小話集1
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(沖田/恋人)
「総司、少しいいか?」
「あ?歳ちゃんやないか。なにを神妙な顔しとんねん」
巡回から戻ってきた沖田を屯所の門で出迎えたのは土方であった。
袖手している土方は凛々しい眉を潜め、どこか困った様に深いため息をついている。
冷徹で滅多に表情を変えないことから"鬼の副長"と呼ばれている土方だが、今の彼はとても憔悴しているようであった。
あまりにも覇気のない土方を目の当たりにした沖田は、新撰組で何かがあったのかもしれないと、身を引き締めて鞘に手を掛けた。
「なんかあったんか?」
「…少々面倒な事が起きている」
「面倒な事?」
「あぁ、ななしが腹を立てている」
「…ななしが?」
土方が憔悴仕切っている原因はななしだったようだ。
曰くななしが酷く腹を立てているらしい。
「ななしが腹立てるなんてよっぽどやで」
「詳しい理由は私にも分からないが…多方は予想はつく。原田か谷か鈴木か…あるいは三人全員か」
「……三人全員やろなぁ」
ななしは血の気盛んな新撰組の中で最も温厚で懐が大きい。呆れたりはするものの、滅多なことでは腹を立てたりはしない。
そんな穏やかで我慢強いななしが今日はとても腹を立てているようだ。
沖田はななしが怒っていると言う事実しか知らないが、彼女が腹を立てる理由が何となくわかっている。
それは土方が言ったように新撰組の隊長である原田や谷、鈴木等が主となりななしを目の敵にしているからだ。
不器用で頭を働かせることが苦手な輩が多い新撰組の中で、寧ろそれら全般を得意としているななしが面白くないのだろう。
補佐と言われてはいるがななしの役職は平隊士と何ら変わりない。そんなななしが副長の土方から直々に仕事を受けている事や、新撰組の頭脳と言われている事を原田達は妬み、やっかみばかりをぶつけているのだ。
きっと今日も沖田が巡回をしている隙に、一人で居るななしに絡んだに違いない。
普段は悪口ややっかみ等を完璧に無視し大人な対応をとるななしだが、そんな余裕も無くなるほど原田達に追い詰められ腹を立ててしまったのだろう。
真意のほど分からず、殆ど憶測であったが確かな憤りを感じた沖田は鞘を握っていた手に力を込めた。
ミシミシと鈍く軋む音が響くほど強く。
「あの馬鹿ども…ぶん殴ったるわっ」
「総司に任せる。だがそれよりも先にななしから今日までに提出しなければならない書状を貰って来てくれ。近藤さんに渡さないといけないからな」
「歳ちゃんならななしが怒っとってももろて来れたやろ」
「…いや、今のななしは私の手には負えない」
「そら相当怒っとるかもしれへんな」
「とにかく、仕事が滞っては面倒だ。早急に貰ってきてくれ」
「ほな、先もろてくるわ。アイツらぶん殴んのは後や」
今すぐにでも怒らせたであろう三馬鹿に制裁を下したかったが、それよりもななしのほうが心配であった沖田は門をくぐるとそそくさと自室に向かった。
ななしは隊長部屋(沖田の部屋)で仕事をすることがほとんどだ。
今もきっと腹を立てながらも仕事をしている事だろう。
「ななし、俺や。入んで!」
隊長部屋についた沖田はななしの返事を待つことなく襖を開いた。
『……総司さん?巡回お疲れ様です』
「ななし…お前…」
中にはななしが鎮座しており、沖田が想像していた通り文机で仕事をしていたのだが。
筆を持っていたななしの白い頬には幾重にも涙のあとがついており、大きな目は普段よりも赤く充血していた。
少し腫れぼったい目を見ればななしが泣いていたことが一目瞭然だったのだ。
「泣いたんか…?」
『…分かっちゃいますか?』
「阿呆。わかるに決まっとるやろが!」
『ふふ、決まってるんですか?』
「ななし、なにがあったんや」
『…原田さんがわざわざ部屋に来て怒鳴っていたんですが、そこに谷さんと鈴木さんも加わって言いたい放題だったんです。それだけならよかったんですが…今日は相当苛苛していたのか書状まで汚して行ったんですよ??もう最悪です』
「アイツらホンマに…!怪我はせんだんか?」
『怪我は無いです。でも本当に頭にきちゃって…余裕無くなっちゃいました』
「そんなもん当たり前やろ」
『でも、尋ねてきた土方さんに強く当たっちゃって…新撰組失格です』
ななしがシュンとしなだれながら『自分が情けないです』と呟いた。
元凶は原田達なのは確かだが、その後怒りで土方に八つ当たりしてしまったことを酷く後悔しているらしい。
『いつもの様に受け流していれば良かった』と、尻すぼみしながら言うななしだが、それではななしの鬱憤ばかりが溜まってしまうのではないかと沖田は苦虫を噛み潰したような表を浮かべた。
常日頃男所帯 の中、女性一人(周りは気づいていないが)で過ごしているのだ。
沖田には計り知れぬ程の苦労があるのは歴然としている。
そもそも男性のように振舞ったり、刀を振るう事が苦にならないはずがない。
それだけで十分ななしの心労が溜まるほどであろうに、原田達は追い打ちをかけるように彼女の事を蔑ろにする。
そんな事が続けば誰かに八つ当たりしてしまうほど憤るのも無理もないだろう。
土方に八つ当たりしたのも致し方ない。
寧ろ彼女はあまりに怒らなさすぎる。
長く溜め込みすぎたに違いない。
沖田にはななしの溜まりに溜まった怒りや、心労を全て取り除いてやる術を持たない。
それでも気が休まればいいと、小さくしなだれているななしをそっと抱きしめた。
抗いもせず胸の中にスポンと収まったななしの小さな頭を撫でてやりながら、沖田は「お前は優しすぎるわ」と慰めるように穏やかな声音でそう言う。
「歳ちゃんとこ後で一緒に行けばええ」
『怒ってないですかね…?』
「ななしの気疲れにも気付いとるやろし怒らんやろ」
『…総司さん……』
「ん?どないしたんや?」
『私頑張るから…もう少しだけ抱きしめてください』
「ええで。落ち着くまでこうしとったる」
『……』
もぞもぞと動いたななしは腕を伸ばし沖田の背中にまわした。
屯所内で触れ合うことを極端に嫌がるななしだが、彼女の方から擦り寄ってくる所を見るに余程参っているのだろう。
無言のまま抱きしめあっていると、ななしの小さく笑う声と振動が伝わってくる。
腕の中のななしを覗き込むと、彼女もこちらを見つめていたためその大きな瞳と視線がかちあった。
『元気出ました。ありがとうございます』
「ヒヒッ!元気出たんか?ワシはもうちょい引っ付いとってもええんやで?」
『ふふ、もう十分ですよ。でも仕事が終わったら抱きしめてくださいね』
「おう、なんぼでも抱きしめたるわ」
『今日の仕事も頑張れそうです!』
「せやけど無理はすなよ。まだ本調子やないやろ」
『総司さんは心配症ですね〜。でももう元気もらったんで大丈夫です!まずは土方さんに謝りに行こうと思います!』
にこにこと笑っている幼気なななしはもう十分だと腕の中から体を離した。
きっとまだ蟠りが残っているだろうが仕事が残っていると離れていくななしに、なんとも言えぬ気持ちになる。
本当はもっと甘やかしてやりたいが、新撰組として"沖田総司"、"無名ななし"として、優先すべきことは沢山ある。
ぐずぐずしている暇もないのだと沖田も自身に言い聞かせて、未だに少し赤くなっているななしの目尻をそっと撫でた。
「……せや。今日までに提出せなあかん書状がどうこう言うとったで」
『あー…勿論目を通してるんですけどそれが原田さん達に汚されちゃった書状なんです』
「…ほなそれ、歳ちゃんに持ってこか」
『汚れていても大丈夫ですかね?』
「字が読めれええんとちゃうか?」
『まぁ、大丈夫だと思いますけど…』
「行くでななし」
『はい!』
泣いた痕跡は未だに健在であるが、笑う顔は少し晴れやかにも見える。
そんな健気なななしの手を引いて立ち上がらせる沖田。
目指すは屯所の門前にいるであろう土方。
今も書状を待っているのだろう。
「後でワシと源さんであの三馬鹿しごいといたるわ」
『ふふ、鍛錬でですか?』
「おう、ボッコボコにするさかい道場見に来いや」
『仕事が終わったら見に行きますね〜』
「ほんで今日はどっか食いに行こか。源さんも新八っちゃんもさそて」
『いいですね、行きましょう!』
「甘いもんでもなんでも好きなだけ食って、胸ん中のもん全部吐き出したらええ。そうせなやっとられんわ」
『ふふ、聞いてくれるんですか?愚痴ばっかりになっちゃいますけど』
「ワシも新八っちゃんも源さんもお前の話が聞きたいねん。例え愚痴でもな」
『優しい…また泣いちゃいそうです』
「ヒヒッ!アカンで。歳ちゃんに会いにいくんやろがい」
『そうですね。涙引っ込めます!』
「器用なやっちゃな」
廊下に出れば太陽が燦々と輝き、頭上を照らしている。
先程までジメジメとしていたななしだが、その眩しさに心が晴れやかになるようであった。
「眩しいのぉ」
『めちゃくちゃ眩しいですね』
沖田とななしは太陽を見上げた後、足袋を履いて土方が居るであろう門前を目指した。
なにかしてやりたいと思う沖田さんと、そばに居てくれるだけで元気になれるななしちゃん。
お互い無言で一緒に座ってるだけでも色々励まされていたりする関係だと良き。
「総司、少しいいか?」
「あ?歳ちゃんやないか。なにを神妙な顔しとんねん」
巡回から戻ってきた沖田を屯所の門で出迎えたのは土方であった。
袖手している土方は凛々しい眉を潜め、どこか困った様に深いため息をついている。
冷徹で滅多に表情を変えないことから"鬼の副長"と呼ばれている土方だが、今の彼はとても憔悴しているようであった。
あまりにも覇気のない土方を目の当たりにした沖田は、新撰組で何かがあったのかもしれないと、身を引き締めて鞘に手を掛けた。
「なんかあったんか?」
「…少々面倒な事が起きている」
「面倒な事?」
「あぁ、ななしが腹を立てている」
「…ななしが?」
土方が憔悴仕切っている原因はななしだったようだ。
曰くななしが酷く腹を立てているらしい。
「ななしが腹立てるなんてよっぽどやで」
「詳しい理由は私にも分からないが…多方は予想はつく。原田か谷か鈴木か…あるいは三人全員か」
「……三人全員やろなぁ」
ななしは血の気盛んな新撰組の中で最も温厚で懐が大きい。呆れたりはするものの、滅多なことでは腹を立てたりはしない。
そんな穏やかで我慢強いななしが今日はとても腹を立てているようだ。
沖田はななしが怒っていると言う事実しか知らないが、彼女が腹を立てる理由が何となくわかっている。
それは土方が言ったように新撰組の隊長である原田や谷、鈴木等が主となりななしを目の敵にしているからだ。
不器用で頭を働かせることが苦手な輩が多い新撰組の中で、寧ろそれら全般を得意としているななしが面白くないのだろう。
補佐と言われてはいるがななしの役職は平隊士と何ら変わりない。そんなななしが副長の土方から直々に仕事を受けている事や、新撰組の頭脳と言われている事を原田達は妬み、やっかみばかりをぶつけているのだ。
きっと今日も沖田が巡回をしている隙に、一人で居るななしに絡んだに違いない。
普段は悪口ややっかみ等を完璧に無視し大人な対応をとるななしだが、そんな余裕も無くなるほど原田達に追い詰められ腹を立ててしまったのだろう。
真意のほど分からず、殆ど憶測であったが確かな憤りを感じた沖田は鞘を握っていた手に力を込めた。
ミシミシと鈍く軋む音が響くほど強く。
「あの馬鹿ども…ぶん殴ったるわっ」
「総司に任せる。だがそれよりも先にななしから今日までに提出しなければならない書状を貰って来てくれ。近藤さんに渡さないといけないからな」
「歳ちゃんならななしが怒っとってももろて来れたやろ」
「…いや、今のななしは私の手には負えない」
「そら相当怒っとるかもしれへんな」
「とにかく、仕事が滞っては面倒だ。早急に貰ってきてくれ」
「ほな、先もろてくるわ。アイツらぶん殴んのは後や」
今すぐにでも怒らせたであろう三馬鹿に制裁を下したかったが、それよりもななしのほうが心配であった沖田は門をくぐるとそそくさと自室に向かった。
ななしは隊長部屋(沖田の部屋)で仕事をすることがほとんどだ。
今もきっと腹を立てながらも仕事をしている事だろう。
「ななし、俺や。入んで!」
隊長部屋についた沖田はななしの返事を待つことなく襖を開いた。
『……総司さん?巡回お疲れ様です』
「ななし…お前…」
中にはななしが鎮座しており、沖田が想像していた通り文机で仕事をしていたのだが。
筆を持っていたななしの白い頬には幾重にも涙のあとがついており、大きな目は普段よりも赤く充血していた。
少し腫れぼったい目を見ればななしが泣いていたことが一目瞭然だったのだ。
「泣いたんか…?」
『…分かっちゃいますか?』
「阿呆。わかるに決まっとるやろが!」
『ふふ、決まってるんですか?』
「ななし、なにがあったんや」
『…原田さんがわざわざ部屋に来て怒鳴っていたんですが、そこに谷さんと鈴木さんも加わって言いたい放題だったんです。それだけならよかったんですが…今日は相当苛苛していたのか書状まで汚して行ったんですよ??もう最悪です』
「アイツらホンマに…!怪我はせんだんか?」
『怪我は無いです。でも本当に頭にきちゃって…余裕無くなっちゃいました』
「そんなもん当たり前やろ」
『でも、尋ねてきた土方さんに強く当たっちゃって…新撰組失格です』
ななしがシュンとしなだれながら『自分が情けないです』と呟いた。
元凶は原田達なのは確かだが、その後怒りで土方に八つ当たりしてしまったことを酷く後悔しているらしい。
『いつもの様に受け流していれば良かった』と、尻すぼみしながら言うななしだが、それではななしの鬱憤ばかりが溜まってしまうのではないかと沖田は苦虫を噛み潰したような表を浮かべた。
常日頃
沖田には計り知れぬ程の苦労があるのは歴然としている。
そもそも男性のように振舞ったり、刀を振るう事が苦にならないはずがない。
それだけで十分ななしの心労が溜まるほどであろうに、原田達は追い打ちをかけるように彼女の事を蔑ろにする。
そんな事が続けば誰かに八つ当たりしてしまうほど憤るのも無理もないだろう。
土方に八つ当たりしたのも致し方ない。
寧ろ彼女はあまりに怒らなさすぎる。
長く溜め込みすぎたに違いない。
沖田にはななしの溜まりに溜まった怒りや、心労を全て取り除いてやる術を持たない。
それでも気が休まればいいと、小さくしなだれているななしをそっと抱きしめた。
抗いもせず胸の中にスポンと収まったななしの小さな頭を撫でてやりながら、沖田は「お前は優しすぎるわ」と慰めるように穏やかな声音でそう言う。
「歳ちゃんとこ後で一緒に行けばええ」
『怒ってないですかね…?』
「ななしの気疲れにも気付いとるやろし怒らんやろ」
『…総司さん……』
「ん?どないしたんや?」
『私頑張るから…もう少しだけ抱きしめてください』
「ええで。落ち着くまでこうしとったる」
『……』
もぞもぞと動いたななしは腕を伸ばし沖田の背中にまわした。
屯所内で触れ合うことを極端に嫌がるななしだが、彼女の方から擦り寄ってくる所を見るに余程参っているのだろう。
無言のまま抱きしめあっていると、ななしの小さく笑う声と振動が伝わってくる。
腕の中のななしを覗き込むと、彼女もこちらを見つめていたためその大きな瞳と視線がかちあった。
『元気出ました。ありがとうございます』
「ヒヒッ!元気出たんか?ワシはもうちょい引っ付いとってもええんやで?」
『ふふ、もう十分ですよ。でも仕事が終わったら抱きしめてくださいね』
「おう、なんぼでも抱きしめたるわ」
『今日の仕事も頑張れそうです!』
「せやけど無理はすなよ。まだ本調子やないやろ」
『総司さんは心配症ですね〜。でももう元気もらったんで大丈夫です!まずは土方さんに謝りに行こうと思います!』
にこにこと笑っている幼気なななしはもう十分だと腕の中から体を離した。
きっとまだ蟠りが残っているだろうが仕事が残っていると離れていくななしに、なんとも言えぬ気持ちになる。
本当はもっと甘やかしてやりたいが、新撰組として"沖田総司"、"無名ななし"として、優先すべきことは沢山ある。
ぐずぐずしている暇もないのだと沖田も自身に言い聞かせて、未だに少し赤くなっているななしの目尻をそっと撫でた。
「……せや。今日までに提出せなあかん書状がどうこう言うとったで」
『あー…勿論目を通してるんですけどそれが原田さん達に汚されちゃった書状なんです』
「…ほなそれ、歳ちゃんに持ってこか」
『汚れていても大丈夫ですかね?』
「字が読めれええんとちゃうか?」
『まぁ、大丈夫だと思いますけど…』
「行くでななし」
『はい!』
泣いた痕跡は未だに健在であるが、笑う顔は少し晴れやかにも見える。
そんな健気なななしの手を引いて立ち上がらせる沖田。
目指すは屯所の門前にいるであろう土方。
今も書状を待っているのだろう。
「後でワシと源さんであの三馬鹿しごいといたるわ」
『ふふ、鍛錬でですか?』
「おう、ボッコボコにするさかい道場見に来いや」
『仕事が終わったら見に行きますね〜』
「ほんで今日はどっか食いに行こか。源さんも新八っちゃんもさそて」
『いいですね、行きましょう!』
「甘いもんでもなんでも好きなだけ食って、胸ん中のもん全部吐き出したらええ。そうせなやっとられんわ」
『ふふ、聞いてくれるんですか?愚痴ばっかりになっちゃいますけど』
「ワシも新八っちゃんも源さんもお前の話が聞きたいねん。例え愚痴でもな」
『優しい…また泣いちゃいそうです』
「ヒヒッ!アカンで。歳ちゃんに会いにいくんやろがい」
『そうですね。涙引っ込めます!』
「器用なやっちゃな」
廊下に出れば太陽が燦々と輝き、頭上を照らしている。
先程までジメジメとしていたななしだが、その眩しさに心が晴れやかになるようであった。
「眩しいのぉ」
『めちゃくちゃ眩しいですね』
沖田とななしは太陽を見上げた後、足袋を履いて土方が居るであろう門前を目指した。
なにかしてやりたいと思う沖田さんと、そばに居てくれるだけで元気になれるななしちゃん。
お互い無言で一緒に座ってるだけでも色々励まされていたりする関係だと良き。