短編 男主
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☆メンバーと初対面/平和
(生物災害/☆ウェスカー/恋人)
「だからあれほど言っただろう。クリス貴様は不器用なのだから周りはよくみろ。相手が避けてくれると思ったか?甘いことをいってる場合か?貴様は入社当時からつくずく呆れさせられる。直らないようなら残業でもして賢くなれ。それでよくPMが勤まるな?少しは私の鼻を持たせるような行動はとれないのか?いい加減その突発的な行動は控えろ」
「…………………………は…ぃ」
「返事が日頃しゃべる声より小さくてどうする?」
オフィスでこんなにしかられたのは今世紀で今日が初めてだ。オフィスで仕事をしているやつらは全員クリス同様冷や汗を流しているに違いない。
スターズのウェスカーと言えばその風貌も去ることながら鬼才として幅広くしれている。見合った怖さと言うのだろうか。怒鳴りはしないが冷たく、心に突き刺さる言葉をわざわざ選びクリスに浴びせるウェスカー。
ひぃひぃ、言いながらウェスカーの長い説教を聞くクリスの心身は既にボロボロだ。クリス自身正直何があってここまで荒ぶっているのか分からないでいた。心当たりがあるのはウェスカーの腕時計を机から落としてしまったことだろうか。だけど少し傷がついたくらいだと思うし、例え壊れてても買い直せる。勿論クリスはその金を払う所存だが、なぜその腕時計に、そこまでこだわるのかが分からないでいた。
頭を下げながら必死にジルに助けを求める。しかしジルも火の粉を浴びたくないのかクリスの視線を完全に無視しデスクワークに励んでいた。しかしクリスは見逃さない。ジルが明らかに冷や汗を流していること。巻き込むなと言われているようであった。
助け船がないままクリスは諦めることにした。ウェスカーの怒りがおさまるまで無心だ。これも訓練だと思えばなんてことはない…はずだ。
クリスの腹がグゥとなる。昼休憩の時間帯なんだろう。いつも昼休憩に外食するウェスカー。やはりリッチだ。今日はしないのだろうか。
はやく切り上げて外食に出掛けろっ、と内心でぼやきながら説教が終わるのをひたすら待った。
「ウェスカー、…こっち、こっちー!!」
すると、クリスの救世主があらわれる。
説教を中断させてくれたのはバリーだ。扉から顔だけを覗かせウェスカーの名を呼ぶ。誰か向こう側にいるのか手招きをしているようだ。
ウェスカーは眉間にかなり皺を寄せたままバリーに「なんだ?」と答えた。
よしっ、逃げるぞっと足に力をいれたが襟首を素早く捕まれたせいで逃亡失敗。
さすがクリスらの隊長なだけはある。
「なんだ?バリー。用があるなら早く言え」
「俺じゃないさ。それより、"待ち合わせ"の時間は過ぎてるんじゃないか?」
「…今何時だ?」
「1時45分」
「っち」
「待ちくたびれたそうだ」
『わっ!?』
バリーがオフィスに強く押し入れたのは小柄な人物。整った顔立ちに色素の薄い瞳。ブラウンにほど近い。白い肌に小さな顔。ジーンズをはいた足もスラリと長くしなやかだ。
一見しただけじゃ、女性か男性かわからない。 とても中性的だ。
ボーイッシュな女性とも言えるし、男性からみても可愛い男性にもみえる。
バリーに背を押されよろめいたその人物をウェスカーはしっかり抱き止めた。
照れたのか顔を赤くした人物。
クリスは素直に可愛いと思ったのだ。
「ななし来てたなら電話しろ」
『し、したよ?アルバートこそ電話にでてよ』
「なに?電話など…来ているな。っち。クリス、」
「お、俺!?」
「もとはといえば貴様が私の腕時計を壊したのが元凶だ」
「壊れたのかよ?」
「おとしたろうが」
『腕時計って、もしかして、アレ?』
「あぁ、アレだ」
途端に眉を下げ苦笑いする彼女。(クリスの判断では女性に決まったらしい)
クリスは無い脳みそをフル活動させ考えた。もしかして、俺はとんでもないことをしたのではないだろうか。
彼女がウェスカーの恋人であって、そんな彼女がウェスカーにあげた腕時計だったとしたら。
ウェスカーはかなり怒るであろう。俺だったらもちろん激怒だ。しかもそれが愛すべき恋人ならなおのこと。
クリスの顔面の色が消えた。
口からは魂がぬけてるきがする。
「ごごごごごめんなさいっ!!!」
「私の時と大違いだなクリス。貴様わかっていないようだがあれは私の…」
『アルバート』
ペチッ
『怖い顔するな、みんなびっくりしてるだろ?』
……………いや、違う意味で本当にビックリです。
クリスは抜けた魂をつかみながら口をあんぐり開けた。
あのウェスカーのおでこを彼女は叩いた。あのウェスカーのを、だ。
瞬間息を飲む音が沢山聞こえた。
バリーだけはニコニコしている。そこの平和ボケをなんとかしやがれ!クリスは心中穏やかでない。
クリスはおそるおそるウェスカーを見やればなぜかうっすら笑っている。
そしておでこの彼女の手をとって甲にキスをしたのだ。仕事をしていた皆が彼と彼女に釘付けになった。あんなに怒っていたのにまるで別人だ。
彼女は顔を赤らめたがにこやかに笑っている。
まるで王子様とお姫様に見えた。
こちらの方が恥ずかしくなるくらいの甘さだ。
「大事なものだったからな。つい、カッとなった」
『…大事にしてくれてたみたいで良かった。でも安物だったから壊れちゃったなごめん、』
「なぜななしが謝る?謝るべきはクリスだ、だからそんな悲しそうな顔はするな」
『そ、だね』
彼女の目尻を優しく撫でるウェスカー。
本当に俺達の知ってるウェスカーと同じかってくらい優しげだ。
それとやはりあの腕時計は彼女がウェスカーにプレゼントしたものらしい。
本気で心がいたくなった。
ウェスカーはチラリとクリスを見て視線で訴えてくる。"謝れ"と。
「あのー…」
『え?』
「腕時計すまなかった。君がウェスカーにプレゼントしたなんて思ってなくて……………本当にすまない」
『い、いえ!俺の方こそアルバートに干されたみたいで、安物だったから気にしないで』
「お気に入りだったんだがな」
『コラッ、アルバート』
「す、すみませんっ」
『本当に気にしないでくれっ。なんだか、俺まで悲しくなるじゃないか。アルバート、』
「はぁ……………クリスななしから許しがてたぞ。早く職務にもどれ」
「!?あ、ありがとう!」
「その代わり今日はこの書類も追加だ」
「えっ!?」
「当たり前だろ」
『フフッ』
「わ、わかったよ。君ありがとう」
『ななしだ。"クリス"?』
「…っ、あぁ、ななしありがとう」
そして出された手を握って握手をしたクリス。しかしなんだか違和感を感じた。思っていたよりも大きく節くれている。細いが筋や骨がくっきり浮かんでおり、女性の手とは似つかない。
いやいや、失礼だぞクリス。手が大きな女性なんて沢山いるだろ。だけどまて、やっぱり女性の手はこんなに筋張っているか?ちょっと待てよ…。ペッタンコじゃないか。胸がない。
お、おい、まてまてまてまて、
「あのー、ウェスカーさん。つかぬことをお聞きしますが……………」
「見ればわかるだろう?こいつは男だ」
「っ!?まじでかっ!?!?え、でもウェスカーも男じゃ、」
「貴様…そんなことで私がななしを諦めるとでも?ハッ、笑わせるな」
『あ、アルッ!』
「こいつが男だろうが女だろうが私には関係ない。私が必要なのはななしだけだからな」
とてつもないカミングアウトを聞きクリスもななしも慌てた。勿論お互い違う意味で慌てているのだが。気にするなと優しくななしを諭すウェスカーは彼の肩を抱き寄せる。
そんな仕草を間近で見せられたクリスは唖然とするしかない。確かに女に見えなくもないが男と男であるには変わりないし、そんな彼らは面前でイチャイチャしているのだ。驚かずにはいられない。
「私はジルよ。よろしくななし」
『よろしくジル』
「おい、ジル。必要以上にななしに触るな」
「なんていい腰つきなの?ウェスカーが惚れるわけよ」
「当たり前だ」
『あ、あの…』
「可愛いわね」
『俺帰るよアル。お邪魔になるから』
「あぁ、送る」
「あら!帰るの?まだいたらいいじゃない!」
『いや、いいよ!また、今度ゆっくり話そうジル』
「いい子ね~」
ウェスカーに手を引かれ早々にオフィスからでていくななし。ジルは必死に手を振り「またおいで」と叫んでいる。ななしをだいぶ気に入ったようだ。
「はぁ、なんか凄かったけど助かった」
「彼天使ね。ウェスカーをまるで子犬みたいに扱ってたわ」
「無敵だ」
「えぇ、無敵ね」
後にウェスカーとななしは公認カップルとなった。しかもななしには無敵の天使と言う異名までついたそうな。
end
(生物災害/☆ウェスカー/恋人)
「だからあれほど言っただろう。クリス貴様は不器用なのだから周りはよくみろ。相手が避けてくれると思ったか?甘いことをいってる場合か?貴様は入社当時からつくずく呆れさせられる。直らないようなら残業でもして賢くなれ。それでよくPMが勤まるな?少しは私の鼻を持たせるような行動はとれないのか?いい加減その突発的な行動は控えろ」
「…………………………は…ぃ」
「返事が日頃しゃべる声より小さくてどうする?」
オフィスでこんなにしかられたのは今世紀で今日が初めてだ。オフィスで仕事をしているやつらは全員クリス同様冷や汗を流しているに違いない。
スターズのウェスカーと言えばその風貌も去ることながら鬼才として幅広くしれている。見合った怖さと言うのだろうか。怒鳴りはしないが冷たく、心に突き刺さる言葉をわざわざ選びクリスに浴びせるウェスカー。
ひぃひぃ、言いながらウェスカーの長い説教を聞くクリスの心身は既にボロボロだ。クリス自身正直何があってここまで荒ぶっているのか分からないでいた。心当たりがあるのはウェスカーの腕時計を机から落としてしまったことだろうか。だけど少し傷がついたくらいだと思うし、例え壊れてても買い直せる。勿論クリスはその金を払う所存だが、なぜその腕時計に、そこまでこだわるのかが分からないでいた。
頭を下げながら必死にジルに助けを求める。しかしジルも火の粉を浴びたくないのかクリスの視線を完全に無視しデスクワークに励んでいた。しかしクリスは見逃さない。ジルが明らかに冷や汗を流していること。巻き込むなと言われているようであった。
助け船がないままクリスは諦めることにした。ウェスカーの怒りがおさまるまで無心だ。これも訓練だと思えばなんてことはない…はずだ。
クリスの腹がグゥとなる。昼休憩の時間帯なんだろう。いつも昼休憩に外食するウェスカー。やはりリッチだ。今日はしないのだろうか。
はやく切り上げて外食に出掛けろっ、と内心でぼやきながら説教が終わるのをひたすら待った。
「ウェスカー、…こっち、こっちー!!」
すると、クリスの救世主があらわれる。
説教を中断させてくれたのはバリーだ。扉から顔だけを覗かせウェスカーの名を呼ぶ。誰か向こう側にいるのか手招きをしているようだ。
ウェスカーは眉間にかなり皺を寄せたままバリーに「なんだ?」と答えた。
よしっ、逃げるぞっと足に力をいれたが襟首を素早く捕まれたせいで逃亡失敗。
さすがクリスらの隊長なだけはある。
「なんだ?バリー。用があるなら早く言え」
「俺じゃないさ。それより、"待ち合わせ"の時間は過ぎてるんじゃないか?」
「…今何時だ?」
「1時45分」
「っち」
「待ちくたびれたそうだ」
『わっ!?』
バリーがオフィスに強く押し入れたのは小柄な人物。整った顔立ちに色素の薄い瞳。ブラウンにほど近い。白い肌に小さな顔。ジーンズをはいた足もスラリと長くしなやかだ。
一見しただけじゃ、女性か男性かわからない。 とても中性的だ。
ボーイッシュな女性とも言えるし、男性からみても可愛い男性にもみえる。
バリーに背を押されよろめいたその人物をウェスカーはしっかり抱き止めた。
照れたのか顔を赤くした人物。
クリスは素直に可愛いと思ったのだ。
「ななし来てたなら電話しろ」
『し、したよ?アルバートこそ電話にでてよ』
「なに?電話など…来ているな。っち。クリス、」
「お、俺!?」
「もとはといえば貴様が私の腕時計を壊したのが元凶だ」
「壊れたのかよ?」
「おとしたろうが」
『腕時計って、もしかして、アレ?』
「あぁ、アレだ」
途端に眉を下げ苦笑いする彼女。(クリスの判断では女性に決まったらしい)
クリスは無い脳みそをフル活動させ考えた。もしかして、俺はとんでもないことをしたのではないだろうか。
彼女がウェスカーの恋人であって、そんな彼女がウェスカーにあげた腕時計だったとしたら。
ウェスカーはかなり怒るであろう。俺だったらもちろん激怒だ。しかもそれが愛すべき恋人ならなおのこと。
クリスの顔面の色が消えた。
口からは魂がぬけてるきがする。
「ごごごごごめんなさいっ!!!」
「私の時と大違いだなクリス。貴様わかっていないようだがあれは私の…」
『アルバート』
ペチッ
『怖い顔するな、みんなびっくりしてるだろ?』
……………いや、違う意味で本当にビックリです。
クリスは抜けた魂をつかみながら口をあんぐり開けた。
あのウェスカーのおでこを彼女は叩いた。あのウェスカーのを、だ。
瞬間息を飲む音が沢山聞こえた。
バリーだけはニコニコしている。そこの平和ボケをなんとかしやがれ!クリスは心中穏やかでない。
クリスはおそるおそるウェスカーを見やればなぜかうっすら笑っている。
そしておでこの彼女の手をとって甲にキスをしたのだ。仕事をしていた皆が彼と彼女に釘付けになった。あんなに怒っていたのにまるで別人だ。
彼女は顔を赤らめたがにこやかに笑っている。
まるで王子様とお姫様に見えた。
こちらの方が恥ずかしくなるくらいの甘さだ。
「大事なものだったからな。つい、カッとなった」
『…大事にしてくれてたみたいで良かった。でも安物だったから壊れちゃったなごめん、』
「なぜななしが謝る?謝るべきはクリスだ、だからそんな悲しそうな顔はするな」
『そ、だね』
彼女の目尻を優しく撫でるウェスカー。
本当に俺達の知ってるウェスカーと同じかってくらい優しげだ。
それとやはりあの腕時計は彼女がウェスカーにプレゼントしたものらしい。
本気で心がいたくなった。
ウェスカーはチラリとクリスを見て視線で訴えてくる。"謝れ"と。
「あのー…」
『え?』
「腕時計すまなかった。君がウェスカーにプレゼントしたなんて思ってなくて……………本当にすまない」
『い、いえ!俺の方こそアルバートに干されたみたいで、安物だったから気にしないで』
「お気に入りだったんだがな」
『コラッ、アルバート』
「す、すみませんっ」
『本当に気にしないでくれっ。なんだか、俺まで悲しくなるじゃないか。アルバート、』
「はぁ……………クリスななしから許しがてたぞ。早く職務にもどれ」
「!?あ、ありがとう!」
「その代わり今日はこの書類も追加だ」
「えっ!?」
「当たり前だろ」
『フフッ』
「わ、わかったよ。君ありがとう」
『ななしだ。"クリス"?』
「…っ、あぁ、ななしありがとう」
そして出された手を握って握手をしたクリス。しかしなんだか違和感を感じた。思っていたよりも大きく節くれている。細いが筋や骨がくっきり浮かんでおり、女性の手とは似つかない。
いやいや、失礼だぞクリス。手が大きな女性なんて沢山いるだろ。だけどまて、やっぱり女性の手はこんなに筋張っているか?ちょっと待てよ…。ペッタンコじゃないか。胸がない。
お、おい、まてまてまてまて、
「あのー、ウェスカーさん。つかぬことをお聞きしますが……………」
「見ればわかるだろう?こいつは男だ」
「っ!?まじでかっ!?!?え、でもウェスカーも男じゃ、」
「貴様…そんなことで私がななしを諦めるとでも?ハッ、笑わせるな」
『あ、アルッ!』
「こいつが男だろうが女だろうが私には関係ない。私が必要なのはななしだけだからな」
とてつもないカミングアウトを聞きクリスもななしも慌てた。勿論お互い違う意味で慌てているのだが。気にするなと優しくななしを諭すウェスカーは彼の肩を抱き寄せる。
そんな仕草を間近で見せられたクリスは唖然とするしかない。確かに女に見えなくもないが男と男であるには変わりないし、そんな彼らは面前でイチャイチャしているのだ。驚かずにはいられない。
「私はジルよ。よろしくななし」
『よろしくジル』
「おい、ジル。必要以上にななしに触るな」
「なんていい腰つきなの?ウェスカーが惚れるわけよ」
「当たり前だ」
『あ、あの…』
「可愛いわね」
『俺帰るよアル。お邪魔になるから』
「あぁ、送る」
「あら!帰るの?まだいたらいいじゃない!」
『いや、いいよ!また、今度ゆっくり話そうジル』
「いい子ね~」
ウェスカーに手を引かれ早々にオフィスからでていくななし。ジルは必死に手を振り「またおいで」と叫んでいる。ななしをだいぶ気に入ったようだ。
「はぁ、なんか凄かったけど助かった」
「彼天使ね。ウェスカーをまるで子犬みたいに扱ってたわ」
「無敵だ」
「えぇ、無敵ね」
後にウェスカーとななしは公認カップルとなった。しかもななしには無敵の天使と言う異名までついたそうな。
end