小話集1
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(真島/恋人)
*どこでも真島・警官
『んー!疲れたぁ〜』
今日の仕事を終えたななしは恋人である真島の事務所に向かうために会社から出た後、座りっぱなしで凝り固まった体を解すように大きく伸びをした。
ボキボキと関節が鳴り体が解れると自然と口から『ふぅ〜』と息が漏れていく。
何度か伸びと深呼吸を繰り返した後、早速真島が待っているであろう事務所に向かおうとななしはゆっくりと歩き出した。
既に夕方を過ぎ空は暗くなりつつある。それでもまだ気温は高いため、歩き出したななしの首元にはじんわりと汗が浮き出てくる。
今夜も熱帯夜かぁ〜と夏の暑さに嫌気がさしたななしは、カバンに入れてあったハンドタオルで浮き出た汗をポンポンと拭った。
『これじゃ汗だくになるかもなぁ』
いくら夏服で、袖が短く薄手のものを着用していても暑いものは暑い。
夏なので暑いのは当たり前なのだが、やはり恋人に会う前に汗などかきたくないもので。
ななしはハンドタオルをパタパタと揺らし自身の顔に風を送るように扇いだ。
真島であれば「気にせんわアホ」と広い心で笑いながら受け止めてくれるのだろうが、ななしとて女子である。
どんな時も"恋人の元を訪れるのなら身奇麗な状態がいい"という乙女心を抱いている。
なるべく汗をかかないように、でも早く会いたいのでできるだけ急いで。
ななしは絶妙な速度で事務所の方へと歩みを進めた。
『…ん?』
事務所に通じる道路には小さな公園が存在している。普段から特に繁盛している公園では無く、この時間帯は不良のたまり場と化しているのだが。
今日はその公園には不良やイカついグループなどは一人も居らず。
代わりに何故か警官が俯きながら立っていたのだ。
通り過ぎようとしていたななしは人が、しかも警官がいた事に些か驚く。
廃れた公園に不良やヤンキーでは無く警官がいる事が物珍しく立ち止まってしまいそうになるが、まじまじと見つめる訳にも行かないので気のないふりをしてそのまま通り過ぎる。
ここは神室町、喧嘩やいざこざが絶えない賑やかな町だ。毎日不良などが屯している公園の為何かトラブルがあって警官が巡回でもしている最中なのだろう。
ななしは『こんな時間まで大変だなぁ』とどこか他人事の様に思いながら歩みを進めた。
しかしこの時。
事務所に向かって歩くななしは気が付くことはなかったが、彼女が公園を通り過ぎた時。
俯くように立っていた警官もまたゆっくりと歩き始めたのだ。
まるでななしの後を追うように。
*********
ことが起こったのは丁度ななしが千両通りに差し掛かった時だった。
公園前に立っていた警官に追われているなど気づきもせず、真島の待っている事務所を目指し歩いていたななしに突然「そこのななし、止まりなさい」と声が掛けられたのだ。
『へっ!?』
急に名指しで呼ばれたことに驚いたななしは肩を大きく揺らしながら慌てて振り返った。
しかし背後には誰もおらず声の主が誰なのか分からない。
困惑しながらキョロキョロと周りを確認していると、「こっちやで、ななし」と耳元で楽しそうな声が聞こえてくるのだ。
低くも楽しそうな声に既視感を覚えたななしは咄嗟に肩口から後ろへ視線を向けると、何かがヌルっと視界の端で動いた。
『だ、誰ですかっ!?』
「ヒヒッ!ホンマどんくさいやっちゃなぁ」
『え…?ご、吾朗さん!?』
確認しようと影を見つめると、すぐそばに居たのは事務所にいるはずの真島であった。
しかも彼はトレードマークであるパイソン柄のジャケットではなく、何故か警官の制服を着ていたのだ。
隻眼の警官…もとい恋人である真島は楽しそうに「ほな、身体調査でもしよか〜」とななしの肩をがっちり掴む。
しかしななしは何故彼が警官姿なのか、そしていきなり現れたのか、なにもかもが理解出来ずにポカーンとすることしか出来なかった。
「ななし?お前聞いとんのか?」
『へ?あー…もしかして公園前にいたの吾朗さんです?』
「ヒヒッ!気ぃついてないみたいやったけどあれは俺や」
『その場で言ってくださいよ〜。ていうか何で警官の格好をしてるんですか?』
「よう似合っとるやろ?真島巡査ただいま見回り中や!」
『……ふふふ、めっちゃ面白いです』
「あ?おもろいー??かっこええの間違いやろ?」
『眼帯の警官てどんだけイカついですか〜でも、確かに似合ってますよ。本当の警官だと思いましたもん!』
「ななしも桐生ちゃんも騙せたさかい警官に向いとるかもしれんのぉ」
『あ、なるほど。桐生さん絡みですか』
真島が警官の姿になっていたのはどうやら桐生の為だったようだ。
真島は大の喧嘩好きであり、普段から腕っ節の良い桐生と"筋の通った喧嘩"をしたがっている。喧嘩をする為なら例え女装もコスプレもなんでも厭わないらしい。
一体警官の姿になってどう"筋の通った喧嘩"を行うのか…。ななしには真島の考えがよく分からないが彼が楽しそうにしている様子を見ていると無条件に自分まで嬉しくなってくる様であった。
『ふふ、喧嘩出来ました?』
「それがな、今日は上手く喧嘩に持ち込めんだんや。桐生ちゃんがステゴロ好きとは盲点やったわ」
『あ、そうなんだ。楽しそうにしてたから喧嘩できたのかと思いました』
「おう、せやけどせっかくこんな格好になったさかいななしにお披露目したくてのぉ」
『なるほど、そうだったんですね〜。ふふふ、その姿だと普段よりも真面目そうですよ』
「失礼なやっちゃのぉ。俺は何時でも真面目やろが」
『え〜?素直に頷け無いですけどねぇ』
「お、言うやんけ!真島巡査の意見に楯突く悪どいななしにはこうや!」
『え、えぇ!?』
ヒヒッ!と笑う真島の声と同時にガシャンと金属音が鳴った。
手首に微かな振動を感じたため見下ろせば、何故か手錠がはめられていたのだ。
しかも反対の手錠は真島の腕にはめられている。
手錠は手錠でも普段ドラマなどで目にするものではなく、モコモコとしていてショッキングピンクの毛がついている可愛らしいものだった。
状況が飲み込めず唖然としていると真島は「よう似合っとんでぇ」とイタズラに顔を綻ばせている。
町中でしかも悪目立ちするショッキングピンクの手錠をはめられてしまったななしは通行人の視線を感じ、羞恥心で居たたまれず慌てて『外してください!』と真島に縋り付く。
しかし「痛くないしええ感じやろ?」と筋違いの返事をされまるで会話にならない。
『そうじゃなくて!ま、町中ですよ!?』
「俺に楯突いたななしが悪いんやでぇ。職質と身体検査せな解放してやれんわ」
『な、何言ってるんですか!?こんな所でふざけないで下さい!』
「ほなまずは氏名からやな!」
『吾朗さん!』
「質問に答えんのは公務執行妨害やで、しょっぴかれたいんか?」
『もぉ!!ななしです!知ってるでしょう!』
「ほな今までなにしとってん」
『普通に仕事ですよ!』
「そんな短い袖の服で?お前これ手ぇ上げたら下着見えるやろ。そんなエロい格好で仕事なんかできひんわ」
『ただのフレンチスリーブです!短くないです!それにオフィスは冷房効いてるからカーディガン着てますもん』
「そんならええわ」
『じゃ、これ外してくださね!?』
「アカン」
『な、なんでですかー!?』
「まだ身体検査が残っとるやないか」
そう言うと真島はピンクの手錠をはめいる腕グイッと引っ張る。
急に手錠ごと腕を引かれてよろめいてしまったななしは目の前にいる真島の胸にぶつかってしまった。
このままではこの人の良いようにされるに違いないと慌てて体を離すが、真島はそれを良しとせず。
離れる前に空いた手でがっしりと腰を掴まれてしまった。
「ヒヒッ!ホシに逃げられたらアカンからのぉ。ちゃんと俺と繋いどかんとな」
『も、吾朗さんっ!町中で変なプレイしないでくださいよ〜』
「ほな、思う存分ななしの身体検査できる場所に変えよか」
『え?どういう事ですか!?てか、何も持ってませんよ!?』
「それは俺がじっくり確かめたる」
いやらしく笑った真島はななしの手首を引っ張りながらゆったりと歩き出した。
手錠で繋がれているため彼の後をおうことしか出来なななし。
大きな声で騒いでしまったため注目の的となってしまっており、人々はななしや真島をジロジロ、ヒソヒソと見つめている。
真島は特に気にしている様子は無いがななしは恥ずかしさのあまり穴があったら入りたい状況だ。
誰にも顔を見られないように俯き気味で真島について行くことしか出来ず渋々足を動かしていると、周りにやたらとピンクや赤の"いかにも"な看板が増えてくる。
周りの雰囲気もだんだんと怪しさをましていき、終いにはとてもハレンチな格好をした客引きの女の子までもが現れ始めた。
真島が言う"思う存分身体検査が出来る場所"が、所謂そういったホテルであるとようやく理解したななし。
慌てて腕を引っ張り真島の歩みを止めようと試みるが、悲しきかな力では叶うはずもなく。
最終的にはズルズルと引きずられてしまっていた。
『ちょ、ちょっと事務所はこっちじゃないでしょ!』
「子供やないんやさかい分かるやろ?ななし」
『……わ、分かるけどっ!なにもそんな格好で…』
「こんな格好やからやんけ!今日は"警官にエッチな身体検査されるOLプレイ"しよか」
『なっ!?し、しませんよ!吾朗さんの馬鹿っ』
「ヒヒッ!そないなこと言う口はみっちりお仕置や、覚悟しとき」
『そんな警官見たことも聞いたこともない!!』
「ここにおるやろ」
『吾朗さんは組長さんでしょ!!』
「ヒヒッ!諦めぇななし」
結局真島の思い通りに事が進み、明日も仕事だと言うのに"警官にエッチな身体検査されるOLプレイ"をさせられてしまったななし。
そして明け方までプレイは続き、案の定仕事に遅刻する事となる。
後日談だが、公園前から着いてきていた真島がわざわざ千両通りで声を掛けたのは最初からななしをラブホテルが乱立するピンク通りに連れていくためだったのだそう。
見事に罠に嵌ってしまったななしは(激しい性行為のせいで)力なの入らない腕をなんとか振り上げ、真島の頭を思い切り殴ったらしい。
(もう今日から変態吾朗って呼ぶから!!)
(そんな変態に責められてアンアン喘いどったんやさかいお前も変態やななし。変態ななしって呼んだるわ)
(ひ、酷いっ!アタシは被害者なのにっ!)
(ヒヒッ。たまにはプレイもええやんけ。お前何回イッたと思とんねん)
(し、知らないっ)
(量の指じゃ数え切れんやろなぁ)
(………吾朗さんもでしょ!この体力お化け!)
(ヒヒッ、お前が可愛ええのがアカンねん)
(可愛くない)
(何言うとんねん。世界で一番かわええで)
(か、可愛くないぃ…)
(あー…アカン。可愛ええさかいまた興奮して来よった)
(え!?!?)
どこでも真島第一弾。警官バージョン。
バーテンとか、ゾンビ、ハンニャマンも書きたい。
そういえばヌルッと桐生ちゃんの背後から現れる真島さんてよく見るとグランド時代のおしぼり渡してた時の動きと一緒ですよね!
んーエモい
*どこでも真島・警官
『んー!疲れたぁ〜』
今日の仕事を終えたななしは恋人である真島の事務所に向かうために会社から出た後、座りっぱなしで凝り固まった体を解すように大きく伸びをした。
ボキボキと関節が鳴り体が解れると自然と口から『ふぅ〜』と息が漏れていく。
何度か伸びと深呼吸を繰り返した後、早速真島が待っているであろう事務所に向かおうとななしはゆっくりと歩き出した。
既に夕方を過ぎ空は暗くなりつつある。それでもまだ気温は高いため、歩き出したななしの首元にはじんわりと汗が浮き出てくる。
今夜も熱帯夜かぁ〜と夏の暑さに嫌気がさしたななしは、カバンに入れてあったハンドタオルで浮き出た汗をポンポンと拭った。
『これじゃ汗だくになるかもなぁ』
いくら夏服で、袖が短く薄手のものを着用していても暑いものは暑い。
夏なので暑いのは当たり前なのだが、やはり恋人に会う前に汗などかきたくないもので。
ななしはハンドタオルをパタパタと揺らし自身の顔に風を送るように扇いだ。
真島であれば「気にせんわアホ」と広い心で笑いながら受け止めてくれるのだろうが、ななしとて女子である。
どんな時も"恋人の元を訪れるのなら身奇麗な状態がいい"という乙女心を抱いている。
なるべく汗をかかないように、でも早く会いたいのでできるだけ急いで。
ななしは絶妙な速度で事務所の方へと歩みを進めた。
『…ん?』
事務所に通じる道路には小さな公園が存在している。普段から特に繁盛している公園では無く、この時間帯は不良のたまり場と化しているのだが。
今日はその公園には不良やイカついグループなどは一人も居らず。
代わりに何故か警官が俯きながら立っていたのだ。
通り過ぎようとしていたななしは人が、しかも警官がいた事に些か驚く。
廃れた公園に不良やヤンキーでは無く警官がいる事が物珍しく立ち止まってしまいそうになるが、まじまじと見つめる訳にも行かないので気のないふりをしてそのまま通り過ぎる。
ここは神室町、喧嘩やいざこざが絶えない賑やかな町だ。毎日不良などが屯している公園の為何かトラブルがあって警官が巡回でもしている最中なのだろう。
ななしは『こんな時間まで大変だなぁ』とどこか他人事の様に思いながら歩みを進めた。
しかしこの時。
事務所に向かって歩くななしは気が付くことはなかったが、彼女が公園を通り過ぎた時。
俯くように立っていた警官もまたゆっくりと歩き始めたのだ。
まるでななしの後を追うように。
*********
ことが起こったのは丁度ななしが千両通りに差し掛かった時だった。
公園前に立っていた警官に追われているなど気づきもせず、真島の待っている事務所を目指し歩いていたななしに突然「そこのななし、止まりなさい」と声が掛けられたのだ。
『へっ!?』
急に名指しで呼ばれたことに驚いたななしは肩を大きく揺らしながら慌てて振り返った。
しかし背後には誰もおらず声の主が誰なのか分からない。
困惑しながらキョロキョロと周りを確認していると、「こっちやで、ななし」と耳元で楽しそうな声が聞こえてくるのだ。
低くも楽しそうな声に既視感を覚えたななしは咄嗟に肩口から後ろへ視線を向けると、何かがヌルっと視界の端で動いた。
『だ、誰ですかっ!?』
「ヒヒッ!ホンマどんくさいやっちゃなぁ」
『え…?ご、吾朗さん!?』
確認しようと影を見つめると、すぐそばに居たのは事務所にいるはずの真島であった。
しかも彼はトレードマークであるパイソン柄のジャケットではなく、何故か警官の制服を着ていたのだ。
隻眼の警官…もとい恋人である真島は楽しそうに「ほな、身体調査でもしよか〜」とななしの肩をがっちり掴む。
しかしななしは何故彼が警官姿なのか、そしていきなり現れたのか、なにもかもが理解出来ずにポカーンとすることしか出来なかった。
「ななし?お前聞いとんのか?」
『へ?あー…もしかして公園前にいたの吾朗さんです?』
「ヒヒッ!気ぃついてないみたいやったけどあれは俺や」
『その場で言ってくださいよ〜。ていうか何で警官の格好をしてるんですか?』
「よう似合っとるやろ?真島巡査ただいま見回り中や!」
『……ふふふ、めっちゃ面白いです』
「あ?おもろいー??かっこええの間違いやろ?」
『眼帯の警官てどんだけイカついですか〜でも、確かに似合ってますよ。本当の警官だと思いましたもん!』
「ななしも桐生ちゃんも騙せたさかい警官に向いとるかもしれんのぉ」
『あ、なるほど。桐生さん絡みですか』
真島が警官の姿になっていたのはどうやら桐生の為だったようだ。
真島は大の喧嘩好きであり、普段から腕っ節の良い桐生と"筋の通った喧嘩"をしたがっている。喧嘩をする為なら例え女装もコスプレもなんでも厭わないらしい。
一体警官の姿になってどう"筋の通った喧嘩"を行うのか…。ななしには真島の考えがよく分からないが彼が楽しそうにしている様子を見ていると無条件に自分まで嬉しくなってくる様であった。
『ふふ、喧嘩出来ました?』
「それがな、今日は上手く喧嘩に持ち込めんだんや。桐生ちゃんがステゴロ好きとは盲点やったわ」
『あ、そうなんだ。楽しそうにしてたから喧嘩できたのかと思いました』
「おう、せやけどせっかくこんな格好になったさかいななしにお披露目したくてのぉ」
『なるほど、そうだったんですね〜。ふふふ、その姿だと普段よりも真面目そうですよ』
「失礼なやっちゃのぉ。俺は何時でも真面目やろが」
『え〜?素直に頷け無いですけどねぇ』
「お、言うやんけ!真島巡査の意見に楯突く悪どいななしにはこうや!」
『え、えぇ!?』
ヒヒッ!と笑う真島の声と同時にガシャンと金属音が鳴った。
手首に微かな振動を感じたため見下ろせば、何故か手錠がはめられていたのだ。
しかも反対の手錠は真島の腕にはめられている。
手錠は手錠でも普段ドラマなどで目にするものではなく、モコモコとしていてショッキングピンクの毛がついている可愛らしいものだった。
状況が飲み込めず唖然としていると真島は「よう似合っとんでぇ」とイタズラに顔を綻ばせている。
町中でしかも悪目立ちするショッキングピンクの手錠をはめられてしまったななしは通行人の視線を感じ、羞恥心で居たたまれず慌てて『外してください!』と真島に縋り付く。
しかし「痛くないしええ感じやろ?」と筋違いの返事をされまるで会話にならない。
『そうじゃなくて!ま、町中ですよ!?』
「俺に楯突いたななしが悪いんやでぇ。職質と身体検査せな解放してやれんわ」
『な、何言ってるんですか!?こんな所でふざけないで下さい!』
「ほなまずは氏名からやな!」
『吾朗さん!』
「質問に答えんのは公務執行妨害やで、しょっぴかれたいんか?」
『もぉ!!ななしです!知ってるでしょう!』
「ほな今までなにしとってん」
『普通に仕事ですよ!』
「そんな短い袖の服で?お前これ手ぇ上げたら下着見えるやろ。そんなエロい格好で仕事なんかできひんわ」
『ただのフレンチスリーブです!短くないです!それにオフィスは冷房効いてるからカーディガン着てますもん』
「そんならええわ」
『じゃ、これ外してくださね!?』
「アカン」
『な、なんでですかー!?』
「まだ身体検査が残っとるやないか」
そう言うと真島はピンクの手錠をはめいる腕グイッと引っ張る。
急に手錠ごと腕を引かれてよろめいてしまったななしは目の前にいる真島の胸にぶつかってしまった。
このままではこの人の良いようにされるに違いないと慌てて体を離すが、真島はそれを良しとせず。
離れる前に空いた手でがっしりと腰を掴まれてしまった。
「ヒヒッ!ホシに逃げられたらアカンからのぉ。ちゃんと俺と繋いどかんとな」
『も、吾朗さんっ!町中で変なプレイしないでくださいよ〜』
「ほな、思う存分ななしの身体検査できる場所に変えよか」
『え?どういう事ですか!?てか、何も持ってませんよ!?』
「それは俺がじっくり確かめたる」
いやらしく笑った真島はななしの手首を引っ張りながらゆったりと歩き出した。
手錠で繋がれているため彼の後をおうことしか出来なななし。
大きな声で騒いでしまったため注目の的となってしまっており、人々はななしや真島をジロジロ、ヒソヒソと見つめている。
真島は特に気にしている様子は無いがななしは恥ずかしさのあまり穴があったら入りたい状況だ。
誰にも顔を見られないように俯き気味で真島について行くことしか出来ず渋々足を動かしていると、周りにやたらとピンクや赤の"いかにも"な看板が増えてくる。
周りの雰囲気もだんだんと怪しさをましていき、終いにはとてもハレンチな格好をした客引きの女の子までもが現れ始めた。
真島が言う"思う存分身体検査が出来る場所"が、所謂そういったホテルであるとようやく理解したななし。
慌てて腕を引っ張り真島の歩みを止めようと試みるが、悲しきかな力では叶うはずもなく。
最終的にはズルズルと引きずられてしまっていた。
『ちょ、ちょっと事務所はこっちじゃないでしょ!』
「子供やないんやさかい分かるやろ?ななし」
『……わ、分かるけどっ!なにもそんな格好で…』
「こんな格好やからやんけ!今日は"警官にエッチな身体検査されるOLプレイ"しよか」
『なっ!?し、しませんよ!吾朗さんの馬鹿っ』
「ヒヒッ!そないなこと言う口はみっちりお仕置や、覚悟しとき」
『そんな警官見たことも聞いたこともない!!』
「ここにおるやろ」
『吾朗さんは組長さんでしょ!!』
「ヒヒッ!諦めぇななし」
結局真島の思い通りに事が進み、明日も仕事だと言うのに"警官にエッチな身体検査されるOLプレイ"をさせられてしまったななし。
そして明け方までプレイは続き、案の定仕事に遅刻する事となる。
後日談だが、公園前から着いてきていた真島がわざわざ千両通りで声を掛けたのは最初からななしをラブホテルが乱立するピンク通りに連れていくためだったのだそう。
見事に罠に嵌ってしまったななしは(激しい性行為のせいで)力なの入らない腕をなんとか振り上げ、真島の頭を思い切り殴ったらしい。
(もう今日から変態吾朗って呼ぶから!!)
(そんな変態に責められてアンアン喘いどったんやさかいお前も変態やななし。変態ななしって呼んだるわ)
(ひ、酷いっ!アタシは被害者なのにっ!)
(ヒヒッ。たまにはプレイもええやんけ。お前何回イッたと思とんねん)
(し、知らないっ)
(量の指じゃ数え切れんやろなぁ)
(………吾朗さんもでしょ!この体力お化け!)
(ヒヒッ、お前が可愛ええのがアカンねん)
(可愛くない)
(何言うとんねん。世界で一番かわええで)
(か、可愛くないぃ…)
(あー…アカン。可愛ええさかいまた興奮して来よった)
(え!?!?)
どこでも真島第一弾。警官バージョン。
バーテンとか、ゾンビ、ハンニャマンも書きたい。
そういえばヌルッと桐生ちゃんの背後から現れる真島さんてよく見るとグランド時代のおしぼり渡してた時の動きと一緒ですよね!
んーエモい