁ、いいんじゃない?』
「本当に!?」
『……明後日休みだし。明後日なら』
「まじで!?じゃあ、明後日行こうぜ!」
『……いいよ』
「へへ!楽しみだな」
本当に嬉しそうだった。鼻の下をこすりにこやかに笑うおそ松。
毒気が抜かれたななしもなんとなくふふっと、笑いがこぼれた。
そんなこんなでわちゃわちゃしていればあっという間にバイトの時間が終わる。
春日井にあがると伝えて、おそ松と帰路に立つ。
鼻歌を歌うおそ松は機嫌がいいみたいだった。手を繋がれポケットに入れられているのは不本意だが、幸せそうなおそ松にそれ以上は何も言えなかった。
「はー。眠い」
『……帰れば良かったのに』
「まぁね。でもななしと帰りたかったし平気だけどね」
『……おそ松兄さんて馬鹿だよね』
「言うねぇ」
『……、……馬鹿のままでいいから』
「え?なんて?」
『なんでもない!』
おそ松には聞こえないように小さくつぶやいて、背伸びをする。
漏れたあくびを隠すことはせず。
家に着くやいなや2人はコタツに潜り込んだ。まだ冷たいが2人分の体温ですぐにあたたかくなった。
そのまま眠りにつく。
2人の手は未だにつながれていた。
朝、起きてきたトド松に写真をとられ。一松に羨ましそうに見られ。チョロ松(おそ松だけ)に蹴られ。カラ松(ななしだけ)に撫でられ。十四松にダイブされ。
再び訪れた日常に、ななしは一息吐き出した。
今のままでは嫌だから
(でも、踏み出す勇気は持ち合わせてないから)
自動ドアの開く独特な音を聞きながらななしは間の抜けた挨拶をする。立ち読みしていた十四松も自動ドアの音に反応してこちらにやって来た。
「おそ松兄さん!!」
「よ、ご苦労十四松。眠いだろ?」
「へーき!」
「そうか?」
「でも、やっぱり眠いから帰るねー!おそ松兄さん!」
「気をつけて帰れよー」
「うん!バイバイななしー」
『……バイバイ』
「忙しないよなアイツ」
『……だね』
ははっと乾いた笑いを出したおそ松は既にいつものおそ松に戻っているようだ。ななしは安心するも、どことなく胸が痛む気がした。
普通でいられるその根性ってなんなの?
そんな事はやはりきけない。
だからおそ松が普通ならななしも普通になるしかないのだ。いつだってキスした事実は塗り消されあたらしいおそ松が上書きされていく。
別にそれでもいい。
なのに、少しさみしいとか。
わがままにも程がある。
『……明日さ』
「うん?」
『……野球だってさ』
「あー、十四松?」
『……みんなでしたいんだって』
「たまにはいいかもね。玉ばっかりいじってちゃ、いけないし」
『………』
「玉って、玉だから!!ななしちゃん!?勘違いしてない?パチンコのことだからね!」
『……タマタマうるさいよ』
「うわぁ、卑猥。ななしがタマタマとか卑猥」
『……ウザっ』
「ウザがられた!」
「はいはい!当店タマタマトーク禁止だから!」
「うわ、でた、馬鹿店長」
「え!馬鹿!?」
『……馬鹿店長。声でかいっす声デカ馬鹿店長』
「それ、もう良くわかんないしななし」
ヘラヘラ笑う春日井。ななしとおそ松も釣られて笑う。
自然と笑が零れてまた、7つ子に戻ることができた。
許されるならずっとこんなバカやれる関係でいたいな。とななしは思う。
なにかしらのいざこざなんてなければいいのに。
おそ松はななしがバイトを終えるまでここにいると伝えて十四松と同じく漫画をあさりに行く。ななしのバイトが終わるまではまだ少しあるが、客もいない三人の空間はなかなか楽しい。
春日井がおそ松に肉まんをひとつ渡す。小腹が減っていたとがっつくおそ松。しまいにはジュースもだって。そんな一言に春日井は苦笑いするしかない。
「ななしー」
『……なぁに?』
「明日さ、バイト?」
『……夜はねいつも通り』
「ふーん。朝は野球だし」
『……なんかあった?』
「んー。出かけたかったんだ」
『?』
「チョロ松と出かけたじゃん?俺も2人で出かけたい」
『……』
漫画コーナーでしゃがむおそ松。後ろで品出しをしていたななしの足に持たれておそ松は言う。
甘えたような口調にゆっくり振り向けば鋭い目が待っていた。
気まずくなっていたのに、すぐこれだ。だからウザがられるんだと気づいて欲しい。
『……まぁ、いいんじゃない?』
「本当に!?」
『……明後日休みだし。明後日なら』
「まじで!?じゃあ、明後日行こうぜ!」
『……いいよ』
「へへ!楽しみだな」
本当に嬉しそうだった。鼻の下をこすりにこやかに笑うおそ松。
毒気が抜かれたななしもなんとなくふふっと、笑いがこぼれた。
そんなこんなでわちゃわちゃしていればあっという間にバイトの時間が終わる。
春日井にあがると伝えて、おそ松と帰路に立つ。
鼻歌を歌うおそ松は機嫌がいいみたいだった。手を繋がれポケットに入れられているのは不本意だが、幸せそうなおそ松にそれ以上は何も言えなかった。
「はー。眠い」
『……帰れば良かったのに』
「まぁね。でもななしと帰りたかったし平気だけどね」
『……おそ松兄さんて馬鹿だよね』
「言うねぇ」
『……、……馬鹿のままでいいから』
「え?なんて?」
『なんでもない!』
おそ松には聞こえないように小さくつぶやいて、背伸びをする。
漏れたあくびを隠すことはせず。
家に着くやいなや2人はコタツに潜り込んだ。まだ冷たいが2人分の体温ですぐにあたたかくなった。
そのまま眠りにつく。
2人の手は未だにつながれていた。
朝、起きてきたトド松に写真をとられ。一松に羨ましそうに見られ。チョロ松(おそ松だけ)に蹴られ。カラ松(ななしだけ)に撫でられ。十四松にダイブされ。
再び訪れた日常に、ななしは一息吐き出した。
今のままでは嫌だから
(でも、踏み出す勇気は持ち合わせてないから)