嫌いかもしれない
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『……んはぁ…疲れた』
後ろから「お疲れ様」と叫んだ店長に一礼しななしは肩にかついでいたカバンを持ち上げる。
まだ頭上には日が照っている。
今日からバイトに復帰したななし。久々のバイトだった為か店長は気を聞かせてななしのシフト時間を朝から昼までに変えてくれたのだ。そのため珍しくバイトを終えた後も空が明るい。
なんだか違和感を感じつつも昼からゆっくりできるという事実にななしは口元をゆるめた。
足取り早く家に向かう中ふと、あることを思い出した。
『……ケーキ食べたいかも』
そう。おそ松と行く予定だった駅前のケーキ屋。ここからそう遠くはない。それに今日は午後からの予定もない。
そう思ったらケーキを食べたくてしかなくなるななしは家とは逆の駅前のケーキ屋に向かう。
少しだけ人通りが激しくなる中なんとかケーキ屋につく。とても可愛らしい雰囲気のケーキ屋だ。お客もそれなりに多く、美味いというだけあって流行っているらしい。
店員が忙しなくケーキを持って右往左往している。
流石に女性ばかりのケーキ屋にななしが1人で入っていくのは躊躇われた。ここまで来たのに収穫ぜろだというのはなかなか寂しいものがある。帰るに帰れない状況になってしまったななしは、ケーキ屋の前を行ったりきたりする。傍から見たら不審者間違いない。
しかしいざ入るとなるとそれも気はずかしいものがある。
優柔不断に悩んでいれば肩をポンと叩かれた。
『……?あ、トト子ちゃん』
「やっぱりななしくんだ!」
『……何してるの?』
「ななしくんこそ。私はここでケーキを買いに来たの」
『!と、トト子ちゃんも?』
「ななしくんも?」
肩を叩いたのは幼馴染の弱井トト子だったらしい。
可愛らしいサイフ片手にニコニコとしている。どうやらななしと同じケーキ屋が目当てらしく「一緒に入ろう」と腕をひかれた。
1人ではいるにはなかなか勇気がいるがトト子と一緒ならなんとか大丈夫そうだ。
中に入ればふんわり甘い香りが広がっていた。次いでいらっしゃいませと店員の声があがる。
トト子は目の前のケーキにはしゃぎ回っているみたいで。
ななしもショーケースに入っている小さく綺麗なケーキを一つ一つみていく。
「ななしくんはなにをかうの?」
『……トト子ちゃんは?』
「私はこれ!」
『……シュークリーム?』
「そう!知らないのななしくん。ここシュークリーム有名なのよ?」
『……そうなんだ』
「そうそう。はい、これ」
『え、あ…七つも…』
「だって、あのお兄ちゃん達の分も買うんでしょ?ならいいじゃない」
『…………』
「あと、これ」
『……な、何?』
「これはトト子の!」
『……俺が買うの?』
「私知ってるのよ?どうせ私がいなかったら入れなかったでしょう?だから見返り。私みたいな美少女が頼んでるんだから、ね!」
『……ごもっとも、かごのヤツ俺のに入れて…』
「本当に?」
『…冗談だったの?』
「フフフ!やっぱりななしくんはしっかりしてるわね」
トト子のカゴの中身のシュークリームと持ってきてくれたシュークリームと合わせて会計に出す。財布が一気に軽くなった気がしてため息ばかりが出るが隣の幼馴染が心底楽しそうにしているのを見るとそんな気持ちも飛んでいく。
袋は一つなため何故かトト子を家に送っていくという結果になる。念を押すようにトト子が「しないの?」と聞くものだからそうせざるを得ない。
もう、どうにでもなればいいとななしはトト子宅に向かう。
最中昔話をしながらゆったりと歩いた。
「ななしくんは昔からおそ松くん達に甘いわよね」
『……そんな訳ないし』
「フフフ、甘い甘い」
『…………』
「今日も結局シュークリーム買っちゃったしね」
『………トト子ちゃんのも買ったし』
「そう、ななしくんは優しい」
『……優しくなんかないよ、器量の狭い末弟だよ』
「あー!もう!なんでななしくんは他の六人とは全然違うのかなぁ」
『……さぁ。あ、ほらトト子ちゃん家ついたよ』
「送ってくれてありがとう。私久々にななしくんと、デート出来て楽しかったわ」
『……デートじゃないよ』
「またね!シュークリームありがとうね」
『うん』
バイバイとお互い手を振りあって別れる。
トト子が家に入っていくのを見届けななしは歩き始めた。
なんとなく昔を思い出しながら今度こそ帰路に立つななしは携帯を見る。
着信が3件。LINEが18件。
全部トド松からだ。
何事だ!ななしは痛くなりつつある頭を、抑えながらトド松に電話を、かけ直す。2コール目で出たトド松の声はなんだかやつれていたように思う。
どうしたのか問えばおそ松が騒いでいると。ななしがなかなか、帰ってこないため家で騒いでいるから早く帰ってこいとのこと。
そんな風に必死にトド松から頼まれてしまえば断ることも出来ない。
なぜ騒いでいるかは分からないがおそ松を宥めるべくななしは走った。
『、た、ただいま!』
「ななしー!!!!」
『うわっ、な、なに、おそ松兄さん!』
急いで玄関をあければ待っていたらしいおそ松に抱きしめられた。いきなりの事によろめくが腰に回ったおそ松の手がちゃんと抱き留めてくれたようで転びはしなかった。
後からやってきた兄達のげんなりした顔にななしは首をかしげるばかり。
「や、やっと帰ってきたし!」
「ななし大丈夫だった?」
『……だ、大丈夫だけと、おそ松兄さんどしたの?』
「昨日からプリプリ怒ってたから愛想つかされたんじゃないかって騒いでるの」
「ジメジメ兄さん!キノコ栽培中だよー!」
「まぁ、おそ松兄さんの、自業自得だけどヒヒっ」
「そうだよ。寝坊なんかするから愛想つかされるんだぞ」
『はいはい、わかったから。茶の間行こうよ』
「ななし~?ごめん!だから嫌いならないで」
『……何言ってるのさ。はやく茶の間でこれ食べよ』
「なにそれぇ!?」
『シュークリーム。みんなの分買ってきたから。おそ松兄さんも一緒に食べよう?ね?』
「ま。ままじか!?俺嫌われてない!?」
「まだ、きくの!?」
『……好き好き、ほら玄関寒いから入ってい』
どうやら昨日の事でななしに嫌われたと思っているらしいおそ松はななしに抱きついて離れない。若干涙目なきがするが彼は気にせず張り付いたおそ松ごと廊下を歩く。
シュークリームだとはしゃぐ十四松を、尻目に
ななしはこたつに潜り込む。
後ろからピタリとおそ松もこたつにはいる。
傍らシュークリームに兄達が群がる。
『……別に怒ってないから、離れて』
「やだね。くっつきたいもん!」
『もんて……。シュークリームいらないの?』
「いるわ!」
『……おそ松兄さん。また今度連れてって?その時は早寝しなよ、ね?』
「!ななし…お前可愛いなぁー!!好きだー!!」
「おそ松兄さんうるさい!」
「なんだよチョロ松!」
「まぁた始まったよ。喧嘩」
『……他所でやって』
「だいたいおそ松兄さんはななしに引っ付きすぎなんだよ!離れろよ!」
「やだね!!チェリー松は黙ってろよ」
「だ、誰がチェリー松だ!お前もチェリー松だろ!」
『……もぅ、』
背中でおそ松が叫ぶ度かすかな振動が伝わる。呆れつつもななしは買ったばかりのシュークリームに手を伸ばす。
風をあけて一口。
『甘い…』
「美味しいね!ななし!」
『……うん、また買ってくるね!』
「ありがとうななし」
「フッ、ななし今度は俺も行く。何があるか見てみたい」
『……一緒にいこう!カラ松兄さん!』
「また買ってきて」
『はーい』
怒号飛び交う中2口目を食べる。
やっぱり甘くてとても美味しかった。
ケーキと、怒号
(日常茶飯事)
後ろから「お疲れ様」と叫んだ店長に一礼しななしは肩にかついでいたカバンを持ち上げる。
まだ頭上には日が照っている。
今日からバイトに復帰したななし。久々のバイトだった為か店長は気を聞かせてななしのシフト時間を朝から昼までに変えてくれたのだ。そのため珍しくバイトを終えた後も空が明るい。
なんだか違和感を感じつつも昼からゆっくりできるという事実にななしは口元をゆるめた。
足取り早く家に向かう中ふと、あることを思い出した。
『……ケーキ食べたいかも』
そう。おそ松と行く予定だった駅前のケーキ屋。ここからそう遠くはない。それに今日は午後からの予定もない。
そう思ったらケーキを食べたくてしかなくなるななしは家とは逆の駅前のケーキ屋に向かう。
少しだけ人通りが激しくなる中なんとかケーキ屋につく。とても可愛らしい雰囲気のケーキ屋だ。お客もそれなりに多く、美味いというだけあって流行っているらしい。
店員が忙しなくケーキを持って右往左往している。
流石に女性ばかりのケーキ屋にななしが1人で入っていくのは躊躇われた。ここまで来たのに収穫ぜろだというのはなかなか寂しいものがある。帰るに帰れない状況になってしまったななしは、ケーキ屋の前を行ったりきたりする。傍から見たら不審者間違いない。
しかしいざ入るとなるとそれも気はずかしいものがある。
優柔不断に悩んでいれば肩をポンと叩かれた。
『……?あ、トト子ちゃん』
「やっぱりななしくんだ!」
『……何してるの?』
「ななしくんこそ。私はここでケーキを買いに来たの」
『!と、トト子ちゃんも?』
「ななしくんも?」
肩を叩いたのは幼馴染の弱井トト子だったらしい。
可愛らしいサイフ片手にニコニコとしている。どうやらななしと同じケーキ屋が目当てらしく「一緒に入ろう」と腕をひかれた。
1人ではいるにはなかなか勇気がいるがトト子と一緒ならなんとか大丈夫そうだ。
中に入ればふんわり甘い香りが広がっていた。次いでいらっしゃいませと店員の声があがる。
トト子は目の前のケーキにはしゃぎ回っているみたいで。
ななしもショーケースに入っている小さく綺麗なケーキを一つ一つみていく。
「ななしくんはなにをかうの?」
『……トト子ちゃんは?』
「私はこれ!」
『……シュークリーム?』
「そう!知らないのななしくん。ここシュークリーム有名なのよ?」
『……そうなんだ』
「そうそう。はい、これ」
『え、あ…七つも…』
「だって、あのお兄ちゃん達の分も買うんでしょ?ならいいじゃない」
『…………』
「あと、これ」
『……な、何?』
「これはトト子の!」
『……俺が買うの?』
「私知ってるのよ?どうせ私がいなかったら入れなかったでしょう?だから見返り。私みたいな美少女が頼んでるんだから、ね!」
『……ごもっとも、かごのヤツ俺のに入れて…』
「本当に?」
『…冗談だったの?』
「フフフ!やっぱりななしくんはしっかりしてるわね」
トト子のカゴの中身のシュークリームと持ってきてくれたシュークリームと合わせて会計に出す。財布が一気に軽くなった気がしてため息ばかりが出るが隣の幼馴染が心底楽しそうにしているのを見るとそんな気持ちも飛んでいく。
袋は一つなため何故かトト子を家に送っていくという結果になる。念を押すようにトト子が「しないの?」と聞くものだからそうせざるを得ない。
もう、どうにでもなればいいとななしはトト子宅に向かう。
最中昔話をしながらゆったりと歩いた。
「ななしくんは昔からおそ松くん達に甘いわよね」
『……そんな訳ないし』
「フフフ、甘い甘い」
『…………』
「今日も結局シュークリーム買っちゃったしね」
『………トト子ちゃんのも買ったし』
「そう、ななしくんは優しい」
『……優しくなんかないよ、器量の狭い末弟だよ』
「あー!もう!なんでななしくんは他の六人とは全然違うのかなぁ」
『……さぁ。あ、ほらトト子ちゃん家ついたよ』
「送ってくれてありがとう。私久々にななしくんと、デート出来て楽しかったわ」
『……デートじゃないよ』
「またね!シュークリームありがとうね」
『うん』
バイバイとお互い手を振りあって別れる。
トト子が家に入っていくのを見届けななしは歩き始めた。
なんとなく昔を思い出しながら今度こそ帰路に立つななしは携帯を見る。
着信が3件。LINEが18件。
全部トド松からだ。
何事だ!ななしは痛くなりつつある頭を、抑えながらトド松に電話を、かけ直す。2コール目で出たトド松の声はなんだかやつれていたように思う。
どうしたのか問えばおそ松が騒いでいると。ななしがなかなか、帰ってこないため家で騒いでいるから早く帰ってこいとのこと。
そんな風に必死にトド松から頼まれてしまえば断ることも出来ない。
なぜ騒いでいるかは分からないがおそ松を宥めるべくななしは走った。
『、た、ただいま!』
「ななしー!!!!」
『うわっ、な、なに、おそ松兄さん!』
急いで玄関をあければ待っていたらしいおそ松に抱きしめられた。いきなりの事によろめくが腰に回ったおそ松の手がちゃんと抱き留めてくれたようで転びはしなかった。
後からやってきた兄達のげんなりした顔にななしは首をかしげるばかり。
「や、やっと帰ってきたし!」
「ななし大丈夫だった?」
『……だ、大丈夫だけと、おそ松兄さんどしたの?』
「昨日からプリプリ怒ってたから愛想つかされたんじゃないかって騒いでるの」
「ジメジメ兄さん!キノコ栽培中だよー!」
「まぁ、おそ松兄さんの、自業自得だけどヒヒっ」
「そうだよ。寝坊なんかするから愛想つかされるんだぞ」
『はいはい、わかったから。茶の間行こうよ』
「ななし~?ごめん!だから嫌いならないで」
『……何言ってるのさ。はやく茶の間でこれ食べよ』
「なにそれぇ!?」
『シュークリーム。みんなの分買ってきたから。おそ松兄さんも一緒に食べよう?ね?』
「ま。ままじか!?俺嫌われてない!?」
「まだ、きくの!?」
『……好き好き、ほら玄関寒いから入ってい』
どうやら昨日の事でななしに嫌われたと思っているらしいおそ松はななしに抱きついて離れない。若干涙目なきがするが彼は気にせず張り付いたおそ松ごと廊下を歩く。
シュークリームだとはしゃぐ十四松を、尻目に
ななしはこたつに潜り込む。
後ろからピタリとおそ松もこたつにはいる。
傍らシュークリームに兄達が群がる。
『……別に怒ってないから、離れて』
「やだね。くっつきたいもん!」
『もんて……。シュークリームいらないの?』
「いるわ!」
『……おそ松兄さん。また今度連れてって?その時は早寝しなよ、ね?』
「!ななし…お前可愛いなぁー!!好きだー!!」
「おそ松兄さんうるさい!」
「なんだよチョロ松!」
「まぁた始まったよ。喧嘩」
『……他所でやって』
「だいたいおそ松兄さんはななしに引っ付きすぎなんだよ!離れろよ!」
「やだね!!チェリー松は黙ってろよ」
「だ、誰がチェリー松だ!お前もチェリー松だろ!」
『……もぅ、』
背中でおそ松が叫ぶ度かすかな振動が伝わる。呆れつつもななしは買ったばかりのシュークリームに手を伸ばす。
風をあけて一口。
『甘い…』
「美味しいね!ななし!」
『……うん、また買ってくるね!』
「ありがとうななし」
「フッ、ななし今度は俺も行く。何があるか見てみたい」
『……一緒にいこう!カラ松兄さん!』
「また買ってきて」
『はーい』
怒号飛び交う中2口目を食べる。
やっぱり甘くてとても美味しかった。
ケーキと、怒号
(日常茶飯事)