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「何あれ、はぁ?ありえない、ガチで何なのあの女。だいたいなんであんなブスと歩いてるわけ?本当にまじで頭きた。つかあの女誰?誰、ねぇ、誰だって!!」
「キレながら僕らに聞かないでよ!」
「彼女かなー?」
「か、かかかかか彼女なわけないし、ななしバイトで忙しい身だよ?出会いとかあるの?」
「チョロ松兄さん、声すごいことになってるよ」
「…へぇ、僕なんかとの昼寝よりあの女とデートですか、まぁ、僕はゴミだし仕方ないけどね」
「悲観的!!」
「ふ、フッ、ななしに限って彼女だなんて…ありえないさ」
「カラ松兄さん、手が震えてるから」
あぁ、もうと頭を悩ませるトド松。
兄が(十四松を除き)全員目を血走らせている。理由はたまたま歩いていた商店街でななしと、ななしの隣を歩く女性にバッタリ出会ってしまったから。出会ったといってもななし達の方は兄達がいるなど知りもしない。
二人仲良く歩く傍らを6人のつなぎを着た兄達がこそこそ追いかける。しかしかなり異様な光景であるため通行人はヒソヒソこちらを見ていた。
いたたまれないトド松は兄達をどうにかおさめようて試みるも聞き耳すら持たない。
「てかさ、彼女いるなら普通報告するでしょ?認めるか認めないかは置いといてまずは報告すべきだよね!?」
「そうだよ、だってその女性がななしにとって本当にその人でないといけない理由があるか聞かなきゃ分からないし」
「よくいったチョロ松。それでこそ俺の弟だ」
ななしのことになると急に視野が狭まる2人を窘めるのはかなり根気のいる作業だ。
試みるもトド松の話は右から左。無視である。
だいたいななしが、誰を好きになろうがななしのしたいようにさせてあげればいいじゃないか。
と、思うものの兄達の執着心はそんな生易しいものではなく。ななしを渡してたまるかと女を鋭く睨みつけている。
「ていうか、どっちにしろ良くないよこんなこと。はやく帰ろななしが可哀想だよ」
「はぁ?お前馬鹿だろトッティ!」
「そうだよ!」
「どうすんだよ!ななしがあの女とラブホ入ったら!ヤルつもりだよ?許せる?あの可愛い可愛い俺のななしがだよ?馬鹿なの?」
「いや、お前のじゃないから」
「…トッティ取り返しつかなくなったら何とかしてくれんの?」
「ななしは俺達のオアシスなんだ!」
「もう!なら聞いてくれば!?」
そうだ、気になるなら行けばいいじゃないか。トド松は少し切れ気味でおそ松達に言ってやったが、沈黙が流れただけだ。
は?気になるんじゃないの?
誰も聞きに行かないため、話が進展しない。
「む、無理だろ。お前みたいに他人のふりされたら俺死ねる。怖い」
「小心者!?なんなのそれ!矛盾してるから!」
「そ、そうだよ。おそ松兄さん、矛盾してるよ、カラ松聞いてきて」
「い、いや、一松」
「はぁ?じゅ、十四松」
「僕ぅ?分かった!」
「え、あ!?ガチか!ガチなのか!?」
「どうするんだよ十四松行っちゃったじゃん!」
「もうこの際なんだからななしにはっきり聞かなきゃ。僕も行ってくるよ」
「は、早まるなトッティ!」
「危険すぎる!」
待てー!とかかる声を無視してトド松は十四松に続いた。
そして歩いているななしの後から「やっほー!」と声をかけてみた。
キョロキョロとあたりを見渡したななしはすぐに十四松とトド松に、気づいた。
「だあれ?ななし」
「はじめまして、トド松です」
「十四松でーす」
『……なにしてるの?兄さん達』
「え?あ!ななしの言ってたお兄さん?はじめまして!ななしと同じバイト先の花です!」
「へぇー、花ちゃんって言うんだ」
「ねぇねぇ、ななしー?彼女ー?」
『…え…違うよ。無理だし』
「失礼!」
『……先週シフト変わってあげたらお返しに新しく出来たスタバァ奢ってくれるって言うから、付いてきただけ』
「あれさーやっぱ彼女かな?」
「…ありえない。あの女殺す…」
「ななしに限ってそんなはずは…」
「断言はできないよな」
「今だってさ、「ななしは私の彼氏なのー」「……まぁ、違わないけど」「きゃー、恥ずかしい!」みたいなやり取りしてんだよきっと…あぁ!イライラするぅ!」
「それでトッティと十四松に紹介してるんだよ。「結婚式は今年の六月頃」「……ジュンブライドだから」「きゃー、恥ずかしい!」みたいな会話してるんだよ…」
「ななしが離れていく。まるで天の川を隔てた織姫と彦星じゃないか」
「つか、早く帰ってこいよあの馬鹿!」
「え!?あれ?トド松と十四松もついて行っちゃったけど?」
「はぁ?」
「俺達も行こう!」
小心者のおそ松達は結局まだコソコソななしらのあとを追うしかない。
なんであの4人あんなに楽しげなの!?とキレながら。
どうしよう、どうする?の問答を繰り返すものの、なかなかななしの前に出ていくことができない。
それほどななしがすきであるのも事実なのだがどうにも情けない。
本当にななしの彼女であった場合何をするかわからない彼らはやはり影でしか見守ることしか出来ない。
「もう、諦めようおそ松」
「カラ松」
「……」
「ななしが本当に好きならば応援するしかないだろ…ありのままを受け入れよう」
「…そうだね」
「気に入らないし、彼女殺しちゃうかもしれないけど…一応分かった」
「分かってないけどね」
「僕やなんだけど…ななしは僕のだから」
「一松!ななしは俺のだから」
「フッ。俺のものだ」
「……いやいやだから彼女のものだろ?」
『……誰のものでもないけど』
「ぎゃぁっ!ななし!?」
草影にしゃがんでいた4人の背後にトレイを持ったななしがいた。
なぜバレている!?と、いうか話聞かれた!?
あわてる4人を鼻で笑ったあとポカーンとしているおそ松にトレイを渡した。
『……風邪引きたいのかわかんないけど、引きたいならそこにいなよ。ハイ全部トールだから』
「ななし…」
『……トド松兄さんに聞いたけど、彼女じゃないから』
「え!?違うの!!」
『……違うから…はぁ、もう。馬鹿な兄さん達。俺いつも兄さん達としか遊ばないの知ってるくせに…まぁいいや。俺中で飲むからじゃあね』
「んもう!!ななし可愛いー!大好きー!!」
「マイエンジェル!まさにマイエンジェルだ!!」
「素直なイイコだよね!本当!!」
「ななし、馬鹿ななし!」
『……こんな、兄さん達がいる横でどうやって彼女作れのさ。……絶対邪魔される…… 』
ぶわぁとななしに抱きつく大の大人(ニート)をあやしながらため息をつく。しかしそのななしの顔はどこかまんざらでも無い様子。
結局ななしに続きスタバァに入って七つ子と花とでドリンクを飲んだんだとか。
end