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カニ鍋。松野家の家計的に年に一度あるかどうかの豪華な晩飯。一様に喜ぶ7つ子だがどこか異様な雰囲気が漂っている人物もいた。
それはななしの隣に座るチョロ松だ。何故か先程から箸は進んでおらず、尋常じゃないほどの目つきでおそ松を睨んでいる。
良くも悪くもそんなチョロ松に気が付かないおそ松は彼に「おたまとって!チョロ松」と言うが、無視である。
しぶしぶ己の手でおたまを取り汁をすくうおそ松。そしておたまを鍋に戻し時、そのおたまを勢いよく掴み振り回したチョロ松。中には汁が入っていたらしく全てがおそ松にぶちまけられた。
「あっちぃ!馬鹿じゃねぇの!馬鹿じゃねぇの!?」
「危なっ、何してんのチョロ松兄さん」
「あ、ごめんねぇ、いくら兄弟でもやっていい事と悪いことがあったねぇ」
「なんか、洒落れ利いた感じで責められたよ」
『……どうしたの?』
チョロ松の顔が見るに耐えない般若の顔になっている。あの温厚で過保護で優しいチョロ松がこうまで怒るのはかなりの理由があるに違いない。そしてその理由にはおそ松が関わっていることも確かだ。
落ち着きなよとななしはチョロ松の袖をやんわり引くも彼の鼻息はまだ荒い。だいぶ怒っているらしい。
『……何したの?おそ松兄さん』
「そうだよ、チョロ松兄さんめちゃくちゃ睨んでるじゃん!」
「別にー。たださっき見ちゃったんだよチョロ松のオナ「くぅあらぁぁぁぁあ!言うなぁぁあ!!」いいじゃん別に。兄弟なんだし」
ななしにだけは知られたくなかったんじゃぁぁあ!と叫ぶチョロ松。もはやチョロ松の面影はなかった。
対してへらっとさして悪びれた様子もないおそ松はかにの足をもそもそ食べている。
傍ら両親がクスッと笑いチョロ松の怒りメーターはさらに上昇する。
ななしは固まり、ただただチョロ松の逆鱗には触れないようにとすこしだけ距離を置く。
しかしめざとく見つけておそ松はぷくくと笑いをこらえた。
あぁ、おそ松兄さん。チョロ松兄さんの顔が本当にやばいよ。気づいてください。ななしの胸のうちは穏やかではない。
「別にいいじゃん、シコ松」
「なっ!?」
「流石にそれはないよおそ松兄さん!ちゃんと、謝って!」
『……う、うん、おそ松兄さんちょっと無神経過ぎ「シコ松とか面白すぎるから!!」…え?トド松兄さん!?』
だはは!と笑い出したトド松。つられておそ松とカラ松、一松までもが笑っている。十四松は「シコ松」を連呼。両親は今度は隠すこともせずに笑っていた。ななしだけがプルプル震え、怒りに耐えるチョロ松を案じオロオロしている。
兄達の悪口大会も悪化する一方で、しまいには手を出し喧嘩勃発。
聞こえてくる兄達のエロ本のありか。おそ松のエロ本でアレコレしているという事実。
あんなにかっこよくて、いつもいつも追いかけていた兄達にななしは幻滅した。
『……ご馳走様…』
「え!?ななし!!全然食べてないじゃん!」
『……なんか、幻滅した』
「なんかってわりに的確に貶されてる!?」
「まぁまぁ、ななし。ななしだって1回や2回やってんでしょ?男なんだから、仕方ないのにチョロシコスキーときたら…」
「誰がチョロシコスキーだ!ロシア人じゃねぇし!ていうか。ななしをからかうなよ!」
「あるぇー?ななしちゃん顔真っ赤だよ?あれ?ないの?ないわけ?オナ『!おそ松兄さん!』あ、ごめんごめん!あるよね!知ってる知ってる!」
『…え?』
「は?なんでおそ松兄さんがななしの下事情知ってんの?」
「えー。だって俺ななしの兄さんよ?全部知ってるし」
「はいはい!じゃ、僕達のは知ってんの?」
「知りたくもねぇよ!クソッタレ!!んなわけだから恥ずかしがるなよななしちゃん!」
「え?どんなわけ!!めっちゃ辛辣だったよね今!!」
これはまじめに、ヤバイなと感じたななしがそそくさ逃げ出そうと立ち上がった。
はやく7つ子ルームに退散しなければならない。
しかし、おそ松からとんでもない話が飛び出してくる。
「#name名前の初めてはね、中1!確かあれは保健体育の授業で習った夜にさ、こっそり風呂場でオナ『だぁあー!!!』うわぁ!ななしそんな、でかい声出せるんだ」
「へぇ、ななしもシコスキーだったんだね」
「や、止めてやれよ一松!ななし大丈夫だから!」
『っ!』
一松のそんな一言にななしは顔をかぁと赤らめた。
しかもチョロシコスキーとまで言われたチョロ松に、フォローされてしまい頭はパンクしそうなほど羞恥と混乱でいっぱいであった。
男とは自慰行為をして当たり前だと保健体育では習ったはず。しかしそれはあくまでも生理現象の一つ。だから皆までいう必要など皆無。それなのにおそ松は何故かななしの初めてを包み隠さず話し出す。
なぜ、食いつく両親!なぜ、続きを催促するトド松兄さん!なぜ、鼻血を吹くカラ松兄さん!なぜ、鼻息を荒くするチョロシコスキー!
下を向きプルプル震えだしたななしは勢いよく顔を上げておそ松をキッと睨みつけた。
『……デリカシーのない変態兄貴!地獄へ落ちろバーカ!行こう。十四松兄さん!』
「おー」
腹を膨れさせ気持ちいい顔をしていた十四松の手を引きズカズカ居間を出ていくななし。
そのまま十四松と急ぎ足で銭湯に向かったが、他の松も慌てた様子で銭湯にやって来ていた。ななしは一言も会話に混ざることなく、一足先に家へもどる。
なんて、デリカシーのない馬鹿な兄さんなのだろうか。本当にしんでくれないかな。
あぁ、思い出しただけで頭にくる。
そしてやっとのこと布団をしいて7つ子布団に潜り込む。バイトがない日くらいゆっくりしたいななしだがそうにもいかない。
まどろむ中で、一松の「うわぁ!臭い!」の声、次に「止めるんだ!」とカラ松。そうすれば次にななしの足にはしる激痛。『痛い痛い!』と叫ばずにはいられなかった。
むかついたななしはトド松の足をつねる。負の連鎖を巻き起こしトド松はおそ松、おそ松はチョロ松、チョロ松は十四松。それぞれの足をつねった。痛みに文字通り飛び起きた十四松。空中に飛び上がったかと思うと寝ている6人に勢いよくダイブした。
『いたーい!!』
「てめ!だれだ蹴りやがったの!」
「許さないぞ!」
「いだっ!いだだだだ!止めてだれ!?」
『……ひゃ!?誰!?お尻触んないでくんない!?』
「誰だよどさくさに紛れてぐぶふぁ!?いってーな!!」
「やめてやめて!背中にのらないで!」
「死ねくそ松!」
「的確!?ぐはぁ!」
「うっほほーい!」
『っひゃー!?』
「次誰だ!?前触っただろ!?ななし大丈ぐふっ!?」
「あはははー!それ!」
「いでぁ!?これ絶対十四松だろ!?サソリ固めしてるし!」
『……残ー念。ななしでし、た!!』
「ぎゃぁあ!?」
「チョロ松、醤油とって」
「ん、あななしお茶とってくれない?」
『……はい』
「ありがとう」
似た者同士は各々顔面に、青あざを作って朝食を食べた。
昨日のことは昨日でおしまい。
今日からまた、新しい日常を過ごそう。
「あ。ななしの初めての話だけど。こっからが可愛いんだよ!イッた時さ"なにこれ、しら『そおれ』いっだー!!!」
『ご馳走様』
「目がぁ、目がぁぁあ!」
end