ミニ小話
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『ご、吾朗さん!今日は貴方にお土産があるんですよ!』
「土産?それは今渡さなアカンもんなんか?」
『い、今すぐです!』
「俺とお前のセックスを遮ってまでか?」
『ま、まだしてないじゃないですか!』
キッチンで洗いものや片付けをしていたななしは背後からやってきた真島に襲われていた。
真島曰く「項がエロい」らしい。
両手が泡だらけで上手く抵抗できずにいると直ぐに服の中に真島の手が入り込み、あちらこちらを撫で回した。彼の手は冷たく妙にかさついている為ななしはくすぐったくて仕方がない。
身をよじるが真島の手は追い詰めるように動き、ななしを翻弄した。
「観念せぇななし」
『ちょ、待って!分かりました!だからお土産だけ受け取って下さい』
「…終わってからでええやろ」
『い、今じゃないと駄目です!』
「なんや、ごっつええ感じのスキンか?」
『違いますよ!そうじゃなくて!…一度手を洗うので離れてもらっていいですか?』
「しゃあないのぉ」
真島は不満だと下唇を突き出しながらも服の中から手を引き抜き1歩後ろへと下がった。
それを確認したななしは素早く手を洗い布巾で水を拭う。テキパキ食器を片付けた後、真島に『まだ動いちゃダメです!』とひと睨みして牽制しつつ、今日帰り際に買ったお土産をカバンの中から取り出す。
そして棒立ちになっている真島へ小さな茶色い紙袋に入ったお土産を『開けてみて吾朗さん』と手渡した。
「ハンド…クリーム?」
『そう、お土産はハンドクリームです!』
「これが俺への土産か?」
『はぁ、吾朗さん。貴方自分の手が如何に乾燥してるか分かってます?』
「あぁ?そないにしてへんやろ」
『いいえ、めちゃくちゃしてます。手、出してみて』
よく分からんと言った様子で差し出された真島の手をななしは両手で握る。
そのまま自身の指の腹で彼の手全体を撫ればやはり少しだけカサカサしているようだ。
手の甲や平はそこまで酷くは無いが、指先や関節などはかなり乾燥している。
『やっぱり…少し乾燥してる。吾朗さんあんまりハンドクリームとか塗らないから』
「別に支障ないんやしええやんけ」
『実はですね、支障ありまくりなんです。だから今日これ買ってきたんですよ』
「なにがあんねん。言うてみ」
『それは、吾朗さんの手がいつも以上にカサカサしてて…く、擽ったいんですよ!』
真島は普段から頬や首筋、手など。晒された肌に手を這わす事が多い。勿論今日みたいに服の中に手を入れ脇腹や胸を触ることもある。
真島なりの愛情表現でスキンシップだと分かっているななしは快く彼に身を委ねるのだが、最近になって触れる手がいつもの柔らかなものとは違いカサカサと乾燥している為触られると非常に擽ったいのだ。
肌に傷が着くほど痛い訳では無い、元々真島は壊れ物を扱うように丁寧に触れてくれるため痛みを伴うことなど万に一つも無い。
だからこそカサカサの手でとてつもなく優しくなぞられると、あちこちむず痒くて全身に鳥肌が立ってしまうのだ。
「擽ったいんか?」
『もう、本当に笑っちゃうくらい擽ったいです』
「…別にわろたらええやんけ」
『よ、良くないです!とにかく吾朗さんはハンドクリームを塗ってこのカサカサを何とかしてください!そうじゃないとお触り禁止です』
「お前…無茶言うなや。触れんなんてどんな拷問やねん」
『大丈夫です!治れば好きなだけ触っていいです』
「だいたいな擽ったいっちゅうのは快感の一歩手前の感覚や。つまりななしはこの手が気持ちええと思っとるっちゅうことや。治す必要なんてないやろが」
『べ、別に気持ちいいとは思ってないですっ』
「あぁん?ほな真っ裸になってみぃ!」
『な、何でですか!』
「敏感なお前のことや、既に濡れとるやろ」
『な!?変なこと言わないで下さい!変態吾朗さん! とにかく!これを!塗る!!』
「おいっ、何しとんねんななし!」
変態発言を繰り返す真島に呆れたななしはハンドクリームを引っつかむと、大きくカサついた手に大量にクリームを押し出した。
ななしは慌てる真島の手を掴み、自身の手のひらで全体に塗り広げた。
肌と肌を擦り合わせながらクリームを馴染ませるように広げると、真島の手もななしの手もあっという間にべたべたになっていく。
「ベッタベタやないか」
『潤ってる証です!我慢して』
「お前、これどないすんねん。どこも触れんやろ」
『馴染むまでじっとしていればいいんですよ』
「あぁ?ほなセックスはどないすんねん」
『ふふ、お預けですよお預け』
「さっきと言うとることちゃうやんけ!」
『だってハンドクリーム塗っちゃったんですもん。仕方ないですよ〜』
「仕方ないわけあるか」
『でもですね、低刺激で無香料のハンドクリームでも塗った後に繊細な場所には触れないですし、ここは潔く諦めて貰うしかないです』
「……お前、最初からこうなるって分かっとったやろ」
『まさか、そんな事ないです!アタシは純粋に貴方の手を直してあげたかっただけですもん』
「…ななし、お前…悪知恵働くやっちゃのぉ」
『ふふ、賢いって言って欲しいですね』
こうもお互いベッタリとハンドクリームがついてしまえば、性行為を続けることは不可能であろう。
真島は不本意そうにしているが、まだまだやり残した家事があるななしにはこれが最良の結果だ。
それに自身の手も潤いまさに一石二鳥。
このまま手にハンドクリームが馴染むまでしばらく休憩してから家事に戻ろう。
不貞腐れた真島を横目に見つつななしはこの後しなければならない事を指折り数えた。
「ななし」
『ん?なんです?』
「よお考えたらなにも手ぇだけやないな」
『え?何がです?』
「繊細な場所に触るのは指や手や無くてもええっちゅうことや」
『……つ、つまり?』
「今日はいつもと趣向を変えて全身俺の"舌"で可愛がったるわ。それならこの手も使わんでもええしな」
『はぁ!?だ、だめですよ!何考えてるんですか』
「土産は受け取ったし、ハンドクリームも塗ったんや。もう文句は言わせんで」
『わっ!ア、アタシまだ家事がっ』
「そんなもん明日俺がやるさかいほっとき」
『ほっとかない!アタシがやるから』
「観念せぇ、ななし」
『も、もう!』
ヒョイっと抱えられ寝室に運ばれてしまったななし。
最良の結果は最悪の結果に様変わりし、結局この後ななしは文字通り散々"舌"で可愛がられる事となる。
全てが終わった頃。
疲労感満載のななしは『もう二度と吾朗さんにハンドクリームを塗らない』と固く誓い、ゆっくりと意識を手放した。
「土産?それは今渡さなアカンもんなんか?」
『い、今すぐです!』
「俺とお前のセックスを遮ってまでか?」
『ま、まだしてないじゃないですか!』
キッチンで洗いものや片付けをしていたななしは背後からやってきた真島に襲われていた。
真島曰く「項がエロい」らしい。
両手が泡だらけで上手く抵抗できずにいると直ぐに服の中に真島の手が入り込み、あちらこちらを撫で回した。彼の手は冷たく妙にかさついている為ななしはくすぐったくて仕方がない。
身をよじるが真島の手は追い詰めるように動き、ななしを翻弄した。
「観念せぇななし」
『ちょ、待って!分かりました!だからお土産だけ受け取って下さい』
「…終わってからでええやろ」
『い、今じゃないと駄目です!』
「なんや、ごっつええ感じのスキンか?」
『違いますよ!そうじゃなくて!…一度手を洗うので離れてもらっていいですか?』
「しゃあないのぉ」
真島は不満だと下唇を突き出しながらも服の中から手を引き抜き1歩後ろへと下がった。
それを確認したななしは素早く手を洗い布巾で水を拭う。テキパキ食器を片付けた後、真島に『まだ動いちゃダメです!』とひと睨みして牽制しつつ、今日帰り際に買ったお土産をカバンの中から取り出す。
そして棒立ちになっている真島へ小さな茶色い紙袋に入ったお土産を『開けてみて吾朗さん』と手渡した。
「ハンド…クリーム?」
『そう、お土産はハンドクリームです!』
「これが俺への土産か?」
『はぁ、吾朗さん。貴方自分の手が如何に乾燥してるか分かってます?』
「あぁ?そないにしてへんやろ」
『いいえ、めちゃくちゃしてます。手、出してみて』
よく分からんと言った様子で差し出された真島の手をななしは両手で握る。
そのまま自身の指の腹で彼の手全体を撫ればやはり少しだけカサカサしているようだ。
手の甲や平はそこまで酷くは無いが、指先や関節などはかなり乾燥している。
『やっぱり…少し乾燥してる。吾朗さんあんまりハンドクリームとか塗らないから』
「別に支障ないんやしええやんけ」
『実はですね、支障ありまくりなんです。だから今日これ買ってきたんですよ』
「なにがあんねん。言うてみ」
『それは、吾朗さんの手がいつも以上にカサカサしてて…く、擽ったいんですよ!』
真島は普段から頬や首筋、手など。晒された肌に手を這わす事が多い。勿論今日みたいに服の中に手を入れ脇腹や胸を触ることもある。
真島なりの愛情表現でスキンシップだと分かっているななしは快く彼に身を委ねるのだが、最近になって触れる手がいつもの柔らかなものとは違いカサカサと乾燥している為触られると非常に擽ったいのだ。
肌に傷が着くほど痛い訳では無い、元々真島は壊れ物を扱うように丁寧に触れてくれるため痛みを伴うことなど万に一つも無い。
だからこそカサカサの手でとてつもなく優しくなぞられると、あちこちむず痒くて全身に鳥肌が立ってしまうのだ。
「擽ったいんか?」
『もう、本当に笑っちゃうくらい擽ったいです』
「…別にわろたらええやんけ」
『よ、良くないです!とにかく吾朗さんはハンドクリームを塗ってこのカサカサを何とかしてください!そうじゃないとお触り禁止です』
「お前…無茶言うなや。触れんなんてどんな拷問やねん」
『大丈夫です!治れば好きなだけ触っていいです』
「だいたいな擽ったいっちゅうのは快感の一歩手前の感覚や。つまりななしはこの手が気持ちええと思っとるっちゅうことや。治す必要なんてないやろが」
『べ、別に気持ちいいとは思ってないですっ』
「あぁん?ほな真っ裸になってみぃ!」
『な、何でですか!』
「敏感なお前のことや、既に濡れとるやろ」
『な!?変なこと言わないで下さい!変態吾朗さん! とにかく!これを!塗る!!』
「おいっ、何しとんねんななし!」
変態発言を繰り返す真島に呆れたななしはハンドクリームを引っつかむと、大きくカサついた手に大量にクリームを押し出した。
ななしは慌てる真島の手を掴み、自身の手のひらで全体に塗り広げた。
肌と肌を擦り合わせながらクリームを馴染ませるように広げると、真島の手もななしの手もあっという間にべたべたになっていく。
「ベッタベタやないか」
『潤ってる証です!我慢して』
「お前、これどないすんねん。どこも触れんやろ」
『馴染むまでじっとしていればいいんですよ』
「あぁ?ほなセックスはどないすんねん」
『ふふ、お預けですよお預け』
「さっきと言うとることちゃうやんけ!」
『だってハンドクリーム塗っちゃったんですもん。仕方ないですよ〜』
「仕方ないわけあるか」
『でもですね、低刺激で無香料のハンドクリームでも塗った後に繊細な場所には触れないですし、ここは潔く諦めて貰うしかないです』
「……お前、最初からこうなるって分かっとったやろ」
『まさか、そんな事ないです!アタシは純粋に貴方の手を直してあげたかっただけですもん』
「…ななし、お前…悪知恵働くやっちゃのぉ」
『ふふ、賢いって言って欲しいですね』
こうもお互いベッタリとハンドクリームがついてしまえば、性行為を続けることは不可能であろう。
真島は不本意そうにしているが、まだまだやり残した家事があるななしにはこれが最良の結果だ。
それに自身の手も潤いまさに一石二鳥。
このまま手にハンドクリームが馴染むまでしばらく休憩してから家事に戻ろう。
不貞腐れた真島を横目に見つつななしはこの後しなければならない事を指折り数えた。
「ななし」
『ん?なんです?』
「よお考えたらなにも手ぇだけやないな」
『え?何がです?』
「繊細な場所に触るのは指や手や無くてもええっちゅうことや」
『……つ、つまり?』
「今日はいつもと趣向を変えて全身俺の"舌"で可愛がったるわ。それならこの手も使わんでもええしな」
『はぁ!?だ、だめですよ!何考えてるんですか』
「土産は受け取ったし、ハンドクリームも塗ったんや。もう文句は言わせんで」
『わっ!ア、アタシまだ家事がっ』
「そんなもん明日俺がやるさかいほっとき」
『ほっとかない!アタシがやるから』
「観念せぇ、ななし」
『も、もう!』
ヒョイっと抱えられ寝室に運ばれてしまったななし。
最良の結果は最悪の結果に様変わりし、結局この後ななしは文字通り散々"舌"で可愛がられる事となる。
全てが終わった頃。
疲労感満載のななしは『もう二度と吾朗さんにハンドクリームを塗らない』と固く誓い、ゆっくりと意識を手放した。