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落ち着けトド松。
今日という日の為にどれだけ頑張ってきたと思ってるんだ。だから、安心しろ。落ち着け。万に一つも失敗なんてありえない。イメトレもしたし、馬鹿な兄さん達をみっちり(無意味だったかも…)観察もした。
いろんなサイトをたくさん巡ったし、君のために服も新調した。
だから大丈夫。
『あ、トド松さん!』
「ななし!」
いた。僕の可愛い可愛いななし。ふんわりしてて柔らかくて甘い匂い。女の子みたいに可愛くて、あーもう!可愛い!
抱きしめたい衝動にかられたけど、踏みとどまる。いつもは合えばすぐに抱きしめて堪能するけど今日はいつもとは違う。今日の僕は大人でカッコよくてななしをエスコート出来る様なそんな、男になるんだ!
『あの、』
「へ、えぁ!ど、どうしたの!?」
『いや、トド松さん。なんだかいつもと違うような気がして…』
「そう?いつもと変わらないよ。ほら行こ」
『は、はい!』
っぶねぇ!!初っ端から危なっ!
でもうまく、誤魔化せた。
クリスマス最強デートプランも立てた。ななしをあっと言わせるぞ!
トド松は自分に喝を入れる。
鼻息荒くするトド松を見つめるななしはどことなく不安そうだ。
クリスマスと言うことで街は賑わい人が溢れかえっている。
はぐれないようにななしと手をつなぐ。はっとしてななしはトド松をみたが、彼はにっこり笑って大丈夫という。
「人が沢山いるし、大丈夫」
『そ、ですね』
どことなくいつもより強引なような気がしてななしは顔を赤らめた。いつものトド松はキラキラしていて柔らかい表情だ。しかし今はどうだろう。キリッとした表情はあまりみない。
握った手が一気に湿り気を帯びた気がする。トド松なのに、何故か緊張する。
「ななし、コレ観よ!」
『あ、コレ…恋人と観たい映画ナンバーワンのやつ!』
「僕、ななしと観たいって思ったんだ」
『っ、僕も観たいです』
「じゃ。観よっか」
『はいっ!』
にっこり嬉しいそうに笑ったななし。トド松はキュウンと胸が締め付けられる。どうしてこんなに可愛いいの!?あー、抱きしめて撫で回したい!トド松は内心でのたうち回る。悟られまいと平常心で笑うも、変な欲望を抑えるためにいつの間にか握っていた手に力が入ってしまったらしい。ななしが痛いと小さくつぶやいた声が聞こえた。
「あ、ごめん!大丈夫!?痛かったよね(僕の馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿っ!)」
『へ、平気です』
咄嗟に手を離してななしの肩をつかむ。大丈夫とへにゃり笑うななしはやはり天使のような可愛いさだ。
その後、映画館に入りチケットを買って小腹を満たすためにポップコーン購入。最中小銭をばらまく。チケットがないと騒いだ挙句にトレイのポップコーンの下にあった。席を間違える。映画鑑賞中手を握ろうと手を伸ばし、掴んだのは知らないおばさんの手。
ななしに格好つけようと必死なトド松は案の定ミスの連発。映画館館内では既に五つほどミスした。ここだけの話映画はひとつも覚えていない。
これじゃあ、ダメだ。
挽回する為に事前に調べていた美味しいレストランにいくことにした。
「ここね、レストラン!口コミすごいんだ!」
『うわぁ、パスタ美味しそうですね』
「そうなんだよね!早速行、うわぁっ!」
『と、トド松さん!』
スマホに夢中だったトド松。不注意により片足を水たまりに投入。
「ぎゃあぁああ!お気に入りのパンツ!」と叫ぶトド松。既に格好は付いていないが、それでも諦めずに焦りを振り払いななしに「大丈夫だよ、これくらい!」と言うトド松。しかしななしはぶんぶん首を降る。
『風邪、引いちゃいますって…』
「…だよね」
『僕ん家近いから行きましょう!』
レストランは今度にしましょうと言うななしにひかれてトド松は項垂れて歩く。
ななしの家についてパンツを脱いでと急かされ今パン一状態のトド松。なに、大人の余裕って。カッコイイってなに?男らしいって日本語?
なんだかやるせなさに覆い尽くされたトド松は机に突っ伏した。
『トド松さん?体冷えてないですか?ココア飲んで下さい』
「コーヒー」
『え?』
「ブラックコーヒー!」
『ぶ、ブラックですか?』
「何その眼差し!のむから!早く」
『…トド松さん、なんか変ですよ』
「ッ、」
気づいたらななしに当たっていた。気まずそうに目を伏せるななしに胸が締め付けられた。
ななしがそんな顔しないでよ。僕が悪いんだから。
本当はもっと#name名前#に見合っていてリード出来るようになりたいのにうまくいかない。それが腹立たしい。
しかしそのせいでななしを傷つけていては意味が無い。
「ななし、僕いつもあんなだけどさ…」
『僕は、いつものトド松さんが大好きです!』
「え?」
『いつも優しくてフワフワしていて、僕にとっては格好良くて!だから僕いつものトド松さん、がいいです』
「ほ、本当に?」
『はい。素敵ですよ!わっぷ!!』
迷うことなく今度は抱きしめる。やっぱり暖かくて、柔らかい。
堪能するように頭をなで回す。
ぎゅぅっと暫く抱きついていたらななしは笑った。『やっぱ、これがいいです。いつも、抱きしめて欲しいです』そう言ったななしはなんとなく、涙目だったように思う。
「あーあ、パンツ今日中に乾かないよねぇ!」
『どうします?』
「そんなの決まってるでしょ?泊まってくよ!一緒に寝ようねななし」
『はい!』
これがやっぱりしょうにあってるんだよ。トド松はにっこり笑った。
end