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7つ子のうち6人が寝ている通称7つ子ルームの襖がガタガタ音を立て開かれた。いつもならば静かに開かれるのだが今日は何処か荒々しく大雑把である。
そんな音に目を覚ましてしまったのは一番済で寝ていた十四松。目をこすりムクりと起き上がれば布団の前で座り込むななしの姿。
もう、バイトから帰ってきたのだろうか。いつもよりだいぶ早い。
疲れて寝てしまったと思った十四松は布団からで、ななしを運ぼうとする。ななしの肩と足に手を回した時に十四松はある異変に気づく。
「あれ?ななし酒くさい!」
『……十四松兄さん?』
「?」
『……ん』
「え!え!?え!ななし!?え、えぇえ!!」
「も、なに十四松」
「一松兄さん!一松兄さん!一松兄さん!」
「三回も言わなくてもわかるしって、なにしてるの?」
十四松があわあわする理由。それは抱えたななしが目をつむり顔を近づけてくるからである。
十四松もそこまで馬鹿じゃない。ななしがキスをせがんでいるとわかった上であわあわしている。
このまま地面に落とすわけにも行かない。十四松は声を張り上げながらなぜか部屋中を回り出す。
煩かったのか一松が起き上がり異常な事態をただただ眺めていたのだが、ふとニヤリと口角をあげた。
「ななし酔ってるの?」
「多分ー!!」
「十四松」
「いくよ!ぃよいしょー!!」
「ばっか!投げるな」
「あ。手が滑っちゃった」
『…俺空とんだ!一松兄さん飛んだ!』
「飛んだねー」
「すんげぇ!ななし空飛べんの!?」
『……一松兄さん、ん』
十四松によって投げ出されたななし。うまく抱きとめられた一松は自分の寝るスペースに座りななしを、己の膝に座らせる。
そうすれば十四松の時と同じように目をつむりキスをせがんだ。
一松は待ってましたとばかりにそのまま拒むことはせずにななしの唇に唇をくっつけた。
隣でおー!と声を上げ拍手する十四松。
「やっぱり僕もするー!!」
『んふっ』
「ちょっと十四松、まだ終わってないから」
「ん、兄さんばかり狡いよ!僕も!」
「一回しかしてない!」
「……なんだ、マイブラザー夜中に騒がしい。眠れないなら子守唄を「死ね、クソ松」あ"ぁ"!?十四松何やって!?!?」
「どうしたの?カラ松兄さん………え!?」
「うるさいって、トド松!どうしたってぇぇええ!!?」
「おそ松兄さんもばかでかいこえだしてるしぃぃぃいいい!!?」
残りの松も早々に目を覚ますと目の前の光景にさけばすにはいられなかった。ななしが一松の膝に座り十四松とキスをしているから。
次にまたななしのパーカーの襟首を引っ張り一松がキスをする。代わる代わとななしとキスする一松と十四松に、おそ松は自分が寝ていた場所からクラウチングスタートを決め3人に突撃する。
「何やってんの!?ずるくない!?ななしは俺のだよ!!」
「え?そんなの誰が決めた訳?」
「独り占め反対!絶対!!」
「ちょーとまって!兄さん達だよ!?おそ松兄さんはななしから離れる!何でこんなことになってるの!」
『……トド松兄さん。トド松兄さんも、しようよ、』
「え!?ぼ、僕も?」
『だ、め?』
「色仕掛けは俺にしろマイエンジェル!」
「俺にしてよななし!」
な、なんだ。この異様な空間は。チョロ松は魂の抜きかけた体で兄弟のやり取りをみる。そう、兄弟の。
いつもなら、やめようか!の一言も言えるのだが相手がチョロ松の大好きなななしなのだ。ここでやめるのはとても、もったいない。
トド松に迫るななしをおそ松とカラ松が静止している。トド松は固まってななしのキス待ち。
一松と十四松は何故か隅で正座している。横には看板には立っていて(キス終了者)と書かれていた。
いつ誰が用意したなんて野暮なことは聞かないで。
『…トド松兄さん。トド松兄さん顔真っ赤』
「いっとくけど、ななしの方が赤いからね!!」
「はやく済ませろよトド松!つっかえてるから!」
「えぇ!?」
「はやくしろ、トド松っ」
「な、なにあせってんのカラ松兄さん!もー、ななしも悪ノリがひどいよ!」
『……っ、ごめん、なさい』
しゅんと縮こまってしまったななし。しまったとトド松はななしの顔を覗き見るも、虚しくおそ松に強制的にキス終了者ゾーンに追いやられた。
「ひどい!キスしてない!」
「ななしが泣いちゃったから、トド松アウト!」
『……へへ、アウトだって』
「笑ってるし!」
「ななし!俺にもキスをしてくれ!」
『……いいよ、カラ松兄さん』
「あ!ずるい!」
「僕が先!カラ松はキス終了者ゾーンに行けよ!」
「フッ、無理な相談だな。ななし」
『ん、っふ…』
おそ松、チョロ松を完全に無視しななしにキスをするカラ松。優しかった兄はどこえやら、猛獣のように激しいキスを繰り出す。
どんどん力が入り最終的にはななしを押し倒したカラ松。
ぷはっと、キスをやめ今1度ななしをみつめる。
「フッ。なかなかっ、煽ってくれるなななし」
『…はぁ、か、カラ松兄さん』
「今夜はねかせゴファ!?」
「クソ松死ね」
「ないよねー、ガチ興奮してるし。獣かよ!」
「ないす十四松!」
「あざーす!」
カラ松の暴走は十四松が看板を投げつけ終了した。頭から血を流すカラ松を廊下に投げ捨てた一松はピシャリと襖をしめた。
「、ななし」
『…チョロ松兄さん?息荒い、苦しいの?』
「いや、これは、」
「チェリーちゃんは興奮してんの」
「黙れ!こ、興奮してる訳!」
「じゃ、なにそれ」
「え」
『……?』
「っと、トイレ!!」
「チョロ松兄さんないわー」
「ドンマイっす!」
「やっぱ童貞だよね」
「いや、皆童貞だからね!?」
結局諸事情によりトイレに駆け込んでしまったチョロ松。これもまた強制キス終了者ゾーン行きだ。
まってました!とおそ松はななしに向き直り優しく笑んで見せた。
「ななしー!可愛い可愛い俺のななし」
『……おそ松兄さん?』
「俺が一番愛のこもったキスしてやるからね!」
流れてきた髪を耳にかけてやればくすぐったそうに身を縮こまらせるななし。
ゾクゾク来る何かを抑えておそ松はななしに今出来る最大限の優しいキスをした。
「おそ松兄さん狡い!なんで髪かけるとかしてんの!そんなん、卑怯だし!」
「キスもできなかったチェリー松二号には言われたくないし」
「チェリー松二号!!?」
「トッティ、チェリー松二号!」
「良かったね、チェリー松二号」
「違うからやめてくんない!?あ、おそ松兄さんまだキスしてるし!」
「次は僕だよ!ね?ななし」
「僕でしょ、」
「いやいや、まだ終わってないからね」
「いや!僕だから!」
「あ、チェリー松一号!何すっきりした顔して現れてんだよ!!」
「まさか!チェリー松兄さん!トイレで」
「シコ松マッスルマッスル!」
「引くわー」
「十四松!?い、いや、してないから!」
「ま、マイブラザー、「お前は死んでろクソ松」ぐふっ」
次は俺、僕!のやり取りが永遠繰り返される中。布団で丸くなり眠りについているのはななしだ。
その幸せそうな寝顔にも気づかずに兄達は朝まで喧嘩していた。
実は、
(飲むと忘れてしまうんです)