小話集1
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(真島/恋人)
『吾朗さん〜。ちょっといいですか!』
「どないしてん?」
ソファで寛ぐ真島の隣に勢いよく座ったななしは、自身の二の腕を指さしながら『ここどうなってます!?』と、鼻息荒く詰め寄ってくる。
真島は言われた通りななしの細く白い二の腕に視線を落とすと、赤くなっておりぷっくりと腫れている様であった。
この蕁麻疹のような独特な腫れ方は、夏の風物詩でもある蚊の仕業であろう。
ななしの肌が白いため赤色が目立ち、一際痒そうに見えてくる。
真島は革手袋を外すとななしの二の腕を掴み、親指の腹で腫れている箇所にそっと触れてみる。
クーラーで涼しい室内であるため肌自体はひんやりと冷たいが、蚊に刺されている箇所だけはじんわりと熱く熱を持っているようであった。
「蚊に刺されとんな」
『やっぱり刺されてます!?通りで痒いと思いました…』
「あんまりかいたらアカンで。赤 うなっとる」
『でも痒いんですもん〜』
「おい、せめて指の腹でかかんかい。爪やと痕になんで」
『ん〜、ムヒとか置いてないです?』
「置いとらんなぁ」
『そうですよね…うーん…痒い』
「ななし、かいたらアカン言うとるやろ」
『無理です〜。痒いもん』
「お前は子供か」
『ちょっとなにするんですかー!』
余程痒いのか爪先でボリボリと蚊に刺された箇所をかいているななし。
痒い気持ちは十分に理解できるのだが、強くかきすぎてか肌に爪の痕が出来てしまっている。
このままでは白い肌に爪の痕が消えずに残ってしまったり、酷くかき壊してしまう可能性があると真島は強引にななしの事を抱き寄せ、腕をがっちりと掴んだ。
身動きが取れなくなってしまったななしは『離してください〜』と僅かに抵抗をしている。
しかし真島の力に適うはずがないと思ったのか、直ぐに抵抗はやめて代わりに拗ねたように唇を尖らせた。
『痒いのにかけないなんて拷問ですよぉ。この悪魔!鬼!般若!』
「人聞き悪いこと言うなや。そもそもどういう意味やねん。般若は悪口なんか?あぁ?」
『だって〜』
「ほな、俺が代わりにさすったるさかい。我慢しぃ」
『余計に痒くなっちゃいますって』
「我慢せぇ」
『もう、他人事だと思って!』
真島は文句を並べるななしを無視したまま、足の間に座る彼女の二の腕を左腕で掴むと右手の平全体で撫でるようにさすってやる。
そうするとやはりななしの腫れている箇所がじんわりと熱い。
自分が蚊に刺された時はここまで肌が熱くなるだろうか…と、考えながら傷がつかないようになるべく優しくさする。
「お前肌弱いんやないか?」
『えぇ?そうなんですか?』
「ここまで熱もたんやろ普通」
『どうなんだろう…吾朗さんはこんな風にならないんですか?』
「こないに腫れもせんわ」
『そうなんですか?てかそもそも吾朗さんが蚊に刺された所をあまり見たことがない気がしますね』
「まぁ、せやな。今年は刺された記憶ないわ」
『そんなにお腹出してるのに不思議…蚊が嫌がる匂いとか出てるんじゃないですか?』
「あぁ?どういう意味やねん?」
『なんか蚊取り線香みたいな匂いとかですか?あ!ほらタバコの匂いとか』
「誰が蚊取り線香やねんアホ」
『ふふふっ、冗談です!吾朗さんはいつもアタシの好きな香りしてますよ』
「当たり前やアホ。俺から蚊取り線香の匂いしとったらおかしいやろ」
『ふふふっ!想像したら面白いです』
「想像すな!…で?痒みはどやねん。少しは治まったんか?」
『んー、そうですね!吾朗さんの手が冷たくて気持ちいいです』
「ヒヒッ!そら良かったのぉ」
蚊に刺された箇所に真島のクーラーで冷えている手が心地よいらしい。
先程よりも痒くなくなったのかななしはニコニコと穏やかな表情を浮かべていた。
これ以上痒くならないようになにか薬でもあれば良いのだろうが、如何せんこの家には何も無く。
再び痒みがぶり返した時の為にも何か肌に塗る薬が必要である。
今はななしが肌を強くかかないかを見張ることで忙しいため買い出しに行けない真島は「西田にでも買いに行かせるか」と1人心の中で呟いた。
時刻は夜の12時過ぎだが、愛しい恋人であるななしの綺麗な肌の為なので西田にはこんな時間でも頑張ってもらう必要がある。
『吾朗さん〜。ちょっと落ち着いてきたのでもう大丈夫だと思います!』
「ホンマか?ななしの事や。痒くてまた無意識のうちにかいてまうんやろ。せやから、まだ暫くこうしとんで」
『ふふ、それ絶対吾朗さんが引っ付いていたいだけでしょ?』
「俺はお前の心配して引っ付いとんのや。勘違いしたらアカンでぇ?」
『勘違いなんですか。じゃ、嬉しいのはアタシだけなんですねー』
「ヒヒッ!嬉しいんか?」
『嬉しいですよ?嬉しくないですか?』
「嬉しくないわけないやろ」
『ふふ、ややこしい人!』
きっかけがなんであれ、お互い触れ合えることは真島にとってもななしにとっても嬉しいことであった。
お互い憎まれ口を聞きつつも二人で過ごせる今この瞬間が、愛おしくてたまらない。
腕の中にいるななしを見下ろせば、彼女もまた真島を見上げるように顔を起こした。
二人の視線がかち合うと自然と顔が近付き、次の瞬間にはそっと唇を触れ合わせていた。
『んっ、ふふ。なんだか眠くなっちゃいますね』
「寝てまうんか?こんなええ雰囲気なのに」
『何言ってるんですか、明日も仕事でしょ?』
「このままお前とセックスしとったら痒みの事も忘れてまうんやないか?」
『ふふ、まぁそれはそうかもしれないです』
「ほな一石二鳥やないか」
『一石二鳥なの吾朗さんだけじゃないですか』
「なんでやねん。ななしは痒みも忘れるし、気持ちいい。一石二鳥やないか」
『めっちゃ力説するじゃないですか…』
「ヒヒッ、つべこべ言わんと俺に抱かれとき」
『本当っ、強引』
「嫌いやないくせによぉ言う」
『もう、吾朗さんの意地悪』
「ほな、寝室行こか」
『ん、はいっ』
いつも通り最終的には二人で淫らな夜を過ごす結果になるのだが、これで痒みを忘れられるならそれに越したことはない。
それに今のうちに西田に薬を買わせエントランスの宅配ボックスに届けさせれば、朝起きてななしに痒みの症状が出ていても直ぐに対処できるだろう。
我ながらいい案だと満足気に頷く真島はポケットに入っていた携帯で適当に西田にメールを送った。
返事を待つことなくメールを送った携帯をソファに投げつけ、座っているななしの手をとり寝室にへと向かった。
素直にトコトコ着いてくるななしの愛らしさに口元が緩む真島。
いつ見てもななしは本当に小動物のように思える。
それでは自分はそんなななしを食らう猛獣になるのか。
「言い得て妙やな」
『え?なにがですか?』
「なんでもあらへん。それよりななし。ちょっと二の腕貸し」
『二の腕?』
「そっちやない、蚊に刺された方や」
『はい…んっ』
真島はななしが差し出した腕を緩く掴むと、蚊に刺されている直ぐ真横に顔を近づけそっと唇を引っつけた。
唾液で濡らした唇で白い肌を吸い、蚊に刺された箇所の隣に赤いキスマークをつけたのだ。
「ヒヒッ、これでええわ」
『…見えないけど、どっちがキスマークかわかんなくなる』
「蚊と一緒にすんなや。だいたいもう二度と肌食われたらアカン。お前を食ってええのは俺だけやろ」
『ふふっ、蚊に嫉妬しないでください』
「お前は誰のもんや?俺のもんやろ?」
『アタシはアタシのものですけど…そうですね。善処しいます』
「おう、そんでええ。ほなこっち来いななし」
『一回だけですからね?』
「それはどやろなぁ」
『んっ、もう。仕事行けなくなったら怒るからね』
「安心せぇ、ちゃんと起こしたるさかい」
『ん、それと送ってくださいっ、ん』
「ヒヒッ!世話のやける恋人様やのぉ」
『その言葉そっくりそのまま返しますぅ!』
こうして激しい行為が始まることとなる。
お陰でななしは二の腕の痒みを忘れることに成功するのだが、次の日はばっちり会社に遅刻するのだった。
(ななし、これもっとき)
(え!?急いでるんですけど!)
(ムヒや)
(ムヒあったんですか!?)
(いや、昨日西田に買いに行かせた)
(えぇ!?に、西田さんに!?後でお礼言わないと…)
(それより絶対かくなよ。約束やで)
(か、かかないです!)
(ちゃんと分かるんやからな)
(いっ、行ってきます!)
(おう)
夏は蚊に刺されやすいななしちゃんと、刺されにくい真島さん。
痕にならないように甲斐甲斐しく世話してる真島さんエモい( ˇωˇ )
『吾朗さん〜。ちょっといいですか!』
「どないしてん?」
ソファで寛ぐ真島の隣に勢いよく座ったななしは、自身の二の腕を指さしながら『ここどうなってます!?』と、鼻息荒く詰め寄ってくる。
真島は言われた通りななしの細く白い二の腕に視線を落とすと、赤くなっておりぷっくりと腫れている様であった。
この蕁麻疹のような独特な腫れ方は、夏の風物詩でもある蚊の仕業であろう。
ななしの肌が白いため赤色が目立ち、一際痒そうに見えてくる。
真島は革手袋を外すとななしの二の腕を掴み、親指の腹で腫れている箇所にそっと触れてみる。
クーラーで涼しい室内であるため肌自体はひんやりと冷たいが、蚊に刺されている箇所だけはじんわりと熱く熱を持っているようであった。
「蚊に刺されとんな」
『やっぱり刺されてます!?通りで痒いと思いました…』
「あんまりかいたらアカンで。
『でも痒いんですもん〜』
「おい、せめて指の腹でかかんかい。爪やと痕になんで」
『ん〜、ムヒとか置いてないです?』
「置いとらんなぁ」
『そうですよね…うーん…痒い』
「ななし、かいたらアカン言うとるやろ」
『無理です〜。痒いもん』
「お前は子供か」
『ちょっとなにするんですかー!』
余程痒いのか爪先でボリボリと蚊に刺された箇所をかいているななし。
痒い気持ちは十分に理解できるのだが、強くかきすぎてか肌に爪の痕が出来てしまっている。
このままでは白い肌に爪の痕が消えずに残ってしまったり、酷くかき壊してしまう可能性があると真島は強引にななしの事を抱き寄せ、腕をがっちりと掴んだ。
身動きが取れなくなってしまったななしは『離してください〜』と僅かに抵抗をしている。
しかし真島の力に適うはずがないと思ったのか、直ぐに抵抗はやめて代わりに拗ねたように唇を尖らせた。
『痒いのにかけないなんて拷問ですよぉ。この悪魔!鬼!般若!』
「人聞き悪いこと言うなや。そもそもどういう意味やねん。般若は悪口なんか?あぁ?」
『だって〜』
「ほな、俺が代わりにさすったるさかい。我慢しぃ」
『余計に痒くなっちゃいますって』
「我慢せぇ」
『もう、他人事だと思って!』
真島は文句を並べるななしを無視したまま、足の間に座る彼女の二の腕を左腕で掴むと右手の平全体で撫でるようにさすってやる。
そうするとやはりななしの腫れている箇所がじんわりと熱い。
自分が蚊に刺された時はここまで肌が熱くなるだろうか…と、考えながら傷がつかないようになるべく優しくさする。
「お前肌弱いんやないか?」
『えぇ?そうなんですか?』
「ここまで熱もたんやろ普通」
『どうなんだろう…吾朗さんはこんな風にならないんですか?』
「こないに腫れもせんわ」
『そうなんですか?てかそもそも吾朗さんが蚊に刺された所をあまり見たことがない気がしますね』
「まぁ、せやな。今年は刺された記憶ないわ」
『そんなにお腹出してるのに不思議…蚊が嫌がる匂いとか出てるんじゃないですか?』
「あぁ?どういう意味やねん?」
『なんか蚊取り線香みたいな匂いとかですか?あ!ほらタバコの匂いとか』
「誰が蚊取り線香やねんアホ」
『ふふふっ、冗談です!吾朗さんはいつもアタシの好きな香りしてますよ』
「当たり前やアホ。俺から蚊取り線香の匂いしとったらおかしいやろ」
『ふふふっ!想像したら面白いです』
「想像すな!…で?痒みはどやねん。少しは治まったんか?」
『んー、そうですね!吾朗さんの手が冷たくて気持ちいいです』
「ヒヒッ!そら良かったのぉ」
蚊に刺された箇所に真島のクーラーで冷えている手が心地よいらしい。
先程よりも痒くなくなったのかななしはニコニコと穏やかな表情を浮かべていた。
これ以上痒くならないようになにか薬でもあれば良いのだろうが、如何せんこの家には何も無く。
再び痒みがぶり返した時の為にも何か肌に塗る薬が必要である。
今はななしが肌を強くかかないかを見張ることで忙しいため買い出しに行けない真島は「西田にでも買いに行かせるか」と1人心の中で呟いた。
時刻は夜の12時過ぎだが、愛しい恋人であるななしの綺麗な肌の為なので西田にはこんな時間でも頑張ってもらう必要がある。
『吾朗さん〜。ちょっと落ち着いてきたのでもう大丈夫だと思います!』
「ホンマか?ななしの事や。痒くてまた無意識のうちにかいてまうんやろ。せやから、まだ暫くこうしとんで」
『ふふ、それ絶対吾朗さんが引っ付いていたいだけでしょ?』
「俺はお前の心配して引っ付いとんのや。勘違いしたらアカンでぇ?」
『勘違いなんですか。じゃ、嬉しいのはアタシだけなんですねー』
「ヒヒッ!嬉しいんか?」
『嬉しいですよ?嬉しくないですか?』
「嬉しくないわけないやろ」
『ふふ、ややこしい人!』
きっかけがなんであれ、お互い触れ合えることは真島にとってもななしにとっても嬉しいことであった。
お互い憎まれ口を聞きつつも二人で過ごせる今この瞬間が、愛おしくてたまらない。
腕の中にいるななしを見下ろせば、彼女もまた真島を見上げるように顔を起こした。
二人の視線がかち合うと自然と顔が近付き、次の瞬間にはそっと唇を触れ合わせていた。
『んっ、ふふ。なんだか眠くなっちゃいますね』
「寝てまうんか?こんなええ雰囲気なのに」
『何言ってるんですか、明日も仕事でしょ?』
「このままお前とセックスしとったら痒みの事も忘れてまうんやないか?」
『ふふ、まぁそれはそうかもしれないです』
「ほな一石二鳥やないか」
『一石二鳥なの吾朗さんだけじゃないですか』
「なんでやねん。ななしは痒みも忘れるし、気持ちいい。一石二鳥やないか」
『めっちゃ力説するじゃないですか…』
「ヒヒッ、つべこべ言わんと俺に抱かれとき」
『本当っ、強引』
「嫌いやないくせによぉ言う」
『もう、吾朗さんの意地悪』
「ほな、寝室行こか」
『ん、はいっ』
いつも通り最終的には二人で淫らな夜を過ごす結果になるのだが、これで痒みを忘れられるならそれに越したことはない。
それに今のうちに西田に薬を買わせエントランスの宅配ボックスに届けさせれば、朝起きてななしに痒みの症状が出ていても直ぐに対処できるだろう。
我ながらいい案だと満足気に頷く真島はポケットに入っていた携帯で適当に西田にメールを送った。
返事を待つことなくメールを送った携帯をソファに投げつけ、座っているななしの手をとり寝室にへと向かった。
素直にトコトコ着いてくるななしの愛らしさに口元が緩む真島。
いつ見てもななしは本当に小動物のように思える。
それでは自分はそんなななしを食らう猛獣になるのか。
「言い得て妙やな」
『え?なにがですか?』
「なんでもあらへん。それよりななし。ちょっと二の腕貸し」
『二の腕?』
「そっちやない、蚊に刺された方や」
『はい…んっ』
真島はななしが差し出した腕を緩く掴むと、蚊に刺されている直ぐ真横に顔を近づけそっと唇を引っつけた。
唾液で濡らした唇で白い肌を吸い、蚊に刺された箇所の隣に赤いキスマークをつけたのだ。
「ヒヒッ、これでええわ」
『…見えないけど、どっちがキスマークかわかんなくなる』
「蚊と一緒にすんなや。だいたいもう二度と肌食われたらアカン。お前を食ってええのは俺だけやろ」
『ふふっ、蚊に嫉妬しないでください』
「お前は誰のもんや?俺のもんやろ?」
『アタシはアタシのものですけど…そうですね。善処しいます』
「おう、そんでええ。ほなこっち来いななし」
『一回だけですからね?』
「それはどやろなぁ」
『んっ、もう。仕事行けなくなったら怒るからね』
「安心せぇ、ちゃんと起こしたるさかい」
『ん、それと送ってくださいっ、ん』
「ヒヒッ!世話のやける恋人様やのぉ」
『その言葉そっくりそのまま返しますぅ!』
こうして激しい行為が始まることとなる。
お陰でななしは二の腕の痒みを忘れることに成功するのだが、次の日はばっちり会社に遅刻するのだった。
(ななし、これもっとき)
(え!?急いでるんですけど!)
(ムヒや)
(ムヒあったんですか!?)
(いや、昨日西田に買いに行かせた)
(えぇ!?に、西田さんに!?後でお礼言わないと…)
(それより絶対かくなよ。約束やで)
(か、かかないです!)
(ちゃんと分かるんやからな)
(いっ、行ってきます!)
(おう)
夏は蚊に刺されやすいななしちゃんと、刺されにくい真島さん。
痕にならないように甲斐甲斐しく世話してる真島さんエモい( ˇωˇ )