ミニ小話
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『あ、雪ですよ吾朗さん』
「ん?」
ななしの明るい声に反応した真島は机から顔を起こした。
こちらを背にして大きな窓の外を眺めているななしは空からチラチラと降ってきた雪にとても楽しそうにしている。
『積もりますかね〜』
「ヒヒッ、どやろなぁ」
今のななしの背景に効果音を付けるなら"ドキドキワクワク"だろうか。
そんな文字が浮かんで見えるほど今のななしは無邪気で子供のようにはしゃいでいる。どうやら珍しい雪を見てとてもテンションが上がっているらしい。
期待が入り交じったななしの言動に真島の口角も自然と上がってくるようであった。
出会った頃から比べると随分と大人の女性になったがまだ子供らしい部分の残っているななしは真島からみてそれはもう愛らしい。
雪で嬉しそうにはしゃいでいるななしの大人なのに子供っぽい後ろ姿に庇護欲が掻き立てられ、思わず立ち上がった真島はボールペンを机に投げ捨て窓の側へと歩みを進めた。
そのまま楽しそうにしているななしを囲うように脇から腕を入れ窓に手を置く。
胸や腹をななしの背中にくっつけるように密着し、彼女のフワフワの髪に鼻先を埋めると『あ、吾朗さん』と穏やかな声が聞こえた。
『ふふっ、雪ですよ!白くなりますかね?』
「どやろなぁ、せいぜい道の端が白くなるくらいやないか?」
『確かに毎年それくらいですもんね!でも贅沢言うならもう少ーしだけ積もってもいいなぁって思ってます』
「積もってもええ事なんてないやろ。危なっかしいお前の事や、はしゃいで転ぶのが目に見えとる」
『こ、転びませんよ!大人なんですから』
「大人は雪が積もって欲しいなんて言わんやろ」
『え〜そうですか?雪合戦とかしたくないですか?ちっちゃい雪だるま作って飾りたくないですか?』
「ヒヒッ、やっぱり子供やないかい」
『ふふっ、そんなこと言って…雪が積もったら誰よりもはしゃぐくせに』
「そらななしがはしゃいどったら俺かて全力ではしゃぐやろ」
『なにそれ、可愛い。吾朗さんが全力ではしゃぐ姿見たい』
「ヒヒッ、積もるとええのぉ」
『ふふ、そうですねぇ』
ななしが嬉しそうにはにかみながらこちらを見あげ凭れかかった。
胸や腹にななしの着ている服の感触が伝わりとても擽ったい。
『こうして雪を眺めるとですね、今年ももう終わりかぁって思います』
「年末にはまだ早いで。まだまだ色々あるやろ」
『んー。あ、クリスマスとか』
「せや。一年の中でも結構なイベントや」
『一大イベントですね!』
「おう、ほんで今年はなんか欲しいもんあるんか?」
『欲しいもの…欲しいもの…うーん…』
「毎年お前がそんなんやさかい、真島サンタが困っとんやで。はよ欲しいもん考えとき」
『ふふっ!真島サンタさん困ってるんですか?それじゃ、しっかり考えないとですねぇ』
「もっと物欲を持てななし。真島サンタが格好つかんやろ」
『安心して?いつもカッコイイんですから』
「…お前なぁ。まぁ、ええ。ちゃんと考えて報告しいや?」
『はぁい。ちなみに吾朗さんはななしサンタさんに何を頼むんですか?』
「俺か?俺はもう決まっとんで」
『そうなんですか?じゃあ、聞かせてください』
「俺が欲しいもんは一つしかあらへん」
『なるほど!なるほど!どんなものですか?』
「ななしや」
『ふむふむ、ななし…ん?ななし?』
「おう、ななしや」
『アタシ?』
「おう」
『それは物じゃないでしょう?それにそんなような事毎年言ってるじゃないですか!もっとちゃんとお強請りして下さい!』
「よぉ言うわ。ななしこそ物強請らんくせに」
『アタシは本当に欲しい物はなくて…』
「俺かてななしが居ればなんもいらんわ」
『ご、吾朗さん…んっ』
真島は小さい体を余すことなく抱きしめ、戸惑うななしの顎を掴み強引に唇を奪った。
ななしがそうであるように真島もクリスマスだからといって特別何かプレゼントが欲しいわけではない。
どんな時も、イベントであろうがなかろうが。恋人であるななしと共に過ごせるというならそれだけで満足なのだ。
『んはぁ…もう…じゃぁ、アタシのプレゼントも吾朗さんがいいです。いいですよね?真島サンタさん』
「ヒヒッ…そうくるか」
『そりゃそうですよ!ちゃんと吾朗さんをプレゼントして下さいね!』
「ほな俺もななしをプレゼントしてくれんの楽しみにしとるで」
『ふふ、しょうがないなぁ。じゃぁ、特別ですよ?』
「おう、今から楽しみにしとるで」
『アタシも』
ななしには真島を、真島にはななしを。
お互いそれぞれプレゼントすることとなった。
はたしてどんなクリスマスになるのだろうか。
毎日お互いを求め合っているのだから日常とさほど変わらない…などと野暮なことは言わずに一年に一度しかないクリスマスという日を楽しむ事にしよう。
真島もななしも同じ事をぼんやりと考えたが、あえて口に出すことはせずにそっと見つめ合い笑いあった。
日常と変わらなくても愛おしい人と過ごせる特別な日だ。
真島もななしもクリスマスに思いを馳せ、楽しみであると緩やかに笑った。
「ん?」
ななしの明るい声に反応した真島は机から顔を起こした。
こちらを背にして大きな窓の外を眺めているななしは空からチラチラと降ってきた雪にとても楽しそうにしている。
『積もりますかね〜』
「ヒヒッ、どやろなぁ」
今のななしの背景に効果音を付けるなら"ドキドキワクワク"だろうか。
そんな文字が浮かんで見えるほど今のななしは無邪気で子供のようにはしゃいでいる。どうやら珍しい雪を見てとてもテンションが上がっているらしい。
期待が入り交じったななしの言動に真島の口角も自然と上がってくるようであった。
出会った頃から比べると随分と大人の女性になったがまだ子供らしい部分の残っているななしは真島からみてそれはもう愛らしい。
雪で嬉しそうにはしゃいでいるななしの大人なのに子供っぽい後ろ姿に庇護欲が掻き立てられ、思わず立ち上がった真島はボールペンを机に投げ捨て窓の側へと歩みを進めた。
そのまま楽しそうにしているななしを囲うように脇から腕を入れ窓に手を置く。
胸や腹をななしの背中にくっつけるように密着し、彼女のフワフワの髪に鼻先を埋めると『あ、吾朗さん』と穏やかな声が聞こえた。
『ふふっ、雪ですよ!白くなりますかね?』
「どやろなぁ、せいぜい道の端が白くなるくらいやないか?」
『確かに毎年それくらいですもんね!でも贅沢言うならもう少ーしだけ積もってもいいなぁって思ってます』
「積もってもええ事なんてないやろ。危なっかしいお前の事や、はしゃいで転ぶのが目に見えとる」
『こ、転びませんよ!大人なんですから』
「大人は雪が積もって欲しいなんて言わんやろ」
『え〜そうですか?雪合戦とかしたくないですか?ちっちゃい雪だるま作って飾りたくないですか?』
「ヒヒッ、やっぱり子供やないかい」
『ふふっ、そんなこと言って…雪が積もったら誰よりもはしゃぐくせに』
「そらななしがはしゃいどったら俺かて全力ではしゃぐやろ」
『なにそれ、可愛い。吾朗さんが全力ではしゃぐ姿見たい』
「ヒヒッ、積もるとええのぉ」
『ふふ、そうですねぇ』
ななしが嬉しそうにはにかみながらこちらを見あげ凭れかかった。
胸や腹にななしの着ている服の感触が伝わりとても擽ったい。
『こうして雪を眺めるとですね、今年ももう終わりかぁって思います』
「年末にはまだ早いで。まだまだ色々あるやろ」
『んー。あ、クリスマスとか』
「せや。一年の中でも結構なイベントや」
『一大イベントですね!』
「おう、ほんで今年はなんか欲しいもんあるんか?」
『欲しいもの…欲しいもの…うーん…』
「毎年お前がそんなんやさかい、真島サンタが困っとんやで。はよ欲しいもん考えとき」
『ふふっ!真島サンタさん困ってるんですか?それじゃ、しっかり考えないとですねぇ』
「もっと物欲を持てななし。真島サンタが格好つかんやろ」
『安心して?いつもカッコイイんですから』
「…お前なぁ。まぁ、ええ。ちゃんと考えて報告しいや?」
『はぁい。ちなみに吾朗さんはななしサンタさんに何を頼むんですか?』
「俺か?俺はもう決まっとんで」
『そうなんですか?じゃあ、聞かせてください』
「俺が欲しいもんは一つしかあらへん」
『なるほど!なるほど!どんなものですか?』
「ななしや」
『ふむふむ、ななし…ん?ななし?』
「おう、ななしや」
『アタシ?』
「おう」
『それは物じゃないでしょう?それにそんなような事毎年言ってるじゃないですか!もっとちゃんとお強請りして下さい!』
「よぉ言うわ。ななしこそ物強請らんくせに」
『アタシは本当に欲しい物はなくて…』
「俺かてななしが居ればなんもいらんわ」
『ご、吾朗さん…んっ』
真島は小さい体を余すことなく抱きしめ、戸惑うななしの顎を掴み強引に唇を奪った。
ななしがそうであるように真島もクリスマスだからといって特別何かプレゼントが欲しいわけではない。
どんな時も、イベントであろうがなかろうが。恋人であるななしと共に過ごせるというならそれだけで満足なのだ。
『んはぁ…もう…じゃぁ、アタシのプレゼントも吾朗さんがいいです。いいですよね?真島サンタさん』
「ヒヒッ…そうくるか」
『そりゃそうですよ!ちゃんと吾朗さんをプレゼントして下さいね!』
「ほな俺もななしをプレゼントしてくれんの楽しみにしとるで」
『ふふ、しょうがないなぁ。じゃぁ、特別ですよ?』
「おう、今から楽しみにしとるで」
『アタシも』
ななしには真島を、真島にはななしを。
お互いそれぞれプレゼントすることとなった。
はたしてどんなクリスマスになるのだろうか。
毎日お互いを求め合っているのだから日常とさほど変わらない…などと野暮なことは言わずに一年に一度しかないクリスマスという日を楽しむ事にしよう。
真島もななしも同じ事をぼんやりと考えたが、あえて口に出すことはせずにそっと見つめ合い笑いあった。
日常と変わらなくても愛おしい人と過ごせる特別な日だ。
真島もななしもクリスマスに思いを馳せ、楽しみであると緩やかに笑った。