小話集2
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(メリークリスマス!)
『真島さん、今日もお疲れ様です』
「おう、お疲れさん。今日はしんどかったやろななし」
『そうですね、少し』
「動きっぱなしやったもんな。こっち来て座り。少し休んでから帰ろうや」
『ふふ、そうしましょう』
今日は一年の中でも一大イベントであるクリスマス。
普段よりもグランドへ訪れる客が多く、客足に伴い仕事量も格段に増えていた為、真島もななしもそれはもう忙しなのない一日を過ごしていた。
真島やななしの働きは金へ直結する為忙しければ忙しい程良いのだが、あまりにも多忙であるのも心身共に辛いもので。
やっとの思いで仕事や掃除を終えた二人は疲労と睡魔でヘロヘロであった。
しかし普段通りに働いているとは言え、今日は聖なる夜だ。世のカップルはイチャイチャと二人きりで過ごしている事だろう。
体は十分に疲れてはいたが、どうしても世の中のカップルのように少しでも長く二人きりでクリスマスを過ごしたかったななしは真島に言われたように椅子に座りながらも『あの…真島さん』と小さく切り出した。
すると真島は「ん?」と優しく微笑みななしの顔を覗き込む。
穏やかな表情の真島と目が合ったななしはキュンと胸を高鳴らせた。
『あ、あの…お疲れですか?』
「まぁ、それなりに動いたさかい。少しはな」
『そ、そうですよね…』
どこか疲れたように肩を縮めた真島。
彼の言うように一日休むことなく体を動かし、客に気を遣っていれば嫌でも心身ともに疲労するだろう。
真島だって例外では無い、クリスマスという最繁時に支配人として沢山働いたのだから。
恋人である真島とクリスマスを楽しみたい気持ちはあるものの、疲れた彼と無理をしてまで過ごすことはとても憚られた。
ここでわがままを言ってこれ以上真島を疲れさせては行けないし、休める時に十分に休ませてあげたい。
ななしは"真島と過ごしたい"、"真島を休ませてあげたい"と両極端な思いを胸に秘めてはいたが、彼に無理強いすることはなく。
このまま帰宅は少しばかり寂しいが体がなによりも大事であると己に言い聞かせて『じゃぁ、帰りましょうか』と呟いた。
今日の為に小さいが二人で食べられるケーキ…真島でも食べられそうな甘さ控えめのチョコレートケーキを用意していたのだが、この分だと一人で消費することになるのだろう。
小さいが一人で食べるには些か大きい、さてこれはどう消費すべきか。
ななしはアパートの冷蔵庫に入っているチョコレートをぼんやりと思い出しながら、真島の返答を待った。
しばしば沈黙が続いていると、隣のパイプ椅子に座っていた真島が徐に動き出し、考えに耽っているななしの顎を優しく持ち上げたのだ。
急に顎を掴まれ顔を起こされたななしは驚き『ふぁ』と素っ頓狂な声を上げてしまった。
恥ずかしさにモジモジとしていると頭上から「フッ、可愛ええ反応やな」と楽しそうに囁く真島の声が聞こえてくる。
益々顔に熱が集まり、ななしは茹でダコのようになっていた。
「ななし」
『あ、えっと…?』
「ななしはどうなんや。疲れたんやないか?」
『そ、そうですね。今日大繁盛でしたから』
「もう帰りたいか?」
『え?』
「俺はもう少しななしと一緒におりたいんやけど、ななしはもう帰って休みたいか?」
『ア、アタシも!アタシもまだ一緒にいたいです。だって今日…クリスマスですから』
「俺も一緒や。どんだけ疲れとってもななしと一緒に過ごしたい。せやから、遠慮なんてせんでやななし」
『き、気付いてたんですか』
「言い渋っとることくらい分かる。ななしの事や早く休ませてあげなって思ったんやろ?色々悩ませてすまん。ななしさえ良ければクリスマス、俺と一緒に過ごしてくれへんか?」
『は、はい!勿論。アタシもそう言いたかったから嬉しいですありがとう真島さん』
どうやら真島はななしが一緒に過ごしたいと思っているがなかなか切り出せずにいると言う事を理解していたようだ。
言い辛そうにしている様子を見て真島から先に一緒に居たいと提案してくれたのだろう。
真島も同じ気持ちでいるということが分かるとななしも自然と一緒にいたいと口にすることが出来た。
「ななし、ほな帰って一緒にクリスマス楽しもか」
『はい、一緒に楽しみましょう!』
「俺はなにが可愛ええとか、ななしが好きそうなもんもよう分からんかったんやけどな」
『うん?』
「ななしに似合いそうなケーキ買っといたんや。クリスマスらしくそれ食べて、恋人らしいことしよか」
『真島さんもケーキ用意してくれてたんですか?』
「も?なんやななしも買ってくれとったんか?」
『ふふふっ、真島さんでも食べられそうな甘さ控えめのチョコレートケーキを二人で食べようって用意してました…ふふ、でも、そっか真島さんも用意してくれてたんですね』
「考えとることは同じっちゅうことやな」
『ふふ、なんだか嬉しいです』
真島も今日の日の為に先もってケーキを購入していてくれたようだ。
つまりは最初からクリスマスを二人きりで過ごしたいと考えていたという事なのだろう。
自分と同じように沢山考えてくれていたことが嬉しく、それだけで心満たされるようであったななしは顎を掴む手に擦り寄り素直に『本当に嬉しい』と心情を吐露した。
『今日は真島さんのケーキ食べましょう?明日、真島さんが良ければアタシのお家で二日連続ですけどケーキ食べましょう』
「ほな明日も一緒に過ごせるっちゅうことやな。今から楽しみやわ」
『ふふ、でもまずは今日を楽しみましょうよ。真島さん』
「せやな、まずはクリスマス…一緒に存分に楽しまなかんな」
『はい!じゃあ、早速真島さんのお家行きましょう!ケーキ楽しみです』
「おう。ほな帰ろか」
真島の手は優しく撫でるように動いた後顎から離れていくと、次はななしの左手を握った。大きな手を握り返すと微笑んだ真島に強く腕を引かれて椅子から立ち上がる。
そのままスタッフルームを出ていく真島に続いてななしも逸る気持ちを抑えて飛び出した。
『真島さん真島さん』
「ん?なんや可愛ええ顔して」
『…毎年ずっと寂しいクリスマスだったんですけど…今年は真島サンタさんが来てくれてアタシ本当に幸せです。真島サンタさんがくれる貴方と過ごす時間…なによりも嬉しいプレゼントです。本当にありがとうございます』
「ななしよかったのぉ。ななしはこれから死ぬまで毎年クリスマスに真島サンタから俺と過ごす時間貰えんで。その代わりななしサンタは俺にななしと過ごす時間をプレゼントしてな」
『ふふっ!絶対にプレゼントします。約束です』
「おう約束や」
真島の言葉がこの先もずっと恋人として一緒にいると
宣言しているようで、嬉しくてむず痒い。
しかし彼が言うのなら本当にこの先もずっとクリスマスを、いやクリスマスだけではない。色々な行事やイベントなど、沢山の時間を真島と一緒に過ごすことが出来るのであろう。
"真島と共に生きる"
生まれてきて初めて心から幸せで愛おしいクリスマスプレゼントであると、送り届けてくれた張本人である真島を見つめななしはとても嬉しそうに笑った。
(か、可愛いケーキ!サンタさんが乗ってる!)
(白くてフワフワでななしっぽいやろ?)
(確かに白くてフワフワですが、アタシっぽいですか?)
(おう、ななしかて白いしやわこいし可愛ええ。人目見てななしっぽいケーキやと思ったくらいやで)
(そ、そっかぁ。ふふふっ、嬉しい)
(……そないな可愛ええ顔しとったらケーキの前にななしの事食べてまうで)
(…ケーキ食べた後…多分アタシも食べるんでしょう?順番はどちらでもいいですよ?)
(……………)
(ま、真島さん?)
(そないな煽り文句どこで教わったんや。ホンマに先に食べんで)
(強いて言うなら真島さんに教わりました)
(今ななしを食べたらケーキ食べる体力まで無くなるかもしれへん。先にケーキ食べとき)
(はぁい)
(せやけど)
(ふぁい)
(食べ終わったら覚悟しとけよななし。朝まで離さへんで)
(っ、あ、う…はい…)
ハッピークリスマス。
この頃から真島サンタさん、ななしサンタさんって言い合ってたら可愛いと思い書きました。
真島さんやななしちゃんの願い通り毎年クリスマスを一緒に祝えていたらいいね!
『真島さん、今日もお疲れ様です』
「おう、お疲れさん。今日はしんどかったやろななし」
『そうですね、少し』
「動きっぱなしやったもんな。こっち来て座り。少し休んでから帰ろうや」
『ふふ、そうしましょう』
今日は一年の中でも一大イベントであるクリスマス。
普段よりもグランドへ訪れる客が多く、客足に伴い仕事量も格段に増えていた為、真島もななしもそれはもう忙しなのない一日を過ごしていた。
真島やななしの働きは金へ直結する為忙しければ忙しい程良いのだが、あまりにも多忙であるのも心身共に辛いもので。
やっとの思いで仕事や掃除を終えた二人は疲労と睡魔でヘロヘロであった。
しかし普段通りに働いているとは言え、今日は聖なる夜だ。世のカップルはイチャイチャと二人きりで過ごしている事だろう。
体は十分に疲れてはいたが、どうしても世の中のカップルのように少しでも長く二人きりでクリスマスを過ごしたかったななしは真島に言われたように椅子に座りながらも『あの…真島さん』と小さく切り出した。
すると真島は「ん?」と優しく微笑みななしの顔を覗き込む。
穏やかな表情の真島と目が合ったななしはキュンと胸を高鳴らせた。
『あ、あの…お疲れですか?』
「まぁ、それなりに動いたさかい。少しはな」
『そ、そうですよね…』
どこか疲れたように肩を縮めた真島。
彼の言うように一日休むことなく体を動かし、客に気を遣っていれば嫌でも心身ともに疲労するだろう。
真島だって例外では無い、クリスマスという最繁時に支配人として沢山働いたのだから。
恋人である真島とクリスマスを楽しみたい気持ちはあるものの、疲れた彼と無理をしてまで過ごすことはとても憚られた。
ここでわがままを言ってこれ以上真島を疲れさせては行けないし、休める時に十分に休ませてあげたい。
ななしは"真島と過ごしたい"、"真島を休ませてあげたい"と両極端な思いを胸に秘めてはいたが、彼に無理強いすることはなく。
このまま帰宅は少しばかり寂しいが体がなによりも大事であると己に言い聞かせて『じゃぁ、帰りましょうか』と呟いた。
今日の為に小さいが二人で食べられるケーキ…真島でも食べられそうな甘さ控えめのチョコレートケーキを用意していたのだが、この分だと一人で消費することになるのだろう。
小さいが一人で食べるには些か大きい、さてこれはどう消費すべきか。
ななしはアパートの冷蔵庫に入っているチョコレートをぼんやりと思い出しながら、真島の返答を待った。
しばしば沈黙が続いていると、隣のパイプ椅子に座っていた真島が徐に動き出し、考えに耽っているななしの顎を優しく持ち上げたのだ。
急に顎を掴まれ顔を起こされたななしは驚き『ふぁ』と素っ頓狂な声を上げてしまった。
恥ずかしさにモジモジとしていると頭上から「フッ、可愛ええ反応やな」と楽しそうに囁く真島の声が聞こえてくる。
益々顔に熱が集まり、ななしは茹でダコのようになっていた。
「ななし」
『あ、えっと…?』
「ななしはどうなんや。疲れたんやないか?」
『そ、そうですね。今日大繁盛でしたから』
「もう帰りたいか?」
『え?』
「俺はもう少しななしと一緒におりたいんやけど、ななしはもう帰って休みたいか?」
『ア、アタシも!アタシもまだ一緒にいたいです。だって今日…クリスマスですから』
「俺も一緒や。どんだけ疲れとってもななしと一緒に過ごしたい。せやから、遠慮なんてせんでやななし」
『き、気付いてたんですか』
「言い渋っとることくらい分かる。ななしの事や早く休ませてあげなって思ったんやろ?色々悩ませてすまん。ななしさえ良ければクリスマス、俺と一緒に過ごしてくれへんか?」
『は、はい!勿論。アタシもそう言いたかったから嬉しいですありがとう真島さん』
どうやら真島はななしが一緒に過ごしたいと思っているがなかなか切り出せずにいると言う事を理解していたようだ。
言い辛そうにしている様子を見て真島から先に一緒に居たいと提案してくれたのだろう。
真島も同じ気持ちでいるということが分かるとななしも自然と一緒にいたいと口にすることが出来た。
「ななし、ほな帰って一緒にクリスマス楽しもか」
『はい、一緒に楽しみましょう!』
「俺はなにが可愛ええとか、ななしが好きそうなもんもよう分からんかったんやけどな」
『うん?』
「ななしに似合いそうなケーキ買っといたんや。クリスマスらしくそれ食べて、恋人らしいことしよか」
『真島さんもケーキ用意してくれてたんですか?』
「も?なんやななしも買ってくれとったんか?」
『ふふふっ、真島さんでも食べられそうな甘さ控えめのチョコレートケーキを二人で食べようって用意してました…ふふ、でも、そっか真島さんも用意してくれてたんですね』
「考えとることは同じっちゅうことやな」
『ふふ、なんだか嬉しいです』
真島も今日の日の為に先もってケーキを購入していてくれたようだ。
つまりは最初からクリスマスを二人きりで過ごしたいと考えていたという事なのだろう。
自分と同じように沢山考えてくれていたことが嬉しく、それだけで心満たされるようであったななしは顎を掴む手に擦り寄り素直に『本当に嬉しい』と心情を吐露した。
『今日は真島さんのケーキ食べましょう?明日、真島さんが良ければアタシのお家で二日連続ですけどケーキ食べましょう』
「ほな明日も一緒に過ごせるっちゅうことやな。今から楽しみやわ」
『ふふ、でもまずは今日を楽しみましょうよ。真島さん』
「せやな、まずはクリスマス…一緒に存分に楽しまなかんな」
『はい!じゃあ、早速真島さんのお家行きましょう!ケーキ楽しみです』
「おう。ほな帰ろか」
真島の手は優しく撫でるように動いた後顎から離れていくと、次はななしの左手を握った。大きな手を握り返すと微笑んだ真島に強く腕を引かれて椅子から立ち上がる。
そのままスタッフルームを出ていく真島に続いてななしも逸る気持ちを抑えて飛び出した。
『真島さん真島さん』
「ん?なんや可愛ええ顔して」
『…毎年ずっと寂しいクリスマスだったんですけど…今年は真島サンタさんが来てくれてアタシ本当に幸せです。真島サンタさんがくれる貴方と過ごす時間…なによりも嬉しいプレゼントです。本当にありがとうございます』
「ななしよかったのぉ。ななしはこれから死ぬまで毎年クリスマスに真島サンタから俺と過ごす時間貰えんで。その代わりななしサンタは俺にななしと過ごす時間をプレゼントしてな」
『ふふっ!絶対にプレゼントします。約束です』
「おう約束や」
真島の言葉がこの先もずっと恋人として一緒にいると
宣言しているようで、嬉しくてむず痒い。
しかし彼が言うのなら本当にこの先もずっとクリスマスを、いやクリスマスだけではない。色々な行事やイベントなど、沢山の時間を真島と一緒に過ごすことが出来るのであろう。
"真島と共に生きる"
生まれてきて初めて心から幸せで愛おしいクリスマスプレゼントであると、送り届けてくれた張本人である真島を見つめななしはとても嬉しそうに笑った。
(か、可愛いケーキ!サンタさんが乗ってる!)
(白くてフワフワでななしっぽいやろ?)
(確かに白くてフワフワですが、アタシっぽいですか?)
(おう、ななしかて白いしやわこいし可愛ええ。人目見てななしっぽいケーキやと思ったくらいやで)
(そ、そっかぁ。ふふふっ、嬉しい)
(……そないな可愛ええ顔しとったらケーキの前にななしの事食べてまうで)
(…ケーキ食べた後…多分アタシも食べるんでしょう?順番はどちらでもいいですよ?)
(……………)
(ま、真島さん?)
(そないな煽り文句どこで教わったんや。ホンマに先に食べんで)
(強いて言うなら真島さんに教わりました)
(今ななしを食べたらケーキ食べる体力まで無くなるかもしれへん。先にケーキ食べとき)
(はぁい)
(せやけど)
(ふぁい)
(食べ終わったら覚悟しとけよななし。朝まで離さへんで)
(っ、あ、う…はい…)
ハッピークリスマス。
この頃から真島サンタさん、ななしサンタさんって言い合ってたら可愛いと思い書きました。
真島さんやななしちゃんの願い通り毎年クリスマスを一緒に祝えていたらいいね!