小話集1
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(支配人/恋人)
『……』
「……」
真島はとても困っていた。
理由は目の前にいるななしだ。
グランドの営業を終え残った事務仕事を片付けていた真島のすぐ向かい側に座る彼女は、無言のまま穴が空いてしまいそうなほどまっすぐこちらを凝視してくるのだ。
効果音を付けるなら漫画のようにジーだろう、本当にそう聞こえてきそうなほどななしは真剣な眼差しで見つめてくる。
あまりにも長い間見つめられている為仕事どころではなく、書類とにらめっこをしていた真島だがその視線のお陰で全く集中できていなかった。
一体何をそんなに一生懸命眺めているのか、仕事そっちのけで気になってしまった真島がななしの目線の先を辿ってみると凡そ行き着きそうな場所は自身の喉元だった。
何故、喉元をそこまでじっと見つめているのか。
まさかなにかゴミでもついているのかと真島は未だに見られている喉元に触れてみるが、肌の感触しかせず。
ますますななしが見つめてくる理由がわからず首を傾げるばかりだ。
「……」
このままでは仕事も片付かず帰ることが出来ないと少し焦り出した真島は素直に「なにみとるんやななし」と真剣な彼女にそう呼びかけた。
しかし一度の呼びかけには反応はなく。
それ程集中しているのかと思いつつももう一度「ななし?」と名を呼べばハッとした様に『は、はい!』と彼女の上擦った声が響いた。
『す、すみません。何でしたっけ??』
「おう、もう大丈夫なんか?」
『はい、大丈夫です!』
「ほな聞いてええか?」
『なんでも聞いてください』
「ずっと俺のこの辺り見とったやろ?なんかあったんか?」
「この辺り」と喉元を指さしながらななしへ問うてみる。
すると『あ、気づいてたんですね…』とどこか気まずそうに照れくさそうに小さく笑ったななし。
気づいていたという返事からやはり喉元を見ていたのだと分かる。
しかし何故喉元なのだろう、真島の疑問は膨らむばかりであった。
『仰る通り喉元見ていたんです…でも正確には喉元のホクロです』
「ホクロ?」
『はい、真島さんの喉仏の右下あたりにあるんです。知ってましたか?』
「全く知らんかったわ。こんな所にホクロあんねんな」
『ふふ、実はアタシもつい最近知ったんです』
「そうなんか」
どうやらななしは首にあるホクロを見ていたらしい。
喉仏の近くにホクロがあったことなど24年生きてきたが全く知らなかった真島。
鏡を見ることはあるが自分の首元をじっくりと観察したことがなく、彼女に言われなければ一生気づいていなかったかもしれない。
だが、たとえ気づいたとてどうということは無い。
人間誰しもどこかしらにホクロがあるだろう。
問題は何故そのホクロをななしがあれほど真剣に見つめていたのかということだ。
「で、そのホクロになにがあんのや?」
『え?な、なにも無いですけど』
「せやけどかなり熱心にみつめとったやろ?」
『…そ、それは…えーと…』
聞かれた途端に顔を赤らめてモジモジと小さくなってしまったななし。上手く言葉にできないのか『あの、えっとですね…つまり…』としどろもどろ言葉をひねり出している。
とても可愛らしい仕草であるが、どうしてホクロ一つでそんなに照れ、狼狽える必要があるのか。
色々考えて居るであろうななしの返答を待つように真島は黙ったまま、小さな恋人を眺めた。
『…あの…なんていうか…せ、』
「せ?」
『セクシーだなって思ってまして…』
「セクシー?ホクロがか?」
『はい、ホクロがセクシーだなって…』
ようやく話し出す決心がついたのか、一つ頷いたななしは真島に向かって『セクシーだ』とそう言ったのだ。
「セクシーなんか」
『は、はい…普段は襟で隠れているんですけど…真島さんて仕事終わると首元緩めるじゃないですか?その時にちらりと見えるの本当にセクシーなんです』
ななしの言う通り普段はグランドで支配人として働いているため服装も気を使っている。
もとよりこの風貌なため着崩していようものなら、人がグランドに寄り付かなくなってしまうだろう。
基本的にはボタンなどひとつも外すことは無いのだが、こうして心許せるななしの前ではくつろげることが多い。
その際確かに首元のボタンも胸あたりまで開くため、ななしの言うホクロがよく見えるのだろう。
今もだらしなく開かれたワイシャツからしっかりとホクロは見えているはずだ。
自分 のホクロが不意に見えたとしてもなかなかセクシーだとは思えなかったが、もしななしの普段見えない部分にホクロがありそれが不意に目に入ってしまったとしたら…。
その時は今目の前にいるななしのように無言でガン見してしまうのだろう。
自分がななしの白い肌に浮き出るホクロをみてそれはもうとんでもなく興奮する様子が容易に想像できてしまって。案外と他人事ではないと、真島は「なるほど…」と妙な返答をしてしまった。
『すみません、お仕事中に変な視線を送ってしまっ…』
「全然かまへん、理由がわかればどうて事ないわ」
『ふふ、ありがとうございます』
「それよりななしはホクロあらへんのか?」
『アタシですか?うーん、自分ではあまり知らないですけど…もしかしたら背中とか見えない部分にはあるかもしれないですね!』
「ほな今日探してみよか」
『え?探す?』
「おう、ななしのホクロ俺も見てみたいしな」
『み、見なくてもいいですっ』
「何でや?俺も見せたんやさかいななしも見せなアカンやろ」
『だ、だって探すって…裸にならなきゃ…』
「ななしは裸で探すこと想像したんか?俺は別に腕捲りでもしてもろて探そうと思ったんやけどなぁ?」
『え!?あ、そんなつもりじゃ…』
「ええでななし、一緒に裸で探そうや」
『ち、違うんです!』
ホクロを見たいと言うのは事実であったが、裸になってまで探すつもりはなく。目に見える範囲で探そうと思っていた中でななしが気恥ずかしそうに『裸にならなきゃ…』と言うので、そんな気が一切無かった真島は些か興奮を覚えてしまった。
『違いますからね!』
「おう、ほなすぐ仕事片付けるさかいもう少し待っとてな」
『聞いてますか??』
「おう聞いとんで」
『……真島さんの意地悪っ』
「そうか?これでもななしには甘々なんやけどなぁ」
『意地悪です。だって楽しそうに笑ってるんですもん』
「いつもこんな顔やろがい」
『もっと優しい顔してます!』
「お?もうこっち見てくれんのか?」
『み、見ません!』
「待っとってな」
『……わ、分かりましたっ』
今夜これからもななしと共に過ごせる、そう思うだけで片付けなければならない事務仕事も楽に処理することが出来た。
すらすらと動く己の右手に苦笑いしつつななしを横目で見れば彼女はもうこちらを向いてはおらず。
扉を見つめるようにして座っていた。
ななしの背中からはプンプンと怒りを感じたが、ちらりと見える耳はそれはもう真っ赤で。
怒りだけでは無い甘やかな感情がその耳から見え隠れしているように思えて、真島は思わず口元が綻んだ。
可愛い恋人をこれ以上待たせないようにと最速で事務仕事を終わらせた真島は、未だにそっぽを向いたままのななしの元へと歩み寄り優しく頭を撫でながら「帰ろか」と、できるだけ優しくそう言ってやる。
ゆっくりこちらを見あげたななしのなんとも言えぬ様な真っ赤な顔に人知れず欲情しながら、そっと彼女の手を引き立たせた。
『…真島さんてたまに意地悪です』
「好きな子程虐めたなるねん。許したってや」
『…ふふ、なにそれ。中学生みたいです』
「男はいつだってそんなもんや」
『そうなんですかぁ』
可愛い可愛い恋人には意地悪になるものだ。
これは真島だけに限ったことでは無い。世の男はだいたいそうだ。
だがもしかするとその気持ちは人一倍大きいかもしれないが、好きであるが故。
大目に見てくれ、と言葉にはしなかったがななしの細い腰を抱き寄せながら真島はそう思った。
(真島さんっ、ここにありいます)
(ななしもこんな際どいとこにあんで)
(も、もう、見ないでくださいっ)
(こんなとこにあるなんてこれから先俺以外に教えたらアカンで)
(…真島さんにしか見せませんっ)
Atgk
真島さんのホクロはえろい( ˇωˇ )
実は旧サイトにて組長真島さんでホクロネタ書いたんです。しかし消えてしまいこの際だと言うことで支配人バージョンにしてみました。
ななしちゃんも人に見せられない所にホクロがあるのかもしれません…。これから先ホクロの位置を知るのは真島さんだけでしょう。
『……』
「……」
真島はとても困っていた。
理由は目の前にいるななしだ。
グランドの営業を終え残った事務仕事を片付けていた真島のすぐ向かい側に座る彼女は、無言のまま穴が空いてしまいそうなほどまっすぐこちらを凝視してくるのだ。
効果音を付けるなら漫画のようにジーだろう、本当にそう聞こえてきそうなほどななしは真剣な眼差しで見つめてくる。
あまりにも長い間見つめられている為仕事どころではなく、書類とにらめっこをしていた真島だがその視線のお陰で全く集中できていなかった。
一体何をそんなに一生懸命眺めているのか、仕事そっちのけで気になってしまった真島がななしの目線の先を辿ってみると凡そ行き着きそうな場所は自身の喉元だった。
何故、喉元をそこまでじっと見つめているのか。
まさかなにかゴミでもついているのかと真島は未だに見られている喉元に触れてみるが、肌の感触しかせず。
ますますななしが見つめてくる理由がわからず首を傾げるばかりだ。
「……」
このままでは仕事も片付かず帰ることが出来ないと少し焦り出した真島は素直に「なにみとるんやななし」と真剣な彼女にそう呼びかけた。
しかし一度の呼びかけには反応はなく。
それ程集中しているのかと思いつつももう一度「ななし?」と名を呼べばハッとした様に『は、はい!』と彼女の上擦った声が響いた。
『す、すみません。何でしたっけ??』
「おう、もう大丈夫なんか?」
『はい、大丈夫です!』
「ほな聞いてええか?」
『なんでも聞いてください』
「ずっと俺のこの辺り見とったやろ?なんかあったんか?」
「この辺り」と喉元を指さしながらななしへ問うてみる。
すると『あ、気づいてたんですね…』とどこか気まずそうに照れくさそうに小さく笑ったななし。
気づいていたという返事からやはり喉元を見ていたのだと分かる。
しかし何故喉元なのだろう、真島の疑問は膨らむばかりであった。
『仰る通り喉元見ていたんです…でも正確には喉元のホクロです』
「ホクロ?」
『はい、真島さんの喉仏の右下あたりにあるんです。知ってましたか?』
「全く知らんかったわ。こんな所にホクロあんねんな」
『ふふ、実はアタシもつい最近知ったんです』
「そうなんか」
どうやらななしは首にあるホクロを見ていたらしい。
喉仏の近くにホクロがあったことなど24年生きてきたが全く知らなかった真島。
鏡を見ることはあるが自分の首元をじっくりと観察したことがなく、彼女に言われなければ一生気づいていなかったかもしれない。
だが、たとえ気づいたとてどうということは無い。
人間誰しもどこかしらにホクロがあるだろう。
問題は何故そのホクロをななしがあれほど真剣に見つめていたのかということだ。
「で、そのホクロになにがあんのや?」
『え?な、なにも無いですけど』
「せやけどかなり熱心にみつめとったやろ?」
『…そ、それは…えーと…』
聞かれた途端に顔を赤らめてモジモジと小さくなってしまったななし。上手く言葉にできないのか『あの、えっとですね…つまり…』としどろもどろ言葉をひねり出している。
とても可愛らしい仕草であるが、どうしてホクロ一つでそんなに照れ、狼狽える必要があるのか。
色々考えて居るであろうななしの返答を待つように真島は黙ったまま、小さな恋人を眺めた。
『…あの…なんていうか…せ、』
「せ?」
『セクシーだなって思ってまして…』
「セクシー?ホクロがか?」
『はい、ホクロがセクシーだなって…』
ようやく話し出す決心がついたのか、一つ頷いたななしは真島に向かって『セクシーだ』とそう言ったのだ。
「セクシーなんか」
『は、はい…普段は襟で隠れているんですけど…真島さんて仕事終わると首元緩めるじゃないですか?その時にちらりと見えるの本当にセクシーなんです』
ななしの言う通り普段はグランドで支配人として働いているため服装も気を使っている。
もとよりこの風貌なため着崩していようものなら、人がグランドに寄り付かなくなってしまうだろう。
基本的にはボタンなどひとつも外すことは無いのだが、こうして心許せるななしの前ではくつろげることが多い。
その際確かに首元のボタンも胸あたりまで開くため、ななしの言うホクロがよく見えるのだろう。
今もだらしなく開かれたワイシャツからしっかりとホクロは見えているはずだ。
その時は今目の前にいるななしのように無言でガン見してしまうのだろう。
自分がななしの白い肌に浮き出るホクロをみてそれはもうとんでもなく興奮する様子が容易に想像できてしまって。案外と他人事ではないと、真島は「なるほど…」と妙な返答をしてしまった。
『すみません、お仕事中に変な視線を送ってしまっ…』
「全然かまへん、理由がわかればどうて事ないわ」
『ふふ、ありがとうございます』
「それよりななしはホクロあらへんのか?」
『アタシですか?うーん、自分ではあまり知らないですけど…もしかしたら背中とか見えない部分にはあるかもしれないですね!』
「ほな今日探してみよか」
『え?探す?』
「おう、ななしのホクロ俺も見てみたいしな」
『み、見なくてもいいですっ』
「何でや?俺も見せたんやさかいななしも見せなアカンやろ」
『だ、だって探すって…裸にならなきゃ…』
「ななしは裸で探すこと想像したんか?俺は別に腕捲りでもしてもろて探そうと思ったんやけどなぁ?」
『え!?あ、そんなつもりじゃ…』
「ええでななし、一緒に裸で探そうや」
『ち、違うんです!』
ホクロを見たいと言うのは事実であったが、裸になってまで探すつもりはなく。目に見える範囲で探そうと思っていた中でななしが気恥ずかしそうに『裸にならなきゃ…』と言うので、そんな気が一切無かった真島は些か興奮を覚えてしまった。
『違いますからね!』
「おう、ほなすぐ仕事片付けるさかいもう少し待っとてな」
『聞いてますか??』
「おう聞いとんで」
『……真島さんの意地悪っ』
「そうか?これでもななしには甘々なんやけどなぁ」
『意地悪です。だって楽しそうに笑ってるんですもん』
「いつもこんな顔やろがい」
『もっと優しい顔してます!』
「お?もうこっち見てくれんのか?」
『み、見ません!』
「待っとってな」
『……わ、分かりましたっ』
今夜これからもななしと共に過ごせる、そう思うだけで片付けなければならない事務仕事も楽に処理することが出来た。
すらすらと動く己の右手に苦笑いしつつななしを横目で見れば彼女はもうこちらを向いてはおらず。
扉を見つめるようにして座っていた。
ななしの背中からはプンプンと怒りを感じたが、ちらりと見える耳はそれはもう真っ赤で。
怒りだけでは無い甘やかな感情がその耳から見え隠れしているように思えて、真島は思わず口元が綻んだ。
可愛い恋人をこれ以上待たせないようにと最速で事務仕事を終わらせた真島は、未だにそっぽを向いたままのななしの元へと歩み寄り優しく頭を撫でながら「帰ろか」と、できるだけ優しくそう言ってやる。
ゆっくりこちらを見あげたななしのなんとも言えぬ様な真っ赤な顔に人知れず欲情しながら、そっと彼女の手を引き立たせた。
『…真島さんてたまに意地悪です』
「好きな子程虐めたなるねん。許したってや」
『…ふふ、なにそれ。中学生みたいです』
「男はいつだってそんなもんや」
『そうなんですかぁ』
可愛い可愛い恋人には意地悪になるものだ。
これは真島だけに限ったことでは無い。世の男はだいたいそうだ。
だがもしかするとその気持ちは人一倍大きいかもしれないが、好きであるが故。
大目に見てくれ、と言葉にはしなかったがななしの細い腰を抱き寄せながら真島はそう思った。
(真島さんっ、ここにありいます)
(ななしもこんな際どいとこにあんで)
(も、もう、見ないでくださいっ)
(こんなとこにあるなんてこれから先俺以外に教えたらアカンで)
(…真島さんにしか見せませんっ)
Atgk
真島さんのホクロはえろい( ˇωˇ )
実は旧サイトにて組長真島さんでホクロネタ書いたんです。しかし消えてしまいこの際だと言うことで支配人バージョンにしてみました。
ななしちゃんも人に見せられない所にホクロがあるのかもしれません…。これから先ホクロの位置を知るのは真島さんだけでしょう。