小話集2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(支配人/恋人/R15)
*もしもななしちゃんに猫耳が生えたら❶
『ん〜、美味しい…』
「お、なんやななし。今日はえろうご機嫌やんけ」
『ふふ、真島さんお疲れ様です』
「おう、お疲れさん」
一日の仕事を終えてグランドの施錠を行っていた真島は、後ろで待機しているななしを横目で見つめた。
彼女は何かを食しているのか柔らかそうな頬を少し膨らませながら、ニコニコと嬉しそうにしている。
仕事が終わり疲れている真島だったが頬を膨らませて幸せそうにしているななしを見ているとそんな疲れも彼方へ飛んでいくようだ。
何かを頬張りモニモニと動いているななしの頬があまりにも気持ちよさそうに思えて、真島は懐に鍵をしまった後に彼女へと手を伸ばした。
急に腕が伸びてきたためキョトンとしているななしの頬を節榑た手で撫でれば、思っていた以上に柔らかく温かい。
まるでマシュマロのような感触に真島はとても癒されるようであった。
「やわこい…」
『んふふ、擽ったいです』
「こないにやわこいと永遠に触っとれる…気持ちええ」
『ふふ、そんなに柔らかいですかね?』
「おう、ホンマに…可愛ええなぁ」
頬を撫でながらそう伝えればななしは照れくさそうに『ありがとうございます』とはにかんだ。
そんな姿ももちろん真島にはとてつもなく可愛く写ってしまって。
これ以上グランドの前で触れ合うことは出来ないが、今すぐにでもキスをしたくて堪らなくなってくる。
必死にキスをしたい衝動を耐えていると、少し赤くなったななしが徐に『真島さん、これどうぞ』と何かを手のひらに乗せて差し出してくる。
『真島さんが優しいからお裾分けです』
「ん?飴?」
笑顔のまま差し出してきたのは小さな包みに入った飴であった。
『そう!りんご味の飴です』
「ななしが買うたんに俺がもろてええんか」
『あ、これはですね今日西谷さんから貰ったんです。"休憩中に食べてな"って』
「に、西谷やとぉ!?あの阿呆来とったんか?」
『はい、今日終業間近にお店に来てたんですよ』
真島はななしが差し出した飴を受け取り、手のひらに乗せると穴が空くほど凝視した。
飴は飴だがこれはあの一癖も二癖もある西谷が持ってきたものだったらしい。
せっかくななしがお裾分けと言ってくれた飴なのだが西谷から貰ったというだけで、見れば見るほどなにか怪しいもののように思えてしまった真島は怪訝そうに眉をひそめた。
西谷が営業中に訪れた事にも腹が立つし、勝手にななしに物をあげたことにも腹が立つ。
だいたいもう二度とグランドには来ないようにと酷く釘を指したというのに、何故のこのことやってくるのか。
まるで自分の視線を掻い潜ってななしに逢いに来たようでイライラが募る。
何もかもが面白くなくて真島はムスッと拗ねたように下唇を押し出した。
しかし彼女が嬉しそうに頬張っている手前なかなか"怪しい"とは言い出せない。
ぐぬぬと西谷に対する怒りに震えていると『真島さん?』と、心配そうにななしが顔を覗いてくる。
真島は平静を装いつつも、貰った飴は食べずにポケットへと押し込み話題を逸らすように「帰ろか」と踵を返した。
「今日は俺ん家来るんか?」
『ど、どっちでも大丈夫ですよ!』
「…ほなまだ一緒におりたいさかい…俺ん家行こか」
『は、はい。そうしましょう!』
このままななしを自宅へ届けて今日を終わらせても良かったのだが、もう少し彼女と過ごしたいと感じた真島は二人で同じアパートに帰ろうと提案した。
下心がない訳では無いが、西谷が渡した飴になにか変なものが入ってないか確かめるための提案でもある。
ななしが赤くなりながら狼狽えている姿に心癒されつつ、真島は彼女の手をとりゆっくりとおんぼろアパートを目指した。
グランドと真島の住むアパートはとてもほど近い場所にあるため、ゆっくりと歩いても数分で到着する。
今も直ぐにアパートがある路地裏に到着した真島とななしは部屋に行くために、少し古くなり錆び付いている鉄筋の階段をのぼった。
「暗いさかい足元気ぃつけや」
『はい、ありがとうございます』
ななしの細い手を握り転ばないように導きながら、自身が住んでいる部屋の前までやってきた真島。
尻ポケットにしまってある鍵で扉を開き、二人でくつろぐにはあまりにも狭い部屋へと入った。
「疲れたやろ?はよ休も………あ?」
『え?どうしたんですか?真島さん』
後ろにいるななしの為に扉を開いたまま固定し、中へ入るように促した真島だったが。
目の前を通過していくななしの頭を見て、驚きのあまり目を見開き固まってしまった。
『なにかありました!?』と慌てたように詰め寄ってくるななしの頭には、ちょこんと二つフワフワの猫耳が生えていたのだ。
あまりにもありえない状況に己の頭がイカれてしまったのかと隻眼を擦る真島だが、再び開いて目に入った光景は変わらず。
ななしの頭にはしっかりと黒い毛におおわれた猫耳が生えたままであった。
「ま、まさか西谷の飴か!?」
どうして猫耳が頭から生えてくるんだ…思いがけない状況に頭を悩ませる真島だったが、つい先程ななしが西谷から貰った飴を舐めていたのだと思い出す。
たかが小さな飴一つで猫耳が生えてくるとは到底思えなかったが、あの変わり種である西谷が持ってきたものなのだから何かしらの曰くが着いていたに違いない。
真島はそう結論づけて拳を強く握りこんだ。
「やっぱりあのおっさんに関わると碌な事ないわ!」
『あ、あの?』
「ななしは自分で気づいてへんのか…ほなちょっと頭触ってみぃ」
『あ、頭ですか?』
「おう。驚いてもええけど大きい声出したらアカンで」
『…………えっ…フワフワしてる……な、なにこれ………』
「今な、ななしの頭に猫耳生えとる」
『な、何でぇぇ!?』
「十中八九西谷の飴のせいやろな。どんな技術か知らんけどホンマ腹立つわ」
『ど、どうしよぉ真島さん!』
ようやく自分の頭に猫耳が生えていることに気がついたであろうななしは信じられないのか、しきりに耳を触って確かめている。
しかし何度触っても現実であることには変わりないと悟ったようで、ななしは顔面蒼白になっていくと猫耳を押さえつけながら『あ、ありえない…』とその場にしゃがみこんでしまった。
「ななし、とりあえず靴脱いで中入ろか。ここやと休めんやろ」
『は、はい…すみません…』
「なんでななしが謝るんや。悪いのは全部あのおっさんやんけ」
『そ、そうですけど…まさか猫耳が生えてくるなんて思わなくて…せっかく真島さんと過ごせる大事な時間なのに』
「安心せぇ。猫耳があろうがなかろうがななしと一緒に過ごしとんのは変わらへん。せやからあんま泣きそうな顔しなや」
『う、うん。ありがとうございます』
玄関先で蹲るななしをどうにか部屋の中に入れ、落ち着くようにと布団の上に座らせてやる。
彼女の気持ちに合わせて動いているようで猫耳もシュンとしなだれており、不謹慎だがなかなかに可愛い光景だと真島は口元を緩ませた。
『一生戻らなかったらどうしよう…』
「そんなことないやろけど、もしそうなったら俺がちゃんと面倒見たるさかい安心せぇ」
『本当に?面倒見てくれるんですか?』
「おう、どんなななしも俺の可愛ええ恋人には変わらん。猫耳なんか関係あらへんわ」
『ま、真島さん…!嬉しいです』
「…ななし」
ななしの見た目がなんであろうと、真島には関係ない。
その明るく元気で何事にも一生懸命な姿や、ななしの人間性に強く惚れ込んでいるのだ。
猫耳などはななしの可愛らしさを際立てる要因の一つにしかならないし、生えていてもそうでなくても愛おし事には変わりない。
どんな事があっても自分の愛は変わらない、そう素直に伝えるとななしはしょんぼり顔から一変し、花が咲いたように満面の笑みを浮かべた。
余程嬉しかったのか勢いよく胸に抱きついてきたななしの事を抱き締め返してやりながら、真島は「好きやで」と囁いやき耳と耳の間を優しく撫でてやる。
『んふふ…アタシも。アタシも真島さんが大好きです』
ななしの頭を撫でれば気持ちが良かったのか先程までしなだれていた猫耳が今度はぺたんと横に倒れていく。
ななしが嬉しそうに目を細めて微笑む顔と相まって、猫耳が倒れる様は何とも可愛らしく真島の興奮をかきたてるような光景であった。
『ふふ、真島さんの手あったかいですね』
「ななしの猫耳、感覚はあるんか?」
『んー、多分?違和感はあるようなないような』
「違和感あるんか。痛ないか?」
『痛くは無いですよ!』
「ほんなら良かった。ななしが喜ぶと耳も嬉しそうに動くさかい見とる分にはホンマ可愛ええ光景やで」
『う、動いてるんですか?うーん、無意識ですしアタシには動いてる感覚はあんまりないかもです』
「頭撫でると嬉しそうに耳が倒れんのホンマモンの猫みたいや」
『な、なんだか…アタシの気持ちが筒抜けで恥かしいですね』
「恥ずかしがらんでええ。俺もななしが嬉しそうにしとんの分かって嬉しいさかい」
『そっか…真島さんが嬉しいならそれでいいや』
「ななしはホンマ健気なやっちゃで」
『そうでしょうか』
まるで本物の猫のように擦り寄ってくるななしが愛らしく、色々な欲が昂ってくるようであった真島。
今すぐにでも彼女の事を愛したくてたまらないが、えへへと笑う笑顔もずっと見ていたい気持ちもあり、己の中の理性と興奮がひたすらに葛藤している。
しかしそんな葛藤露知らずなななしは未だに胸に顔を寄せて、ぎゅうと抱きついてくる。
まるでこちらの事を試すような、煽るような姿に真島の下半身が疼いた。
この子猫、どうしてやろうか…と悶々としていると、目に付いたのは間近に見えるななしの猫耳。
今も尚感情豊かにパタパタと動く猫耳に釘付けになってしまった真島。どうしてもそのフワフワとした柔らかそうな猫耳に触れてみたくなって、ななしの頭を撫でていた手をそっとずらす。
そのまま猫耳の裏側を人差し指でコソコソと撫で付けた。
『あぅん!?え、え?真島さん?』
「………」
すると驚いたのかななしの口からは戸惑うような甘い声が響いたのだ。
思っていた反応と違い妖艶な声を放ったななしに、再び真島は無言のまま猫耳にイタズラに触れた。
『やっ、やぁ!真島さん、だ、ダメっ』
「なんや、感覚あるやんけ。そないに気持ちええんか?」
『ち、違っ…気持ちいいんじゃなくて…すごく、敏感になってて…』
「それは気持ちええってことや無いんか?」
『わ、分からっ、んぅ!真島さんっ、さ、触らないでっ』
「さっき自分で触っとった時はそないな反応せんだのにのぉ。俺やと感じてまうんか?」
『んぅ!あっ、やだっ…真島さんっ』
「俺はただ耳触っとるだけやのになぁ。そないにいやらしい顔して…ええで、ななしの誘いに乗ったる」
『違うのっ。誘ってるんじゃなくて…声出ちゃうだけっ』
「ななしそれは誘っとんのと同じやで」
猫耳を摘み親指と人差し指でグリグリと激してやれば余程気持ちがいいらしく、ななしの口は半開きになりひっきりなしに喘ぎ声が漏れてくる。
抱きついていた腕に力が入らなくなってしまったのかただ凭れてくるななしを押し返し真島は少し強引に布団へと縫い付けた。
顔を上気させ大きく猫のような瞳に涙を貯めているななしの姿は、どこまでも煽情的だ。
思わず舌なめずりをしていた真島は、己の下で息を荒らげる彼女の唇にがむしゃらに吸い付いた。
『んぅ!』
「んっ」
貪るようなキスの最中も猫耳をグリグリと刺激し続けているとななしの腰はい厭らしく動いた。
敏感で感じやすい恋人に真島の下半身も既に屹立しており、無意識のうちにそれをななしの太ももに押し付けてしまっている。
このアパートにななしと来た時からこうなることは予想出来ていた。ただ今日は猫耳という思わぬ自体が発生してしまったが、いつも通り。今夜二人は愛を確かめることになるだろう。
真島は興奮を抑えることなくななしの口内を蹂躙し、猫耳を攻め続けた。
やわらかな舌に吸い付き、上顎や歯列をなぞる度にななしはピクピクと体を揺すり快感に耐え忍んでいる。
「んっ、ん…」
『んはぁ、んぅ…やっ、真島っ…しゃ…ん』
ゆっくりと濃厚なキスをしていると、ふと真島の舌にいつもとは違い微かに刺さるような痛みが走った。
真島は咄嗟に舌を引き抜きなんの痛みなのかと、とろけているななしの口内に無遠慮に指を突っ込む。
『ん、んん〜』と苦しげに息をしているななしの口内を指でなぞると、丁度八重歯に当たる部分がいつも以上に尖り鋭くなっている事に気がついた。
『んぅ…まひましゃ…』
「なるほど、これか。猫耳になっただけかと思たら犬歯も鋭なっとるやんけ」
『んぅ…』
「すまん、苦しかったな。大丈夫かななし?」
『大丈夫じゃないです…』
「す、すまん。どっか痛かったんか?」
『違うぅ…体が熱くて仕方ないの』
「…これはあれか、発情的なやつか?」
『知らないもんっ。責任取ってくれないと噛み付いちゃいますからねっ』
「はっ!望むところや。覚悟しときななし」
猫耳や犬歯だけでない。
どうやら猫は猫でも発情中の雌猫になってしまったななし。
興奮しているのか飴に催淫作用があったのか、自らスラックスを脱いでショーツ姿になるななしに真島も釣られるようにタキシードを脱ぎ捨てる。
犬歯を見せつけるようにして挑発的な笑みを浮かべたななしに覆いかぶさった真島は、発情中の彼女を満たすために一段と激しい行為に及ぶのだった。
(ななしっ、しっぽもあるやんけ!)
(あんっ、あっ、嘘っ。アタシ、ホントに、猫になっちゃったっ…!やっ、あ!)
(すぐ戻ってまうかもしれへんさかい、しっぽも存分に可愛がったるわ!)
(やぁあ!しっぽだめっ、やらぁ、またイッちゃうぅ!)
もしもななしちゃんに猫耳(犬歯、しっぽ有)が生えたら?第一弾。続きます。組長さんでも書く予定。
いつか真島さんにも犬耳(立ち耳)生やして発情させたい。
*もしもななしちゃんに猫耳が生えたら❶
『ん〜、美味しい…』
「お、なんやななし。今日はえろうご機嫌やんけ」
『ふふ、真島さんお疲れ様です』
「おう、お疲れさん」
一日の仕事を終えてグランドの施錠を行っていた真島は、後ろで待機しているななしを横目で見つめた。
彼女は何かを食しているのか柔らかそうな頬を少し膨らませながら、ニコニコと嬉しそうにしている。
仕事が終わり疲れている真島だったが頬を膨らませて幸せそうにしているななしを見ているとそんな疲れも彼方へ飛んでいくようだ。
何かを頬張りモニモニと動いているななしの頬があまりにも気持ちよさそうに思えて、真島は懐に鍵をしまった後に彼女へと手を伸ばした。
急に腕が伸びてきたためキョトンとしているななしの頬を節榑た手で撫でれば、思っていた以上に柔らかく温かい。
まるでマシュマロのような感触に真島はとても癒されるようであった。
「やわこい…」
『んふふ、擽ったいです』
「こないにやわこいと永遠に触っとれる…気持ちええ」
『ふふ、そんなに柔らかいですかね?』
「おう、ホンマに…可愛ええなぁ」
頬を撫でながらそう伝えればななしは照れくさそうに『ありがとうございます』とはにかんだ。
そんな姿ももちろん真島にはとてつもなく可愛く写ってしまって。
これ以上グランドの前で触れ合うことは出来ないが、今すぐにでもキスをしたくて堪らなくなってくる。
必死にキスをしたい衝動を耐えていると、少し赤くなったななしが徐に『真島さん、これどうぞ』と何かを手のひらに乗せて差し出してくる。
『真島さんが優しいからお裾分けです』
「ん?飴?」
笑顔のまま差し出してきたのは小さな包みに入った飴であった。
『そう!りんご味の飴です』
「ななしが買うたんに俺がもろてええんか」
『あ、これはですね今日西谷さんから貰ったんです。"休憩中に食べてな"って』
「に、西谷やとぉ!?あの阿呆来とったんか?」
『はい、今日終業間近にお店に来てたんですよ』
真島はななしが差し出した飴を受け取り、手のひらに乗せると穴が空くほど凝視した。
飴は飴だがこれはあの一癖も二癖もある西谷が持ってきたものだったらしい。
せっかくななしがお裾分けと言ってくれた飴なのだが西谷から貰ったというだけで、見れば見るほどなにか怪しいもののように思えてしまった真島は怪訝そうに眉をひそめた。
西谷が営業中に訪れた事にも腹が立つし、勝手にななしに物をあげたことにも腹が立つ。
だいたいもう二度とグランドには来ないようにと酷く釘を指したというのに、何故のこのことやってくるのか。
まるで自分の視線を掻い潜ってななしに逢いに来たようでイライラが募る。
何もかもが面白くなくて真島はムスッと拗ねたように下唇を押し出した。
しかし彼女が嬉しそうに頬張っている手前なかなか"怪しい"とは言い出せない。
ぐぬぬと西谷に対する怒りに震えていると『真島さん?』と、心配そうにななしが顔を覗いてくる。
真島は平静を装いつつも、貰った飴は食べずにポケットへと押し込み話題を逸らすように「帰ろか」と踵を返した。
「今日は俺ん家来るんか?」
『ど、どっちでも大丈夫ですよ!』
「…ほなまだ一緒におりたいさかい…俺ん家行こか」
『は、はい。そうしましょう!』
このままななしを自宅へ届けて今日を終わらせても良かったのだが、もう少し彼女と過ごしたいと感じた真島は二人で同じアパートに帰ろうと提案した。
下心がない訳では無いが、西谷が渡した飴になにか変なものが入ってないか確かめるための提案でもある。
ななしが赤くなりながら狼狽えている姿に心癒されつつ、真島は彼女の手をとりゆっくりとおんぼろアパートを目指した。
グランドと真島の住むアパートはとてもほど近い場所にあるため、ゆっくりと歩いても数分で到着する。
今も直ぐにアパートがある路地裏に到着した真島とななしは部屋に行くために、少し古くなり錆び付いている鉄筋の階段をのぼった。
「暗いさかい足元気ぃつけや」
『はい、ありがとうございます』
ななしの細い手を握り転ばないように導きながら、自身が住んでいる部屋の前までやってきた真島。
尻ポケットにしまってある鍵で扉を開き、二人でくつろぐにはあまりにも狭い部屋へと入った。
「疲れたやろ?はよ休も………あ?」
『え?どうしたんですか?真島さん』
後ろにいるななしの為に扉を開いたまま固定し、中へ入るように促した真島だったが。
目の前を通過していくななしの頭を見て、驚きのあまり目を見開き固まってしまった。
『なにかありました!?』と慌てたように詰め寄ってくるななしの頭には、ちょこんと二つフワフワの猫耳が生えていたのだ。
あまりにもありえない状況に己の頭がイカれてしまったのかと隻眼を擦る真島だが、再び開いて目に入った光景は変わらず。
ななしの頭にはしっかりと黒い毛におおわれた猫耳が生えたままであった。
「ま、まさか西谷の飴か!?」
どうして猫耳が頭から生えてくるんだ…思いがけない状況に頭を悩ませる真島だったが、つい先程ななしが西谷から貰った飴を舐めていたのだと思い出す。
たかが小さな飴一つで猫耳が生えてくるとは到底思えなかったが、あの変わり種である西谷が持ってきたものなのだから何かしらの曰くが着いていたに違いない。
真島はそう結論づけて拳を強く握りこんだ。
「やっぱりあのおっさんに関わると碌な事ないわ!」
『あ、あの?』
「ななしは自分で気づいてへんのか…ほなちょっと頭触ってみぃ」
『あ、頭ですか?』
「おう。驚いてもええけど大きい声出したらアカンで」
『…………えっ…フワフワしてる……な、なにこれ………』
「今な、ななしの頭に猫耳生えとる」
『な、何でぇぇ!?』
「十中八九西谷の飴のせいやろな。どんな技術か知らんけどホンマ腹立つわ」
『ど、どうしよぉ真島さん!』
ようやく自分の頭に猫耳が生えていることに気がついたであろうななしは信じられないのか、しきりに耳を触って確かめている。
しかし何度触っても現実であることには変わりないと悟ったようで、ななしは顔面蒼白になっていくと猫耳を押さえつけながら『あ、ありえない…』とその場にしゃがみこんでしまった。
「ななし、とりあえず靴脱いで中入ろか。ここやと休めんやろ」
『は、はい…すみません…』
「なんでななしが謝るんや。悪いのは全部あのおっさんやんけ」
『そ、そうですけど…まさか猫耳が生えてくるなんて思わなくて…せっかく真島さんと過ごせる大事な時間なのに』
「安心せぇ。猫耳があろうがなかろうがななしと一緒に過ごしとんのは変わらへん。せやからあんま泣きそうな顔しなや」
『う、うん。ありがとうございます』
玄関先で蹲るななしをどうにか部屋の中に入れ、落ち着くようにと布団の上に座らせてやる。
彼女の気持ちに合わせて動いているようで猫耳もシュンとしなだれており、不謹慎だがなかなかに可愛い光景だと真島は口元を緩ませた。
『一生戻らなかったらどうしよう…』
「そんなことないやろけど、もしそうなったら俺がちゃんと面倒見たるさかい安心せぇ」
『本当に?面倒見てくれるんですか?』
「おう、どんなななしも俺の可愛ええ恋人には変わらん。猫耳なんか関係あらへんわ」
『ま、真島さん…!嬉しいです』
「…ななし」
ななしの見た目がなんであろうと、真島には関係ない。
その明るく元気で何事にも一生懸命な姿や、ななしの人間性に強く惚れ込んでいるのだ。
猫耳などはななしの可愛らしさを際立てる要因の一つにしかならないし、生えていてもそうでなくても愛おし事には変わりない。
どんな事があっても自分の愛は変わらない、そう素直に伝えるとななしはしょんぼり顔から一変し、花が咲いたように満面の笑みを浮かべた。
余程嬉しかったのか勢いよく胸に抱きついてきたななしの事を抱き締め返してやりながら、真島は「好きやで」と囁いやき耳と耳の間を優しく撫でてやる。
『んふふ…アタシも。アタシも真島さんが大好きです』
ななしの頭を撫でれば気持ちが良かったのか先程までしなだれていた猫耳が今度はぺたんと横に倒れていく。
ななしが嬉しそうに目を細めて微笑む顔と相まって、猫耳が倒れる様は何とも可愛らしく真島の興奮をかきたてるような光景であった。
『ふふ、真島さんの手あったかいですね』
「ななしの猫耳、感覚はあるんか?」
『んー、多分?違和感はあるようなないような』
「違和感あるんか。痛ないか?」
『痛くは無いですよ!』
「ほんなら良かった。ななしが喜ぶと耳も嬉しそうに動くさかい見とる分にはホンマ可愛ええ光景やで」
『う、動いてるんですか?うーん、無意識ですしアタシには動いてる感覚はあんまりないかもです』
「頭撫でると嬉しそうに耳が倒れんのホンマモンの猫みたいや」
『な、なんだか…アタシの気持ちが筒抜けで恥かしいですね』
「恥ずかしがらんでええ。俺もななしが嬉しそうにしとんの分かって嬉しいさかい」
『そっか…真島さんが嬉しいならそれでいいや』
「ななしはホンマ健気なやっちゃで」
『そうでしょうか』
まるで本物の猫のように擦り寄ってくるななしが愛らしく、色々な欲が昂ってくるようであった真島。
今すぐにでも彼女の事を愛したくてたまらないが、えへへと笑う笑顔もずっと見ていたい気持ちもあり、己の中の理性と興奮がひたすらに葛藤している。
しかしそんな葛藤露知らずなななしは未だに胸に顔を寄せて、ぎゅうと抱きついてくる。
まるでこちらの事を試すような、煽るような姿に真島の下半身が疼いた。
この子猫、どうしてやろうか…と悶々としていると、目に付いたのは間近に見えるななしの猫耳。
今も尚感情豊かにパタパタと動く猫耳に釘付けになってしまった真島。どうしてもそのフワフワとした柔らかそうな猫耳に触れてみたくなって、ななしの頭を撫でていた手をそっとずらす。
そのまま猫耳の裏側を人差し指でコソコソと撫で付けた。
『あぅん!?え、え?真島さん?』
「………」
すると驚いたのかななしの口からは戸惑うような甘い声が響いたのだ。
思っていた反応と違い妖艶な声を放ったななしに、再び真島は無言のまま猫耳にイタズラに触れた。
『やっ、やぁ!真島さん、だ、ダメっ』
「なんや、感覚あるやんけ。そないに気持ちええんか?」
『ち、違っ…気持ちいいんじゃなくて…すごく、敏感になってて…』
「それは気持ちええってことや無いんか?」
『わ、分からっ、んぅ!真島さんっ、さ、触らないでっ』
「さっき自分で触っとった時はそないな反応せんだのにのぉ。俺やと感じてまうんか?」
『んぅ!あっ、やだっ…真島さんっ』
「俺はただ耳触っとるだけやのになぁ。そないにいやらしい顔して…ええで、ななしの誘いに乗ったる」
『違うのっ。誘ってるんじゃなくて…声出ちゃうだけっ』
「ななしそれは誘っとんのと同じやで」
猫耳を摘み親指と人差し指でグリグリと激してやれば余程気持ちがいいらしく、ななしの口は半開きになりひっきりなしに喘ぎ声が漏れてくる。
抱きついていた腕に力が入らなくなってしまったのかただ凭れてくるななしを押し返し真島は少し強引に布団へと縫い付けた。
顔を上気させ大きく猫のような瞳に涙を貯めているななしの姿は、どこまでも煽情的だ。
思わず舌なめずりをしていた真島は、己の下で息を荒らげる彼女の唇にがむしゃらに吸い付いた。
『んぅ!』
「んっ」
貪るようなキスの最中も猫耳をグリグリと刺激し続けているとななしの腰はい厭らしく動いた。
敏感で感じやすい恋人に真島の下半身も既に屹立しており、無意識のうちにそれをななしの太ももに押し付けてしまっている。
このアパートにななしと来た時からこうなることは予想出来ていた。ただ今日は猫耳という思わぬ自体が発生してしまったが、いつも通り。今夜二人は愛を確かめることになるだろう。
真島は興奮を抑えることなくななしの口内を蹂躙し、猫耳を攻め続けた。
やわらかな舌に吸い付き、上顎や歯列をなぞる度にななしはピクピクと体を揺すり快感に耐え忍んでいる。
「んっ、ん…」
『んはぁ、んぅ…やっ、真島っ…しゃ…ん』
ゆっくりと濃厚なキスをしていると、ふと真島の舌にいつもとは違い微かに刺さるような痛みが走った。
真島は咄嗟に舌を引き抜きなんの痛みなのかと、とろけているななしの口内に無遠慮に指を突っ込む。
『ん、んん〜』と苦しげに息をしているななしの口内を指でなぞると、丁度八重歯に当たる部分がいつも以上に尖り鋭くなっている事に気がついた。
『んぅ…まひましゃ…』
「なるほど、これか。猫耳になっただけかと思たら犬歯も鋭なっとるやんけ」
『んぅ…』
「すまん、苦しかったな。大丈夫かななし?」
『大丈夫じゃないです…』
「す、すまん。どっか痛かったんか?」
『違うぅ…体が熱くて仕方ないの』
「…これはあれか、発情的なやつか?」
『知らないもんっ。責任取ってくれないと噛み付いちゃいますからねっ』
「はっ!望むところや。覚悟しときななし」
猫耳や犬歯だけでない。
どうやら猫は猫でも発情中の雌猫になってしまったななし。
興奮しているのか飴に催淫作用があったのか、自らスラックスを脱いでショーツ姿になるななしに真島も釣られるようにタキシードを脱ぎ捨てる。
犬歯を見せつけるようにして挑発的な笑みを浮かべたななしに覆いかぶさった真島は、発情中の彼女を満たすために一段と激しい行為に及ぶのだった。
(ななしっ、しっぽもあるやんけ!)
(あんっ、あっ、嘘っ。アタシ、ホントに、猫になっちゃったっ…!やっ、あ!)
(すぐ戻ってまうかもしれへんさかい、しっぽも存分に可愛がったるわ!)
(やぁあ!しっぽだめっ、やらぁ、またイッちゃうぅ!)
もしもななしちゃんに猫耳(犬歯、しっぽ有)が生えたら?第一弾。続きます。組長さんでも書く予定。
いつか真島さんにも犬耳(立ち耳)生やして発情させたい。