おそ松さ/ん
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別に毎日なにかすることも無いし、ブラブラ歩くだけ。たまに猫を追いかけてみたりもするけど、ただ追いかけるだけ。捕まえて飼おうとか…モフモフしようとか思ってない。
けど、毎日歩いていると自然と向かう場所がある。
それは道路脇にたつ洋風なでかい家の通り。ついたら立ち止まってある場所を見る。
二階の窓。そこにはいつも灰の色の猫と窓枠に座り読者をする男がいる。
エスパーニャンコはあの猫が気に入ってるのかこの家の前に行くといつもよりひくい鳴き声でニャーとなく。
毎日毎日、暇さえあればそこを通った。そうすればエスパーニャンコも自然とそこが縄張りみたいになってた。
いつの日か窓の男が僕に気づいた。灰の色の猫の手を後ろからつかみゆっくり手を振るみたいに揺らしてた。
そして最後男はにっこり笑って自らで手を振る。
僕は振り返さないけどエスパーニャンコは嬉しそうに飛び跳ねてた。
それが"自然と"から"日課"に変わるのはそう遅くなかった。男や灰の色の猫をその日見ないとどこか胸がざわつく。寂しいからとかじゃなくて日課だから忘れてはならない一日の行事みたいなもの。だから決して気になるとか話してみたいとかじゃない。断じて違う。
それが2ヶ月も続けば男は窓から顔を出すようになった。一方的に喋ってる。『調子はどう?』とか『天気いいね』『その猫ちゃん元気だね』『明日も来る?』とか。僕自身に踏み込んでくるような質問はしないからうんとか別にとか返事をしてそれで終わり。
そんな当たり障り無い不思議な日課を続けること4ヶ月。
男と灰の色の猫は忽然と姿を消した。正確には多分引っ越した。家の済に売り家とかかれていたから。
僕はおどろきはしなった。だってべつに知り合いどころかただの顔見知り程度の関係だったから。それ以上でもないし以下でもない。
どうせ、その程度レベルの人間なんだからそんな名前のない関係を続けている意味もないだろう。それを知らせもなく止めたからと言って裏切りだとかにはならない、だって裏切りだとか言えるまでも関わってなかったから。
だから別にどうということはない。仲間なんて友人なんてやっぱり邪魔なんだなと改めて感じただけ。
だけなのに、
「……………」
やっぱり胸がざわつく。
日課になったそれを、止めるのは難しい。エスパーニャンコも同じみたい。
僕が散歩をすればあの家に行くならついてく!みたいに後ろをついてくる。
別に男と灰の色の猫を探してるわけじゃないけど日課になってしまってる以上避けてはいけない。
何度もいうけど決して探してるわけじ ゃない。
「……調子はまぁ、悪くないよ」
男との会話を思い出す。
「…………今日の天気は雨」
僕は男に二言以上はしゃべったことない。
「…………エスパーニャンコはいつでも元気だし」
ニャーと、あの声で鳴くエスパーニャンコ。
「…………いつならいる訳?」
ザッと雨脚がつよくなる。
僕みたいにぶっきらぼうな返事が帰ってくるはずもなくて。結局何時間待っても男は窓から顔を出してくれなかった。
もう体が寒い早くかえろう。エスパーニャンコを抱えて家に向かう。
何時間待ったって結局変わらない。人間は所詮人間。僕も猫だったらよかった。
そんなふうに思う。
「…猫、ね」
「ニャー」
「ニャー!」
『ちょっと!』
「………?」
エスパーニャンコの鳴き声に返事をした猫の声。次に聞こえたのは男の声。
灰の色の猫はカッパを着て毛が隠れてしまっているけど紛れもなくあの猫だ。エスパーニャンコは僕の腕からすり抜けて灰の色の猫の元に走る。鼻を触れ合わせて喜びあっていた。
男はいきがあがっているみたい。傘を指してるのに肩とかびしょびしょ。何の役にもたってない傘を僕に差し出す。急に頭上の雨がなくなって変な感じ。
「…なに?」
『君を探してた』
「…なんで?」
『なんでって、えと…』
「…」
『もうちょっと近くで、話してみたかったから、かな?』
「…ふーん。で、どこ引越したの?」
『えと、探偵事務所の近く』
「町内?」
『うん。すぐ近く』
「………、」
『うん?』
「…近くに木造の小さな家あるでしょ?」
『あ!二件隣にあるよ?』
「…へぇ」
もしかしてもしかするかもしれない。僕の家の二件隣に引越してきた、らしい。
散歩のついでに回らなくてもよくなったみたい。
なぜだかちょっとだけ口角が上がる。別に嬉しいわけじゃないのに。
『あの、また来てくれる?』
「…、窓から話すわけ?」
『話せるだけで充分だけど、よかったら次はインターフォン押してよ?その猫ちゃんもつれて』
「……まぁ、別にいいけど」
新しい日課ができた。
明日からまた散歩コース変えなくちゃいけない。
end
atgk
エスパーニャンコって名前あるのかな?エスパーニャンコって名前でいいかな?←
続くかもしれません!
けど、毎日歩いていると自然と向かう場所がある。
それは道路脇にたつ洋風なでかい家の通り。ついたら立ち止まってある場所を見る。
二階の窓。そこにはいつも灰の色の猫と窓枠に座り読者をする男がいる。
エスパーニャンコはあの猫が気に入ってるのかこの家の前に行くといつもよりひくい鳴き声でニャーとなく。
毎日毎日、暇さえあればそこを通った。そうすればエスパーニャンコも自然とそこが縄張りみたいになってた。
いつの日か窓の男が僕に気づいた。灰の色の猫の手を後ろからつかみゆっくり手を振るみたいに揺らしてた。
そして最後男はにっこり笑って自らで手を振る。
僕は振り返さないけどエスパーニャンコは嬉しそうに飛び跳ねてた。
それが"自然と"から"日課"に変わるのはそう遅くなかった。男や灰の色の猫をその日見ないとどこか胸がざわつく。寂しいからとかじゃなくて日課だから忘れてはならない一日の行事みたいなもの。だから決して気になるとか話してみたいとかじゃない。断じて違う。
それが2ヶ月も続けば男は窓から顔を出すようになった。一方的に喋ってる。『調子はどう?』とか『天気いいね』『その猫ちゃん元気だね』『明日も来る?』とか。僕自身に踏み込んでくるような質問はしないからうんとか別にとか返事をしてそれで終わり。
そんな当たり障り無い不思議な日課を続けること4ヶ月。
男と灰の色の猫は忽然と姿を消した。正確には多分引っ越した。家の済に売り家とかかれていたから。
僕はおどろきはしなった。だってべつに知り合いどころかただの顔見知り程度の関係だったから。それ以上でもないし以下でもない。
どうせ、その程度レベルの人間なんだからそんな名前のない関係を続けている意味もないだろう。それを知らせもなく止めたからと言って裏切りだとかにはならない、だって裏切りだとか言えるまでも関わってなかったから。
だから別にどうということはない。仲間なんて友人なんてやっぱり邪魔なんだなと改めて感じただけ。
だけなのに、
「……………」
やっぱり胸がざわつく。
日課になったそれを、止めるのは難しい。エスパーニャンコも同じみたい。
僕が散歩をすればあの家に行くならついてく!みたいに後ろをついてくる。
別に男と灰の色の猫を探してるわけじゃないけど日課になってしまってる以上避けてはいけない。
何度もいうけど決して探してるわけじ ゃない。
「……調子はまぁ、悪くないよ」
男との会話を思い出す。
「…………今日の天気は雨」
僕は男に二言以上はしゃべったことない。
「…………エスパーニャンコはいつでも元気だし」
ニャーと、あの声で鳴くエスパーニャンコ。
「…………いつならいる訳?」
ザッと雨脚がつよくなる。
僕みたいにぶっきらぼうな返事が帰ってくるはずもなくて。結局何時間待っても男は窓から顔を出してくれなかった。
もう体が寒い早くかえろう。エスパーニャンコを抱えて家に向かう。
何時間待ったって結局変わらない。人間は所詮人間。僕も猫だったらよかった。
そんなふうに思う。
「…猫、ね」
「ニャー」
「ニャー!」
『ちょっと!』
「………?」
エスパーニャンコの鳴き声に返事をした猫の声。次に聞こえたのは男の声。
灰の色の猫はカッパを着て毛が隠れてしまっているけど紛れもなくあの猫だ。エスパーニャンコは僕の腕からすり抜けて灰の色の猫の元に走る。鼻を触れ合わせて喜びあっていた。
男はいきがあがっているみたい。傘を指してるのに肩とかびしょびしょ。何の役にもたってない傘を僕に差し出す。急に頭上の雨がなくなって変な感じ。
「…なに?」
『君を探してた』
「…なんで?」
『なんでって、えと…』
「…」
『もうちょっと近くで、話してみたかったから、かな?』
「…ふーん。で、どこ引越したの?」
『えと、探偵事務所の近く』
「町内?」
『うん。すぐ近く』
「………、」
『うん?』
「…近くに木造の小さな家あるでしょ?」
『あ!二件隣にあるよ?』
「…へぇ」
もしかしてもしかするかもしれない。僕の家の二件隣に引越してきた、らしい。
散歩のついでに回らなくてもよくなったみたい。
なぜだかちょっとだけ口角が上がる。別に嬉しいわけじゃないのに。
『あの、また来てくれる?』
「…、窓から話すわけ?」
『話せるだけで充分だけど、よかったら次はインターフォン押してよ?その猫ちゃんもつれて』
「……まぁ、別にいいけど」
新しい日課ができた。
明日からまた散歩コース変えなくちゃいけない。
end
atgk
エスパーニャンコって名前あるのかな?エスパーニャンコって名前でいいかな?←
続くかもしれません!