小話集1
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(支配人/恋人)
『ん…んぅ』
昼時、ななしは暑さと少しの息苦しさで目が覚めた。
ぼやける視界の中でタオルケットを捲りあげようと身動ぎをすると、腹に微かな圧迫感を感じる。
何事かと見下ろせば胸あたりに頭を預け眠る真島がおり、腹には彼の逞しい腕がぐるりと巻き付けられていたのだ。
『…そっか…昨日アタシ…』
真島の腕が巻き付く自分の体にはサイズの合っていない大きなワイシャツだけが着せられており、昨晩どのような事が起こったのかを物語っているようであった。
寝起きの覚醒しきらない頭の中で一連の行為をはっきりと思い出したななしは、気恥ずかしさに顔を赤らめ一人悶えた。
ひとしきり悶えた後。
胸に頭を預け眠っている真島をおずおずと見下ろせば彼はスースーと健やかな寝息をたて眠っていた。
『…珍しい…』
普段ななしが目を覚ます頃には既に真島は起床しており、髪や髭などが整えられていることが多い。
必ず「おはようさん」と穏やかに挨拶をしてくれるのだが今日は珍しくななしが起床する方が早く、髪や髭は疎か未だに真島は素っ裸のままだ。
真島が眠っている光景自体がかなり稀少であるためななしは普段観察できない寝顔を興味深そうに眺めた。
寝ていても起きていても眉間の皺はくっきりと刻まれており、瞳を閉じているというのに少し厳つい。
しかし閉じられた瞳を縁取るまつ毛は思っているよりもずっと長く美しい。
眉がきりりとつり上がっているため全体的に強面だと思われがちだが、よくよく観察してみると真島はとても端正な顔つきである。
改めて自身の恋人が如何にかっこよくてイケメンであるかを目の当たりにしたななしは再び顔を赤らめて、火照る頬を両手で押さえた。
『…アタシには勿体ないくらいですよ真島さん』
顔がかっこいいだけではない、彼はいつもどんな時も傍に居てくれて、困った事があれば直ぐに手を差し伸べてくれる優しい人物でもある。
真島のような素敵な男性が本当に自分の恋人等で良いのだろうかと思ってしまうほどだ。
自分と真島ではあまりにも不釣り合いなような気がしてしまって何ともやるせない。
ただ今更真島と離れるということは考えられず。
願わくばこの先もずっと愛おしい真島と過ごすことが出来るといい。そう思いながらななしは眠る真島のこめかみを優しく撫でつけた。
そうして暫く指の腹でこめかみを撫でていたななしだが真島が起きる気配は全く無く。
起きて朝食(兼昼食)を作ろうにも真島の腕ががっちりと腹と背中に回っている為動き出せない状態であった。
夏なので暑いと言えば暑いが、真島の体温や肌の感触、心地よい香りなどが感じられるため抱き締められていることは吝かでは無い。
しかし何も出来ないとそれはそれで大変である。
今日も昼過ぎからグランドへ行く必要があるのだから。
気持ちよさそうに眠る真島を起こしてしまうのも可哀想であるし、かといって何もしない訳にもいかない。
ななしはどうしたものかと頭を悩ませた。
『うーん』
結局何をするにしてもこの腕から抜け出す必要がある。しかししっかり抱き締められている為動くことすら儘ならなかったななしは抜け出すことを諦め、それならばいっそもう一度真島と一緒に眠ってしまおうと再びタオルケットに手をかけた。
そのまま胸の位置にある真島の顔をキュッと抱きしめるようにして体を丸め、彼の項に鼻先を埋める。
普段はひとつに括られている黒の長髪を梳きながら、ななしはゆっくりと瞳を閉じた。
「…ん?ななし…?」
『…あ、真島さん。起こしちゃいましたか』
何度か髪を梳いていると違和感を感じたのか、胸に埋まっていた顔がモゾモゾと動き出し真島は起きてしまった様であった。
『ごめんなさい』と腕を離すと真島はゆっくりと顔を起こしこちらを見あげてくる。
見つめてくる真島の隻眼は未だに眠眼で半目状態。
そんな寝起きの締まりのない顔が普段とはあまりにもかけ離れていて、物珍しさとギャップにななしは思わず『ふふっ!』と、肩を揺らすように笑ってしまったのだ。
「……おはよーさん」
『んふふっ、お、おはようです!』
「……昼一から元気やのぉ、ななし」
『すみません。起こしちゃいましたね』
「かまへん、どのみちそろそろ起きなかんだしな」
何度か目を瞬かせた真島はこちらに見えないようにか手で口を抑えながら欠伸を零しゆっくりと上半身を起こした。
寝起きのせいか普段よりも少し低く掠れた声で囁くように喋るため、傍にいたななしの心臓はドキドキと早鐘を打つ。
寝起きの姿はあんなに可愛いのに、声は反則級にかっこいいなんて、これもギャップ萌えと言うやつなのだろうか。
「はぁ、このままななしと二人で居れたらどんだけええか」
『ふふっ、そうですね。アタシもそう思います』
「…今日だけグランド休みにならへんか?」
『ん〜なりませんね〜』
「せやけど俺が支配人やろ…俺の一声で休みにできるっちゅうことやないか?」
『あ、悪いこと言ってる』
「一回くらい朝から晩までななしと居ったってバチ当たらんやろ」
『でも今日は昨日からお昼も一緒で、これからグランドでも一緒に居られますよ?』
「仕事のことは抜きや。目が合うだけやなんて一緒に居るって言わんやろ。もっと触れ合う距離やないと意味ないねん」
『ふふ、確かにそうですね…。アタシもいつか真島さんと一日一緒に過ごしてみたいです』
「せやったらやっぱし今日休みにしよか」
『それはダメですよ!今日もいっぱいお客さん来る予定なんですから』
「…いつ叶うかわからんのぉ」
『大丈夫、アタシはこの先ずっと真島さんの傍に居るんですから。きっと一日中一緒に居られるようになりますよ!』
「…おう、せやな。今から待ち遠しいわ」
『そうですね!』
「ほな、そろそろ起きよかななし」
『はい』
今はまだお互い色々な事情があってグランドで働かなくてはならない。
そんな人生からいつ抜け出せるか、それは今のななしや真島には想像すらできない。
しかしお互いを思う気持ちはこの先も不変であるし、何があろうと二人は常に一緒だ。
未来のことなど全くなにも分からないがこの先も離れないと言う妙な自信だけは真島にもななしにもあった。
だから名残惜しくもあるがそろそろグランドに行くための準備をしようと真島とななしは布団からゆっくりと起き上がる。
「ななし」
『なんですか?』
「今日も頑張ろな」
『はい、勿論!』
「まずは…服きた方がええな」
『あっ、そ、そうですよ!真島さん今全裸っ…!』
「もう見慣れたやろ?」
『み、見慣れませんよ!』
「…りんごみたになっとんで」
『い、言わないで下さいよぉ』
「ほんま可愛ええな…」
『……真島さんも寝起き可愛かったですよ』
「…可愛くないわ」
『半目で可愛かったですよ?』
「……洗面所行ってくる」
『アタシも行きます!』
寝顔や寝起きの顔を見られたことが気恥ずかしかったのか真島は逃げるように長髪を靡かせそそくさと洗面所に歩いていってしまった。
今日だけでも真島の新たな一面を沢山目にしたななし。
可愛らしい部分も、少し抜けた部分も、寝起きの顔や、恥ずかしいと逃げる後ろ姿も。
それら全てが本当に愛おしくて。
ななしはホクホクとした気持ちのまま穏やかな笑みを浮かべ、逃げていく色鮮やかな般若を急ぎ足で追いかけて洗面所にへと向かったのだった。
(えへへ、真島さんの髪を下ろした姿もレアですね)
(そないに見んといてやななし)
(え〜、目に焼き付けます)
(ほな俺も)
(え?ひゃっ!?)
(ななしの彼シャツ姿目に焼き付けんとなぁ)
(ち、近いですよぅ)
(間近で見なよぉ見えんのや)
(うぅ)
髪を下ろした支配人…見てみたいですね。
新しい一面を発見する度にどんどん好きになって行く的なお話。
ななしちゃんはあまり描写はないけど最初から最後まで彼シャツ( ˇωˇ )
『ん…んぅ』
昼時、ななしは暑さと少しの息苦しさで目が覚めた。
ぼやける視界の中でタオルケットを捲りあげようと身動ぎをすると、腹に微かな圧迫感を感じる。
何事かと見下ろせば胸あたりに頭を預け眠る真島がおり、腹には彼の逞しい腕がぐるりと巻き付けられていたのだ。
『…そっか…昨日アタシ…』
真島の腕が巻き付く自分の体にはサイズの合っていない大きなワイシャツだけが着せられており、昨晩どのような事が起こったのかを物語っているようであった。
寝起きの覚醒しきらない頭の中で一連の行為をはっきりと思い出したななしは、気恥ずかしさに顔を赤らめ一人悶えた。
ひとしきり悶えた後。
胸に頭を預け眠っている真島をおずおずと見下ろせば彼はスースーと健やかな寝息をたて眠っていた。
『…珍しい…』
普段ななしが目を覚ます頃には既に真島は起床しており、髪や髭などが整えられていることが多い。
必ず「おはようさん」と穏やかに挨拶をしてくれるのだが今日は珍しくななしが起床する方が早く、髪や髭は疎か未だに真島は素っ裸のままだ。
真島が眠っている光景自体がかなり稀少であるためななしは普段観察できない寝顔を興味深そうに眺めた。
寝ていても起きていても眉間の皺はくっきりと刻まれており、瞳を閉じているというのに少し厳つい。
しかし閉じられた瞳を縁取るまつ毛は思っているよりもずっと長く美しい。
眉がきりりとつり上がっているため全体的に強面だと思われがちだが、よくよく観察してみると真島はとても端正な顔つきである。
改めて自身の恋人が如何にかっこよくてイケメンであるかを目の当たりにしたななしは再び顔を赤らめて、火照る頬を両手で押さえた。
『…アタシには勿体ないくらいですよ真島さん』
顔がかっこいいだけではない、彼はいつもどんな時も傍に居てくれて、困った事があれば直ぐに手を差し伸べてくれる優しい人物でもある。
真島のような素敵な男性が本当に自分の恋人等で良いのだろうかと思ってしまうほどだ。
自分と真島ではあまりにも不釣り合いなような気がしてしまって何ともやるせない。
ただ今更真島と離れるということは考えられず。
願わくばこの先もずっと愛おしい真島と過ごすことが出来るといい。そう思いながらななしは眠る真島のこめかみを優しく撫でつけた。
そうして暫く指の腹でこめかみを撫でていたななしだが真島が起きる気配は全く無く。
起きて朝食(兼昼食)を作ろうにも真島の腕ががっちりと腹と背中に回っている為動き出せない状態であった。
夏なので暑いと言えば暑いが、真島の体温や肌の感触、心地よい香りなどが感じられるため抱き締められていることは吝かでは無い。
しかし何も出来ないとそれはそれで大変である。
今日も昼過ぎからグランドへ行く必要があるのだから。
気持ちよさそうに眠る真島を起こしてしまうのも可哀想であるし、かといって何もしない訳にもいかない。
ななしはどうしたものかと頭を悩ませた。
『うーん』
結局何をするにしてもこの腕から抜け出す必要がある。しかししっかり抱き締められている為動くことすら儘ならなかったななしは抜け出すことを諦め、それならばいっそもう一度真島と一緒に眠ってしまおうと再びタオルケットに手をかけた。
そのまま胸の位置にある真島の顔をキュッと抱きしめるようにして体を丸め、彼の項に鼻先を埋める。
普段はひとつに括られている黒の長髪を梳きながら、ななしはゆっくりと瞳を閉じた。
「…ん?ななし…?」
『…あ、真島さん。起こしちゃいましたか』
何度か髪を梳いていると違和感を感じたのか、胸に埋まっていた顔がモゾモゾと動き出し真島は起きてしまった様であった。
『ごめんなさい』と腕を離すと真島はゆっくりと顔を起こしこちらを見あげてくる。
見つめてくる真島の隻眼は未だに眠眼で半目状態。
そんな寝起きの締まりのない顔が普段とはあまりにもかけ離れていて、物珍しさとギャップにななしは思わず『ふふっ!』と、肩を揺らすように笑ってしまったのだ。
「……おはよーさん」
『んふふっ、お、おはようです!』
「……昼一から元気やのぉ、ななし」
『すみません。起こしちゃいましたね』
「かまへん、どのみちそろそろ起きなかんだしな」
何度か目を瞬かせた真島はこちらに見えないようにか手で口を抑えながら欠伸を零しゆっくりと上半身を起こした。
寝起きのせいか普段よりも少し低く掠れた声で囁くように喋るため、傍にいたななしの心臓はドキドキと早鐘を打つ。
寝起きの姿はあんなに可愛いのに、声は反則級にかっこいいなんて、これもギャップ萌えと言うやつなのだろうか。
「はぁ、このままななしと二人で居れたらどんだけええか」
『ふふっ、そうですね。アタシもそう思います』
「…今日だけグランド休みにならへんか?」
『ん〜なりませんね〜』
「せやけど俺が支配人やろ…俺の一声で休みにできるっちゅうことやないか?」
『あ、悪いこと言ってる』
「一回くらい朝から晩までななしと居ったってバチ当たらんやろ」
『でも今日は昨日からお昼も一緒で、これからグランドでも一緒に居られますよ?』
「仕事のことは抜きや。目が合うだけやなんて一緒に居るって言わんやろ。もっと触れ合う距離やないと意味ないねん」
『ふふ、確かにそうですね…。アタシもいつか真島さんと一日一緒に過ごしてみたいです』
「せやったらやっぱし今日休みにしよか」
『それはダメですよ!今日もいっぱいお客さん来る予定なんですから』
「…いつ叶うかわからんのぉ」
『大丈夫、アタシはこの先ずっと真島さんの傍に居るんですから。きっと一日中一緒に居られるようになりますよ!』
「…おう、せやな。今から待ち遠しいわ」
『そうですね!』
「ほな、そろそろ起きよかななし」
『はい』
今はまだお互い色々な事情があってグランドで働かなくてはならない。
そんな人生からいつ抜け出せるか、それは今のななしや真島には想像すらできない。
しかしお互いを思う気持ちはこの先も不変であるし、何があろうと二人は常に一緒だ。
未来のことなど全くなにも分からないがこの先も離れないと言う妙な自信だけは真島にもななしにもあった。
だから名残惜しくもあるがそろそろグランドに行くための準備をしようと真島とななしは布団からゆっくりと起き上がる。
「ななし」
『なんですか?』
「今日も頑張ろな」
『はい、勿論!』
「まずは…服きた方がええな」
『あっ、そ、そうですよ!真島さん今全裸っ…!』
「もう見慣れたやろ?」
『み、見慣れませんよ!』
「…りんごみたになっとんで」
『い、言わないで下さいよぉ』
「ほんま可愛ええな…」
『……真島さんも寝起き可愛かったですよ』
「…可愛くないわ」
『半目で可愛かったですよ?』
「……洗面所行ってくる」
『アタシも行きます!』
寝顔や寝起きの顔を見られたことが気恥ずかしかったのか真島は逃げるように長髪を靡かせそそくさと洗面所に歩いていってしまった。
今日だけでも真島の新たな一面を沢山目にしたななし。
可愛らしい部分も、少し抜けた部分も、寝起きの顔や、恥ずかしいと逃げる後ろ姿も。
それら全てが本当に愛おしくて。
ななしはホクホクとした気持ちのまま穏やかな笑みを浮かべ、逃げていく色鮮やかな般若を急ぎ足で追いかけて洗面所にへと向かったのだった。
(えへへ、真島さんの髪を下ろした姿もレアですね)
(そないに見んといてやななし)
(え〜、目に焼き付けます)
(ほな俺も)
(え?ひゃっ!?)
(ななしの彼シャツ姿目に焼き付けんとなぁ)
(ち、近いですよぅ)
(間近で見なよぉ見えんのや)
(うぅ)
髪を下ろした支配人…見てみたいですね。
新しい一面を発見する度にどんどん好きになって行く的なお話。
ななしちゃんはあまり描写はないけど最初から最後まで彼シャツ( ˇωˇ )