嫌いかもしれない
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※6話ネタバレ
『……ん、ん?』
ななしは目を覚ましあたりを見渡す。いつもなら、ドタバタとうるさい兄弟にたたき起こされるのだがそれがないのだ。
風邪も完治したななし。しかしチョロ松がバイトの店長に何かを言ったらしく四日の休みが彼にあたえられていた。今日はその二日目である。
『ん、誰もいないし…』
ななしを心配し起こさなかったのはだいたい分かるが起きて誰もいないとそれはそれで寂しい。いつもより数段ボサボサの頭をかきながらななしはふと気づく。己の携帯がチカチカ緑に点滅している。あれはラインの知らせである。
手に取りそそくさラインをみるとトド松から「ハタ坊のお誕生日会にお呼ばれしたからななしも起きたら来なよ!」と書かれた後、住所の書かれたラインも来ていた。
ハタ坊とはいわゆる昔からの知り合い。幼なじみとはまた違うのだが、友人であることは確かだ。
ななしは立ち上がって急いでジャケットを探し出したのだった。
「ようこそ。ミスターフラッグがお待ちです」
『……ぇ、あ、はい。あ、あのこれ、安いただの花束ですけど』
「お心遣い感謝いたします。さぁ、こちらです」
うわぁ、でかい建物だなと心内でもらす。首が痛くなるほどのでかさに驚いたのもつかの間、手を引いて歩き出す執事の頭には旗がはえている。それが目に入ればそればっかりが気になってしまい、道中執事が話していたことなど耳には入っていなかった。
「こちらです」と招かれた部屋はかにり広く真ん中にこじんまり豪勢なソファが2つと机が1つあるだけ。独特な彫像や絵画が部屋の何とも言えない雰囲気を醸し出している。
そう言えば兄達は先に来ていたらしいがどこにいるのだろうか。
キョロキョロあたりを見渡しながら考えていれば正面の扉が開いた。
「おまたせしやしたー!!」
「おまたせしやした」
「おまたせいたしました」
『え。あ、?ぇ?』
中に入ってきたのはなんと燕尾服の十四松と一松とトド松。なのだが、3人は頭から生やすはずの旗を尻からは生やしている。
あまりの衝撃に我が目を疑うななし。十四松はともかく一松とトド松までもが尻から旗をはやしているのだ。というか、なぜ生やしているんだろうか。尋常ではない。しかもかなり歩きにくそうだ。
ガシャンと置かれたカップとカタンと置かれたケーキ。そしてチョロチョロ注がれる紅茶。ななしにはそれを口にする勇気は持ち合わせていなかった。
『……あ、お、俺まだ風邪っぽいしかえるっ』
「まぁ、まちなって」
「まちなまちな!」
「待なよ」
『……てか、なんで旗が…』
「フッ、ななし。ミスターフラッグはまさにゴッド」
『は?』
「俺達は生まれ変わったんだ!ミスターフラッグ万歳」
『、え、』
「僕達はミスターフラッグのために生きていくよ」
『……ふーん。ま、いいや。巻き込まないで』
どこからともなく現れた兄だがななしはお構い無しに元きた道を帰ろうと腰を上げた。が、これまた尻から旗をはやしたチョロ松とカラ松そしておそ松に阻止される。
というか、そんなものを生やしながらなぜ機敏に動くことができるんだ。何を言ったって今の彼らには伝わりっこない。ハタ坊には悪いが帰らせてもらおう。
『……に、兄さん俺「あ!ななしだじょー!」は、ハタ坊!!』
「花束ありがとうだじょー!」
『、あ、い、いや。誕生日おめでとう。俺急用があってすぐ帰らなきゃならないんだ…あ、うん……』
「えー!もう帰るのかじょー?まぁ、仕方ないじょー!」
天使かハタ坊!今の状況で唯一救いの手だ。こんな兄達に囲まれながらケーキなど食べられるはずないし、なんだかこのままでは危ない気がするのだ。何がなど言わなくともわかるであろうが、一応言うなれば貞操の危機。
だってあれは生えているというか刺さっている。
『……い、ぁう、えと……うん。また来るよ!1人で!』
「また来てくれるのかじょー?嬉しいじょー!!」
パタパタ走り回るハタ坊に顔が緩む。しかし背中にひしひし伝わる嫌な視線は消えない。
七つ子のななしには分かるのだ。
"ななしも同じ目に遭わなきゃ、フェアじゃない"
七つ子の末弟は甘やかせれ、過保護にされる。そんなことばかりではなく。七つ子であるならば同じ運命をたどらなければならないと言う謎のルールのようなものがあって。たとえそれが寵愛を受けるななしであったとしても、揺るがない。むしろそう言う時の兄達はかなりしつこい。
どうしたらいいのだろうか。
スキあらば尻にあの旗を刺されてしまいそうだが。
「ななしちゃ~ん。兄ちゃん残して帰らないよねぇ?ねぇ?」
『……お、おそ松兄さん…俺そんな趣味ないから…』
「お前、ミスターフラッグを馬鹿にしてんなぁ?」
『……し、してないよー』
「なら、ななしもここで働こう?ねぇ?」
『……俺働いてるから…』
「ななしここで働かくのかじょー!?」
『え!?』
「働く働く!よし、ミスターフラッグ尻用の旗を!!」
『いや、まって!?』
「分かったじょー!!」
『ちょ、っ!』
悲しきかな十四松とかけて行った唯一の救いの手。再び帰ってきた時には皆の尻に刺さるのと同じ旗が抱えられていた。
終わった。
「ななしちゃん?俺達運命共同体だもんね」
「さぁ、マイブラザー。ズボンを脱げ」
「心は痛むけど、皆で同じ場所で働けるのは理想的だよね」
「ななしだけ逃げるとか無いよね?」
「大丈夫大丈夫!!」
「ふふ、ななしならできるよ」
『……な、何か。みんな目が死んでるから』
「さぁ、尻を出すじょ!」
『ば、止めて止めて!!』
「観念した方が見のためだぞななし」
『、か、カラ松兄さん…止めてっ?』
「ッ、」
「負けるなカラ松兄さん!」
「ななしの目を見るな!無慈悲になれ!」
『…言い聞かさないと、無理ならやめちゃっていいからっ!』
「止めるわけないし、僕だけとかありえない。十四松やっちゃって」
「あいあいさー!」
「ななし頑張ってね!」
十四松が旗を持って突っ込んでくる。
さようなら、我が人生。
『、っんぁはぁあ!』
『よろしくお願いしますミスターフラッグ!』
誕生日会ってなかなか気恥しい
(二度と行くもんか)
『……ん、ん?』
ななしは目を覚ましあたりを見渡す。いつもなら、ドタバタとうるさい兄弟にたたき起こされるのだがそれがないのだ。
風邪も完治したななし。しかしチョロ松がバイトの店長に何かを言ったらしく四日の休みが彼にあたえられていた。今日はその二日目である。
『ん、誰もいないし…』
ななしを心配し起こさなかったのはだいたい分かるが起きて誰もいないとそれはそれで寂しい。いつもより数段ボサボサの頭をかきながらななしはふと気づく。己の携帯がチカチカ緑に点滅している。あれはラインの知らせである。
手に取りそそくさラインをみるとトド松から「ハタ坊のお誕生日会にお呼ばれしたからななしも起きたら来なよ!」と書かれた後、住所の書かれたラインも来ていた。
ハタ坊とはいわゆる昔からの知り合い。幼なじみとはまた違うのだが、友人であることは確かだ。
ななしは立ち上がって急いでジャケットを探し出したのだった。
「ようこそ。ミスターフラッグがお待ちです」
『……ぇ、あ、はい。あ、あのこれ、安いただの花束ですけど』
「お心遣い感謝いたします。さぁ、こちらです」
うわぁ、でかい建物だなと心内でもらす。首が痛くなるほどのでかさに驚いたのもつかの間、手を引いて歩き出す執事の頭には旗がはえている。それが目に入ればそればっかりが気になってしまい、道中執事が話していたことなど耳には入っていなかった。
「こちらです」と招かれた部屋はかにり広く真ん中にこじんまり豪勢なソファが2つと机が1つあるだけ。独特な彫像や絵画が部屋の何とも言えない雰囲気を醸し出している。
そう言えば兄達は先に来ていたらしいがどこにいるのだろうか。
キョロキョロあたりを見渡しながら考えていれば正面の扉が開いた。
「おまたせしやしたー!!」
「おまたせしやした」
「おまたせいたしました」
『え。あ、?ぇ?』
中に入ってきたのはなんと燕尾服の十四松と一松とトド松。なのだが、3人は頭から生やすはずの旗を尻からは生やしている。
あまりの衝撃に我が目を疑うななし。十四松はともかく一松とトド松までもが尻から旗をはやしているのだ。というか、なぜ生やしているんだろうか。尋常ではない。しかもかなり歩きにくそうだ。
ガシャンと置かれたカップとカタンと置かれたケーキ。そしてチョロチョロ注がれる紅茶。ななしにはそれを口にする勇気は持ち合わせていなかった。
『……あ、お、俺まだ風邪っぽいしかえるっ』
「まぁ、まちなって」
「まちなまちな!」
「待なよ」
『……てか、なんで旗が…』
「フッ、ななし。ミスターフラッグはまさにゴッド」
『は?』
「俺達は生まれ変わったんだ!ミスターフラッグ万歳」
『、え、』
「僕達はミスターフラッグのために生きていくよ」
『……ふーん。ま、いいや。巻き込まないで』
どこからともなく現れた兄だがななしはお構い無しに元きた道を帰ろうと腰を上げた。が、これまた尻から旗をはやしたチョロ松とカラ松そしておそ松に阻止される。
というか、そんなものを生やしながらなぜ機敏に動くことができるんだ。何を言ったって今の彼らには伝わりっこない。ハタ坊には悪いが帰らせてもらおう。
『……に、兄さん俺「あ!ななしだじょー!」は、ハタ坊!!』
「花束ありがとうだじょー!」
『、あ、い、いや。誕生日おめでとう。俺急用があってすぐ帰らなきゃならないんだ…あ、うん……』
「えー!もう帰るのかじょー?まぁ、仕方ないじょー!」
天使かハタ坊!今の状況で唯一救いの手だ。こんな兄達に囲まれながらケーキなど食べられるはずないし、なんだかこのままでは危ない気がするのだ。何がなど言わなくともわかるであろうが、一応言うなれば貞操の危機。
だってあれは生えているというか刺さっている。
『……い、ぁう、えと……うん。また来るよ!1人で!』
「また来てくれるのかじょー?嬉しいじょー!!」
パタパタ走り回るハタ坊に顔が緩む。しかし背中にひしひし伝わる嫌な視線は消えない。
七つ子のななしには分かるのだ。
"ななしも同じ目に遭わなきゃ、フェアじゃない"
七つ子の末弟は甘やかせれ、過保護にされる。そんなことばかりではなく。七つ子であるならば同じ運命をたどらなければならないと言う謎のルールのようなものがあって。たとえそれが寵愛を受けるななしであったとしても、揺るがない。むしろそう言う時の兄達はかなりしつこい。
どうしたらいいのだろうか。
スキあらば尻にあの旗を刺されてしまいそうだが。
「ななしちゃ~ん。兄ちゃん残して帰らないよねぇ?ねぇ?」
『……お、おそ松兄さん…俺そんな趣味ないから…』
「お前、ミスターフラッグを馬鹿にしてんなぁ?」
『……し、してないよー』
「なら、ななしもここで働こう?ねぇ?」
『……俺働いてるから…』
「ななしここで働かくのかじょー!?」
『え!?』
「働く働く!よし、ミスターフラッグ尻用の旗を!!」
『いや、まって!?』
「分かったじょー!!」
『ちょ、っ!』
悲しきかな十四松とかけて行った唯一の救いの手。再び帰ってきた時には皆の尻に刺さるのと同じ旗が抱えられていた。
終わった。
「ななしちゃん?俺達運命共同体だもんね」
「さぁ、マイブラザー。ズボンを脱げ」
「心は痛むけど、皆で同じ場所で働けるのは理想的だよね」
「ななしだけ逃げるとか無いよね?」
「大丈夫大丈夫!!」
「ふふ、ななしならできるよ」
『……な、何か。みんな目が死んでるから』
「さぁ、尻を出すじょ!」
『ば、止めて止めて!!』
「観念した方が見のためだぞななし」
『、か、カラ松兄さん…止めてっ?』
「ッ、」
「負けるなカラ松兄さん!」
「ななしの目を見るな!無慈悲になれ!」
『…言い聞かさないと、無理ならやめちゃっていいからっ!』
「止めるわけないし、僕だけとかありえない。十四松やっちゃって」
「あいあいさー!」
「ななし頑張ってね!」
十四松が旗を持って突っ込んでくる。
さようなら、我が人生。
『、っんぁはぁあ!』
『よろしくお願いしますミスターフラッグ!』
誕生日会ってなかなか気恥しい
(二度と行くもんか)