短編 男主
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(夢主特殊設定/二十四使/プロンプト/恋人)
「まいったな…」
イグニスがメガネを押し上げながらテントか
ら出てきた。その一言だけで外で待機していたななし、ノクト、グラディオは事態を飲み込みうっすらため息。
「今から街に戻るのは…」
「今からでは夜になるしシガイにも出会うだろう。なにより街に戻るには遠すぎる」
『うむ…』
「まじか」
「テントはプロンプト専用!今日は外だノクト」
「…しょうがねぇ」
『ふふ、外も悪くない。俺は寝ないしシガイ監視は任せろ』
「頼むぞななし。朝一番にプロンプトを連れて街に行く。ノクト、寝坊するなよ」
「はいよ」
そわそわしていたが皆再び椅子に座りなおした。今日、プロンプトの様子がおかしかったのは昼を過ぎてから。
テントについた時には倒れるように座り込んで「喉痛い」と呟いた。
風邪ではないかとイグニスがプロンプトの様子を観察していれば、やはり風邪だったらしい。
テントの中、みんなの上着をかけられたプロンプトは未だに寒そうに身を縮ませている。
明日までの辛抱だが、如何せん辛そうで。なにかしてやりたいも魘されるように眠っているし起こすのは忍びない。
「まぁ、こんなこともあるわな」
「あぁ、仕方ない」
『何故、グラディオは風邪をひかないんだ?もう上半身裸と同じであろう?』
「鍛えてるからだな。プロンプトは貧弱だ」
「俺はノクトにもうつらないか気が気でない。ノクトは野菜を食べないからな」
「うつんねーよ!」
『分からんぞー?野菜は体に大切な栄養や免疫力をつけてくれるからな』
「…くってるし」
「嘘つけ。この間ハンバーガーの中の野菜だけ出してたじゃねぇか」
「イグニス食べたそうにしてたし、しょうがなくだよ」
「絶対にしていない」
『ふふ、どれだけ野菜が嫌いなんだ』
「王都にいた頃からだよな。いつも人参よけてたぜ?」
「あぁ、陛下も嘆いておられた」
『人参美味しいではないか!甘いし、彩りも最高だ』
「あんなもん、食い物じゃない」
『知っているか?ノクト?人参はスイーツにもなるんだぞ?』
「はぁ!?なるわけねぇし」
「興味深いな」
「イグニスならつくれんじゃねぇか?」
「やめろグラディオ!俺は食わないからな」
『俺は食べたい』
「検討しておこう」
『ふふ、ありがとう』
「全くどこに人参食えない王様がいるんだよ」
「食わないだけだっつーの!」
「じゃぁ、食え!」
フォークに人参を刺したグラディオ。食べないだけと主張するノクトに差し出せばこれでもかと顔を避けた。その攻防戦を眺めながらななしはケタケタはらをかかえて笑う。
イグニスはどこか諦めたようにため息をついた。
焚き火を囲み賑やかに過ごしているとふいにななしの腹に腕がまわった。
何事かと肩から後ろを振り返ればそこにはプロンプトが張り付いているではないか。
『プロンプト!どうした?寝ていないと治らないぞ?』
「やだ…」
『どうしたのだ?』
「1人…やだ」
『プロンプト…』
「やだよぉ、俺だけ…仲間はずれにしないでっ」
『ふふ、誰も仲間はずれにしないよ』
「楽しそうだった」
『プロンプトがいればもっと楽しいだろうな』
「じゃぁ、ここにっ、」
「風邪が悪化するぜ?」
「グラディオの言う通りだ。寝ていたほうがいい」
「…そ、だけど……」
寝付けず起きてしまったのかプロンプトがやって来た。顔は真っ赤だしまだまだ体温も高い。
しかし1人にしないでとぐずぐず泣くのだ。風邪とキャンプへの不安で心が落ち着かないのだろう。
ななしの服を引っ張ってはなさないプロンプト。ななしはそんなプロンプトに導かれるように立ち上がる。
『では、俺が一緒にいよう』
「うん」
『キャンプ地だ、シガイも明かりには寄り付くまい。標には魔除が施されている。シガイは絶対入れないから安心して眠れ。外も悪くないぞ?』
「ハイハイ」
「すまないななし。プロンプトを任せた」
『あぁ、大丈夫だイグニス。グラディオ皆を任せたよ』
「おう!」
すこしのやりとりの後プロンプトのてをにぎり彼らはテントに入った。
とにかくプロンプトを温め熱を下げなければいつまでたっても良くならないだろう。ぼんやり焦点が合わない瞳でひたすらななしをみつめるプロンプト。
額に浮かぶ汗を優しく拭ってやりながら彼を寝るように促した。
『プロンプト、そばにいてやるから寝なさい』
「ななしは…」
『うむ』
「俺が、邪魔?」
『どうして?』
「一番弱くて一番足でまといで一番迷惑かけてるから…俺がいたら旅進まないよぉ」
『そんなはずないだろう?プロンプトはかけがえのない仲間だ。旅も順調に進んでいるし、弱くなんかないよ。君は聡明だからノクトみたいに突っ込まない。故に周りを見て臨機応変に動ける。自ずと安全な立ち回りをし、サポートしてくれているから皆戦いやすいよ』
「ななしは、よく見てくれてるんだね…俺、少しだけ落ち着いた」
『それは良かった!風邪で気が滅入るのは致し方ないことだ、だが、忘れるな。プロンプトは俺の愛し子だ』
「うん、ありがとうななし」
ようやく笑った。辛そうだがそれでもなんだか清々しい笑顔。ななしも釣られてはにかんで見せればプロンプトは彼にひしりとしがみついた。汗ばんだ肌が密着する。
ななしに風邪がうつることはまんにひとつもありえない。だからプロンプトの可愛い抱擁を全身で受け止めてやれる。
額に何度も何度もキスをしてやればプロンプトの瞳はゆっくりと閉じていく。
『おやすみ、プロンプト』
「ん、おやすみなさい…」
ようやく彼の寝息が聞こえてきた。
穏やかな寝顔である。
このまま熱が下がるといい、とななしはプロンプトをつよく抱きしめたまま微笑んだ。
微かに彼の背中に羽の輪郭が浮き出、まるでプロンプトを守るように包み込む。
するとテントの中は温もりに溢れた。
『んぅ?朝か?』
眠らないななしはプロンプトの髪を触ったり汗を拭ったりしとしと世話していれば早くも朝だ。
つい先程口を開けつばを垂らして眠るようになったプロンプト。なんとも間の抜けた顔だが辛くはないようで安心した。
笑いをこらえながら蹴飛ばした皆の上着を腹にかけてやる。
『可愛いなぁ』
「んー、ん、んぁー?」
『ん、起きた』
「あれ、ななし?はよー」
『体の調子は?』
「もう、何ともないかも…」
『そうか、よかった…』
「ずっといてくれたの?」
『ん?あぁ、愛しいプロンプトのためにな。夜は寝ないしずっと容態を見てやれた』
「ななし、ありがとう!」
『ふふ、皆にも礼を言っておやり』
「うん!」
『プロンプト』
「なぁに?」
『ん、いや。なんでもない』
「あはは!なにそれ…はぁ。ねぇ、ななし」
『ん?』
「こっち来て、もっと、そう」
ななしはプロンプトの膝に手をついて身を乗り出す。これ以上は近づけないよと目を見つめればプロンプトは優しく笑ったあとななしに唇を押し付けた。
ななしも応えるようにプロンプトの指に指をからめ、2人は愛を確認しあう。
『ん、』
「んっ、はぁ、ななし」
『プロンプト…なんて目をしているんだ』
「どんな?」
『獣みたいだぞ、まだ病み上がりだ。無理は禁物だよ』
「でもっ、今すぐななしとシたい」
『テントだろ、ホテルまでだめだ』
「えー、ヤろうよ!」
『こ、こらプロンプト』
がばりと抱きついたままななしを押し倒すプロンプトに焦る焦る。病み上がりだから元気なのか?元気なことはいいことだが朝一から盛りすぎだ。
ななしは猪突猛進に迫り来るプロンプトの手を必死に掴みながら抵抗するが、彼の力の方が強い。
「もう、観念してね」と額をくっつけそう言うプロンプト。昔はセックスと聞いただけでもあたふたしていたのに今やこの貫禄である。主導権がプロンプトに握られるとななしの調子は狂ってしまうのだ。
首筋にプロンプトの舌が這う。ぬるりとした感触に身を震わせたななし。
『んっ、プロンプト…本気か?』
「本気!嫌?」
『嫌じゃないが…時と場所をだな』
「俺嬉しくて…一日中一緒にいてくれたって、好きで好きでどうしようもない人がそばにいてくれたから…だからありがとうって、伝えたいし…繋がりたい」
『…プロンプト、ありがとう。やはりお前は可愛いな』
「ななしの方が可愛いよ」
『ふふ、愛のあるセックスをするにはあまりにノクト達に近いから…抜きあいっこにするか?』
「えー、入れたいのに?」
『それはホテルじゃないと。俺声を我慢出来ないかもしれん』
「っ!んー!もう。ななし煽らないでよ!」
『煽ってはいないが…んっ!ぁ、プロンプト』
もういいでしょ?とばかりに話の途中プロンプトはななしの乳首に触れた。
ここまで来てしまったらもう後戻りはできっこない。プロンプトは乳首を執拗に弄りながらななしに深く口付けをする。
鼻の抜けるような吐息がますますプロンプトを欲情させるため、彼は舌なめずりしななしの首筋を舐め上げた。
キスマークを何箇所にもつけて、ななしを自分のものだと刻みつける。
もう、されるがままのななし。
こうなってはななしも最後までしてもらわなければ気が済まない。
手を絡めていよいよ繋がり合う。目を見つめ合い額を合わせて、お互い服を脱がせあった。
「ねぇ」
『ん?』
「愛してる」
『んふふ、あぁ、俺も。愛しているよプロンプト』
二人見つめ合い再び唇が触れ合った。
濃厚な口付けを無我夢中で繰り返していれば不意にジーとテントの入口が開いたのだ。
「…プロンプト…仮病か?」
「い、イグニス!?」
『見られてしまったか』
「ち、違うよ!昨日までは風邪だった!」
「早く情けない顔を洗ってこい。朝食が出来ているんだ。ななし、朝からテントで盛るな」
「行ってきます!」
『はいはい、イグニス様』
「全く…」
ななしとプロンプトの熱い絡み合いはこれにて強制終了された。
呆れたように頭を抱えるイグニスだが、彼もまたプロンプトが回復してくれたのが嬉しいようでその口元は綺麗に弧を描いている。
「おー、どうだった?」
「かなり元気そうだったぞ」
「まじか。プロンプト仮病かよ。朝飯抜きだな」
「ノクト、野菜を食べないならノクトも抜きだからな」
「はぁ!?」
「皆ー!おっはよーう!」
「てめ、プロンプトのせいだからな!」
「はぇ!?な、何が!?」
『ふふ、何はともあれだな』
「うるせぇぞ!早く食べないと食べちまうからな!」
「まってまって!食べるから!」
「プロンプトはこれな」
「野菜しかないじゃん!?」
「風邪をぶり返さないように野菜も食べておけ」
「はい、イグニス様[D:12316]」
「…」
いつも通りにもどった。
やはり誰かがかけていてはつまらないものだ。
いつもと変わりない朝食が今日はなんだかいつも以上に感じられた気がする。
ななしはコーヒーを飲んだ。
『うむ、甘いな』
それはそれはとても美味しかったそうだ。
一人じゃこんなに苦しんだ
(1人なんかじゃないよ)
「まいったな…」
イグニスがメガネを押し上げながらテントか
ら出てきた。その一言だけで外で待機していたななし、ノクト、グラディオは事態を飲み込みうっすらため息。
「今から街に戻るのは…」
「今からでは夜になるしシガイにも出会うだろう。なにより街に戻るには遠すぎる」
『うむ…』
「まじか」
「テントはプロンプト専用!今日は外だノクト」
「…しょうがねぇ」
『ふふ、外も悪くない。俺は寝ないしシガイ監視は任せろ』
「頼むぞななし。朝一番にプロンプトを連れて街に行く。ノクト、寝坊するなよ」
「はいよ」
そわそわしていたが皆再び椅子に座りなおした。今日、プロンプトの様子がおかしかったのは昼を過ぎてから。
テントについた時には倒れるように座り込んで「喉痛い」と呟いた。
風邪ではないかとイグニスがプロンプトの様子を観察していれば、やはり風邪だったらしい。
テントの中、みんなの上着をかけられたプロンプトは未だに寒そうに身を縮ませている。
明日までの辛抱だが、如何せん辛そうで。なにかしてやりたいも魘されるように眠っているし起こすのは忍びない。
「まぁ、こんなこともあるわな」
「あぁ、仕方ない」
『何故、グラディオは風邪をひかないんだ?もう上半身裸と同じであろう?』
「鍛えてるからだな。プロンプトは貧弱だ」
「俺はノクトにもうつらないか気が気でない。ノクトは野菜を食べないからな」
「うつんねーよ!」
『分からんぞー?野菜は体に大切な栄養や免疫力をつけてくれるからな』
「…くってるし」
「嘘つけ。この間ハンバーガーの中の野菜だけ出してたじゃねぇか」
「イグニス食べたそうにしてたし、しょうがなくだよ」
「絶対にしていない」
『ふふ、どれだけ野菜が嫌いなんだ』
「王都にいた頃からだよな。いつも人参よけてたぜ?」
「あぁ、陛下も嘆いておられた」
『人参美味しいではないか!甘いし、彩りも最高だ』
「あんなもん、食い物じゃない」
『知っているか?ノクト?人参はスイーツにもなるんだぞ?』
「はぁ!?なるわけねぇし」
「興味深いな」
「イグニスならつくれんじゃねぇか?」
「やめろグラディオ!俺は食わないからな」
『俺は食べたい』
「検討しておこう」
『ふふ、ありがとう』
「全くどこに人参食えない王様がいるんだよ」
「食わないだけだっつーの!」
「じゃぁ、食え!」
フォークに人参を刺したグラディオ。食べないだけと主張するノクトに差し出せばこれでもかと顔を避けた。その攻防戦を眺めながらななしはケタケタはらをかかえて笑う。
イグニスはどこか諦めたようにため息をついた。
焚き火を囲み賑やかに過ごしているとふいにななしの腹に腕がまわった。
何事かと肩から後ろを振り返ればそこにはプロンプトが張り付いているではないか。
『プロンプト!どうした?寝ていないと治らないぞ?』
「やだ…」
『どうしたのだ?』
「1人…やだ」
『プロンプト…』
「やだよぉ、俺だけ…仲間はずれにしないでっ」
『ふふ、誰も仲間はずれにしないよ』
「楽しそうだった」
『プロンプトがいればもっと楽しいだろうな』
「じゃぁ、ここにっ、」
「風邪が悪化するぜ?」
「グラディオの言う通りだ。寝ていたほうがいい」
「…そ、だけど……」
寝付けず起きてしまったのかプロンプトがやって来た。顔は真っ赤だしまだまだ体温も高い。
しかし1人にしないでとぐずぐず泣くのだ。風邪とキャンプへの不安で心が落ち着かないのだろう。
ななしの服を引っ張ってはなさないプロンプト。ななしはそんなプロンプトに導かれるように立ち上がる。
『では、俺が一緒にいよう』
「うん」
『キャンプ地だ、シガイも明かりには寄り付くまい。標には魔除が施されている。シガイは絶対入れないから安心して眠れ。外も悪くないぞ?』
「ハイハイ」
「すまないななし。プロンプトを任せた」
『あぁ、大丈夫だイグニス。グラディオ皆を任せたよ』
「おう!」
すこしのやりとりの後プロンプトのてをにぎり彼らはテントに入った。
とにかくプロンプトを温め熱を下げなければいつまでたっても良くならないだろう。ぼんやり焦点が合わない瞳でひたすらななしをみつめるプロンプト。
額に浮かぶ汗を優しく拭ってやりながら彼を寝るように促した。
『プロンプト、そばにいてやるから寝なさい』
「ななしは…」
『うむ』
「俺が、邪魔?」
『どうして?』
「一番弱くて一番足でまといで一番迷惑かけてるから…俺がいたら旅進まないよぉ」
『そんなはずないだろう?プロンプトはかけがえのない仲間だ。旅も順調に進んでいるし、弱くなんかないよ。君は聡明だからノクトみたいに突っ込まない。故に周りを見て臨機応変に動ける。自ずと安全な立ち回りをし、サポートしてくれているから皆戦いやすいよ』
「ななしは、よく見てくれてるんだね…俺、少しだけ落ち着いた」
『それは良かった!風邪で気が滅入るのは致し方ないことだ、だが、忘れるな。プロンプトは俺の愛し子だ』
「うん、ありがとうななし」
ようやく笑った。辛そうだがそれでもなんだか清々しい笑顔。ななしも釣られてはにかんで見せればプロンプトは彼にひしりとしがみついた。汗ばんだ肌が密着する。
ななしに風邪がうつることはまんにひとつもありえない。だからプロンプトの可愛い抱擁を全身で受け止めてやれる。
額に何度も何度もキスをしてやればプロンプトの瞳はゆっくりと閉じていく。
『おやすみ、プロンプト』
「ん、おやすみなさい…」
ようやく彼の寝息が聞こえてきた。
穏やかな寝顔である。
このまま熱が下がるといい、とななしはプロンプトをつよく抱きしめたまま微笑んだ。
微かに彼の背中に羽の輪郭が浮き出、まるでプロンプトを守るように包み込む。
するとテントの中は温もりに溢れた。
『んぅ?朝か?』
眠らないななしはプロンプトの髪を触ったり汗を拭ったりしとしと世話していれば早くも朝だ。
つい先程口を開けつばを垂らして眠るようになったプロンプト。なんとも間の抜けた顔だが辛くはないようで安心した。
笑いをこらえながら蹴飛ばした皆の上着を腹にかけてやる。
『可愛いなぁ』
「んー、ん、んぁー?」
『ん、起きた』
「あれ、ななし?はよー」
『体の調子は?』
「もう、何ともないかも…」
『そうか、よかった…』
「ずっといてくれたの?」
『ん?あぁ、愛しいプロンプトのためにな。夜は寝ないしずっと容態を見てやれた』
「ななし、ありがとう!」
『ふふ、皆にも礼を言っておやり』
「うん!」
『プロンプト』
「なぁに?」
『ん、いや。なんでもない』
「あはは!なにそれ…はぁ。ねぇ、ななし」
『ん?』
「こっち来て、もっと、そう」
ななしはプロンプトの膝に手をついて身を乗り出す。これ以上は近づけないよと目を見つめればプロンプトは優しく笑ったあとななしに唇を押し付けた。
ななしも応えるようにプロンプトの指に指をからめ、2人は愛を確認しあう。
『ん、』
「んっ、はぁ、ななし」
『プロンプト…なんて目をしているんだ』
「どんな?」
『獣みたいだぞ、まだ病み上がりだ。無理は禁物だよ』
「でもっ、今すぐななしとシたい」
『テントだろ、ホテルまでだめだ』
「えー、ヤろうよ!」
『こ、こらプロンプト』
がばりと抱きついたままななしを押し倒すプロンプトに焦る焦る。病み上がりだから元気なのか?元気なことはいいことだが朝一から盛りすぎだ。
ななしは猪突猛進に迫り来るプロンプトの手を必死に掴みながら抵抗するが、彼の力の方が強い。
「もう、観念してね」と額をくっつけそう言うプロンプト。昔はセックスと聞いただけでもあたふたしていたのに今やこの貫禄である。主導権がプロンプトに握られるとななしの調子は狂ってしまうのだ。
首筋にプロンプトの舌が這う。ぬるりとした感触に身を震わせたななし。
『んっ、プロンプト…本気か?』
「本気!嫌?」
『嫌じゃないが…時と場所をだな』
「俺嬉しくて…一日中一緒にいてくれたって、好きで好きでどうしようもない人がそばにいてくれたから…だからありがとうって、伝えたいし…繋がりたい」
『…プロンプト、ありがとう。やはりお前は可愛いな』
「ななしの方が可愛いよ」
『ふふ、愛のあるセックスをするにはあまりにノクト達に近いから…抜きあいっこにするか?』
「えー、入れたいのに?」
『それはホテルじゃないと。俺声を我慢出来ないかもしれん』
「っ!んー!もう。ななし煽らないでよ!」
『煽ってはいないが…んっ!ぁ、プロンプト』
もういいでしょ?とばかりに話の途中プロンプトはななしの乳首に触れた。
ここまで来てしまったらもう後戻りはできっこない。プロンプトは乳首を執拗に弄りながらななしに深く口付けをする。
鼻の抜けるような吐息がますますプロンプトを欲情させるため、彼は舌なめずりしななしの首筋を舐め上げた。
キスマークを何箇所にもつけて、ななしを自分のものだと刻みつける。
もう、されるがままのななし。
こうなってはななしも最後までしてもらわなければ気が済まない。
手を絡めていよいよ繋がり合う。目を見つめ合い額を合わせて、お互い服を脱がせあった。
「ねぇ」
『ん?』
「愛してる」
『んふふ、あぁ、俺も。愛しているよプロンプト』
二人見つめ合い再び唇が触れ合った。
濃厚な口付けを無我夢中で繰り返していれば不意にジーとテントの入口が開いたのだ。
「…プロンプト…仮病か?」
「い、イグニス!?」
『見られてしまったか』
「ち、違うよ!昨日までは風邪だった!」
「早く情けない顔を洗ってこい。朝食が出来ているんだ。ななし、朝からテントで盛るな」
「行ってきます!」
『はいはい、イグニス様』
「全く…」
ななしとプロンプトの熱い絡み合いはこれにて強制終了された。
呆れたように頭を抱えるイグニスだが、彼もまたプロンプトが回復してくれたのが嬉しいようでその口元は綺麗に弧を描いている。
「おー、どうだった?」
「かなり元気そうだったぞ」
「まじか。プロンプト仮病かよ。朝飯抜きだな」
「ノクト、野菜を食べないならノクトも抜きだからな」
「はぁ!?」
「皆ー!おっはよーう!」
「てめ、プロンプトのせいだからな!」
「はぇ!?な、何が!?」
『ふふ、何はともあれだな』
「うるせぇぞ!早く食べないと食べちまうからな!」
「まってまって!食べるから!」
「プロンプトはこれな」
「野菜しかないじゃん!?」
「風邪をぶり返さないように野菜も食べておけ」
「はい、イグニス様[D:12316]」
「…」
いつも通りにもどった。
やはり誰かがかけていてはつまらないものだ。
いつもと変わりない朝食が今日はなんだかいつも以上に感じられた気がする。
ななしはコーヒーを飲んだ。
『うむ、甘いな』
それはそれはとても美味しかったそうだ。
一人じゃこんなに苦しんだ
(1人なんかじゃないよ)