小話集1
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(真島/恋人)
真島は腕の中ですよすよと眠るななしを見つめていた。
昨晩から立て続けに行われた激しい行為にななしや真島が眠ったのは空が白みだした頃。
朝方眠った真島だが事務所に顔を出さない訳には行かないと、数時間後にはなんとか体を起こしたのだが。
半ば気絶するように寝落ちしたななしは今でも目を覚ますことなく、真島に見られながら深い眠りについている。
真島の胸に擦り寄る様にして眠っているためななしの可愛らしくも美しい顔がよく見えた。
耳のあたりのくるんと巻いた愛らしい和毛、閉じた瞳を彩る長く濃いまつ毛、ふっくらとした艶めかしい唇、二人分の体温で赤っくなっている柔らかな頬。
見ているだけでこちらまで幸せになるような恋人の寝顔を眺めながら真島はゆっくりと口角を上げた。
意志とは関係なく血管の浮き出たいかにも男臭い手が 眠るななしのふかふかの頬に伸びていき、そっと壊れ物を扱うように撫で付ける。
白く触り心地のよい頬を指の腹で何度も何度も撫でていると、今から事務所に赴かなくては行けないと言うのに再び心地よい睡魔が真島を襲った。
このままでは良くないと思いつつも癖になるほど柔らかく気持ちがいい頬に触れる手はなかなか止まらず。真島はやってくる睡魔に大きな欠伸を零した。
しかしいつからだろうか。
眠ることが苦行だと感じなくなったのは。
降りてくる瞼に半目になりながらも真島は遠い昔、まだななしと出会ったばかりの頃を思い出していた。
キャバレーグランドで支配人を勤めていた頃。
当時はあの古ぼけたアパートに帰り薄汚れた布団で眠ることがなによりも苦しく憂鬱であった。
部屋で目を瞑っても常に誰かに見張られていて気は休まらず。そんな中必死に意識を手放そうとするが簡単に眠ることも出来ず、気が付けば朝になっている事が日常であった。
まるで監獄の中で生きているような暗鬱とした日々。
前も後ろも真っ暗で何をしているのかさえ分からなくなっていたそんな時、一生懸命働いているななしに出会った。
紆余曲折を経て晴れて恋人となったわけだが、鬱々とした日常が無くなる訳では無い。
監視もなくならないし、金だって言われた分稼ぐ必要があった。
しかし明るく元気なななしが恋人として傍に居てくれるようになってから、真島の暗い日常は確かに変わったのだ。
彼女が隣にいるだけであれだけ苦しかった夜も朝までぐっすり眠れたし、変わらない日々で鬱々としていてもなんとか生きていこうとさえ思えた。
あれから何年もの月日が流れてななしは生涯のパートナーとして共に生きている。
今でもななしと同じ布団に入り柔らかく暖かい彼女を抱きしめて目を瞑れば、ぐっすりと眠ることが出来る。
きっとあの頃も今も自分にとっての精神安定剤なのだろうなと、微睡みの中で真島はそう感じた。
『んぅ…』
「お、ななし」
『……ん、おはよーです…吾朗さん』
最早目を瞑りながらななしの頬をひたすら撫で続けていた真島。
感触と温もりを堪能しているとどうやら違和感を感じたのか、長いまつ毛に覆われた瞳がゆっくりと開いたのだ。
寝起きでぼんやりとしているななしは目の前にいる真島をみつめながらも柔らかくはにかむと、もうとっくに過ぎている朝の挨拶をしながらゆっくりと瞬きを繰り返した。
『んふふ…ずっと頬撫でてました?』
「おう、お前の頬やらかいねん。気持ちようて永遠触っとったわ」
『だからかなぁ…ふふ、大きな犬に頬を舐められる夢見てた気がする…』
「誰が犬やねん」
『えぇ?吾朗さんです』
「アホ言うなや。俺は犬やないで」
『んふふ、知ってます』
未だに寝起きでフワフワとしているななしは笑いながらも真島の胸板に擦り寄る。
そのまま『んー…まだ寝ましょう?』と起きて事務所に向かわないと行けない真島に悪魔の囁きをしてくる。
引っ付くななしの柔さといい温もりといい、全ては真島を睡眠へと誘うようで。
目の前の可愛らしい恋人に辛抱堪らず、真島は細くたおやかな体を思い切り抱き寄せてしまったのだ。
抱き寄せてしまったが最後もう離すことが出来ないほどの幸福感に包まれてしまい、真島の頭の片隅にあった"事務所に向かう"という選択肢は段々と薄れていく。
「あー…アカン。このままやとホンマに寝てまうわ」
『…日曜日ですもん。寝てもいいですよぅ』
「俺んとこは年中無休や」
『…そんなんだから真島組はブラック企業だって言われちゃうんですよ』
「あ?誰が言うとったんや」
『……西田さん』
「あんのどアホ。かち殴ったるわ」
『怖ぁ…』
「うちがホワイトなところって訂正せなアカンやろ?」
『ふふ、訂正するのに殴るんですか?』
「せや。これが俺んとこの教育やななし」
『なるほど』
「ほな、殴りに行くか」
『…行っちゃうんですか?』
「…一応顔出しとかなな。それとも一緒に行くか?」
『…行きます!』
「ヒヒッ、ほな起きよか」
『はい!』
抱き合いながら話しているうちに二人の目はだんだんと覚めてきたらしい。
真島組に真島とななし二人で赴くということになった。
ベッドから降りるのはなんだか寂しい気もするが、この後も二人でいることが出来るのだから気に病む必要は無い。
真島はななしの寝癖のついた髪をそっとどかし現れた白い額にキスをした後、勢いをつけて上半身を起こした。
擽ったそうに笑ったななしも真島の後に続いて上半身を起こすと、シーツで体を隠しながらも大きく腕を伸ばし『んー』と凝り固まった体を解した。
「ななし」
『うん?』
「おはようさん」
『おはようございます!いい朝ですね』
「もう昼やで」
『こんにちは!いい昼ですね!吾朗さん』
「ヒヒッ!」
『なんだかお腹すいてきましたね〜』
「ほな準備してなんか食いに行こか。そのまま事務所向かうで」
『そうですね!アタシ準備してきます』
「おう、慌てて転ぶなよ」
『ふふ、転びません』
ニコニコと笑うななしはシーツを身に纏ったままべッドから飛び降りた。
こちらを振り返り『何食べましょうか!?』と楽しそうにしている彼女の子供のように無邪気な笑顔は、あの頃から何一つ変わってはいなくて。
いつまでもそんな明るく笑うななしが愛おしい。
真島は何を食べるかとウキウキワクワクしているななしを見つめて優しい笑を浮かべた。
(で?なに食べるか決まったんか?)
(全然っ決まりません!むしろ吾朗さんは何食べたいですか?)
(んーせやな…ま、お前と食べるんやったらなんでもええで)
(なにそれぇ。そんなのアタシも同じですよ)
(ほな、外出て決めよか)
(そうですねぇ!)
二人の出会いから恋人になるまで…いつかまた連載出来たらしてみたいなぁと思ってます。
真島さんの心の拠り所になってるななしちゃん、多分ななしちゃんもそう。相思相愛。
真島は腕の中ですよすよと眠るななしを見つめていた。
昨晩から立て続けに行われた激しい行為にななしや真島が眠ったのは空が白みだした頃。
朝方眠った真島だが事務所に顔を出さない訳には行かないと、数時間後にはなんとか体を起こしたのだが。
半ば気絶するように寝落ちしたななしは今でも目を覚ますことなく、真島に見られながら深い眠りについている。
真島の胸に擦り寄る様にして眠っているためななしの可愛らしくも美しい顔がよく見えた。
耳のあたりのくるんと巻いた愛らしい和毛、閉じた瞳を彩る長く濃いまつ毛、ふっくらとした艶めかしい唇、二人分の体温で赤っくなっている柔らかな頬。
見ているだけでこちらまで幸せになるような恋人の寝顔を眺めながら真島はゆっくりと口角を上げた。
意志とは関係なく血管の浮き出たいかにも男臭い手が 眠るななしのふかふかの頬に伸びていき、そっと壊れ物を扱うように撫で付ける。
白く触り心地のよい頬を指の腹で何度も何度も撫でていると、今から事務所に赴かなくては行けないと言うのに再び心地よい睡魔が真島を襲った。
このままでは良くないと思いつつも癖になるほど柔らかく気持ちがいい頬に触れる手はなかなか止まらず。真島はやってくる睡魔に大きな欠伸を零した。
しかしいつからだろうか。
眠ることが苦行だと感じなくなったのは。
降りてくる瞼に半目になりながらも真島は遠い昔、まだななしと出会ったばかりの頃を思い出していた。
キャバレーグランドで支配人を勤めていた頃。
当時はあの古ぼけたアパートに帰り薄汚れた布団で眠ることがなによりも苦しく憂鬱であった。
部屋で目を瞑っても常に誰かに見張られていて気は休まらず。そんな中必死に意識を手放そうとするが簡単に眠ることも出来ず、気が付けば朝になっている事が日常であった。
まるで監獄の中で生きているような暗鬱とした日々。
前も後ろも真っ暗で何をしているのかさえ分からなくなっていたそんな時、一生懸命働いているななしに出会った。
紆余曲折を経て晴れて恋人となったわけだが、鬱々とした日常が無くなる訳では無い。
監視もなくならないし、金だって言われた分稼ぐ必要があった。
しかし明るく元気なななしが恋人として傍に居てくれるようになってから、真島の暗い日常は確かに変わったのだ。
彼女が隣にいるだけであれだけ苦しかった夜も朝までぐっすり眠れたし、変わらない日々で鬱々としていてもなんとか生きていこうとさえ思えた。
あれから何年もの月日が流れてななしは生涯のパートナーとして共に生きている。
今でもななしと同じ布団に入り柔らかく暖かい彼女を抱きしめて目を瞑れば、ぐっすりと眠ることが出来る。
きっとあの頃も今も自分にとっての精神安定剤なのだろうなと、微睡みの中で真島はそう感じた。
『んぅ…』
「お、ななし」
『……ん、おはよーです…吾朗さん』
最早目を瞑りながらななしの頬をひたすら撫で続けていた真島。
感触と温もりを堪能しているとどうやら違和感を感じたのか、長いまつ毛に覆われた瞳がゆっくりと開いたのだ。
寝起きでぼんやりとしているななしは目の前にいる真島をみつめながらも柔らかくはにかむと、もうとっくに過ぎている朝の挨拶をしながらゆっくりと瞬きを繰り返した。
『んふふ…ずっと頬撫でてました?』
「おう、お前の頬やらかいねん。気持ちようて永遠触っとったわ」
『だからかなぁ…ふふ、大きな犬に頬を舐められる夢見てた気がする…』
「誰が犬やねん」
『えぇ?吾朗さんです』
「アホ言うなや。俺は犬やないで」
『んふふ、知ってます』
未だに寝起きでフワフワとしているななしは笑いながらも真島の胸板に擦り寄る。
そのまま『んー…まだ寝ましょう?』と起きて事務所に向かわないと行けない真島に悪魔の囁きをしてくる。
引っ付くななしの柔さといい温もりといい、全ては真島を睡眠へと誘うようで。
目の前の可愛らしい恋人に辛抱堪らず、真島は細くたおやかな体を思い切り抱き寄せてしまったのだ。
抱き寄せてしまったが最後もう離すことが出来ないほどの幸福感に包まれてしまい、真島の頭の片隅にあった"事務所に向かう"という選択肢は段々と薄れていく。
「あー…アカン。このままやとホンマに寝てまうわ」
『…日曜日ですもん。寝てもいいですよぅ』
「俺んとこは年中無休や」
『…そんなんだから真島組はブラック企業だって言われちゃうんですよ』
「あ?誰が言うとったんや」
『……西田さん』
「あんのどアホ。かち殴ったるわ」
『怖ぁ…』
「うちがホワイトなところって訂正せなアカンやろ?」
『ふふ、訂正するのに殴るんですか?』
「せや。これが俺んとこの教育やななし」
『なるほど』
「ほな、殴りに行くか」
『…行っちゃうんですか?』
「…一応顔出しとかなな。それとも一緒に行くか?」
『…行きます!』
「ヒヒッ、ほな起きよか」
『はい!』
抱き合いながら話しているうちに二人の目はだんだんと覚めてきたらしい。
真島組に真島とななし二人で赴くということになった。
ベッドから降りるのはなんだか寂しい気もするが、この後も二人でいることが出来るのだから気に病む必要は無い。
真島はななしの寝癖のついた髪をそっとどかし現れた白い額にキスをした後、勢いをつけて上半身を起こした。
擽ったそうに笑ったななしも真島の後に続いて上半身を起こすと、シーツで体を隠しながらも大きく腕を伸ばし『んー』と凝り固まった体を解した。
「ななし」
『うん?』
「おはようさん」
『おはようございます!いい朝ですね』
「もう昼やで」
『こんにちは!いい昼ですね!吾朗さん』
「ヒヒッ!」
『なんだかお腹すいてきましたね〜』
「ほな準備してなんか食いに行こか。そのまま事務所向かうで」
『そうですね!アタシ準備してきます』
「おう、慌てて転ぶなよ」
『ふふ、転びません』
ニコニコと笑うななしはシーツを身に纏ったままべッドから飛び降りた。
こちらを振り返り『何食べましょうか!?』と楽しそうにしている彼女の子供のように無邪気な笑顔は、あの頃から何一つ変わってはいなくて。
いつまでもそんな明るく笑うななしが愛おしい。
真島は何を食べるかとウキウキワクワクしているななしを見つめて優しい笑を浮かべた。
(で?なに食べるか決まったんか?)
(全然っ決まりません!むしろ吾朗さんは何食べたいですか?)
(んーせやな…ま、お前と食べるんやったらなんでもええで)
(なにそれぇ。そんなのアタシも同じですよ)
(ほな、外出て決めよか)
(そうですねぇ!)
二人の出会いから恋人になるまで…いつかまた連載出来たらしてみたいなぁと思ってます。
真島さんの心の拠り所になってるななしちゃん、多分ななしちゃんもそう。相思相愛。